RK-3はきだめスタジオブログ

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

"理由"への回帰〜2025明治安田J1リーグ第10節 ガンバ大阪 vs 名古屋グランパス マッチレビュー&試合考察〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20250412172025j:image

 

こーんにちは!こーんにちは!

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第10節、ガンバ大阪 vs 名古屋グランパスの一戦です!

 

Jリーグをもっと楽しめる(かもしれない)、2025Jリーグ開幕ガイド作りました!是非お使いくださいませ!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ!

 

 

 

悩める名門とも呼ぶべき2チームでしょうか。ガンバ昨季、優勝争いにも絡んで天皇杯のタイトルにもあと一歩まで迫った。名古屋はリーグ戦は振るわずともルヴァン杯を獲得して星を付けた。2025年はその自身と実績を提げて更なる高みを目指した…はずでした。

相次ぐ故障者、離脱者であったり、ここまでお互いに誤算が多く続いた事は確かでしょう。とはいえ、そういう計算外を救済するような補償みたいな勝点が与えられる訳でもないし、時間とカレンダーは容赦なく進んでいきます。時間は金では買えないけれど、時間は結果でしか引き換えられない……ポヤトス監督も長谷川監督も、その結果として2025年の指揮権を与えられている訳です。スタイルは対照的なオリジナル10の両チーム、手探りでもがく日々の中で、混乱する時代に自分達のフットボールの進歩と調和の光を見出すのはどちら。"万博"の名を至る所に冠するチームだからこそ、今日という日を掴んでほしいところです。

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20250412131618j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20250412131622j:image

 

ガンバは0-1で敗れた前節柏戦からはスタメンを2人変更。町田戦と柏戦はボランチを3枚にした4-3-1-2システムを採用していましたが、、今日はネタラヴィと鈴木徳真をWボランチ、山下諒也とファン・アラーノをWGにした従来の4-2-3-1に戻しています。中谷進之介にとっては古巣戦。また、宇佐美貴はベンチ外となっています。

前節は湘南に1-2で敗れた名古屋は湘南戦からスタメンを3人変更。椎橋慧也と和泉竜司がスタメンに復帰し、左WBに入った小野雅史はリーグ戦では約1年ぶりとなる先発起用となりました。CBの中央に入った佐藤瑶大は昨季のパナスタでのゲームはベンチ入りに留まったので、敵チームの選手としてパナスタでプレーするのは初めてです。

 

 

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

 

 

この試合は特別な装飾、演出が行われるTOYO TIRESの「イチガンデー」として開催。毎年大阪ダービーに実施される事が恒例となっていましたが、今季は大阪ダービーが特別試合的な形式で行われたので、この名古屋戦に充てられています。また、MBSで放送中のKICK OFF!KANSAIとのコラボイベントで番組MCにしてガンバレジェンドの加地亮氏、ガンバレジェンドかつ名古屋OBでもある阿部浩之氏のトークショーも開催されます。相手も長谷川健太ですしね…。

このパナスタも以前の万博記念競技場も、ガンバ大阪というチームは1970年の大阪万博の跡地となる万博記念公園の中に城を築き、そして太陽の塔に見守れながら育ってきました。名古屋と2005年に愛知万博を開催しているのでNHKは万博ダービーなんて呼んでいましたが、より「万博」という言葉に繋がりを覚えられるのはガンバの方でしょう。チャントの歌詞にも「万博」という言葉が用いられ、これ近隣施設やガンバのイベントにも「EXPO」の文字が掲げられているこのチーム。大阪・関西万博が開会式を迎えるこの日に偉大な一勝を!

