RK-3はきだめスタジオブログ

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ペンタゴンの真ん中〜2025明治安田J1リーグ第4節 東京ヴェルディ vs ガンバ大阪 マッチレビュー&試合考察〜

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何気に今のところリアタイできたのダービーだけなのよね

 

どーもこんばんは

 

 

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第4節、東京ヴェルディ vs ガンバ大阪の一戦です!

 

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「この物語には美しい続きがある」──そう信じていたのは去年の暮れ、2024年のガンバ大阪には興奮があり、希望があり、魂があり、そして夢があった。それは今もその日が潰えた訳では決してないでしょう。

しかしながら、今ガンバの目の前を覆うものは試練と佳境そのものです。ダービーの開幕戦というあまりにも仕上がった舞台で盛大で噴出した不安点は、続く福岡戦こそ倉田秋という偉大なベテランの大奮闘により勝利したものの、第3節岡山戦では再び暗夜へと突き落とした……クラブは満田誠の獲得という大きな移籍を発表したとはいえ、このヴェルディとの試合はチームとして物事がうまく回らない中で宇佐美貴史中谷進之介という飛車格を欠いた状態でプレーしなければなりません。それでもこの道の先には光があると信じてもがき、オリジナル10をどうにかこじ開け、飛田給から帰る時には笑顔が弾けていると信じて…。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節岡山戦から3人変更。中谷進之介が前節から離脱しているのでCBは今日も福岡将太と江川湧清のコンビを継続。そして今日は新たに宇佐美貴史も離脱することになった為、倉田秋をトップ下、古巣対戦となる山下諒也を左に変更した上で岸本武流を右に起用しています。ベンチには負傷離脱していたファン・アラーノが今季初のメンバー入り。そして直前に広島から加入した満田誠がいきなりベンチ入りを果たしています。

一方のヴェルディは初勝利となった前節町田戦と同じスタメンを起用。ベンチメンバーも一人の変更のみとなっています。スタメンの山見大登とベンチ入りした福田湧矢は初めての古巣対戦。ベンチには食野亮太郎の弟でガンバU-23でもプレーしていた食野壮磨も入っています。

 

 

 

本日の会場は東京都調布市味の素スタジアムです。

 


 

2001年の開場よりFC東京と開場と時を同じくして川崎から東京に移転したヴェルディの2クラブが共用でホームスタジアムとして使用。調布市自体はFC東京のホームタウンでもあるので会場周辺はFC東京色の強い装飾となっていますが、近年はブランディングにも取り組んでいるヴェルディ主催試合では独自の演出も印象的になっています。ヴェルディは開幕戦が国立開催だったので味スタでのホームゲームは今季初めてです。

スタジアムには味スタと共に東京五輪に会場となった武蔵野の森総合スポーツプラザが位置しており、この試合ではそこをメインアリーナとするBリーグアルバルク東京のマスコットが「TOKYO UNITE」の企画として参加。来場者には先着でフラッグも配布されます。

 

 

 

ヴェルディは立ち上がりから高い位置にラインを保ち、2シャドーがガンバのCB-SB間をしっかり埋めるようにプレスをかけるところから連鎖的にチェックしていく事でヴェルディがガンバ陣内で長くプレーしている状態を作っていました。

そうなるとガンバはビルドアップをしようにもなかなかボランチへのパスコースを見出していく事ができず、かといって前線のジェバリに当てて収める…という事もなかなか出来ないまま、攻撃の開始地点が設定できない難しい状態が続いていきます。

 

 

 

チャンスを多く作ったのもヴェルディでした。10分には右サイドを抜け出した宮原和也のクロスをファーサイドに新井悠太が走り込んでシュートを放てば21分には齋藤功佑が鋭いミドルシュート。いずれも枠の外に外れてなんとか失点は回避します。しかしヴェルディに押し込まれる時間が続いていた中で、ヴェルディの前線の選手の撹乱する動きをなかなか捕まえきれずに苦しい時間が続いていました。

ガンバも少しずつボランチにボールが入る場面が増え始めると、ネタラヴィや倉田がボールを持ち出してチームに推進的な流れを生み出せるようなアプローチを施していきましたが、2人の動きに対してチーム全体で連動していくことがなかなか出来ず、効果的な攻撃には結び付かず。

