万博で実は見れるサンガ要素
どーもこんばんは
京セラ様がネーミングライツを取った上で"サンガ"の名前を入れてくださった結果、万博会場にサンガの文字列を表示する事に成功いたしました…#サンガスタジアムbyKyocera#関西パビリオン pic.twitter.com/tJ7GttFax0
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年5月29日
さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第22節、京都サンガFC vs ガンバ大阪の一戦です!
【クラブW杯観戦ガイド作りました!是非お使いくださいませ!】
↓
【Jリーグをもっと楽しめる(かもしれない)、2025Jリーグ開幕ガイド作りました!是非お使いくださいませ!】
↓
【オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ!】
↓
サンガとしては一つ、自分達の行く末が問われる舞台と言えるでしょう。
前節、柏との上位対決は手に汗握るスリリングな展開の末に3-3のドロー。柏の華麗な攻撃を受けてしまった反省はありながらも、3度のビハインドを3度追いついた胆力は間違いなくこれまでのサンガには無かったもので、今季のサンガには共通して言えますが、今までに無かった姿を誇示するものでした。一方、結果的に柏と痛み分けの構図となったことで勝点差はわずかながら順位は6位までに下降。正直なところ、サンガのような立場のチームにとっての上位争い、優勝争いは「次」は簡単にやってくるとは限らない。逆にここで誇れる結果を出すことが「次」への繋がっていく。この上位陣にしがみつく…その為には目の前のゼロを1にしなければならないし、1を3にしていかなければならない。前半戦のガンバとの対戦のような展開であったとしてもそれを勝点に繋げる…それを繰り返していく事で、始めてのこのクラブの歴史は新境地を迎えていく。少なくとも柏戦はそれが出来たゲームでしたから…。
一方のガンバ。やはり今季のガンバはシーズンを通して掴んだきっかけを容易く手放してしまう事を繰り返していました。それは春先の連勝の後もそう、完勝と呼ぶべき名古屋戦の後も、それこそサンガ戦から始まったゴールデンウィークの3連勝もそう……。掴んだきっかけを流れにできない、それが現状の中途半端な立ち位置に直結しています。
とはいえ今季のリーグ戦は混戦です。上位陣はずっと団子レースの様相を呈していますし、やや抜けた状態にある首位の鹿島でも決して磐石の首位という訳ではない。ガンバはガンバで、まだレースに戻ってくる余地は残っていますし、今季繰り返されそのフレーズが使える瞬間は確実に減っている。夏場、ここからの数試合がガンバが上位戦線に戻る為のラストチャンスである事は間違いありません。ポヤトスガンバにとってのサンガは戦術的な噛み合わせの良い相手ではありませんでしたが、4月の対戦ではその解答となるようなゲームをする事が出来ただけに、先行者としての矜持を見せたいところ。
私にとって、心のクラブと言える2チーム。
この狂おしいまでに狂気的な昂り、その全てを解き放ってくれるような、極上の90分に期待しています。
両チームスタメンです!
柏との上位対決がドローに終わったサンガは前節柏戦からスタメンを2人変更。左SBは須貝英大のところを佐藤響に、左WGは松田天馬ではなく原大智をスライドさせ、CFには古巣対決となる長沢駿が入りました。今日の試合では奥川雅也が第6節清水戦以来のベンチ外となった一方、2試合出場停止となっていた平戸太貴と負傷離脱していたジョアン・ペドロが第17節横浜FM戦以来となるメンバー入りを果たしました。
対するガンバは2-0で勝利した前節FC東京戦からはサンガ同様にスタメンを2人変更。今日はウェルトンを右WGに起用して満田誠を左WGで起用。満田は試合途中からWGになる事はありましたがスタートからWGとなるのは初めてで、山下諒也は第14節湘南戦以来のベンチスタート。また、ボランチは安部柊斗と鈴木徳真のコンビとなりました。
本日の会場は京都府亀岡市、サンガスタジアム by KYOCERAです。
京都サンガFC 歴代最多入場者数ランキング
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年6月28日
1位 20369人 2002年2nd13節 vs磐田●0-3※西京極
2位 20323人 2024年第31節 vsG大阪△2-2
3位 20174人 2025年第22節 vsG大阪○3-1←NEW!!
