RK-3はきだめスタジオブログ

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圧たちはどう活きるか〜2025明治安田J1リーグ第13節 ガンバ大阪 vs 京都サンガFC マッチレビュー&試合考察〜

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わいくら

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第13節、ガンバ大阪 vs 京都サンガFCの一戦です!

 

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積み上げとはなんぞやとはよく議論になるもの。「強くてニューゲーム」とは言いますが、それを昨季と今季に当てはめた時、それが上手くいったのがサンガであって、上手くいっていないのがガンバになるのかもしれません。

昨季後半戦、悪夢の時期から一転して猛烈な勢いで残留まで駆け上がったサンガの躍進には、元々曺貴裁監督の下で築いたベースと、その強みとトレードオフになっていたような欠点を埋めようとする事で今の成績に繋げた。一方のガンバも、昨季に一つの完成形に近いものを見たチームを継続・発展させようとしましたが、そう上手くはいかない事情がいくつも起きた結果、シーズンを練り直さなければならない旅路となった……その結果が今季の両チームの順位に表れているように思います。

しかしながら、リーグはまだ1/3を通過するところに過ぎません。強くてニューゲームはある種、貯金のような話でもある。サンガはこの貯金を更に増やし続けるかどうか、それとも前半戦で使い切るだけのものになってしまうのか。逆にガンバは使いきれていない貯金がきっかけ一つで助けになるような気流にチームを乗せられるのか。前半戦、一通りリーグのスタート設定が組まれたテーブルの上で、誰がどう現状を飛躍させていくのか。GWの晴天を彩る分岐点です。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは0-3で敗れた前節FC東京戦からは3人変更。バックラインは固定のメンバーを起用していますが、中盤より前は実質的に鈴木徳真と山下諒也を残して再編する形になりました。トップ下には宇佐美貴史が第8節町田戦以来の先発復帰となり、美藤倫の欠場に伴い満田誠はボランチでのスタート。スタメン時は2トップ起用が多かったデニス・ヒュメットが今日はワントップで起用され、左WGの食野亮太郎は今季初先発となっています。

対するサンガは2-1で勝利した前節横浜FC戦からのメンバー変更は一人。中盤はややメンバーをローテーション的に入れ替えていることもあってか、今日は平戸太貴をベンチスタートとして米本拓司を先発に起用しています。ベンチ入りメンバー20名という括りでは前節からの変更はありません。

 

 

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

GW真っ只中の一戦とあって「GAMBA SMILE DAY」と称したイベントやゲストも多数来場。OBとしては加地亮氏、阿部浩之氏、金正也氏が来場し、芸能人ではGENERATIONSの中務裕太氏、お笑い芸人のパンサー尾形氏、スリムクラブミサイルマンが来場。また、堂安律プロデュースでも話題のドーナツ店「y/OU donut」がパナスタに初出店します。

サンガがJ1に戻ってきた2022年以降、サンガとガンバの対戦成績は全くのイーブンとなっています。ホームもアウェイもリーグもルヴァンも全くのイーブン。今季はその均衡が続くのか、それとも解かれるのか…!

 

 

本日は現地観戦!そりゃいくよね!スポーツ観戦日記は追々!

 

 

 

試合はサンガが押し込む形となり、ガンバはサンガが押し込んでくる展開をある程度受け入れる形で始まりました。9分、サンガは右サイドで粘った原大智の折り返しを中央でエリアスが受けると、エリアスが左サイドに流して佐藤響へ。その佐藤のスルーパスに反応した松田天馬がチャンスを迎えますが、GK一森純と福岡将太のカバーで阻止。

 

 

 

しかしそのプレーが切れてゴールキックになったところからガンバの攻撃が始まります。

GK一森からショートパスを繋いだガンバは一度はサンガに引っ掛けられてパスが途切れるも、満田がルーズボールを山下諒也に繋ぐと一度サンガボールになりかけた事がかえってカウンターのきっかけとなり、山下は持ち運んで右サイドへパス。サイドに流れたヒュメットがドリブルで右サイドを爆走すると、ニアに走り込んだ山下の動きに釣られて空いたスペースに走り込んだのは宇佐美貴史!マークに入った須貝英大の股をワンタッチで抜いてしまう鮮やかな一撃!No.7のPK以外では今季初となる得点でガンバが先制します。

