RK-3はきだめスタジオブログ

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雨に唄えば〜2025明治安田J1リーグ第18節 川崎フロンターレ vs ガンバ大阪 マッチレビュー&試合考察〜

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思い出は等々力

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第18節、川崎フロンターレ vs ガンバ大阪 の一戦です!

 

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Jリーグも前半戦を終えようとしていますが、実に今季のガンバは不安定なシーズンです。

もちろん想定外とも呼ぶべき安定させにくい状況がチームとして続いていることは確かなのですが、連勝のきっかけを掴んだと思えば沈んでいき、連勝のきっかけを掴んだと思えばまた沈み、そして今度こそ!と思った3連勝すらも沈んで公式戦3連敗。勝ったり負けたり……順位表的には中位として正しい推移とも言えるでしょうか。

幸か不幸か、それこそガンバの推移が象徴するように今季の中位群はまだ詰まっている状態で、ここから上にも下にも行く可能性はいずれもある。それは現状の川崎も同じでしょう。ACLファイナルという舞台を糧に新体制を前に進めようとする川崎の歩みの前に、ガンバは不安定な脚ながらもどう立って見せるか。酸いも甘いも募るスタジアムにて色々な感情の交わる一戦です。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは2-3で敗れた前節神戸戦からはスタメンを2人変更。鈴木徳真が出場停止から復帰し、前節から復帰したネタラヴィとのボランチコンビは第10節名古屋戦以来の復活です。今節は宇佐美貴史開幕戦以来となるワントップ起用となり、FW宇佐美、トップ下満田誠の配置は初。また、前節は山下諒也とファン・アラーノをいつもと逆のサイドで起用しましたが今日は従来の右に山下、左にアラーノに戻しています。なお、ガンバは水曜日のルヴァン杯磐田戦ではそこまでメンバーを入れ替えていない為、中谷進之介、半田陸、黒川圭介、鈴木徳真が120分出場からの連続スタメンとなりました。

川崎は2-2で引き分けた前節浦和戦からはスタメンを3人変更。前節はベンチスタートとなっていた元ガンバの家長昭博と山本悠樹がスタメンに復帰し、昨年のガンバ戦では2試合ともメンバー外だった山本は初めての古巣対戦。前節にエリソンが負傷退場となったワントップには第5節横浜FM戦以来の先発となる小林悠を起用しました。

 

 

 

本日の会場は神奈川県川崎市、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuです。

ヴェルディ川崎のホームスタジアムから始まり、今では川崎フロンターレの聖地としてJリーグに根付くスタジアム。Jリーグも様々な時代を経て今日に辿り着く中で、将来的には球技場への改修も予定されているなど新たな展開が期待されています。

ガンバにとっては何かと思い出深いスタジアムですし、それは川崎にとっても少なからずそうでしょう。ガンバが初めて優勝を決めたのもこのスタジアムならば、2016年、2019年、2023年のようにこのスタジアムでのドラマチックな勝利は多かった。そして川崎にとっても2017年の初優勝を手繰り寄せる勝利や2020年の優勝決定はこの場所でのガンバ戦。そんなスタジアムに新たな記憶として刻まれるゲームになるのでしょうか。

 

 

 

 

 

基本的にしっかりとポジションを取って、ビルドアップから攻撃の糸口を作っていきたい両チームの対戦ですが、ここ最近は左サイドのマルシーニョの突破を明確にストロングポイントとして機能させている川崎の方がマルシーニョから雪崩れ込むような立ち上がりになっていきました。

最初の決定機は川崎。なかなか敵陣に入れないガンバが前に出ようとしたところを引っ掛けると、持ち運んだ家長の巧みなアウトサイドパスに反応した小林悠がシュート。アクロバットなシーンでしたがミートはしきれず。

 

 

 

ガンバも何度かビルドアップからの前進を試みて、実際に相手陣内に入っていくような場面もいくつかありましたが、川崎の攻勢に比べるとそのアクションがなかなか継続的な流れにならず劣勢は続いていき、特に前に出したい山下がサイドでの守備に追われる時間が増えてしまっていました。

そんな中で32分、川崎は右サイドから山本がCKを蹴るとニアサイドで高井幸大がフリック。ファーサイドのボールをマルシーニョがフリーで押し込んで川崎が先制。ガンバはまたしてもビハインドを追う格好のゲームへ。

 

 

