
万博の記念チケット、ガンバモデルで発注できた!
どーもこんばんは
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さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第33節、鹿島アントラーズ vs ガンバ大阪 の一戦です!
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今から2ヶ月ほど前、町田戦のゴール裏、まるで2023年ごろの光景を思わせるような重苦しい光景……しかしその次の試合となる横浜FC戦、先制を奪われる展開ながらもそこからガンバが見せた反撃は、今覚えばその後のブレイクスルーの始まりを告げるものでした。
どことなく停滞感と不安定感を持っていた今年のガンバは、確かに不安定感はまだ拭えていないとはいえ、停滞感は遥か彼方に吹き飛ばすような勝利!勝利!!勝利!!!気が付けばリーグ5連勝、公式戦7連勝。5試合で16得点!!!!7試合で21得点!!!!!今、2025ガンバはここに来て最高の瞬間を迎えています。
…とはいえ、この5連勝は全てホームゲームで、第29節浦和戦を除けばいずれも下位チームとの対戦でした。基本的にガンバはタレントパワーはこのリーグの多くのチームより上ですから、その力を純粋に出すならその結果が不自然ではないカードが並んだのが9月の大爆発だった…うがった見方をすればそういう事も言える訳です。
だからこそ、今日、ガンバの歴史にとって鬼門であり続けるカシマサッカースタジアムという門を潜ったところで、首位を走り優勝へのカウントダウンを刻もうとする鹿島に何を見せつけるのか。今、順位表のトップに君臨する相手を前に、今もっとも爆発力を誇る青黒の戦士達はどう闘い、どんな結果を得るのか。これは優勝争いに於ける影のキーマンとしての大一番ではなく、6連勝をかけた戦いともまた異なり、ガンバのプライドと2025年の鬱屈の全てにケリをつける為の聖戦です。いざ、この場所で今年の鬱憤の全てに訣別を!
両チームスタメンです。


ガンバは前節新潟戦からはスタメンを3人変更。直近のACL2ラーチャブリー戦からは7人メンバーを入れ替えてきました。今日は3バックシステムを採用し、半田陸を右CB、岸本武流を右WB、倉田秋と山下諒也を2シャドーに配置しました。ジェバリは第26節広島戦、倉田は第25節岡山戦、岸本は第14節湘南戦以来の先発。鹿島の下部組織出身の佐々木翔悟は第11節横浜FC戦以来のベンチ入りとなっています。
鹿島は4-0で勝利した前節名古屋戦からの先発変更は2人。出場停止明けのキム・テヒョンが先発、知念慶がベンチメンバーに復帰し、左SBは小川諒也のところを小池龍太に変更した4-4-2システムで挑みます。
「〜茨城発、世界へ〜理想科学×Antlers ファミリーデー2025」として行われるこの試合では、鹿島は様々な技術を駆使して制作されたオリジナル手拭い先着1万人にプレゼント。また、マスコットキャラクターのアントンとのハイタッチでギネス世界記録を目指す企画も実施されました。
オリジナル10として、大規模改修を挟みながらも長年に渡り魔境、要塞、鬼門として君臨してきたカシマスタジアムですが、今年の7月から初めてネーミングライツを導入し、新たに"メルカリスタジアム"としての稼働を始めています。カシマスタジアムに色々な思い出を持つガンバにとって"メルカリスタジアム"としてのピッチに立つのは初めて。新しい名前の下で、新しい歴史を!
