RK-3はきだめスタジオブログ

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TO THE TOP〜2025明治安田J1リーグ第11節 アルビレックス新潟 vs 京都サンガFC マッチレビュー&試合考察〜

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北陸横断ってどんぐらい時間かかるんかしら

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第11節、アルビレックス新潟 vs 京都サンガFCの一戦です!

 

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暖かい日差しが差し込んでくる頃、サンガは4月の連戦を爆走中でございます。その連戦の結果は、前節の浦和戦こそ敗れて無敗は止まりましたが……しかして戦績としては絶好調と言っても差し支えないでしょう。順位表のページを開けば、暫定順位とはいえサンガの隣に見た事のない数字が刻まれています。

とはいえ、いくら好調がチームを盛り上げて走らせる部分があるとはいえ、正直ここまで来ればチームとして疲労がのしかかる、言ったらへろへろ状態で戦わなければならない部分も出てくるでしょう。新潟は新潟で、新体制でどうやってスタイルを構築していくのか…その理想も現実に直面しているだけに、ここで与えてしまう一つの勝利が彼らに腑に落ちた感覚を与えてしまう可能性もある。2試合多くなる立場で言うのもなんですが、今日も勝てば暫定首位です。そこは一つ一つの相手を蹴り倒して初めて辿り着ける場所。体力的に苦しくなる時期でも、その上昇気流に背を押されていくところまで行ってくれ!

両チームスタメンです。

 

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リーグ戦ではそこまで前の試合から大きくメンバーを入れ替えるタイプではない曺貴裁監督ですが、今日は連戦も考慮してか前節浦和戦からはスタメンを6人変更と大幅にメンバーを入れ替えてきました。今日は福岡慎平、平戸太貴、宮本優太がスタメンに復帰した一方で川﨑颯太、奥川雅也、先発を外れるのは開幕戦以来となる須貝英大がベンチスタート。右SBには福田心之助、左WGには松田天馬を起用した他、今季は開幕からGKには太田岳志を起用していましたが、今日はリーグ戦今季初出場となるク・ソンユンが先発に入っています。

対する新潟は横浜FCと引き分けた前節からはスタメンを2人変更。2トップの一角には小野裕二と矢村健を入れ替え、左MFには谷口海斗ではなく奥村仁を先発起用してきました。谷口はベンチからも外れています。

 

 

 

本日の会場は新潟県新潟市デンカビッグスワンスタジアムです。

4月19日に行われるJ1のゲームはこの試合が唯一となっています。この試合ではアルビレックスのホッケーシャツや新潟競馬場とのコラボグッズが先着で来場した観客にプレゼント。日本最強の米どころとして知られる新潟ですが、今日はスタジアム場外でパンマルシェも開催されるそうで。

新潟のスポーツ界に大きな影響をもたらした2002年日韓W杯に向けて建設されたスタジアムは開場24年を迎えましたが、そのこけら落としは2001年5月、他ならぬサンガとのゲームでした(4-3でサンガ勝利)。思えば2023年の連敗を止めた場所も2024年の無敗を止められた場所もここだったりするなど思い出の多いスタジアムですが、ちょうど17年前の4月19日には同じスタジアムで新潟を相手に、なんと3人(+監督)が退場するという伝説の試合もあったり…。

 

 

 

序盤から自分達のリズムに近い形でゲームに入ったのはサンガでした。立ち上がりはややオープンなゲーム、サンガと新潟に交互にカウンターのチャンスが来るような展開となりましたが、10分を過ぎてくるとサンガがハイラインを固めた状態が定着してくるようになり、そこからプレスとショートカウンターを繰り出していく試合展開になった…かと思われました。

しかし18分、新潟がロングボールを収めた奥村仁が福田を振り切って左サイドから抉っていくと、カバーに入った福岡慎平の奥村へのタックルがファウルと判定されてPK判定。これを矢村健に仕留められて新潟が先制。

 

 

サンガもやや疲労を隠せないのか、ハイラインの状態をキープする事は出来ていたもののファーストプレスの出足がいつもと比べるとやや遅く、それによってタックルがアフター気味になる、翻されてカウンターのピンチを迎える場面が目立つ形になっていました。25分には平戸太貴の縦パスをエリアスが落とふと米本拓司がミドルを放つ場面が生まれるも、相手にブロックされてループ状になったシュートは枠を捉えられず。

その後もサンガは高い位置からプレーする事ができていましたが、前線でのクリエイトも含めて精彩を欠き、なかなか可能性のあるところにボールを持っていけません。

 

 

 

前半アディショナルタイムには立て続けに新潟にシュートチャンスが訪れますが、これらのラッシュはなんとか体を張って耐え切って前半終了。

サンガは前節同様、1点ビハインドの立場で後半に向かいます。

 

 

 