 

 

ガンバは12分には中盤の混戦を制した食野のパスを受けた満田が前線に繋ぐと、ヒュメットはサンガ守備陣に対して宇佐美、山下の選択肢を匂わせながら自らシュートに持ち込みます。この場面は枠を逸れましたが、ガンバは低めのライン設定で構えながらも、低い位置からサンガのSBの背後を明確に突きに行くアタックを徹底していました。

 

 

 

27分、サンガは右サイドで須貝が米本からのリターンを受けて抜け出してマイナスのクロス。パスはエリアスに向かい、サンガの決定機…かと思った瞬間、須貝のパスは帰陣した宇佐美が見事にカット。このボールを拾った福岡が左サイドに開いたヒュメットにパスを繋ぐと、宇佐美が攻撃に復帰できる時間を作って宇佐美へ。サンガ守備陣が右サイドの山下に気を取られたところを左サイドのヒュメットにロングスルーパスを入れれば、ヒュメットは巧みなステップワークから完璧なコースへ右脚一閃!ヒュメット待望の移籍後初ゴールでガンバ追加点!宇佐美とヒュメットが共に1ゴール1アシストという形に。

 

 

ですが試合を通じて押し込めてはいたサンガも反撃に出ます。33分、中央でボールを持ったエリアスが試みた強引な突破はうまく行きませんでしたが、なんとか粘って前線にボールを起こると松田が飛び出し、一度は中谷進之介にブロックされるものどうにか粘ったボールを残すと、パスを受けた須貝のクロスに走り込んだ米本がヒールで合わせてゲット!米本はサンガ移籍後初ゴールにして、自身の得点も名古屋時代の2020年以来という事に。

 

 

ガンバは40分にも中谷のロングボールを拾った宇佐美のスルーパスからヒュメットがチャンスを迎えますが、シュートはGK太田岳志がファインセーブ。

前半はうまくサンガを翻したガンバが1点リードで後半へ。

 

 

 

サンガは後半から米本と松田を下げてジョアン・ペドロと奥川雅也を投入。スーパーサブ的に躍動する2人を送り込んで勝負に出ます。

後半も立ち上がりはシンプルにサイドでのスピードを重視したガンバがチャンスを作ります。51分、右サイドを抜け出した山下の同サイドへのスルーパスに走ったヒュメットが折り返すと、マイナスに走り込んだ食野がミドルを放つも、シュートはまたもGK太田がファインセーブ。サンガも55分に佐藤を下げて福田心之助、61分に福岡を下げて平戸太貴を送り込むと65分にはエリアスがグラウンダーで蹴り込んだ左CKを川﨑がスルーして奥川、続けてペドロが反応しますが枠を捉えられません。

 

 

 

ある程度押し込まれる状況を受け入れてサンガにボールを持たせる形をベースに戦略を立てていたガンバは、ボール奪取時に宇佐美を軸にカウンターを繰り出す事で流れを生んでいましたが、後半も時間が経過してくるとなかなか奪い切れずにセカンドボールを拾われる時間が続き、奪ってもなかなか宇佐美やサイドのスペースにボールが送れない状況が続いていきます。そんな中でガンバは66分に食野を下げて倉田秋、74分に宇佐美とヒュメットを下げてファン・アラーノとイッサム・ジェバリを投入し、より前線のポイントをわかりやすくした上で2列目の機動力を絡めようとする形に。

対するサンガも72分、ペドロの流れかけたボールを福田が福岡と競り合いながらどうにか残すと、ボールを拾ったエリアスが左サイドに流れてシュート性のクロスを供給。ファーサイドには原も走り込み、サンガには後半最大の決定機でしたが…飛び出したGK一森が見事に掻き出して失点を阻止。

 

 

 

ガンバもその後はいくつかカウンターのチャンスが訪れる場面はありましたが前線でなかなか時間を作れず、終盤はサンガが猛攻を仕掛ける格好になりましたが、ガンバ守備陣も去年の盗撮を思い出したように高い集中力でこれらを跳ね返していきます。

アディショナルタイム、GK太田も参加しての攻撃参加のこぼれ球を福田がサイドチェンジ。アラーノを胸トラップで振り切った平戸が入れたクロスにエリアス、続けて原が狙いますが、それぞれ中谷とジェバリが身を挺してブロック!試合は前半のリードをなんとか耐え切ったガンバが2-1で勝利!!一方、敗れたサンガはクラブ史上初の首位陥落です。