GKがピッチに登場!#ガンバ大阪 #GAMBAOSAKA pic.twitter.com/5cAeTYB5JR
— ガンバ大阪オフィシャル (@GAMBA_OFFICIAL) 2025年10月5日
2分、右サイドのチャヴリッチのパスをインサイドで受けた鈴木優磨の強烈なシュートから幕を開けると、8分にはガンバがカウンターから中谷進之介のスルーパスに山下が抜け出して決定機を迎えますが、飛び出したGK早川友基が好対応で阻止。ガンバは11分にも安部のロングスルーパスに抜け出した山下が決定機を迎えるも僅かにオフサイド。やや鹿島が押し込もうとする立ち上がりに、ガンバは山下と倉田がジェバリを置き石に斜めへのランで一気に翻す形を狙っていました。
ここまでの連勝中もSBの背後の対応に不安を抱えていたガンバでしたが、今日はWBを配置したシステムにした事で守備時はむしろ割り切った5バックになる形でスペース消す形を採っており、CBのカバーやSBの帰陣が間に合う可能性と1点取られても取り返せる可能性で収支がプラスと判断されたこれまでの試合とは異なり、ガンバとしては鹿島相手だとその収支がプラスにならないという事でテコ入れを行った形に。
鹿島にとっておそらく予想外だったガンバのスタンスに、特に鹿島がSBのところで前に出るタイミングとスペースを掴め切れないでいると、ガンバも少しずつWBの岸本と黒川が高い位置を取れるようになり、そうなってくると今度は高い位置でボールを動かしながら2シャドーとWBが背後へのアクションを狙えるような時間とスペースが生まれ始めて行きます。30分には山下の鋭いクロスに倉田が抜群の動き出しからダイビングヘッドを狙いますが僅かに合わず。
ガンバはボールを失っても山下と倉田がすぐさまファーストプレスに動ける事でビルドアップの開始点を潰す効果も生んでいましたが、鹿島が決定機を掴んだのは40分、鹿島とボールを落ち着かせられてはいない中でルーズボールをジェバリが処理しきれず、レオセアラを介したボールに抜け出したチャヴリッチが決定機。しかしここはGK一森純がビッグセーブ!!
やる側にとっても見る側にとっても、おそらく想像と異なる展開になった前半。しかしガンバの策に対して鹿島と集中して締めるところは締め、前半は0-0で終了。
後半もガンバは満田誠の絶妙なクロスに、まるで大久保嘉人や佐藤寿人を彷彿とさせるような動きを見せた倉田が飛び出しますが僅かに合わず。ただ鹿島も52分には濃野公人のクロスにエウベルが頭で合わせるなど、前半と比べると鹿島がガンバ陣内で時間を作れるようになっていました。
それも踏まえてガンバは60分の段階でジェバリ、山下、倉田をヒュメット、美藤倫、宇佐美貴史に代えて、システムは3バックを維持しつつ1トップ2シャドーを総入れ替え。トップ下起用の続く美藤もシャドーとし、満田もボランチ起用を継続させます。66分には左サイドでボールを持った宇佐美が相手DFを翻弄するステップワークからシュートを放つもGK早川がセーブ。
鹿島は66分にエウベルを下げて松村優太、72分にはチャヴリッチ、レオセアラ、船橋を下げて津久井佳祐、徳田誉、知念慶、81分に鈴木優磨を下げて荒木遼太郎を送り込みます。
ガンバは69分にまたしても宇佐美から絶妙なタメからのループパスに走り込んだ岸本の折り返しがブロックされたところに安部柊斗が走り込んで狙うも、シュートは途中出場の松村がブロック。76分にも宇佐美が右サイドに展開したところから安部が入れた縦パスに反応したヒュメットはコントロールが上手くいかずともどうにかボールを残すと、左に抜け出した宇佐美が低い弾道の強烈な一撃を放ちますが…GK早川がビッグセーブ。鹿島アントラーズ、ガンバ大阪…その名前に相応しい攻防が繰り広げられていきます。
鹿島も84分には濃野が右サイドを抜け出して入れたクロスにファーサイドの荒木が頭で合わせますがGK一森の卓越した跳躍力でストップ。とはいえ60分のガンバの3枚替え以降はガンバペースの時間が続いていました。
しかし運命が大きく動いたのはアディショナルタイム、右から何度も連続してクロスを上げてセカンドボールを拾い続けます鹿島は津久井が上げたクロスをブロックに入った満田がハンドを取られてPK判定。
絶体絶命。ここまで奮闘も、この一瞬で勝点がゼロになってしまうのか……その予感が漂う中でした。
BIG SAVE🔵⚫️
— ガンバ大阪オフィシャル (@GAMBA_OFFICIAL) 2025年10月5日
🏆明治安田J1リーグ 第33節
🆚#鹿島アントラーズ
🧤#一森純#ガンバ大阪 #GAMBAOSAKA pic.twitter.com/D6Kb2z4vom
King Of ICHIMORI!!!!!