その後もなんとか前線でボールを持つ時間を増やしたいガンバはWボランチを中心に前線へとパスを繋ぐ流れ自体は少しずつ作れるようになりましたが、川崎の帰陣を前に攻撃が詰まり、下手な失い方をすればマルシーニョに一気に翻されてしまう苦しい状況へ。40分にはファンウェルメスケルケンのクロスに攻め上がった河原創が頭で合わせる好機を作るなど、ガンバは攻撃時の人数のかけ方と守備時のサイドでの対応に最適解をなかなか見つけられません。

ガンバも43分には黒川のクロスのこぼれ球に反応した満田が狙ったシュートはニアサイドのポストに直撃。こぼれ球にオーバーラップした中谷進之介がミドルを狙うもヒットせずに枠外へ。前半は1点ビハインドを追って終了。

 

 

後半はガンバが良い立ち上がりを見せました。48分に山下がシュートチャンスを掴むと、52分に満田の落としを受けた山下が独走して決定機を得ますが最後の折り返しがうまく行かず。とはいえ前半と比べると後半は鈴木とネタラヴィが前半よりも高い位置をキープした上で展開をぶん回せるようになり、そういう時はアラーノや宇佐美を使って左から、逆に川崎からボールを奪ってスペースを使えそうな時には山下を走らせるなど有効な攻撃の選択肢が明確に増えていきました。

その中で宇佐美をゼロトップにしたガンバは宇佐美を満田が縦関係で追い越したり、時折アラーノや山下が2トップ的なアクションを起こすなど「宇佐美が降りた後にどこに走るか」という流れが循環し始めていきました。

 

 

 

53分、そのタイミングをファンファーレに魔法の時間が始まります。山下からボールを受けた宇佐美は左サイドに展開すると、黒川はペナルティエリア内に入った宇佐美にリターンパス。相手DFと対峙しながらもエリア内で時間を得れば完全に時空は宇佐美のもの。繊細なボールタッチ、キャンセルプレーを入れる遊び心、圧倒的なシュートセンス!!その全てが虜させるような一撃でガンバ同点!!!!!!!

更に60分、川崎は山田新、瀬川祐輔、伊藤達哉の投入で3枚替えをした直後でした。ガンバは右サイドで川崎のロストを半田が奪うとネタラヴィを介して右サイドに流れていた宇佐美へ。対面にいた丸山のニアを抜くライナー性の鮮やかなクロス。そしてそこに走り込んできたのは絶対に走り込んでいる男山下!!煌めきのような弾道に、閃光のような輝きがネットまで揺らしてガンバ逆転!

 

 

逆転してからも上手く試合を進められたのはガンバの方で、Wボランチと宇佐美のところでボールを動かしながら両WGな抜け出していき、満田が前後左右にフォローに走る良い流れを作っていった事で明確にガンバペースに持っていく事が出来ました。そんな中で川崎は河原を下げて大関友翔を投入し、ガンバはネタラヴィと直前のプレーで脚を攣っていた宇佐美を下げて倉田秋とデニス・ヒュメットを投入。

しかし78分、左サイドで細かいパスを繋いだ川崎は伊藤が大関に繋ぐと、エリア内に入った伊藤に大関が返すようにパス。伊藤のシュートは中谷に当たり、コースが変わって無情にもゴールイン…これで試合は再び振り出しに。

 

 

そこからは2-2の終盤戦らしくオープンな展開になっていく中で、83分には伊藤達哉が、85分にはヒュメットが好機を掴みますが前者は枠外、後者はGK山口瑠伊のファインセーブで3点目には至らず。アディショナルタイムには大関のスルーパスに反応した山田新がシュートに持ち込みますが福岡将太が好守で対応。終盤の壮絶な展開は両者ともゴールには繋がらず壮絶な撃ち合いは2-2のドロー。ガンバはこれで3戦未勝利。川崎は2試合連続の2-2となりました。

 

 

 

ざっくり言えば「良い時間に1点しか取れなかった川崎と2点取れたガンバ」であり、同時に「あんまり良くない時間に1点も取れなかったガンバと1点もぎ取った川崎」という構図だったように思います。そういう意味ではガンバの方がドローという結果を妥当に感じる側で、逆に川崎の方は勝ち試合を落とした、負け試合を拾ったという二面性を感じるゲームだったような印象です。