 

 

 

ガンバとしては非常に大きな勝利でした。サンガの特徴を逆手に取るアプローチをしっかりとやり切りましたし、今日のゲームプランには対京都としての対策的な側面が大きかったとは思いますが、選手起用やユニットとしての組み合わせ、戦術や戦略のパターンとしては良い形を提示するきっかけになった。特にガンバは押し込まれた時に陣地回復できないという弱点を去年から抱えていた為、そこでこれからのガンバにとってのヒントにもなり得るような戦いぶりだったなと。

今日のガンバの狙いは明確でした。まずサンガが押し込んでくる構図になる事は受け入れる代わりに、低い位置でブロックを組んでサンガにボールを持たせる状態を作ること。いつもはSB…特に黒川圭介は積極的に攻撃に絡ませる形をストロングにしていますが、今日はSBの攻め上がりを抑えて、競り合いに勝てなくてもいいから誰かが原大智に必ず当たる、その上でこぼれ球を回収しにくるエリアスに誰かが潰す…という連携を徹底していました。その上で今日は福岡将太をカバーとして固定し、むしろ中谷が積極的にチャレンジと相手を直接潰しに行くような役割分担を固定した事で、原をポストプレーに忙殺させながらエリアスをペナルティエリア内から追い出す守備ができていた。今のサンガの3トップにスペースを与えるとやっぱり苦しい状況に追い込まれるでしょうし、サンガ的には"ガンバ対策"の側面もあった中盤の人選が結果的に助けになった部分もありましたが、押し込まれた終盤を含めてほぼパーフェクトな守備をやってくれていたと思います。

 

 

その上で攻撃に関しては攻撃時にかなり高い位置を取ってくるサンガの両SBの背後を如何に突いていくのかという部分を徹底する訳ですけど、上述のようにガンバはSBの攻撃参加を抑えていたので前線の4人で攻撃を完結させる必要がありました。サンガのSBは帰陣の速さと対人の強さは持っているので、ヒュメットの2点目がわかりやすい例であるようにヒュメットや山下は縦から中に切り込んでCBを1対1に釣り出す状況を作る事で優位な状況をしっかり作ってくれていましたし、逆に食野は外に張るタイミングと中に斬り込むタイミングを巧く使い分けてくれた事でサンガ守備陣の撹乱やヒュメットや宇佐美が抜け出すコース作りの面で大きな助けになっていたと思います。

そしてなんといっても宇佐美ですよね。前から書いていますが、ポヤトスサッカーに宇佐美が必要な理由は「作ったスペースにどの距離からでもスルーパスを投じれる能力」だと思っているんですけど、今日はまさにそういうプレーを出してくれていたと思いますし、チームがカウンター寄りの戦い方をした事でより可視化されやすかったなと。山下やヒュメットが開いて加速して走り出したタイミングを逃さないパス出しの妙を常に発揮してくれていましたし、逆に後半は宇佐美までボールを入れられなくなる場面が多くなって、山下やヒュメットのルートに付けられなくなった事も後半が一方的に押し込まれる形になった要因にはなったのかなと。今日の宇佐美の躍動で言えば、特に前半はサンガのボールを引っ掛けた時にDFがすぐさまボランチに付けて、ボランチが一枚剥がして宇佐美に付ける動きを何度も出せていたところが素晴らしかった。そこであのポジションで的確に中間処理をこなし続けた満田の働きも圧巻でしたね。

 

 

 

サンガに関しては、ガンバがここまで対サンガとしてブロックを組んできたことは想定外だったと思います。曺監督が平戸ではなくて米本と川﨑のコンビにして左WGに松田を置いたことは前節からの継続や疲労考慮もあるとはいえ、ガンバがビルドアップを構築してくるところを中盤からのプレスで引っ掛けたい糸があったでしょうし、それ自体は自然な考えなので曺監督のミスとは言えないですが、中盤で時間ができたところでのボールの動かし方に於いて狙いが裏目に出てしまった感は否めないです。とはいえ、想像以上にサンガが持たされる形になって3トップの迫力を出せる場面が著しく減った事は大いなる敗因ではありましたが、米本の得点シーンのように、これまではボールを持たされる形になれば手詰まりになるしかなかった状態からは一定の成長も見られたように思います。後半に関しても、得意なセカンドボールへの対応を絶やさず繰り返しつつボールを動かしながら攻撃ターンを続ける…というところができるようになったのはチームとして底上げできている証ではあったのかなと。