アディショナルタイムには知念のクロスに反応した濃野の決定機も福岡が身体を寄せて対応。ガンバもラストワンプレーでカウンターのチャンスを得ますが、途中出場の佐々木翔悟は本人にとって慣れないシチュエーションも手伝ってかカウンタードリブルは頓挫して試合終了。
極上の90分、秘策、対応能力、維持、執念、技術、クオリティ、そして魂……サッカーを構成する全ての要素を詰め込んだような魂の震えるゲームは、最後までスコアが動かぬ引き分けという結末に終わりました。
ここまで5連勝していた時のガンバは基本的に、それこそ右SBの半田がポケットまで侵入する動きにも表れていたように攻撃時の出力を最大化するべく両SBを高い位置に出て行かせる、代わりに満田や鈴木徳真も守備に強いタイプではなく、安部も横のスライドよりは縦の上下動に秀でたものを持つタイプというところもあって、SB-ボランチ-CBのところの三角地帯を突かれる場面が多く起こっていました。とはいえサッカーに100%の戦術はなく、どこかに力を入れればどこかがリスクになる事を避けられない為、SBの帰陣やCBのカバーが間に合う可能性、或いは1点取られても2点取れる可能性の方が高いという判断で、そのリスクを許容した/リスクよりも攻撃体勢を優先したという状態になっていました。
一方で、それが鹿島相手となると…両サイドにチャヴリッチとエウベルがいて、FWにはレオセアラと鈴木優磨というリーグ屈指の4トップ状態となっている彼らを相手に、これまでの5試合と同じリスクを晒す事が危険極まりない事、そして1点を取られた場合に、植田直通や早川友基を擁する相手から2点を取れる可能性は少なくとも"高い"とは言えない事…この2つの要素を踏まえた時に、ここ5試合のスタンスでは収支が合わなくなる…という現実的な判断がポヤトス監督の中で存在していたんじゃないかと思います(ポヤトス監督は半田の負担軽減も挙げてはいたけど)。序盤のガンバは特に岸本と黒川をSBとした5バック的な運用になっていたのも、鹿島にサイドで打開する隙を作らせない意図がありました。つまりこれまでの試合では両SBが対応していたところを、両WBが対応して背後のスペースに3バックの両脇である半田と福岡が対応できるようになっていましたし、サイドのところでスピードアップさせたかった鹿島にとっては、そこで一つ攻撃面の誤算が生じた形になったなと。
その一方でガンバとしては、重心を下げられた展開になった時に陣地回復できないという悩みを昨年も含めて抱えていましたので、鹿島の攻撃に対するケアとリスクの削減はしたくても、その部分とのバランスを取らなければならない悩ましさがあった。鹿島の攻撃への対策だけなら0-0が関の山になりかねないし、耐えるゲームプランで鹿島の攻撃陣相手に90分耐え抜く事はそれはそれでハイリスクでもある。その為にガンバは前線にどうやってアプローチする道筋をつけるか、前線にボールを進めたところでコンパクトな陣形をどうやって高い位置に持っていってキープできるかの方策に迫られていました。
鹿島は当然5連勝中のガンバを対象にゲームプランを立てているでしょうから、基本的にはサイド突破をこの試合のゲームプランとして持ってきた。で、鹿島のサイド攻撃で興味深いポイントって…例えば濃野の役割は結構特徴的で、左サイドから攻撃した時の右SBの役割は一般的には最終ラインに入って3バック的な形になる事なんですけど、特に濃野の場合はファーサイドに入るシャドーストライカー的な役割になるんですよね。もちろんそれが濃野の、或いは鹿島の強みでもあるんですけど。で、本来なら鹿島は左サイドをストレートに突破してファーサイドに濃野が一気に入る形を作りたかったんでしょうけど、ガンバの対策とそれに伴う鹿島の計算違いにより、少なくとも鹿島のサイド攻撃はスピードダウンせざるを得なかった。そうなると左CBのキム・テヒョンは小池のフォローに入れるような位置に行きますし、逆に濃野は2CBの位置に入るよりも右SBは「出陣待機状態」という事になるんですよね。鹿島からすればその為に濃野を使っている訳ですから。すると植田と濃野、植田とキムテヒョンの間にはそれぞれ大きなスペースができてくる。鹿島はそういうリスクを残しつつも、それこそジェバリを見つつ他のスペースを狙われた時に最低限の時間を稼ぐ事は出来てしまう植田直通というスーパーな存在がいるからこそ出来るやり方であり、植田の守備力と濃野の攻撃力のメリットをリスクと天秤にかけた上での戦術でもあるんですね。