4位 20020人 1999年2nd14節 vs磐田●2-6※西京極
5位 19680人 2008年第8節 vs浦和●0-4※西京極
6位 19082人… pic.twitter.com/JWVxfSQfY0
堀場製作所のスポンサーデーとして行われる今日の試合では先着でオリジナルレジャーシート、場外では堀場製作所の自社農場で生産されたブルーベリージュースの販売を実施。場内グルメも選手コラボグルメも第2弾が本日から販売開始される他、ガンバ大阪のホームゲームで出店しているお店も多数出店。また、試合前及びハーフタイムには2021年のJ1昇格に貢献したサンガOBの森脇良太氏、庄司悦大氏が来場しトークショーを実施します。
この試合はチケットが完売し、昨年のガンバ戦に引き続きクラブ史上4度目の2万人超えとなる20174人の観客が来場しました。これはサンガスタジアムでは歴代2位、サンガの歴代ホームゲームの中でも歴代3位となる入場者数です。
もちろん本日も現地観戦です!
スポーツ観戦日記、最近書けてねえな…。
立ち上がりこそガンバが前線にボールを入れようとする場面もありましたが、試合は序盤からサンガペースで進んでいきます。7分に福岡慎平が放ったシュートを皮切りに、8分にはセットプレーから長沢駿、9分にも福田心之助がシュートまで持ち込みますがいずれもGK一森純がセーブ。一方のガンバは両サイドのウェルトン、満田のところにボールを入れてサイドからの打開を試みますが、ウェルトンには佐藤響が対峙し、満田のところも福田にケアされて攻撃が回りません。
するとサンガは17分でした。直前に米本拓司の負傷退場により平戸を投入するアクシデントが起こっていたサンガでしたが、文字通り平戸を投入して最初のプレーで福田がスローインを入れると、ルーズボールの応酬を収めた平戸が斜めに入れたボールに対してポケットでフリーになっていたマルコ・トゥーリオが、かつてのブラジルの英雄ロナウドを思わせるトーキックで流し込んでサンガ先制!!今季は負傷離脱の時期も長かったトゥーリオ、昨季に引き続き夏の男感すら漂わせるゴールで、サンガが良い流れのまま先制点をもぎ取ります。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) 2025年6月28日
🏆 明治安田J1リーグ 第22節
🆚 京都vsG大阪
🔢 1-0
⌚️ 17分
⚽️ マルコ トゥーリオ(京都)#Jリーグ pic.twitter.com/6bqybSFKNw
そこからというもの、前半は完全にサンガがやりたい放題、一方のガンバはにっちもさっちもどうにもブルドック状態が続いていました。
サンガのSBの背後を狙おうとしたガンバに対して、今日はいつもよりは下がり気味の位置をスタートラインにしたサンガのSBがそれを無力化すると共に、攻撃時には特にサンガの右サイドで福田、川﨑、トゥーリオの3人に対してガンバはSBの黒川圭介一人で対応しないといけない状況を作ると、そこに長沢が相手CBを引っ張り出しながらポストプレーに絡み、ファーサイドには原大智が走り込んでいる…という攻撃の循環を確立。24分にはまさしく右サイドを起点としたパスワークから川﨑が剥がし、最後はトゥーリオのクロスに長沢が合わせる決定機。ここはGK一森がビッグセーブで防ぎますが、どちらが主導権を持つゲームなのかは明確になっていました。
25分、前述の長沢のシュートを一森が防いだことで得た左CKでした。
平戸がニアサイドに入れたボールに対し、ニアサイドでバックヘッド気味に合わせたトゥーリオのヘッドはファーサイドのゴールネットに吸い込まれて追加点!!どちらかといえばエリアスや原へのアシスト役として輝くことが多かったトゥーリオ、サンガ加入後初の1試合2得点!!
