RK-3はきだめスタジオブログ

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青に似た酸っぱい鞠とライラック〜2025明治安田J1リーグ第6節 横浜F・マリノス vs ガンバ大阪 マッチレビュー&試合考察〜

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ランドマークタワーはデカかった

 

どーもこんばんは

 

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さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第6節、横浜F・マリノス vs ガンバ大阪の一戦です!

 

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2月14日に開幕した2025年シーズンも1ヶ月が経ちました。

激動……ガンバの開幕からの1ヶ月はそう表現するしかないです。ド派手な敗北に始まり、レジェンドが意地を見せ、新加入選手もチームに活力を与えた。一方で相次ぐ負傷者と、考えられないような事件を前に混乱に陥ったりもした。それでもそこから、どうにかチームとしての胆力を見せて再び這い上がる兆しを見せた……情緖不安定なシーズンを過ごしていながらも、自分たちなりに立ち帰るところを持ちながらあがいた1ヶ月は今、再び上昇気流に手をかけています。

対する横浜F・マリノス。ポヤトスガンバにとってのマリノス戦を思い浮かべると、そこには永遠に消えないような屈辱の象徴とも呼べるような試合があり、そして永遠に語り継ぐべき歓喜があった。ここ何年のJリーグを牽引し続けてきたトリコロール軍団を前にして、青黒軍団は新時代の旗頭に名乗りを挙げられるかどうか。役者が揃い始めた2025年、誰よりも青く燃える炎のような逆襲撃はガンバの胸に!

両チームスタメンです。

 

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怪我人続出中のガンバですが、今日は宇佐美貴史中谷進之介がメンバーに復帰。中谷は先発、宇佐美はベンチスタートとなっており、前節清水戦からの先発変更は福岡将太を下げて中谷をスタメンに戻した1人のみとなっています。中谷と佐々木翔悟のCBコンビは公式戦では初の組み合わせとなりました。そして先日入団が発表されたデニス・ヒュメットもベンチからメンバー入りを果たしています。

先週はACLの日程を踏まえてリーグ戦が組まれなかったマリノスは、直近のACL上海海港戦からはスタメンを1人変更。今日はボランチのジャン・クルードが欠場となり渡辺皓太と山根陸のボランチコンビとなりました。今日もアンデルソン・ロペスの後ろに1.5列目的に植中朝日を置く形で、宮市亮も右SB起用です。

 

 

 

本日の会場は神奈川県横浜市日産スタジアムです。

 

 

サッカーとラグビーのW杯や五輪サッカーの決勝戦を行うなど、Jリーグのみならず日本を代表するスタジアムにして、世界のスポーツの記録にも名を残すスタジアム。マリノスはレンタルユニフォームサービスなど色々な施策にトライしていますが、このガンバ戦と前回のホームゲームとなる第4節湘南戦では西野努SDのトークショーも楽しめるチケットも発売されていました。また、試合前のトークショーにはマリノスOBかつ、ガンバユース出身でガンバレジェンドでもある下平匠氏が出演されます。

マリノスが駅やSNSに掲示した広告が大いに話題にもなったこの試合。ただマリノス側はリベンジと言いますが、ガンバにとっては件の試合がリベンジ的な側面があったのも確かで。日産スタジアムは一時期連勝を重ねていた時期もありましたが、ここ2シーズンでは2連敗中。リベンジを掲げる相手を蹴倒し、再び日産スタジアムを縁起の良いスタジアムにしたいところ。

 

 

 

マリノスは最初にアンデルソン・ロペスがチャンスを迎えると、ガンバもサインプレー気味のセットプレーから黒川圭介がボレーを放つなどお互いに相手のゴール前に迫る場面を一つずつ作る試合の入りとなりました。その後はガンバがジェバリを起点に2列目が呼応する形でガンバの方が優勢に試合を運ぶようになり、2列目とCFの絡みを展開力に溢れたWボランチがフォローする循環を構築。13分にはジェバリが決定的な場面を迎えるも、ここはGK朴一圭がファインセーブ。15分には満田誠の巧みな突破とスルーパスから山下諒也がシュートに持ち込みますが、ここもGK朴がセーブ。

 

 

 