そこでまず、シャドーの位置に入る山下は鹿島の左サイドでの守備に加勢するような姿勢を見せる事で鹿島の注意を引きつける事で、鹿島のそういう"守備の性質"を維持させようとした。そしてボールが上手くガンバに転がってきた時に山下が一気にスタートを切る。中谷も安部もその狙いを共有していたので、山下が植田と翻せるような位置にスルーパスを叩き込む。ある意味は人間の性みたいなもので、いくら植田が卓越した守備技術を持っていようとも高さや速さといった"物理"に勝つ事は困難で、山下は後者を持ち合わせている。実際にガンバはこのやり方で開始10分までに2つの決定機を作れた。あわよくば点を取りたかったでしょうけど、開始10分までにこの形の決定機を作る事で重要だったのは「鹿島にリスクを提示する事」で、鹿島が果敢に前に出てくる事を牽制したかった訳ですから、あの2つの決定機を作れた事がこの試合を名勝負たるものにした出発地点でした。
加えて倉田と山下は自分達がボールを取られた後にファーストDFとしてすぐにプレスを仕掛けられる2人なので、ボールを取れなくてもガンバが陣形としてプッシュアップする時間的余裕は作る事ができる。その陣形さえ作ってしまえば最終ラインでのビルドアップやミドルゾーンでのボールの動かし方はポヤトス体制としての標準装備で身につけたチームですから、逆に鹿島の方が今度はブロックを組まなければならない状態になっていく。すると今度は山下の脚を恐れた鹿島に対して、いつもよりはミドルゾーンよりでボールを動かしながら「ジェバリの影を倉田が突く」というアクションを起こせるようになっていくんですね。このゲームプランを遂行する上でミッションを務め上げた倉田と山下は本当に見事と評するしかないですし、逆にジェバリは"動かない"という役割を持つ事で倉田や山下に静かなアシストを常にしていた。WBの位置で細かい上下動を繰り返した岸本や黒川も然り、チームと個人のタスクを完璧にやり抜いたのが前半でした。
ポヤトス「左WGよろしく」
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年10月5日
倉田「御意」
ポヤトス「今日はトップ下で」
倉田「御意」
ポヤトス「怪我人多いしボランチ頼むわ」
倉田「御意」
ポヤトス「徳真退場したしアンカーやって」
倉田「御意」
ポヤトス「WGでルーカス抑えてきて」
倉田「御意」…
とはいえ、ポヤトス監督としても前半の戦い方が90分出来るものではない事は理解していたと思いますし、ガンバとしてはやはり前半で点を取り切りたかったのが正直なところで、実際に後半は若干運動量が落ち始めた時間帯に鹿島が押し込む場面が増えるようになっていました。そう考えると、彼らにとって誤算とも呼べる展開からどうにか締める部分を締めながらアジャストしてきた鹿島も見事だった訳ですが、ガンバとしてはこの戦術で戦う以上はどこかでギアチェンジをする必要があった事は試合前の時点から明確でしたので、前半のシステムをどこまで引っ張るのかはこの試合の一つのポイントでした。