#マルコトゥーリオ 本日2ゴール⚽️⚽️
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) 2025年6月28日
🎦 ゴール動画
🏆 明治安田J1リーグ 第22節
🆚 京都vsG大阪
🔢 2-0
⌚️ 25分
⚽️ マルコ トゥーリオ(京都)#Jリーグ pic.twitter.com/JPlOoHQHtD
ガンバの反撃の機会は2点目が決まった直後の27分。ミスパスをカットしたウェルトンの攻撃から宇佐美、満田が絡むアタックを仕掛け、サンガのクリアがディフレクションしたところに走り込んだ宇佐美がアウトサイドがかったミドルシュートを放つも僅かに枠外。
しかし前半のガンバの明確なチャンスと言えばこのシーンくらいで、逆にサンガは前半終了間際にもセットプレーのこぼれ球から平戸がクロスバー直撃のシュートを放つなど、前半は完全にサンガの完勝ムードで終了。後半に向かいます。
おそらく4月の対戦時のイメージを踏襲した「サンガ対策」が外れたガンバは、普段ハーフタイムの選手交代はあまり行わないポヤトス監督にしては珍しく2枚替えを断行。黒川と鈴木を下げて岸本武流とネタ・ラヴィを投入。岸本を右SBに入れた上で福岡将太を左SBにスライドし、中谷進之介と半田陸をCBにした初めての形の4バックに再編し、中盤はネタラヴィをアンカー、満田と安部をインサイドハーフにした4-3-1-2気味の形にシフトして後半に向かいます。
しかしガンバは福岡や半田が慣れない守備配置でのポジショニングに手こずり、ビルドアップ時もいつもと全く違う角度でボールを受ける事からパニック状態に陥ったようにボールロストを頻出。サンガもガンバが陥った自発的な混乱につけ込むように前半以上のハイプレスを仕掛けてきた事でガンバのパニック具合は加速していきました。
50分には川﨑が福岡将太からボールを奪い切ってラストパス。走り込んだ平戸が放ったシュートは枠を逸れるものの、ガンバからしたら低い位置、慣れない角度のビルドアップ、サンガのハイプレスという三重苦のような状態に陥って瓦解。そして52分、右サイドで細かいボール回しを行なったサンガは幅を取った原のパスを受けたトゥーリオがヒールパス。インサイドから走り込んだ福田は完全に背後を取ると左脚で見事なコントロールショット!!満員に膨れ上がったサンガスタジアム、その舞台でこれまでの歴史に見たサンガと違うことを示すような3点目!!!福田E-1行ってくれ!!
スルスルと侵入した #福田心之助 が追加点‼️
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) 2025年6月28日
🎦 ゴール動画
🏆 明治安田J1リーグ 第22節
🆚 京都vsG大阪
🔢 3-0
⌚️ 52分
⚽️ 福田 心之助(京都)#Jリーグ pic.twitter.com/btrSWr8qCY
どうにかガンバも3点ビハインドを背負って以降は宇佐美とネタラヴィのところでボールを落ち着かせようと試み、実際にこの辺りの時間帯からはガンバがボールを持って岸本とウェルトンが幅を取るサイドへのアクセスを構築しようとするような場面は増えていきましたが、一方でサンガも3点リードを奪った背景もあって少しペースを落としながらゲームを締めに行く方向へシフトしていきます。
サンガは66分に長沢と福田を下げて松田天馬と須貝英大を投入して強度を維持しつつ、83分にはトゥーリオと福岡慎平を下げてパトリック・ウィリアムと麻田将吾を投入し、3バックにすると共に麻田をCFとしてロングボールの競り合いとプレス要因に充てる逃げ切り戦術へ。
対するガンバは66分に宇佐美とウェルトンを下げてイッサム・ジェバリと山下諒也を送り込んでからはややパワープレー気味な戦い方もするようになり、83分には満田を下げてファン・アラーノも投入。
88分にはルーズボールを収めたジェバリがやや強引な単独突破からファインゴールを決めてなんとか1点を返す事に成功。ジェバリはこれで今季5点目となり、山下と並ぶチーム最多得点者に。
🎥ゴール動画
— ガンバ大阪オフィシャル (@GAMBA_OFFICIAL) 2025年6月28日
🏆2025明治安田J1リーグ 第22節
🆚京都サンガF.C.
