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無意識と意識と潮流と〜明治安田生命J1リーグ第25節 サガン鳥栖 vs ガンバ大阪 マッチレビューと試合考察〜

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熱い魂!

 

…ばりにスマホが熱い。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第25節、サガン鳥栖vsガンバ大阪の一戦です!

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

7戦未勝利からの8戦無敗……良くも悪くも、今年のガンバはある意味で流れに素直な推移を辿ったと言える日々を過ごしてきました。この8戦無敗は果たして、未勝利からの脱出という一つの"解放"がもたらしたブーストなのか、それとも7戦未勝利の頃からダニエル・ポヤトス監督が浸透させようとしてきたサッカーの醸成が叶った結果なのか…そこは一部問われるところがあったと思います。

だからこそ第23節横浜FM戦で敗れ、その流れが止まった中で迎えた第24節湘南戦はその部分に対する一つの解が問われるゲームでもありました。そこでガンバが見せたのはパーフェクトゲーム…では無かったものの、就任当初からポヤトス監督が強調し、浸透させようと常に働きかけ続けてきた意識は最も表れていたゲームだったように思います。8戦無敗は流れじゃなく、実力だと……声高々にそう叫ぶ為、夏を超えて秋を使う先へとの疾走を見せてほしいところ。止まった連勝はまた紡いでこそ!

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節湘南戦からスタメンの変更は2人。アラーノともう一人のWGには今日は食野亮太郎が入り、CBは第22節川崎戦から戦列に復帰している佐藤瑶大が負傷退場となった第17節FC東京戦以来のスタメン復帰となりました。前節のベンチメンバーからは福田湧矢と唐山翔自が外れており、鈴木武蔵と山見大登が共にベンチメンバーに復帰。鳥栖ユース育ち、鳥栖から今夏に新加入した中野伸哉もいきなりの古巣対決でベンチ入りを果たしています。石川慧も実は古巣対決。

対する鳥栖は1-2で敗れた前節鹿島戦からはスタメンを1人変更。岩崎悠人が外れた左サイドには菊地泰智が先発に復帰しており、前期のガンバ戦でスーパーゴールを叩き込んだ樺山諒乃介が第20節C大阪戦以来のベンチ入りを果たしています。小野裕二は古巣対決です。

 

 

 

本日の会場は佐賀県鳥栖市、駅前不動産スタジアムです。

駅から近い駅前スタジアムでお馴染みのこの場所。そのアクセスの良さと見易さ・臨場感はJリーグファンの中でも人気の高いスタジアムの一つとして知られています。近年はロッカールームを含めて、よりサガン鳥栖にコミットしたような装飾にもなってますね。

ガンバにとっては一時はこのスタジアムがかなり鬼門だった時期もありました。初対戦となった2012年以来、2013年を除く2019年までの7試合で1勝6敗を喫し、もうほんとベアスタ(昔の名称)嫌いでした…が、2020年以降は2勝1敗で勝ち越して鬼門感は払拭されつつあるところ。逆に2021年はガンバ、2022年は鳥栖のシーズンダブルでしたね。ちなみに2017年、2018年の対戦はいずれも今日と同じ8月26日の対戦で、2017年はこのスタジアムでの初勝利(そこから半年リーグ戦未勝利に陥る)、2018年はフェルナンド・トーレスJリーグを初ゴールを決められる等々…。

そういえば今年のホーム開幕戦の相手は鳥栖でしたね

 

 

最初の決定機は開始早々の3分。ディフェンスラインで鳥栖のビルドアップに山本悠樹がプレスをかけると連動して動いたネタラヴィがカット。れをフォローしたイッサム・ジェバリが自らGKと1対1に持ち込みましたが…ここはGK朴一圭がファインセーブ。鳥栖も6分にチャンスを迎え、右サイドでボールを持った原田亘がカットインからシュートを放ちますが、シュートが味方の堀米勇輝に直撃する形になってゴールには至らず。

それでも前半は前節同様にガンバが高い位置でボールを持つ時間を長く作れており、11分にはファン・アラーノのパスを受けた黒川圭介のクロスをファーサイドでダワンがヘッド。18分にも右サイドを走ったアラーノが、19分にも左からカットインしたジェバリがシュートに持ち込みますが…いずれもGK朴が立ちはだかり…。

 

 

 

給水タイム後は鳥栖が押し出してくるような場面も増えた事で序盤のようなシュートラッシュとは行きませんでした。しかしポヤトスガンバ の最近のポイントとしては、ポヤトス体制で醸成した意識をカウンターに転用出来ているところも大きく、それゆえに37分にはネタラヴィが自陣でボールを奪ってからカウンタードリブル。それに抜け出したジェバリが更に持ち運ぶと、少し減速させたジェバリを追い越して食野がGK朴との1対1の決定的な場面を迎えますが……今日のパクイルギュは鬼神なのか、またしても彼のゾーンの中へ…。

ガンバは全体的に良いリズムで前半をプレーし続けていましたが、数々の決定機は度々GK朴に阻まれ、そして鳥栖にも何度かピンチを作られるなど、良いけど安心は出来ない展開で後半へ。

 

 

鳥栖は後半から堀米を下げて富樫敬真を投入。後半もガンバは高い位置から積極的にプレスをかけつつ、単なるショートカウンターというよりも的確に速度の調節とスペース管理をしながらのプレーを行う事でリズムは掴んでいました。