変えるポイントとしては「①鹿島が先に選手を代えた後」「②鹿島が押し返してきたタイミング」「③ジェバリ倉田山下の誰かが明確にバテたところ」のどれで、結果的に②のタイミングで交代する形となりましたが、ポヤトス監督が素晴らしかったところはこのタイミングで3人全員を変えたところだったなと。ジェバリ倉田山下は個人としての出来は良かったですし、鹿島に押し込まれつつあったと言ってもチームとしてのオーガナイズは機能していたので、この1トップ2シャドーを1人ずつ交代していく形でも不自然ではなかったと思うんですよ。ただ、前半のサッカーは完全にジェバリの下からスタートする倉田山下という3人のセットを前提としていましたから、ここで宇佐美だけ入れる、ヒュメットだけ入れるという形になるとちょっと中途半端になるんですよね。あそこでジェバリ倉田山下のセットを宇佐美ヒュメット美藤の3人に入れ替えた事で、ギアチェンジとアプローチの変更を形として、チームへのメッセージとして示せた。実際にあの時間帯は宇佐美のキープ力からコンビネーションを絡めていく前半とは違う形の攻撃パターンで主導権を奪い返しましたから、鹿島としても再び守備の再調整をせざるを得ない状況に追い込めた。美藤のシャドー起用自体は「スタッフの提案だった」とポヤトス監督が述べていたとはいえ、いずれにしても食野なり奥抜なりの起用で3枚替えはするつもりだったと思いますし、そこはポヤトス監督の素晴らしい判断だったなと思います。そこは采配というよりは、どちらかと言えばゲームプランの一部の方が正しい解釈だったのかなと。
とにかくこの試合はポヤトス監督の卓越したゲームプランが光りましたし、それに完璧に応えてみせたスタメン組、ギアチェンジを遂行した後半投入の3人…いずれもお見事でした。ましてやガンバにとってこの試合はタイでのアウェイゲームから中2日。おそらくラーチャブリー戦は通常の仕様でプレーする前提に、ラーチャブリー戦の準備期間も使って鹿島戦の準備をしていたんだと思いますが、そう考えると逆に鹿島戦の準備をしながらラーチャブリー戦に通常仕様で勝った事も含めてすげえなと。
それが可能なチームになった事はポヤトス体制で得た最大の財産だと思うんですよ。以前の湘南戦のマッチレビューで、ガンバが3バックを採用するチームとの試合が続いた8月にそれぞれ違うアプローチを見せたことについてこう書きまして。
元々ポヤトスガンバは3バックのチームを苦手としていて、湘南はその中でも代表格的な存在ではあったんですが、8月に組まれた5試合は相手が全て3バックのチームなので、そこでどうしていくか…というところはガンバには問われていました。とはいえ3バックとは言っても、それがどういう3バックなのかはまたそれぞれ異なる話ではある。そこで5通りの対3バックチームへのアプローチを用意してきた試みは面白かったと思いますし、例えば岡山戦にしても「いやこのシチュエーションでその負け方したら内容もクソもないでしょ」というゲームだったとはいえ「まあ言わんとすることはわかる」みたいな部分はあったんですよね。ここに来てこれだけ違うアプローチが出来た根底にあるものはなんぞやと言えばチームとしてのビルドアップの土台はしっかりと作れていた…という事になって、ケーキで言うなら少なくともスポンジは用意してある状態から料理を始められる訳です。チームとしてのスタート地点をはっきりと固定できていた事はやっぱり大きいですし、そこはポヤトス体制の大きな財産と言えるでしょう。その中でこの5試合で見せた異なるアプローチは負け越しという結果になったとはいえ、器用な事やるなあ…と個人的には素直に思いましたね。
もちろん試合によっての良し悪しからは逃れられない訳ですが、ビルドアップとミドルゾーンでのボールの動かし方は標準装備として持つようになったので、試合のスタートラインをしっかりと確立する事ができるようになった、そのベースをチームとして作れたことがポヤトス体制最大の長所だと思っています。
鹿島戦にしても、そういう下敷きがあったからこそそのスポンジの上に奇策といういつも違うクリームを載せる事が出来ましたし、いつものスポンジはあるのでラーチャブリー戦のように事前準備は多くなくてもいつもの仕様で戦えた。キャパシティの広さというよりも、キャパシティを作ることができる土台をつくった…それがポヤトスガンバで備えたガンバの装備と言えるでしょう。ラーチャブリー戦を含めた鹿島戦に至る過程と鹿島戦の内容はそれを表すものだったのかなと。
