RK-3はきだめスタジオブログ

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ベター〜2025明治安田J1リーグ第11節 横浜FC vs ガンバ大阪 マッチレビュー&試合考察〜

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よこはま、28てまえ

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第11節、横浜FC vs ガンバ大阪の一戦です!

 

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春の訪れを覆った暗闇。前節名古屋戦で見せた見事な内容と結果のゲームは、その憂鬱と鬱憤を幾ばくか吹き飛ばしてくれたように思います。ポヤトス体制のガンバでやろうとしてきたこと、そしてやってきたこと…今季の開幕から少し薄れている部分があった「去年のガンバは何が良かったのか」を取り戻す感覚もあったようなゲームが名古屋戦だったんじゃないでしょうか。

ルヴァン杯の水戸戦も制して春の日曜日。横浜に吹く風の色には自信と手応え、ここから這い上がっていくスピリット、そして心の一筋に黒い影をも宿していたとしても、結局目の前の敵を倒さなければならない事は、その言葉の意味に重なるものがどれだけあっても全ての試合で同じ事です。感情を断ち切る為に必要なものは勝利だけ。この先のステップに必要なものも勝利だけ。全ての感情を解き放つようなゲームを期待したいところ。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節名古屋戦からのスタメン変更は1人のみ。今日はネタ・ラヴィがベンチからも外れており、第7節新潟戦以来のスタメンとなる倉田秋が普段の2列目ではなく久々にボランチからスタートする形になりました。右WGの山下諒也は古巣の横浜FCと初対戦。負傷離脱が続いていた食野亮太郎がルヴァン杯水戸戦に続いて今季初のベンチ入りとなっています。中谷進之介、半田陸、ファン・アラーノの3人は直近の水戸戦から連続して先発です。

前節は新潟と引き分けた横浜FCは前節からスタメンを2人変更。前節は右WBに鈴木準弥を起用しましたが今日は山根永遠に戻しており、ボランチは直近のルヴァン杯から唯一の連続スタメンとなる小倉陽太を起用。駒井善成は今季初めてベンチから外れました。シャドーの鈴木武蔵山田康太、GKの市川暉記は古巣との対戦。特に鈴木武蔵は2試合連続の古巣対決です。

 

 

 

本日の会場は神奈川県横浜市ニッパツ三ツ沢球技場です。

GIRLS DAY2025として開催されるこの試合では女性の来場者に先着でベースボールシャツがプレゼントされるほか、特別ゲストとしてジェラートリカちゃん、ついでにモフレムも来場するとの事で。三ツ沢と言えば、メインで本拠地とするチームこそマリノス及びフリューゲルスから横浜FCに代わりましたが、1993年にメインの本拠地として使用されていたスタジアムの中で現在もJリーグクラブの本拠地としてメイン使用されている3つしかないスタジアムのうちの一つとなりました。そんな歴史あるスタジアムにて、ガンバは横浜FCを相手にここ2試合は1分1敗。ここに苦手な思い出が付く前に、色を水色から青に変える勝利を!

 

 

 

先制は横浜FCでした。

ロングボールを前線に入れてルキアンを中心にシャドー、WBが連動するように畳み掛けてきた横浜FCは開始早々にCKを獲得。6分、右CKを一度は弾くも浮き球のルーズボールが応酬となり、左サイドでこれを収めた鈴木武蔵が入れたクロスを前線に残っていたンドカ・ボニフェイスが頭で合わせて横浜FC先制。

しかしガンバもすぐさま反撃に出ました。苦しい時間が続いていた中で15分、GK一森純がすぐさまパントキックで前線に放り込むと、横浜FCの攻撃ターンだった事で高い位置にいたGKに対して反応していた山下諒也が完璧なファーストタッチ。そこからあまりにも美しい、あまりにも鮮やかなループシュートを決め切ってすぐさま同点!!

 

 

とはいえ、試合として前半を優勢に進めていたのは横浜FCの方でした。ルキアンや鈴木といったフィジカルに優れた選手をロングボールを攻撃の主軸に据えながら、敵陣に入ったタイミングでは山根永遠と新保海鈴の両WBがかなりワイドに開いてWGのようなポジションさえ取る。そしてインサイドのスペースをWボランチのどちらかと山田康太が連携してフォローするようにしながらガンバを押し込む流れを作っていきました。

それに対してガンバはビルドアップをしていく姿勢を常に見せてはいましたが、山下の得点シーン然り攻撃機会を得る為にはロングカウンター気味にボールを出せたシーンに限定されていく形に。

 

 

 

それでも少しずつビルドアップの最終ラインをハーフェーラインに近づけるようになっていくと、そこからアラーノがインサイドに入って黒川圭介が左サイドに出ていく、ボランチから右サイドへのアクションを起こしていくような流れも出てきて、じわじわと流れをガンバの方に引っ張って来れるようにもなる形に。

ただガンバにしても横浜FCにしても、ある程度自分達の望む形で攻撃の機会を作る時間帯はありながらも、お互いにアタッキングサードでの打開には方策を欠いて決定的なチャンスを作るには至らず、前半は1-1で終了。