とはいえ守備に関しては苦しい時間が続きながらも、最後の最後にエリア内に入るところではしっかりとコースを締める事は出来ており、前半は0-0で終えます。

 

 

既に千田海人と山田剛綺が前半で負傷退場して松橋優安と染野唯月を投入していたヴェルディは後半から山見を下げて福田を投入。対するガンバは負傷の疑いがある江川を下げて移籍後初出場の佐々木翔悟、そして岸本を下げて広島からの移籍が発表されたばかりの満田を送り込みます。

2列目の配置を山下を右、倉田を左にして満田をトップ下に入れる形に変更したガンバでしたが、よりいつもに近い形に戻した事で前半から動きが良い数少ない選手だった倉田がサイドでポイントを担保できるようになり、山下も本来の右サイドでスピードを出せる場面が増える形に。なにより満田がボランチ、WG、CFの間のポジションを埋めるように精力的な動きを見せた事で攻撃の流れは少しずつ生まれ始めていきました。

 

 

 

決定的な場面がお互いに少ない試合でしたが、70分前後になるとガンバはシュートを連続で3〜4本打ち込むような波状攻撃を仕掛ける場面があり、ヴェルディルーズボールを処理しきれなかった佐々木を突いた福田の絶妙なパスから新井が決定機を迎えますが、ここはカバーに入った福岡がナイスディフェンスでどうにか阻止。直後にも再びガンバに波状攻撃のターンが生まれると、80分には満田のFKに合わせたジェバリのヘッドがポスト直撃。徐々に動き始めた試合は終盤にもつれ込みます。

 

 

 

ガンバは79分に美藤を下げて鈴木徳真、84分に倉田を下げてファン・アラーノを投入。

すると86分でした。右サイドで満田のパスを受けた山下が右から左に横断するようにラン。ジェバリのポストプレーを受けて山下が左にパスを出すと、今季初出場となったアラーノのエンジェルクロスに飛び込んだジェバリがヘッド!!コンディションが整わず苦しい時期を過ごした2人の鮮やかなコンビネーションで遂にガンバ先制!!!!

 

 

1点のリードを奪ってからはヴェルディがより前にインパクトを出そうとしましたが、最後のところはガンバもしっかりと弾き返しながらうまくボールを動かして時間を使ってゲームセット!!

苦しい状況、苦しい展開…それを制してガンバ2勝目です!!

 

 

 

前半は難しい展開でした。ヴェルディが高い位置をキープしたところからしっかりとパスコースを遮断した事でガンバはそこからのプレス回避がままならない時間が続いていましたし、そこで苦しい展開を強いられてしまった部分はあったなと。その中でヴェルディはボール奪取を攻撃に繋げる流れを持っていましたし、それ自体はガンバの守備陣もよく対応していましたが、いずれにしてもヴェルディが攻め込む流れは作れていた事から、なかなかガンバはそこから相手DFを剥がす、ひっくり返すようなアクションを起こせていませんでした。20分過ぎくらいからは倉田とネタラヴィが推進力や展開力を見せて局面を打開すべく動いてくれていましたが、例えば黒川と本来右サイドの山下が使いたいエリアが被ってしまったり、ジェバリのところでなかなか収まらず2列目との連動に繋がらないとか倉田がネタラヴィと共にチームの前進を担うタスクが大きくなった事でシャドーとしてジェバリの補佐が出来なくなってしまった部分があったり、前進が流れと連結しなかった感覚はありましたね。

そこはヴェルディの守備が機能し、ガンバも守備のパフォーマンスをしっかり出したというとこほで、ポヤトス監督の「コントロール出来ない中でも危険なシーンはあまり作られていなかったんですが、自分たちの思い通りの試合展開では進めなかった状況が続きました」前半評そのままの展開だったと思いますし、前半の停滞感はそれが全てだったんだろうと。

 

 