 

 

 

 

序盤からロングボールでボールの場所を敵陣にある状況をキープした上でハイプレス気味な陣形を取ろうとする名古屋に対し、ガンバはラインこそなかなか上げられない状況ではありながらもワイドにポジションを取りながら前進を目論む形。いわばガンバと名古屋が対照的なスタンスで噛み合うような形で序盤が進んでいきました。

 

 

 

ガンバにとって最初の決定機は24分でした。それまでも良いクロスが入ったり山下が抜け出してチャンスに繋がりそうな場面はいくつかあったガンバは左サイドで満田がボールを持つと、クロスボールにフリーで抜け出したジェバリが合わせて決定機。30分にも中央で圧巻のボールキープを見せたネタラヴィのパスをインサイドで受けた黒川圭介がミドルに持ち込みますが、シュートはいずれも僅かに枠を捉えられず。

とはいえ20分過ぎ頃からはガンバが高い位置でボールポゼッションをしながら前進していけるようになり、それによって名古屋がハイプレス繰り出せない状況を作れた事で優勢に進められるようになっていきます。

 

 

 

43分には高い位置でボールを奪った満田のパスに抜け出した山下がシュートを放つもGKシュミット・ダニエルがセーブ。こぼれ球に反応したアラーノのシュートと、その後のジェバリの折り返しに満田が合わせるも、いずれも名古屋守備陣がギリギリでブロックした事で得点には至りません。

前半はチームとしては時間を追うごとにガンバにとって良い流れ、良い組み立てでゲームを持っていくことができるなどポジティブな手触りのある展開になりましたが、一方でアタッキングサードではやや打開力に欠けるところも目立つ形で0-0で終了。

 

 

名古屋は後半から浅野と中山を下げて森島司と三國ケネディエブスを投入。野上をWBに上げることで黒川のところをケアしようと手を打ってきます。

後半もガンバは前半に構築した流れのまま後半に入ることができました。52分には左サイドでボールを持った黒川がインサイドに持ち運んで縦パスを送ると満田を介して抜け出したジェバリがシュート。しかしここはまたしてもGKシュミットが阻止。とはいえ決定機の数、シュートシーン自体はさほど多くないものの、前半のスタンスを継続しながら焦れずにプレーを続ける意思は示していました。

 

 

 

迎えた63分、中央でボールを受けたネタラヴィが相手のプレッシングを巧みに剥がして縦パスを送ると、間に入ったアラーノがターンで巧く反転して前線にスルーパス。52分のシーンと同様に抜け出したジェバリは三國のスライディングをかわし、立て続けに野上のスライディングにも見事にボールを残して右脚一閃!!これぞネタラヴィの展開からアラーノを介した2本の縦パス、そして最後はジェバリのとびっきりのスキルで織りなして遂にガンバ先制!!

 

 

名古屋は67分に小野を下げて和泉を一列下ろした上でキャスパー・ユンカーを投入。74分にも椎橋を下げて菊地泰智を送り込みます。

しかし1点をリードしたことでチームとしてより余裕を持ったビルドアップ、余裕を持ったボール回しが可能になったガンバは、ビハインドの立場で焦りが先行した名古屋のプレッシングをいなせるような展開になっていきます。76分、またしてもネタラヴィの展開から今度はジェバリ→アラーノの流れで抜け出すとアラーノのシュートはポストにヒット。しかしこぼれ球に反応したジェバリが折り返せば、最後は山下が詰めて追加点!!

 

 

2点ビハインドを追う名古屋はマテウスを下げて山中亮輔を投入し、ユンカーの入るゴール前にボールを供給していくようなシステムを作ろうとしました。しかしガンバは今日は守備でも昨季に見せていたような距離感をキープしたバランスの守備を披露し、名古屋をサイドに追い出しながら相手の望むタイミングでのクロスを上げられないようにコントロール。アバウトに入れられたクロスに対しても沙汰なく跳ね返せており、ポヤトス監督も倉田秋や岸本武流を投入してプレッシングをフォローしつつ、名古屋のクロス攻勢に対して佐々木翔悟を投入して対応します。

 

 

 

終盤はガンバもリトリートした事で名古屋がボールを持つ時間が増えたとはいえそれはこのスコアだと自然な事。名古屋に猛攻を許すこともなく難なく時計の針を進めてゲームセット!EXPOが始まりを迎える4月12日、太陽の塔の下でガンバが大きな勝利、今季初の複数点差での勝利を飾りました!