⌚️88分
⚽️#イッサムジェバリ
見逃し配信は▶️@DAZN_JPN
登録は▶️https://t.co/cmHuKWbwHj#ガンバ大阪 #GAMBAOSAKA pic.twitter.com/SIyoiPxbWc
しかしジェバリの反撃の狼煙もチーム全体としての効果的な攻撃には繋がらず、一方のサンガも終盤はガンバのパワープレーに対して疲弊するような場面が見受けられましたが、それでもリードの余裕もあって卒なく対応してゲームセット!!!サンガ、2万人を集めたスタジアムで完勝と呼ぶべきゲーム展開で前半戦のリベンジを達成し3位復帰!!一方のガンバは前節の流れを汲んで連勝と行きたいところでしたが、またも掴んだきっかけを手放す形となりました。
この試合の最大のポイントはガンバの見込み違いにあったと思います。そこはポヤトス監督が「このシチュエーションに関しては自分自身に責任がある」と語っていた通りでもあり、おそらくガンバが目論んでいたであろうプランに対する解答をサンガが明確に示していた事、そういうミスマッチの部分を除いてもイーブンな局面のほぼ全てをサンガが制した事…その辺りがこの試合をこの内容・この結果にした根底としてありました。
おそらくですが、両チームにとって4月にパナスタで対戦した時の記憶、ガンバが前半に奪った2点リードで逃げ切った試合の記憶というものは結構色濃く残っていたと思うんですよね。4月の対戦時にはサンガのSBが高い位置を取る事を踏まえて、ガンバはSBの背後を明確に狙ってきました。それも単純にSBの裏を狙うだけであれば追いつかれて捕まり、サイドエリアでのデュエルに持ち込まれる可能性がある。そこでガンバは背後に抜けたWGがインサイドに走っていく事で一度裏を取ったSBが帰陣するコースの前に入る、それによってサンガのCBを一枚釣り出してゴール前を空けさせる…というやり方で成功したんですよね。あれはあの時点に於けるサンガ対策の正解に近いような攻撃だったと思いますし、実際にガンバはそれによって勝利を手にしたと。
://x.com/blueblack_gblue/status/1938915634861281283?s=46:embed
おそらくガンバは4月の対戦時の再現を狙ってきたんだと思うんですよ。それはガンバのスタメン選考にも表れていた。前述したようにサイドの背後を狙いながらインサイドに食い込む動きをさせるなら、ポヤトス監督が全幅の信頼を置く山下や左WGとしてのウェルトンではなく、左で起用した時よりもカットインを狙うようになる右WGとしてのウェルトンや、WGではなくシャドータイプの満田を左に置く…という選択肢になってくる。特に満田に関しては4月の時の食野亮太郎のような働きを求めての起用だったと思いますし、特に山下でも岸本でもなくわざわざウェルトンを右に持ってきた辺りはその狙いが窺えるものでした。実際にウェルトンと満田の動き方はそれに準じたようなものでしたし。
一方、ガンバが4月の対戦を成功体験として捉えていたならばサンガにとっては失敗体験というか、今後追随してくるチームが出てくるであろうサンガ対策を示唆したゲーム…という記憶になっていたように思います。そこでこの日のサンガのSBは福田と佐藤という人選でしたが、今日は高い位置を取らせるというよりも明確に佐藤はウェルトン、福田は満田の位置に合わせた守り方をするようになっていました。これにより、まずガンバの構想からSBの背後という選択肢を一つ消した事になりましたし、ガンバはその状況でも最初のプランをいわば決行する形になったので、ウェルトンも満田も対峙するSBに捕まった状態で足元で受ける形になってしまった…と。まだ単独突破を持ち味とするタイプのウェルトンはともかく、周囲との連動で活きるタイプの満田にとっては福田に捕まってしまった状況はなかなか致命的でした。