そんな中で後半には満田と佐々木を投入。特に満田の働きは……ちょっと圧巻でしたね。倉田が左サイド、山下が右サイドといういつもの配置でSBも含めて動きやすくなった部分もあったとは思いますけど、前半の停滞感を満田が全て解決してくれたような。Wボランチ、両WG、CFの五角形の中で全てのポジションを補佐するように動いてくれたのは見事でした。前半やここまでの試合の停滞感を踏まえて、全ての雲が散っていくような感覚でしょうか。結局前半はよく組織されていたヴェルディのディフェンスでしたが、満田が常にガンバのボールホルダーにとっての効果的な選択肢となっていた事から後半は彼らの守備の距離感が崩れ始めていて、そこを担保する為には重心を下げるしかなかった。その局面を見逃さずに鈴木でパス出しを担保しつつアラーノで畳み掛けたポヤトス監督の采配も見事でしたし、特に今季初出場ながらファーストプレーで正解を叩き出して見せたアラーノも見事。ジェバリは試合を通じて良かったか?と言えば必ずしもそうではありませんでしたが、最後の最後で一番求められる仕事を一発かました辺りはFWとして最も痺れるパフォーマンスになったのでは。宇佐美、中谷という精神的なところを含めた格、拠り所を失った状況で、時間経過と共に個々が研ぎ澄まされていく様子は見ていて気持ちいいものがありましたね。

今のガンバのトップ下は去年も含めれば宇佐美や山田康太、坂本一彩、そして名和田我空といった選手が担っていて、それぞれにボランチからボールを受けて前線にどう繋ぐか…というタスクがありました。この中なら山田はCFを追い越して連携していくタイプで、坂本はリンクマン的に繋ぎの役割を担いながら自らも顔を出していくタイプ。そして宇佐美は「宇佐美がボールを持てば何かが起こる」と言わんばかりに一気に打開する事を狙えて名和田もこれに近いタイプでしょう。その点で言えば今日の名和田は、前述した五角形の間の選手として攻撃陣をコネクトさせる動きにより長けていた。ガンバは宇佐美ゼロトップやジェバリ1トップで複数のパターンを持って戦いたいとしているだけに、新たな優秀すぎるタイプを手に入れた事は非常に大きい。佐々木も自身の特徴は出してくれましたし、宇佐美がや中谷が帰ってきたらどうなるのか。ここに林大地が絡めばどうなるのか…ポヤトス監督は「今日の試合を総括すると良くも悪くもなかった試合」と総評しましたが、今日の尻上がりに仕上がっていった試合推移そういうポテンシャルの部分にまだまだ賭けたくなるような気持ちにさせてくれたと思います。よかった!

……最後に、今日の試合は見ていて辛いシーンが複数起こりました。無理が一番危険だということも踏まえると「早期回復を…」とは簡単に言えないですし、添えるべき正しい言葉が何なのかはわかりませんが、またピッチの上で、芝の色と同じ色のユニフォームを纏って躍動する姿を信じています。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2025明治安田J1リーグ第4節

横浜F・マリノス1-1湘南ベルマーレ

鹿島アントラーズ2-0FC東京

川崎フロンターレ0-1京都サンガFC

ヴィッセル神戸0-1アビスパ福岡

東京ヴェルディ0-1ガンバ大阪

アルビレックス新潟2-2セレッソ大阪

名古屋グランパス1-2FC町田ゼルビア

ファジアーノ岡山1-1清水エスパルス

サンフレッチェ広島1-0横浜FC

浦和レッズ0-2柏レイソル

 

 

唯一の3連勝チームだった湘南は横浜FMとの神奈川ダービーで1-1のドローに終わり連勝はストップ。しかし3勝1分の無敗はキープしており、同じく3勝1分の広島、柏と共にトップ3を構成する形に。無敗だった川崎と神戸が敗れた一方、岡山と引き分けて2勝2分となった清水を加えた4チームが4試合が終わった時点での無敗組となりました。一方、唯一3連敗を喫していた福岡は敵地で前年王者の神戸に1-0で勝利して今季初勝利。今節は京都も川崎相手に勝利した為、第4節終了時点での未勝利チームは神戸、横浜FM、新潟、浦和、名古屋の5チームとなっています。

湘南が引き分け、福岡が勝利した事で、全勝チームと全敗チームは第4節の時点で消滅する形となりました。

 

 

ではでは(´∀`)