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原理原則のその前に〜明治安田生命J1リーグ第4節 ガンバ大阪vsサンフレッチェ広島 マッチレビュー〜

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昼はJリーグ、夜はWBCの黄金スケジュール

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第4節、ガンバ大阪vsサンフレッチェ広島の一戦です!

 

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開幕からの2試合をドローながらもポジティブな試合内容で戦ったポヤトス・ガンバの船出に大きなショックが与えられたのは忌まわしき3月4日の出来事でした。神戸戦…その試合はまるでバールのようなもので後頭部を殴られたかのような感覚。夢見がちなファンを現実に戻すには十分な一撃…いえ、四発でした。

しかしそれでも、ショックを拭いきれないままシーズンが転がっていくことの恐ろしさを時間と共に刻み込まれていった昨季の記憶が生々しく残るガンバにとって、早くその悍ましい渦から抜け出していく事は不可欠です。その点で言えば、大胆なターンオーバーではないメンバーで構成されたルヴァン杯京都戦…相手のメンバー構成はあれど、ポジティブな内容にポジティブな結果がついてきた90分の快感は大きなものでした。

さぁ、後はリーグ戦です。後はホーム戦です。プロクラブたるものリーグで、そしてホームで勝つべし。時代を糧に過程のレールを作っていけば、後はそこに列車を走らせていけば良い。いろいろな作業を並行していかなければならない難しさはありますが、随所に見せてくれるポジティブな光の先を信じて進んでいくのみです。

両チームスタメンです。

 

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神戸戦からのスタメン変更は5人で、髙尾瑠、山本悠樹、山見大登、イッサム・ジェバリではなくそれぞれのポジションに半田陸、ダワン、福田湧矢、鈴木武蔵を起用。特に福田はリーグ戦では18人枠に入る事も初めてで、ルヴァン杯での活躍がそのまま評価される形になりました。そしてGKにはここまでの2試合で起用された谷晃生ではなく東口順昭がスタメン復帰。GK争いは激化の一途を辿っています。基本的にはルヴァン杯京都戦のスタメンがベースで、神戸戦からは5人メンバーが変わっていますが、京都戦のスタメンからは宇佐美貴史とネタ・ラヴィの2人をスタメンに含んだ形となりました。

対する広島は第2節新潟戦の後半から採用した2トップシステムで今日もスタート。スタメンは1-1のドローに終わった前節横浜FM戦からの変更はなく、満田誠も引き続き右WBとしての出場になっています。ベンチには広島のレジェンド、青山敏弘が今季初めてベンチ入りを果たしました。

 

 

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

ここまでの公式戦4試合のうちの3試合がアウェイでしたので、今季…ポヤトス体制でのホームゲームは第2節鳥栖戦以来2試合目です。本日は「春のファンまつり」と称した毎年恒例のイベントシリーズとして開催されており、本日は必ずモフレムチョコレートをもらえる抽選会も実施されます。今季のパナスタではヒビノ株式会社製の新型ビジョンが導入されましたが、横型である事を利用した映像演出であったり、セットプレー時にはキッカーとエリア内の競り合いを同時中継するなど、ガンバが力を入れているエンターテイメントとしてのサッカー観戦体験の向上に様々な施策を狙っています。

 

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試合は想定外の展開を迎えます。

開始2分でした。左サイドから東俊希が絶妙なボールをエリア内に入れると、走り込んだ森島司の変態トラップからの折り返しに最後はファーサイドのベン・カリファが押し込んで広島が先制。今季未勝利同士の対決は広島がまず先手…。

 

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8分には野津田岳人ミドルシュート。これはGK東口がファインセーブで凌ぎますが、そのプレーで与えたCKでも佐々木翔にヘッドを放たれてしまい。このシュートは僅かに枠を逸れましたが、後方からビルドアップしたいガンバは広島のハイラインとハイプレスの前にボールを失う場面が相次ぎ、結果的にボールポゼッションも多くの時間を広島に許す形になってしまいます。

それでも15分を過ぎ始めるとネタ・ラヴィや宇佐美貴史が前を向いてボールを持てる場面が増えれば、左サイドで福田が前にグッと出ていくような動きを見せ始めた事で少しずつ形勢を押し返そうとしていきました。

 

 

 

それでもガンバは徐々にマイボールの時間こそ増えていきましたが、なかなかアタッキングサードでのシュートチャンスには持ち込めず、広島も状況としては少し構えやすい展開にもなっていってしまいます。そんなガンバの最初の決定機は34分。アラーノのアーリークロスは相手DFに当たって少しコースが変わりましたが、一瞬のスピードでニアに食い込んだ鈴木がダイレクトで合わせて…!と思いましたが、これは枠を捉えられず。

43分にも宇佐美のフリーキック三浦弦太が低いボールを頭で合わせますが、どちらかと言えば折り返しに近かったヘッドには誰も詰められないままラインアウト。逆に44分には左サイドで広島が得たFKで満田誠が入れたクロスボールをファーサイドで押し込まれてネットが揺れますが、これはその前のソティリウのところでオフサイドとなってガンバは事なきを得ます。前半は1点ビハインドで終了。

 

 