しかし58分には鳥栖ルーズボールの争いを制してカウンターを仕掛けると、左サイドでボールを持った冨樫の折り返しに手塚康平が走り込みましたが、この決定機は福岡将太が好対応で阻止。直後のCKも長沼洋一に合わせられますが、シュートはどうにか枠の外へ。

 

 

 

しかし徐々に鳥栖が翻す流れになりつつあった61分、ぼんやりした不安は現実のものとなりました。61分、原田が前線に送ったロングボールに長沼が黒川を振り切る形で抜け出すと、GK東口順昭との交錯の末にボールは長沼へ転がる形に。無人のゴールを遮るものはなく、そのまま長沼が押し込んで鳥栖が先制…。

 

 

ガンバは66分にジェバリと髙尾瑠を下げて宇佐美貴史、そしてデビュー戦となる鳥栖から獲得した中野を右SBとして投入。しかしカウンター狙いをかなり明確にしてきた鳥栖の前に、ガンバは攻撃もカウンター時の守備対応をピッチを大きく回るように走らされる事態になってきて、鳥栖は少しずつリード時の試合運びとして巧い回転を見せるようになってきました。83分にはネタラヴィと食野を下げて石毛秀樹と山見大登を投入。ガンバは最後の反撃に打って出ます。

87分には山見のドリブルから右サイドのアラーノへ展開すると、アラーノのクロスに飛び込んだのは山見!しかし去年の鳥栖戦を彷彿とさせる瞬間は、山見のシュートが惜しくも枠外に逸れる形でノーゴールに。アディショナルタイムには石毛のCKから佐藤が頭で合わせ、更に宇佐美もミドルシュートを放ちますがゴールには至らず。宇佐美のミドルが相手に弾かれて得たCKではGK東口も攻撃に参加しますが最後に宇佐美が入れたクロスボールはGKに掴まれて…。

 

 

 

そのボールはクリアされ、ガンバ陣内奥深くへ。誰もが鳥栖のボールキープとタイムアップを確信した瞬間でした。サイドでボールを奪うと山本は一縷の望みをかけて一気にロングボール。これを鈴木が相手DFを引き付けた上で潰れ役として競り勝つと、ファン・ソッコと入れ替わる形で一気に抜け出したのは山見!2年前、真夏の救世主と呼ばれた男は苦しい時期を過ごしましたが、ガンバが20本シュートを放てども崩せなかった朴一圭の壁を撃破!!!!

 

 

同点に追いついたその瞬間にタイムアップ!!

ガンバ、土壇場であまりにも劇的な同点劇を演じてみせました!!!!!

 

 

 

前半の内容は素晴らしかったと思います。何度もこのブログでも書いてますしポヤトス監督も常々言及している事ですが、ポゼッションやビルドアップはあくまで手段の一つに過ぎず、その上でどういうスペースを能動的に活かしていくかがポヤトス監督がこのチームに徹底して浸透させようとしている意識であって、その意識が無意識レベルにまで浸透している事を感じられたのが前節湘南戦であり、そして今日の前半だったように思います。その意味では前半のサッカーは素晴らしく有機的にチーム全体が動けていましたし、少し鳥栖が押し込んできた時間も、その無意識な意識をカウンターにスムーズに転用出来ていた。基本的な内容のベースとしては、今やもうそんなに文句を付けるようなところもないのかなと。

となると、やはり上位に行けるかどうかは詰めが大事になってくる。ガンバはどうしても後半にガクッと落ちてしまうところがあるんですよね。それはおそらく、ガンバは植えつけた意識がナチュラルまで浸透したから、おそらく大体どのような相手でも同じようなサッカーが出来るようになった反面、試合の中での緩急を付けるには弱いところがある。それで後半に劣勢を強いられる場面が多くて、現状としては「前半に点を取りきらないと苦しい」という側面があるんですね。今日でいえば、前半の内容は文句なかったのに相手GKの無双が光ってことごとく阻止された……今日は「朴一圭が凄過ぎた」と言えるかもしれませんが、これからは前半は割り切って専守防衛を敷いてくるチームも出てくるでしょうし、そうした相手と対峙してどうなるかという課題は今日にしても、或いはこれまでの勝ち試合にも共通して言える事だったんだろうと思います。

 

 

ただ、それでも今日大きかったのはこれまでのガンバで少なかった「交代選手が点に絡んだ」というところです。

点を取ったのは山見でしたし、記録としてアシストが付くかどうかはわかりませんが、鈴木のプレーは記録にはならなくてもアシストと呼びたいプレーだった。山本を起点に途中出場の2人で点を取ってみせた訳で、そこで一つ結果を提示してくれたのは今後に対しても相当大きかったと思います。前述したような課題は第22節川崎戦然り、アディショナルタイムに点が取れたからといって解決した訳ではないけれど、逆にそういう課題を抱えた中でもああいう胆力を持ち直し始めたのは、難しい理屈よりもエモーショナルな喜びは感じさせてくれるものでした。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

明治安田生命J1リーグ第25節分は京都サンガFCvsアビスパ福岡のマッチレビューページに記載しています。

 

 

朴一圭、E-1は代表入ってほしい

ではでは(´∀`)