とにかく、この試合は本当に素晴らしい試合でした。魂が震える試合であり、いま首位に立つチームと先月最も調子が良かったチームとして、そしてオリジナル10の中でも屈指のタイトルを持つチームと、鹿島との差は大きいとはいえ2番目にタイトルを持つチームとして、その歴史や矜持に相応しく、誇らしく、何よりも痺れるゲームだった。その一言に尽きます。
ガンバはあまりにも見事な策を打ち、それを機能させ、しかも二段階目のプランまで用意していた。しかし鹿島もそれに対応し、アジャストし、流れを取り戻した。チームとしての奮闘に加えて、個々の選手のクオリティも存分に発揮された上に、一森純と早川友基の両GKも1点モノのシュートを防いだ。内容としてのベストゲームはあくまでガンバの内容が会心のものであった時に使われる言葉ですが、試合としてのベストバウトはお互いがやり合って初めて成立するものです。この試合はガンバにとって、今年に限らず近年に於けるベストバウトと呼ぶべき試合でした。この素晴らしいゲームを作ったのがガンバなら、この試合をベストバウトたらしめたのは鹿島だった……。そういう意味では"妥当なドロー"ではあるんですけど、一般的に"妥当なドロー"という単語を使う試合と比べてどこかで"決着がついてこそ完成する試合"だったような気も少ししますが、とにかくこのような試合を見せてくれた事はサッカーを見る幸せを感じさせてくれるものでしたし、ガンバファンとしてはガンバは勿論として、鹿島にも喝采を送らせてほしい。「讃えられるべきゲーム」とはこういうものなんだなと。極上の90分でした。
ガンバも感動的な戦いぶりだったし、ガンバの最初の策とその後のギアチェンジに耐えながらもアジャストさせてきた鹿島も凄かった。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年10月5日
"名勝負"ってくくりなら近年のガンバで屈指の試合。名勝負は相手のハイパフォーマンスもないと成立しない訳で。 https://t.co/7RPy9oABGI
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
2025明治安田J1リーグ第33節
1位 鹿島アントラーズ(64)
2位 京都サンガFC(60)
3位 柏レイソル(60)
4位 ヴィッセル神戸(60)
5位 サンフレッチェ広島(58)
6位 FC町田ゼルビア(55)
7位 川崎フロンターレ(53)
8位 浦和レッズ(52)
9位 ガンバ大阪(50)
10位 セレッソ大阪(43)
11位 清水エスパルス(41)
12位 ファジアーノ岡山(41)
13位 FC東京(41)
14位 アビスパ福岡(40)
15位 名古屋グランパス(39)
16位 東京ヴェルディ(39)
17位 横浜F・マリノス(34)
18位 横浜FC(31)
19位 湘南ベルマーレ(25)
20位 アルビレックス新潟(22)
首位鹿島は4連勝かつ9戦無敗で5連勝中のG大阪と対戦しましたが、死闘の末にアディショナルタイムでのPK失敗もあって0-0。神戸が敗れて京都が引き分けた一方、柏は横浜FMに前半のゴールを守り切って勝利。前節は上位4チームのうち柏だけが勝利を逃す格好となりましたが今節は上位4チームのうち柏だけが勝点3を積み上げ、勝点64の鹿島を勝点60で京都・柏・神戸が追う展開となりました。文字通り「勝った方が踏みとどまる」という構図となった広島と町田の一戦は、町田リードの状況から88分以降に2点を奪った広島が勝利して優勝戦線に踏み止まっています。
残留争いでは下位4チームのうち最下位新潟のみがドロー。横浜FM・横浜FC・湘南はいずれも0-1で敗れた為、残留争いの大勢は前節と変化なし。一方、残留争いに巻き込まれる可能性のある場所にいた福岡・名古屋・東京Vはいずれも勝利した事で、残留に大きく近付いています。
メルカリスタジアムって語感いいよね
ではでは(´∀`)