しかし20分でした。それまでのガンバは自陣はしっかりブロックを組み、前線もコースを限定しながらのプレスを意識することでボール奪取から攻撃への繋がりをスムーズに運べていましたが……そんな中で右サイドでヤン・マテウスからのパスを受けた遠野大弥が巧みなターンから中央突破を敢行。ライン間で受けたところからCBを釣り出してミドルを放つと、これがゴールネットの右に突き刺さるようにしてマリノスが先制。

 

 

基本的にガンバは全体のオーガナイズとしては悪いものではなく、マリノスに対しても強力な前線を4バックのブロックでしっかりとケアしながら、東京V戦の後半や清水戦で良い循環を見せたボランチ-WG-CFとその間の満田の関係性で良い攻撃の創造は見せていました。32分にはネタラヴィがミドルを放つも実らず、前半アディショナルタイムにも山下がチャンスを迎えますが…またもGK朴の手中に。

前半はガンバもやろうとしているサッカー自体は攻守ともにある程度実践出来てはいましたが、一瞬を一閃に刺されるようにビハインドを負って前半終了。

 

 

後半もガンバがしっかりとボールを握り、Wボランチの展開とジェバリを起点を軸に置いた2列目の躍動でチャンスを作っていきました。57分には鈴木のスルーパスに抜け出した山下のシュートもまたもGK正面に。ガンバは前線のところで可能性のあるボールの動かし方はできるのに、それがなかなか数字に繋がらないもどかしい展開を強いられていきます。

57分には倉田秋を下げて復帰戦となる宇佐美を投入。満田を左サイドに出して宇佐美をトップ下に入れる形に。64分には半田の元に落ちたハイボールを半田が再び山なりなクロスを入れて鈴木がボレー、67分には宇佐美が得意な角度から狙いますがでこれもどうにも決まりません。

 

 

 

71分には鈴木と山下を下げて美藤倫とヒュメットを投入。満田を右にスライドし、ヒュメットは左サイドでデビューさせます。ヒュメット投入以降は割りかし明確に宇佐美を一列落とした形の4-2-1-3と形容できる形にシフトしていきましたが、トップ下の宇佐美のところでボールを持ち、そこからサイドへの展開はできるものの…キニョーネスとウォルシュが守る相手のゴールエリアをこじ開けられるようなアクションには繋げられず。

逆に75分、リスタートからカウンターを仕掛けたマリノスは遠野が前線に送ったボールに抜け出した植中がマークについた佐々木を抜ききらないまま冷静にシュート。これが決まり、ガンバにとってはあまりにも重い追加点を許す事態に。

 

 

83分にはエリア内で粘った宇佐美のクロスからジェバリのシュートも枠の外へ。ジェバリと満田を下げて名和田我空とファン・アラーノを投入した直後には宇佐美が際どいミドルを放ちますが、どうにもこうにも遠すぎるゴール。

結局試合はそのまま終了。重くのしかかったビハインドを跳ね返すには至らず、堅く閉じられたゴール前をこじ開けるにも至らず完封負け。一方、マリノスはこれで今季リーグ戦初勝利となりました。

 

 

 

今季の負け試合はこれで3試合目となりましたが、以前の2試合と比べて内容的には悪くないゲームだったのは確かでしょう。ポヤトス監督が会見で言った 「全ての局面において自分たちがマリノスさんを上回っていたのではないかなという試合展開」はさすがに言い過ぎにしても、どこかで1点でも取れれば違った展開にはなったと思いますし、それができたガンバ、できなかったマリノスという構図の試合ではあったなと。

立ち上がりの距離感やボールの動かし方、リズムやテンポ感は東京V戦の後半から清水戦に至るまでの好循環を継続して発揮できていました。ボランチで展開しながら、WGとCFの間にいる満田が3トップをコネクトするように動いていく。その過程の中で、例えば満田から山下へのパスでシュートチャンスはいくつか生まれていましたし、それは良い連動と呼ぶべきものだったのは間違いなく、守備も去年見せていたような割り切ったブロックの組み方とそこから前線へのビルドアップをスムーズに進めていた。構造上の問題は前半は特にケチをつけるような部分はなかったと思うんですが、今季のマリノスはキニョーネスとウォルシュの2CBを中心に焦れずにしっかりとエリア内を固めてくる。今日のガンバはジェバリを先頭にして2列目の3人が並列的なポジションを取り、スペースに対して横パスで打開する…例えるならどこかラグビー的な前進の仕方はすごく上手くて、それこそ清水戦の得点シーンのように相手DFが釣り出されるシーンを待っていたんだと思うんですけど、マリノスはそこで焦れなかった。そこでポケットを狙うとか、相手のCBとSBの間へのアクションを起こすとか、そういうマリノスを揺さぶりにいくような工夫は足りなかったように思います。チャンスが多かった割に決定機と呼ぶべき場面はそこまで多くなかったのはその辺りに要因があったのかなと感じました。