そしてサンガはそこから、福田が満田からボールを奪えばアンカーの福岡慎平を介して2対1の状況で満田を剥がし、満田を剥がした後はフォローに入った川﨑、ワイドで幅を取ったトゥーリオ、ボールを持つ福田という関係性で左SBの黒川に3対1になる状況を強いていった。この3人でボールを前の方まで運ぶと、今度はCBを引き連れて顔を出した長沢がワンタッチ、ツータッチくらいでボールを叩く事でエリア内にCBが1人しか残っていないような状況を作り出す。そして必ずファーサイドには左WGの原が入っている。前半のサンガのチャンスはほぼこの形でしたし、いわばガンバの策を完全に利用された、或いは前回の成功体験をそのまま持ってきたようなガンバを相手に更にサンガが対策・学習したような格好になっていました。後にポヤトス監督は蹂躙される事になった左サイドのテコ入れとして黒川を下げて福岡将太を左SBに持ってきましたが、ある意味で目立つ形になってしまった、責任を取らされる形となった黒川には気の毒なシチュエーションではあったと思います。
なにより満田に関しては満田自体が単独というより複数人を絡めた攻撃に繋げる為にインサイドに食い込んだ感があるのでサンガも複数人で対処する形になりましたが、1人でウェルトンを抑え切る事をタスクとして課された佐藤がそれを遂行し切ってくれたことは本当に素晴らしかった。佐藤がそこでウェルトンを消し切れるかどうかはこの試合の肝でしたし。スタジアム場内でMOMに輝いたトゥーリオと共に、京セラ賞として佐藤も表彰して讃えた運営側の判断も素晴らしかったです。
後半に関しては、文字通りサンガが相手を刺せる時間帯に刺し切ってうまく撤退できた展開になったなと。
ガンバは福岡将太を左SB、半田と中谷のCBという少なくとも実戦では見たことのない4バックの構成にしてきました。ここに関しては中盤も3ボランチ気味にする事で変則3バックのような形にして岸本やウェルトンを従来の立ち位置でサイドを狙わせる、同時に蹂躙された左サイドを福岡将太でケアしたいというところでしたが、福岡にしても半田にしても慣れない立ち位置といつもと違う角度により、特にビルドアップ時にその感覚を掴めていない様子が目に見えていましたので、サンガもそれを察したのか福岡や半田が順応するより先にハイプレスを仕掛けていった…と。こうなると前半は自重していたSBの攻撃参加も解禁して、むしろ相手のDFラインを窒息させるように畳み掛けていく。2点リードを有しているチームとしてはアグレッシブ過ぎるようにも映りますが、それ以上に「ガンバが明らかにパニックを起こしている間に3点目を取り切ってしまう」という点では至極真っ当な振る舞いだったなと。そこで前半にも見せた複数人が絡むコンビネーション、近距離のパスワークでパニック状態のガンバ守備陣を瓦解させた。良い時、或いは相手の悪い時にしっかりと点を取り切るのは間違いなく今季のサンガの強みだと思いますし、この試合は自分達のスタイルに前な試合で学習した部分を枝葉として伸ばしていく事で相手を利用する…というところで、ベースと応用の構築が実に上手くいった素晴らしいパフォーマンスだったと思います。
ガンバに関してはやはり前回対戦の成功体験に引っ張られすぎた部分もそうですが、明らかにそのプランがミスマッチになった前半の時点でもその戦い方に固執してしまった事は致命傷でしたし、その他の手立てを用意していなかった事で後半の修正もパニックを加速させるだけの結果になってしまった。この日に限ってはポヤトス監督の采配も、一度右に折れ曲がった割り箸を真っ直ぐに戻そうとして左に曲げたらポッキリ折れた、みたいな感じになってしまった印象です。一応終盤はジェバリのファインゴールもあったようにガンバがボールを動かして攻め込む時間帯もありましたが、あれは明確にサンガがペースを落として締めに入った結果の、いわばあるある的な展開ではあったと思いますし。