前半は完全に川崎ペースでした。結局のところ、この試合は「ボランチがどれぐらいの高さでボールを持てたか」が展開を分けたゲームではあったと思うのですが、前半は立ち上がりから川崎がマルシーニョを使って攻め込む場面が複数あり、そこに対して佐々木旭も加わるなど左サイドからの攻撃が脅威になっていました。で、チームが右寄りになったらなったで序盤の家長→小林の好機のように右サイドからチャンスを創出してくる。そこで半田をなるべく右サイドでの対応に専念させて、特にビルドアップ時を中心にネタラヴィを最終ラインに吸収させて担保としたのは対応としては正しかったと思います。ただ川崎もガンバがビルドアップの重心が下がったタイミングでコンパクトに押し上げてきたので、山本や河原が高い位置でボールを動かせる状態を常にキープしてきましたし、右サイドは遅攻で、ガンバのカウンターに対応した後は左サイドから速攻というようなプレー選択をスムーズに実践してきた。その中でガンバもカウンターで散発的な攻撃はあったとはいえ、そういう状況になってしまった事による上下すべき距離の多さが継続性を奪ってしまった部分はあったので、そこが前半は川崎のほぼ一方的なゲームになった要因だったのかなと。

 

 

 

一方、後半に関しては前半は構える展開になったところを、守備時には宇佐美と満田が2トップ気味にプレスに行きつつ、両サイドの山下とアラーノが家長やマルシーニョまでボールが行く前段階でサイドでしっかり潰すように、ハイプレスというよりは高い位置から詰めていく形でのプレスに変更していきました。その過程の中で、今日は宇佐美がトップ下ではなくワントップ、そして去年に近い形のゼロトップでしたので、宇佐美が降りたタイミングで2列目の3人が宇佐美と入れ替わるように前に出ていくような、4-2-3-1を4-2-1-3に翻していくようなポジショニング、ムーブがスムーズになったんですね。これで例えば宇佐美を満田が追い越す形になるだとか、或いは山下とアラーノがインサイドに走り込んで2トップっぽい動きになるだとか。そういう動きを繰り返した事で川崎の背後を取りやすくなり、そして前半の逆転現象と言いますか、それでいくつかチャンスを作れると高い位置で押し込めるような土壌になる。後半…というか2-2になるまでの展開はそういう感じになったのかなと。それをガンバが逆転した後に川崎が伊藤や大関、瀬川に山田の投入で前線の流動性とテンポ感を押し出す形にシフトしてきた。その結果、試合自体が限られたスペースにどう食い込むか…みたいな様相を呈するようになった印象はありますね。そういう意味でもガンバにとって妥当な結果ではあったと思いますし、最終的に追いつかれはしたものの、逆転が少ないチームだっただけに逆転する感覚を一つ掴めた事は良かったのではないでしょうか。

それはそうと、今日の宇佐美は本当に心躍る宇佐美でしたね……。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2025明治安田J1リーグ第18節

セレッソ大阪2-0アビスパ福岡

名古屋グランパス2-1浦和レッズ

ファジアーノ岡山2-2FC町田ゼルビア

横浜FC1-1柏レイソル

アルビレックス新潟2-1湘南ベルマーレ

清水エスパルス3-2ヴィッセル神戸

横浜F・マリノス3-1鹿島アントラーズ

FC東京0-3サンフレッチェ広島

東京ヴェルディ1-0京都サンガFC

川崎フロンターレ2-2ガンバ大阪

 

 

1位 鹿島アントラーズ(37)

2位 柏レイソル(34)

3位 サンフレッチェ広島(32)※1

4位 京都サンガFC(31)※2

5位 浦和レッズ(30)※2

6位 ヴィッセル神戸(27)※1

7位 川崎フロンターレ(26)※1

8位 セレッソ大阪(25)

9位 清水エスパルス(25)

10位 FC町田ゼルビア(25)

11位 ガンバ大阪(24)

12位 ファジアーノ岡山(23)

13位 東京ヴェルディ(23)

14位 アビスパ福岡(22)

15位 湘南ベルマーレ(21)

16位 名古屋グランパス(20)

17位 FC東京(19)※1

18位 横浜FC(19)

19位 アルビレックス新潟(16)※1

20位 横浜F・マリノス(11)※1

 

※1 1試合未消化

※2 1試合消化試合数が多い

 

今節では上位5チーム全てが前節時点で15位以下のチームと対戦する日程が組まれていましたが、前節時点で5位だった広島を除く上位4チームが1勝も出来ないという波乱の展開に。京都は東京Vに、浦和は名古屋に敗れ、柏は横浜FCとドローで足踏み。特に7連勝で首位に立つ鹿島は7連敗中の横浜FMに前半に3失点を喫して1-3で敗北。横浜は実に12試合ぶりの勝利となりました。上位勢で唯一勝利した広島は京都と浦和を抜いて3位に浮上。一方、下位勢で唯一上位勢との対戦ではなかった新潟も湘南に勝利し、広島に敗れたFC東京以外は全て勝点を積み上げる結果となりました。

 

 

エリカエクスプレスからのヤマシタエクスプレス

ではでは(´∀`)