 

 

逆に後半に関しては、まず練度が低かったのは仕方がない部分はあったと思います。宇佐美が入った直後は宇佐美と満田自体が初めて組みましたかし、その上で満田も初めてのポジションに入った。ヒュメット投入後に至っては尚更でしょう。そこでノッキングが生じる、渋滞が起こるという現象は予想できたものだと思いますし、ポヤトス監督にしては宇佐美のクオリティとヒュメットや満田との化学反応に賭けたんだとは思いますが、その賭けの結末は負けたと表現するべきではあります。

一方で、前半は良いパフォーマンスではありながらも実はどん詰まり感は確かにあった。同じことを愚直に続けた時に、崩れてくれる相手とそうじゃない相手がいる。清水戦は前者だったんですけど、今日のマリノスに、それもリードを持ったマリノスは明確に後者でした。あそこまでエリア内を固められた時にどう打開するか…というヒントは後半には少しあったように思います。ヒュメットは味方も彼の活かし方をまだ掴めていない様子でしたから、そこはこれからのトレーニングや実戦の積み重ねに期待していくべきところでしたし、宇佐美もコンディション面ではまだまだでしたけど、彼はやっぱり状態が悪いなりにもボールを持った時のクオリティは抜群な訳で、83分に宇佐美がポケットを無理やりこじ開けてジェバリのシュートに繋げた場面のように後半ユニットのヒントはいくつかあった。去年のガンバが後半戦に膠着したのは、攻撃のロジックを持っているがゆえに攻撃が一本化して停滞した部分はあったので、そう考えれば、例えば後半は宇佐美曰く「左WGというよりはインサイドハーフのような位置に入って黒川を前に押し出すイメージ」と語っていたように、手数を増やすアプローチは停滞したイメージを持たれている後半にも見られたのかなと思います。前半の良い流れで相手を出し抜けられるならそれで良いし、それが難しそうなら力技を放てるようなカードを用意しておく。この試合を手数を増やすための試行錯誤と捉えれば、ポジティブに解釈できる部分もあったのかなと。

 

 

 

ただ、今日のマリノスは実に素晴らしかったとは思いますね。おそらく今年のマリノスは別に自分達が優勢に試合を進め続けることを望んでいる訳じゃないと思うので。

立ち上がりは完全にガンバの展開になっていた中で、ガンバ側が狙う幅に対するケアと、それでも中央の堅めるべきところは絶対に動かさない統率と胆力。それでいて機が来れば絶対に逃さない…そのスタンスを最後までやり切りましたし、そこにクオリティが上乗せされていた。1点目はマテウスの、ガンバ陣営からすればサプライズのようなパスは、一瞬ガンバの守備陣が学びした瞬間を的確に突いたものでしたし、それを見逃さなかったマテウスもネタラヴィを振り切ってゴラッソに繋げた遠野も冷静さと集中力とクオリティを見せたゴールで、2点目の植中と遠野にもそれがあった。マリノスと対戦するチームの多くは間違いなくアンデルソン・ロペスに意識がいくでしょうし、自分達がある程度押し込む展開になればそれはより顕著になるでしょう。そこでロペスが得点に絡まずに、むしろロペスに機を取られて距離感を狂わせた守備の乱れをそれ以外のクオリティの高い選手が見逃さずに突く。チームとしてそれをやり切ったことはお見事という他ないのかなと。ガンバが優勢な試合ではあったので悲観する必要まではない、でもマリノスが勝つべくして勝った試合ではあったのもまた真なりといったところでしょうか。

 

 

第6節分のうれしはずかしじゅんいひょうのコーナーは清水エスパルスvs京都サンガFCのマッチレビューページに記載しています

 

 

ぶっちゃけタイトルは言いたかっただけみたいなとこある

ではでは(´∀`)