守備に関しては…まあ、サンガの弱点と言いますか、強みとトレードオフにした難点を的確に突かれてしまったなと。サンガはSBが高い位置を取り、その背後を狙われる事はよくある話ではあるんです。ただ、サイドでカウンター時にちゃんと相手がドリブル突破をしようとしてくれるなら、須貝にしても佐藤にしても、或いは福田でも帰陣で追いついて、少なくとも1対1で対峙するところまでは持っていける。彼ら3人のそういう能力ががサンガにとってのリスクヘッジではあったんですが、今日のヒュメットや山下はとにかくスピードやストライドを活かして足元にボールをなるべく付けない突破をする事でSBが追いつけない状況を作り出してきたんですね。ましてやそれが出来るようなボールを出せる宇佐美のような選手がいるわけで。彼らはシンプルな突破というよりもデュエルの相手をSBではなくCBとなるようにカウンターを繰り出してきた事でCBを引っ張り出すようなプレーをしてきた。これはサンガにとっては相当苦しかったなと。

 

 

ただ、サンガとしてはこれまでもサンガ対策をしてくる相手はありましたし、そういう試合で見せた芳しくないパフォーマンスと比べると、今日はガンバにガチガチに対策された前提を踏まえればやれる事はやったゲームではあったのかな、とも思います。今日のように3トップ…というか原とエリアスへのルートを閉じられた時に彼ら2人がどう動くのか、他の選手がどう働きかけるのかという点では、上位に残り続けたいのであればこれからもトレーニングで積んでいかないといけない要素でしょうね。

サンガファンとしては、ガンバクラスのタレントや規模を持つチームにガチガチに引いて守られるようなチームになった…と考えると少し感慨深さもあったり。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2025明治安田J1リーグ第13節

FC東京0-2清水エスパルス

横浜FC0-3鹿島アントラーズ

名古屋グランパス1-2柏レイソル

ファジアーノ岡山0-1東京ヴェルディ

サンフレッチェ広島0-1アルビレックス新潟

湘南ベルマーレ0-0アビスパ福岡

ガンバ大阪2-1京都サンガFC

セレッソ大阪1-2FC町田ゼルビア

川崎フロンターレ(5月21日19:00)浦和レッズ

横浜F・マリノス(5月21日19:00)ヴィッセル神戸

 

 

1位 鹿島アントラーズ(25)

2位 柏レイソル(24)

3位 京都サンガFC(24)

4位 浦和レッズ(22)

5位 清水エスパルス(21)

6位 アビスパ福岡(21)

7位 FC町田ゼルビア(20)

8位 川崎フロンターレ(18)

9位 ファジアーノ岡山(18)

10位 ヴィッセル神戸(18)

11位 湘南ベルマーレ(18)

12位 サンフレッチェ広島(17)

13位 東京ヴェルディ(17)

14位 ガンバ大阪(17)

15位 セレッソ大阪(13)

16位 FC東京(13)

17位 アルビレックス新潟(12)

18位 横浜FC(12)

19位 名古屋グランパス(11)

20位 横浜F・マリノス(8)

 

暫定とはいえ首位をキープしていた京都でしたが、今日は敵地でG大阪に対して1-2で敗北。一方で鹿島は横浜FCに、柏は名古屋にそれぞれ敵地で勝利した事で、上位陣は首位に鹿島、柏が2位、京都が3位という形になりました。敵地でFC東京に勝利して3連勝となった清水が5位に浮上し、連敗脱出となった町田も7位に順位を戻しています。広島は4連敗となりました。

下位では新潟が敵地で広島に勝利して今季2勝目を達成したことにより降格圏を脱出。一方、横浜FCが鹿島に敗れて降格権に転落しました。前節に久々の勝利を挙げたFC東京、前々節に久々の勝利を挙げた名古屋は共に敗北となるなど、なかなか勝利を下流に乗せられていません。

 

 

金ローの予告見てつけたタイトル、さすがに無理やりか…

ではでは(´∀`)