 

 

 

後半開始早々の48分、伊藤槙人のサイドチェンジから新保のパスを受けた福森晃斗がクロスを入れると、ゴール前での混戦からGK一森が弾いたこぼれ球を山田康太が押し込んでゴール…かと思われましたが、ここは山田のハンドを取られてどうにか失点は回避。

ただ後半も全体的に横浜FCの時間の方が長く、WBがワイドに張りながら攻撃時には3バックの両脇もボールの配球に絡むようになり、ガンバに対してサイドのケアを優先すれば中央のスペースが開き前線3枚にスペースが生まれる…という状態を突きつけてきました。ガンバもその中では割り切って構えて守りながらうまく鈴木武蔵ルキアンを捕まえていましたが、その分ボールを奪った時のビルドアップの位置がどうしても低いところから始めざるを得なくなり、横浜FCも非保持になったタイミングでサッと5-2-1-2のようなブロックに変形してきた事で、前進する為に必要な距離が増えて詰まってしまう…という場面が多くなることに。

横浜FCは65分にはロングスローからの混戦からルキアンがボレーに持ち込むも枠の上。ガンバもその直後に自陣からボールを繋いでジェバリがシュートチャンスを迎えるものの、右足から放たれた弾道はGK市川の好セーブに阻まれます。

 

 

 

70分まで両チームスタメンの11人を引っ張る形になっていましたが、70分のタイミングで横浜FCが山田とルキアンを下げて櫻川ソロモンと駒沢直哉を投入。ガンバは75分にアラーノを下げて美藤倫を投入し倉田を左WGにシフトします。82分にも横浜FC鈴木武蔵を下げて伊藤翔、ガンバは倉田を下げて食野亮太郎を投入。

しかし試合自体が膠着していた中で、ガンバが決定的なミスを犯す事はなく試合を進めましたが横浜FCもガンバに対して隙を見せないまま試合終了。結局序盤に1点ずつを分け合ったゲームは1-1のドローに終わりました。

 

 

 

「お互いにミスをしなければ0-0で終わる」みたいな言葉が確か昔あったと思うんですが、1-1になってからの80分はまさにそういうゲームだったように思います。その上で基本的には横浜FCのゲームだったと思いますし、ガンバは横浜FCの猛攻に対して崩れなかった。逆に横浜FCもこちらに隙を見せてはくれなかった。その結果の1-1という事で、内容に対して実に妥当な結果だったと言えるでしょうか。

まず横浜FCのゲームの進め方は見事でした。攻撃の一歩目にはロングボールを用いながらも、それをしっかりと鈴木武蔵ルキアンのところで収めて、WBを高い位置かつワイドな位置に張らせながら早い段階でガンバ陣内で攻撃陣の立ち位置を固めてしまう。パワーを持つ鈴木武蔵ルキアンを2トップ的に使いながら小回りの効く山田と3バックの両脇が上手くフォローに入りながら、ボランチはむしろカウンターに対するスペースのケアを優先する…というように、攻撃時のタスクや役割がすごく整理されていた。彼らは彼らでアタッキングサードでの崩しのアイデアや工夫には欠けましたが「横浜FCが押し込んでいる」という設定をこの試合に植え付けるには十分すぎるアプローチでした。

加えてガンバが前進しようにも、ビルドアップを開始する位置がそもそも相当低い位置に追い込まれた状態からのスタートになってしまっていた上に、守備時の横浜FCルキアンと鈴木武蔵が2トップの位置取りでビルドアップを妨害しながらや山田がそれをフォローする。それで時間を作っている間に5バック+Wボランチのブロックを高い位置で組んでしまう事で、ガンバとしてはショートパスを繋いで前進するにはあまりにも距離が遠すぎる状態になっていました。終盤こそ横浜FCも運動量が減った事で前線に押し出して行ける機会は増えましたが、彼らも最後のブロックはやっぱり上手く組んできましたし。山下の得点はほんの一瞬を一森と山下が見逃さなかったという点でファインプレーだったんですが、ガンバとしてはあのパターンでしか決定機を見出せなかったという側面もあったなと。

 

 

 

そういう意味ではこの試合は横浜FCの試合の設定に完全に組み込まれた上で、ガンバもそれに対して崩れはしなかった。横浜FCのチーム全体のオーガナイズと、ガンバの割り切った守備組織の構築が噛み合った結果、トータル的な塩試合になってしまった…と。

お互いに押さえるところは押さえたし、ベターと呼ぶべき結果までは辿り着いたけど、そこからもう一歩踏み込めなかった。そこはお互い様な部分もあったように思いますし、消化不良感とまあ落ち着くところには落ち着いたな感が共存する90分でしたね。

 

J1第11節分のうれしはずかしじゅんいひょうのコーナーはアルビレックス新潟vs京都サンガFCのマッチレビューページに記載しています。

 

 

さすがに山田にやられかけた時は種類の違う焦り方したで

ではでは(´∀`)