広島は後半からソティリウを下げて松本泰志を投入し、2トップから3-4-2-1のシステムにシフトさせます。

後半のガンバは宇佐美が高い位置でボールを持てるようになった事で、チームとして前線に進むビジョンがクリアになったような形になりました。まず前線で宇佐美に預ける事、そこから福田が左サイドで切れ味鋭いプレーを連発した事でチームとして押し上げる事が出来るようになり、広島に押し返される時間もありながらも、左サイドを中心に福田、そしてセンターの鈴木が良い形でボールに絡める回数も増えて行く事で循環は生まれ始めていきました。

 

 

 

それでもなかなかシュートまでは持ち込めなかったガンバも65分に半田陸のクロスを収めた鈴木、67分にもアラーノがシュートチャンスまで持ち込むと試合の流れはグッとガンバへ。

そして70分、ハーフェーライン付近から福田がアウトサイドの絶妙なロングスルーパスを放つと、抜け出した宇佐美が対応に当たった荒木隼人を交わして冷静にショット!!結局ガンバファンはこの男のゴールを見たい……背番号7、宇佐美貴史のゴールがパナスタで初めてアナウンスされてガンバ同点!

 

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1-1になってからはお互いにとってかなりオープンな試合展開になっていきました。広島は後半から投入した松本を下げて右WBに中野就斗を投入して満田を中央にスライド。ガンバも福田とダワンを下げて食野亮太郎と山本理仁、半田とアラーノを下げて髙尾瑠と山見大登を次々と投入。82分には宇佐美のスルーパスに抜け出した鈴木が特大の決定機を迎えるもGK大迫敬介のスーパーセーブに阻まれ、その直後には宇佐美自身もチャンスを得ますがここも大迫がシャットアウト。

 

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85分には宇佐美が負傷退場で山本悠樹との交代を余儀なくされるアクシデントが発生。

それでも終盤は両チームハイテンション。構築段階の失うもののなさで攻めるガンバと、立ち返るところを持つ広島の殴り合いのような終盤戦は実にスリリングな攻防が繰り広げられました。しかし……ラストワンプレー、東口のラヴィへのパスがミスとなり掻っ攫われると、ベン・カリファをカバーに入ったラヴィが倒すしてでも止めるしかなくなってしまってPK献上。

 

 

 

………THE END。

 

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内容面を問うのであれば……ある意味では柏戦、鳥栖戦ルヴァン杯京都戦と比べて、やりたい事ややろうとしている事にトライしようとしながらも、ちょっと結びつき切れていないようなところを感じましたね。後半は内容的には面白い試合でしたし、おそらく私がガンバも広島も応援していない立場なら純粋にこの後半をスリリングで楽しい…と叫んだのでしょうが、これまでの試合と比べると、ややその徹底しようという意識は希薄だったようにも思いました。

それは別に選手の意欲が無いとかそういう意味ではなくて、それこそ神戸戦の大敗やリーグ戦で勝てていない事実がプレッシャーとして生じた事、ましてやガンバは昨季の今頃も似たような事を言われて最後は転がり落ちていった訳ですから、ポヤトス監督も指摘していたメンタリティの部分で……やっぱりそこはどうしても、セーフティーかチャレンジからの選択を間違えやすい土壌になってしまっているんでしょうし、開始早々の失点劇のようなふわふわ感はある種、それが一周回った形…と表現するべきなのかもしれません。選手の自信喪失感というか、ポヤトス監督の指摘する事の深刻さはちょっとここまでの4試合で一番強く感じるゲームでしたね…。逆に言えば広島は昨季からこのサッカーを貫いて、自信もあるし一貫した心理状態を常に発露できるチームになった訳で、それゆえにガンバが押し込む時間帯になっても自分達のスタイルを乱す事なく最後のPK獲得に繋げた…みたいなコントラストもありましたし…。

 

 

 

個々のパフォーマンスでは光るものがあったと思います。ダワンのピッチ全体に対するフォロー力であったり、宇佐美が確実にボールを収めてくれるところであったり、福田が鋭いプレーを連発したり。その点で言えば、終盤戦は意図した展開ではなかったでしょうけど、まだ前に出ようとする姿勢を見せたところは救いだったのかな、とも感じています。

ポヤトス監督が語った「昨年までのガンバは個々の能力は高いのに、試合のなかで不都合な現象が起きた時に、(自分たちがやろうとしているサッカー、プレーが)できなくなるまでのスピードがすごく速かった。自分たちにとってよくないことが起きた時のリバウンドメンタリティや、トライし続けるメンタリティが足りていない」という言葉はまさしくその通りで、その病巣を拭い去る事は「気持ちの持ちよう一つ」で解決できるほど簡単じゃない。産みの苦しみを経る前に巣食われた膿を出す苦しみを味わう必要がある訳で、そうじゃないと痛みは疼き続ける。"精神論"というと安い表現になる時もありますが、原理原則より前のところはこのクラブは考えなければならないのでしょうし、それはポヤトス監督も最も考えている事なのでしょう。意外と一つの勝つ事がころっと状況を変えてしまうこともあるので、そういう意味でも取っておきたいゲームでしたが…。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

明治安田生命J1リーグ第4節分は湘南ベルマーレvs京都サンガFCの試合のマッチレビューページに記載しています。

 

 

大谷おかしいよ…

ではでは(´∀`)