 

 

 

お見事!良い内容に良い結果を添えた素晴らしいゲームでした。試合を通してポヤトス監督のプラン通りに…と言いますか、チームとして望んだ展開にゲームを持っていけたと思います。

元々の戦術もそうですが、ガンバと名古屋のゲームプランはスタートから対象的でした。ワイドなポジションを取りながら低い位置からビルドアップして前進していこうとするガンバに対し、名古屋はロングボールを使ってでもガンバ陣内にボールがある時間を増やして、そこを軸にコンパクトな陣形を維持しながらハイプレスをしていく。立ち上がりはガンバ陣内には追い込みながらも名古屋としてはアタックに行けるほどのタイミングを見出せず、逆にガンバとしてはコンパクトな陣形で前に圧力をかけてきた名古屋に対して前へのポイントを見つけにくかった。立ち上がりがかなり静かな展開になったのはそういう部分が大きかったと思います。

しかしその中で、ボールを持てている立場ではあったガンバにとって大事なことは勝負を焦らない事でした。名古屋も奪い切りにくるようなハイプレスではなかったのでDF陣としてもボールを奪われるかもしれないという切迫感を避けられていた部分はあるでしょうが、しっかりと開いてパスコースを作り、それに合わせて両WGも幅を取りつつ、出口をWボランチが作りながらその間を満田が縫っていくようなポジショニングを愚直に繰り返せていた。そこで名古屋がラインの維持を徹底できなくなった時に、今度はガンバがラインを一列押し上げて高い位置でボールを動かせる状況に持っていけたのは自然なところだったと思います。

 

 

 

考えてもみれば、去年のガンバの美点はポゼッションスタイルをベースに置きながら焦れなかった事、それを土台した上で行くべき瞬間にはロングボールでもプレスでも果敢に仕掛けた事と、割り切る時にはリトリートを敢行してでも割り切って守った事、そのメリハリと状況判断、試合の流れた相手のスタンスをしっかりと見た上でのプレー選択を遂行できていたところにありました。

それが今季は、例えばC大阪戦新潟戦で顕著だったように行き過ぎて隊列を見失ったり、逆に前節柏戦のように構え過ぎた結果行くべきところでも行けないまま後退して決壊の時を迎えるなどチームとして、或いは個人としての状況判断に狂いが生じる局面が多くて、そこが綻びとなって崩れていく試合が多かった。そういう意味では、今日の試合は焦れずにポゼッションを高めながらも仕掛けられるタイミングではしっかり仕掛ける、時間帯によっては割り切ってリトリートしながらもプレスに行ける場面ではしっかり行く、その判断をチームと個人で共有する…「去年のガンバはなぜ躍進したのか?」という原点回帰のような試合だったと思いますし、去年の良さを取り戻せた試合でもあったのかなと。これを単発に終わらせる事なく、去年の感覚が復活した試合として名古屋戦を定義できるなら、ここまでの2ヶ月より楽しい日々を過ごせるやもしれません。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

2025明治安田J1リーグ第10節

FC東京1-1柏レイソル

清水エスパルス1-1川崎フロンターレ

ガンバ大阪2-0名古屋グランパス

サンフレッチェ広島0-1ファジアーノ岡山

アビスパ福岡2-1横浜F・マリノス

東京ヴェルディ0-1ヴィッセル神戸

セレッソ大阪1-0鹿島アントラーズ

京都サンガFC2-0湘南ベルマーレ

FC町田ゼルビア(13日14:00)浦和レッズ

アルビレックス新潟(13日14:00)横浜FC

 

 

4月中に万博いきます

ではでは(´∀`)