サンガは後半から米本と福田を下げて川﨑と須貝を投入。前半から左サイドのポケットを突かれる場面が多かっただけにサイドの守備のテコ入れを、そして中盤での回転数を増加させるよう手を打ってきます。56分には松田を下げて奥川も送り込みます。

後半は押し込みに行くサンガと、前がかりになった背後をカウンターを狙う新潟の構図が明確に表れており、川﨑や須貝のナイスカバーで防ぐも新潟も可能性のあるカウンターを度々差し込んできました。63分には最前線で原がボールキープしたところから奥川がクロス。ファーサイドに飛び込んだ平戸のヘッドは枠を捉えられません。新潟は64分に矢村と奥村を下げて小野裕二と若月大和、サンガもほぼ同じタイミングで福岡を下げてジョアン・ペドロを投入して川﨑をアンカーにシフト。

 

 

 

後半のサンガは押し込んでいるものの、新潟のカウンターへの対応で走らされてより消耗したところもあったのか…前線での精度に精彩を欠く場面が多く、押し込んではいるけれどクロスボール以外になかなかチャンスを見出せない時間が続いていきました。

しかし73分でした。ハーフェーライン付近でのリスタートを宮本、鈴木と繋いで左サイドに展開。サイドで待っていた原大智がワンタッチでアーリークロスを入れると、ペドロがマークを釣り出したスペースに落ちたボールに反応したエリアスが大なりのバウンドを見逃さずに仕留めて同点弾!!エリアスなんなんだお前は!!鹿島のレオ・セアラに並んで得点ランクトップに躍り出る8得点目は、チームとして精彩を欠く中でも数字をもたらす大きな同点弾に!

 

 

新潟は同点になった事を受けて長谷川と堀米を下げて笠井佳祐と橋本健人を投入。81分にはスローインから佐藤響のクロスにエリアスが合わせますが僅かに枠の上。この場面でエリアスが一瞬肩を痛める反応を見せるなどドキッとする場面はありましたが、チャンスは少なくとも押し込む流れは作れていた事で試合の流れは完全にサンガに傾いていきました。

85分、佐藤が左サイドから縦に長いスローインを入れると原が潰れてエリアスに繋ぎ、エリアスと藤原奏哉と競り合いの中で藤原のクリアボールがサンガにとってスルーパスのような形に。新潟がDFとGKで処理を見合わせた瞬間に1人だけ猛ダッシュを仕掛けた奥川が抜け出すと倒れ込みながらも右足アウトサイドで流し込んで逆転逆転逆転!!サンガの将来を背負って立つ…クラブ史上初の首位はその男の右足によって手繰り寄せられる!!!!

 

 

サンガは終盤、平戸を下げてパトリック・ウィリアムを投入して5バックに変更。新潟の終盤のクロス攻撃をなんとか跳ね返し、跳ね返したセカンドボールも中盤が大きく蹴り出し、前線ではエリアスや原が最後までスプリントを披露し続けるなど献身………試合終了!

 

 

首位だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

前半は苦しいゲームでしたし、元々消耗の激しいスタイルであるサンガにとって連戦疲労を隠せない内容だった事は確かでしょう。

今年のサンがが良くなったポイントってプレスの強度を調節する状況判断で、今はリスクを冒して奪いに行くべきか、構えてサイドに追い詰めてから奪いに行った方がいいかのジャッジがチームとして向上したところにあります。今日もその原則自体は遂行できていたとは思うんですよ。ただ「今は奪いに行ける!」という判断を下してから足を動かすまでに時間がかかっていそうな選手が多くいた印象があったんです。そこは疲労の影響もあって、判断に身体が応えるスピードが落ちていたところはあったんだろうなと。その結果、行けると思ったタイミングから少し遅れてチャレンジする形になったので、アフター気味になってしまって余計なファウルが多くなってしまっただとか、構えておいた方がいい間合いで飛び出してしまって翻される形になった…みたいなところに繋がった部分はあったなと。サンガは今日は明確に後者を選んでいたとはいえ、前にどこかのインタビューで「むしろ途中出場は一気にギアを上げないと行けないからかえって疲れる」と言っていた他クラブの選手がいたように、メンバーを入れ替えたとはいえ多くの選手は途中出場で試合には絡んでいましたから、そこの影響は確実に存在していたと思います。

また、新潟も特にシンプルな狙いを持ってサンガを攻略しようとしていました。やはり前述のような状況があって、サンガはいつものようにSBも思い切ってラインを上げる中で、攻撃に参加するにしても攻め上がりを抑えて守るにしても中途半端になっていました。そこを両MFの奥村と小見に抉らせる…今日は特に奥村ですからね。そこに対して長谷川が数的優位を取りながら矢村がファーに入っていくような、サンガを捲り上げるような攻め方は凄く上手くデザインされていたと思います。