なんにせよ、この試合はサンガもガンバもチームとしてのベースはあるんですよ。サンガの方がよりそれを徹底していて、ガンバは大枠での設定という違いはありますが。その上であくまでベースの上に応用としてプランを遂行したサンガと、あまりにもプランを、それも一度手の内を見せているようなプランを決め打ち的に設定してしまった事でそこから抜け出せなくなったガンバの構図が、そのまま内容と結果に表れた…というべきゲームだったなと思います。
ガンバファンとしてはダービーまでになんとか立ち直らないといけないですし、これ以上に悪い状況でダービーに突っ込んだ2019年の宮本恒靖のようなリバウンドメンタリティをポヤトス監督には期待したい。サンガファンとしてはとにかく、満員のスタジアムで……それも今年は、同じく大入りを達成した去年のガンバ戦以上に「今年のサンガは強いらしいから観に行ってみよう」と思ってくれた人が多かったと思うので、そういう人達に対してエキサイティングなプレーを見せ、そして結果に繋げたという事実は何より大きかったですし、純粋に嬉しかったです。
強くなった
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年6月28日
サンガ強くなったよほんと……。 pic.twitter.com/jwhltocPvT
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
2025明治安田J1リーグ第22節
1位 鹿島アントラーズ(41)
2位 柏レイソル(41)
3位 京都サンガFC(38)
4位 ヴィッセル神戸(37)※1
5位 サンフレッチェ広島(36)※1
6位 川崎フロンターレ(35)
7位 浦和レッズ(34)※1
8位 FC町田ゼルビア(34)
9位 セレッソ大阪(33)
10位 ファジアーノ岡山(30)
11位 アビスパ福岡(30)
12位 ガンバ大阪(28)
13位 名古屋グランパス(27)
14位 清水エスパルス(27)
15位 東京ヴェルディ(27)
16位 FC東京(26)
17位 湘南ベルマーレ(23)※1
18位 横浜FC(19)
19位 アルビレックス新潟(19)
20位 横浜F・マリノス(15)
※1 1試合未消化
上位勢は文字通り明暗が分かれる結果となりました。
首位鹿島は初めてカシマスタジアムに訪れた岡山を相手に先制しながらも後半に2失点を喫して逆転負け。これで2連敗かつ5試合で1勝1分3敗という事になり足踏み。神戸は福岡と引き分け、広島と川崎は残留争い脱出を狙う名古屋と東京Vにそれぞれ敗れた一方、柏は敵地で清水に、京都はホームでG大阪に2点差で勝利した事で2位・3位に再浮上。特に2位柏は首位の鹿島に勝点で遂に並び、京都も鹿島と柏との勝点差を3に縮めています。
下位争いでは名古屋と東京Vが上位の広島と川崎に勝利し、特に東京Vは川崎を相手にヴェルディ川崎時代の川崎ダービーとなっていた2000年以来25年ぶりの勝利。一方、今節は湘南vs横浜FM、FC東京vs横浜FCの直接対決が行われましたが、前者は1-1のドロー、後者は横浜FCが前半に先制しましたが、FC東京が終了間際の2ゴールで逆転勝利。中2日で横浜勢との残留争い直接対決が続きましたが2連勝を飾っています。
トルシエさん来てたのね
ではでは(´∀`)