 

 

 

ただ後半は中盤で「判断がプレーに伝達するスピードの早さ」に定評のある川﨑と、少々タイミングが遅れても対面守備でケアできる須貝の投入によって、前半の新潟の詰め方とサンガの粗がこの2つで結構改善されていたんですね。それだけで後半のサンガは中盤で優位性を持てるようになり、新潟のカウンターに対しても須貝が対応している間に残りのDF陣、ないしは川﨑がカバーに入る事で対処できるようになりましたし、この時点でサンガが押し込むシステムは試合の中で構築できるようになっていました。

とはいえ今日のサンガは終始精彩には欠いていましたが、その上で奥川とペドロを「フルパワーを30〜40分に全ツッパさせる」という状態で送り込んだ。これにより、サンガは「一瞬をとらえる精度」「一瞬が訪れた時の異常な集中」を見せるようになった。それが同点弾の時に見せたエリアスの動き出しの起点や原のワンタッチアーリークロスであり、逆転弾の時の原のポストプレーや1人だけダッシュで抜け出していた奥川だったりした。後半も含めて良い内容のゲームとは言えなくとも、前半を1失点で耐えた事も含めて「絶対に抑えなければならないポイント」を総取りした結果が今日の勝利でしたし、そういうアプローチ、働きかけをできる監督とスタッフがいる、それをピッチで実践できた選手がいる…というのが今日の結果だったなと。

 

 

いやー…とにかく嬉しいです。

古参ぶるつもりはないですし、そもそも古参になるのかどうかも怪しいですが、仮にも京都サンガというクラブを追うようになって今年で20年。生活の隣に常にこのクラブがあった中で、順位表の上に誰もいないという状況はこれまでゲームの世界かJ2でしかありえなかった。それが今、現実の順位表として、色々なニュースサイトを見ればその頂点にサンガがいる。その事に強烈な感動と言いますか…なんですかね、こんな日が来るんだ、と。そういう感情でいます。

例えば気が付いたら連敗して残留争いしている可能性もある訳で、このタイミングで首位に立っても意味はなく、曺監督も仰っていたようにこのタイミングで首位に立った事で満足する訳にはいかない。でもこの時点で首位に立ったということは、この時点までの道のりを肯定されている事でもあるという事。気を引き締める時に、その締める腹の中に今日の順位が与えた自信を抱いて、この場所に留まれるような日々を過ごしてほしいです。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2025明治安田J1リーグ第11節

アルビレックス新潟1-2京都サンガFC

横浜FC1-1ガンバ大阪

清水エスパルス3-1アビスパ福岡

名古屋グランパス2-1サンフレッチェ広島

ヴィッセル神戸1-0FC町田ゼルビア

ファジアーノ岡山1-2鹿島アントラーズ

川崎フロンターレ0-0東京ヴェルディ

湘南ベルマーレ0-1柏レイソル

セレッソ大阪1-1FC東京

浦和レッズ3-1横浜F・マリノス

 

 

1位 京都サンガFC(21)※1

2位 柏レイソル(20)

3位 鹿島アントラーズ(19)

4位 浦和レッズ(19)※1

5位 アビスパ福岡(19)

6位 川崎フロンターレ(18)※1

7位 清水エスパルス(18)※1

8位 ヴィッセル神戸(18)

9位 ファジアーノ岡山(17)

10位 サンフレッチェ広島(17)※2

11位 FC町田ゼルビア(17)

12位 ガンバ大阪(14)

13位 湘南ベルマーレ(14)

14位 セレッソ大阪(13)

15位 横浜FC(12)

16位 東京ヴェルディ(11)

17位 名古屋グランパス(11)

18位 FC東京(10)

19位 アルビレックス新潟(8)

20位 横浜F・マリノス(8)※1

 

※1 1試合消化試合数が多い

※2 1試合消化試合数が少ない

 

前節クラブ史上初の首位に躍り出た福岡は敵地で清水に1-3で敗れて4位に転落。一方、2位京都は敵地で新潟相手に劇的な逆転勝利を収めて、暫定ではありますがクラブ史上初の首位というポジションに躍り出ました。上位陣では柏と鹿島が勝利してそれぞれ順位を上げた他、3連勝の浦和が順位を一気に4位までジャンプアップ。一方、広島と町田は共に連敗を喫し、順位をそれぞれ10位と11位まで落としています。

下位では前節終了時点で最下位だった名古屋が広島に勝利して降格圏を脱出。一方、新潟は京都に逆転負けを喫してまたもホーム初勝利はお預け。スティーブ・ホーランド監督を解任する大ナタを振るった横浜FMはパトリック・キスノーボ暫定監督の初陣を飾れず、順位も得失点差により最下位転落となりました。

 

 

2021年だって新潟で勝って首位行ったからな!

ではでは(´∀`)