その舞台はいつも
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第20節(前倒し分)、浦和レッズ vs 京都サンガFCの一戦です!
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人にも国にも、そしてサッカークラブにも。歴史を語る時にはいくつかのターニングポイントがあります。
開幕3戦未勝利だったサンガでしたが、第4節川崎戦に勝利し、続く福岡戦こそ敗れたものの第6節清水戦からは公式戦7試合無敗。まだ広島の試合数が足りていないので暫定ではありますが、前節湘南戦の勝利によりサンガは2位にまで躍進しました。去年のこの時点での立ち位置を振り返れば、今立っている場所は大きく異なる立場です。もちろん、この時点で「今年は優勝だ!」とか「もう降格はねえな」と言い出すのは時期尚早にも程がありますが、今日の試合に勝てば…暫定とはいえ、クラブ史上初の首位に立つ。そのシチュエーションにサンガは辿り着きました。
思えば、このクラブが迎えたターニングポイントの目の前にはいつも浦和レッズがいた…初勝利も、100勝目も、降格が決まった日も、そしてJ1への復帰戦も……。vs浦和レッズ、サンガの記録に多く刻まれるこの文字列。19年間も勝利のないアウェー浦和戦で、サンガは未だかつて歴史の中で知らないターニングポイントに辿り着く事ができるのでしょうか。
両チームスタメンです。
サンガは連戦という事情も踏まえてか、先発は前節湘南戦から4人変更してきました。今日は開幕から全試合スタメンの平戸太貴と開幕戦以外全試合スタメンの福岡慎平がベンチスタートで、川﨑颯太をアンカーにした上でインサイドハーフは第4節川﨑戦以来の先発となるジョアン・ペドロ、第6節清水戦以来の先発となる米本拓司をそれぞれ起用。CBは浦和からレンタル中の宮本優太が出られない為、パトリック・ウィリアムが第6節清水戦以来の復帰となっています。
一方の浦和はサンガよりも試合間隔が一日短い立場ではありますが、2-0で勝利した前節町田戦の流れを継続するべくスタメンの11人、ベンチスタートの9人と20名全てを町田戦と同じメンバーで構成してきました。町田戦同様、今季はボランチ起用が続いていた渡邊凌磨をトップ下に置き、Wボランチはグスタフソンと安居海渡のコンビ。荻原拓也と井上黎生人の元サンガコンビはベンチスタートです。
本日の会場は埼玉県さいたま市、埼玉スタジアム2002です。
今日はACL Eliteのサウジアラビアラウンドに出場する横浜FMと川崎Fの第12節も前倒しで開催されますが、この試合は6月14〜15日に開催予定のJ1第20節を浦和のクラブW杯出場に合わせて前倒しする形で行われます。即ち、今季の京都vs浦和のカードは4月で全部終了するという…。また、この日は昼に浦和駒場スタジアムにて三菱重工浦和レッズレディースvs日テレ・東京ベレーザの試合が行われていたので、ダブルヘッダーで観戦するサポもいるとか。
日本を象徴するスタジアムとして知られる埼スタ。サンガは対浦和戦の相性は必ずしも悪くありませんが、浦和とのアウェイゲームで最後に勝利したのは2002年。当時は駒場スタジアムでのゲームで、埼スタでは2分4敗となっています。かつては降格が決まった場所でもあるこの地で、かつてない高みを!
📍#埼玉スタジアム
— 浦和レッズオフィシャル (@REDSOFFICIAL) 2025年4月16日
vs 京都(19:30・埼スタ)
⚽️試合情報https://t.co/GNum60D5GU
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立ち上がりから両チームの構図はハッキリしていました。
自陣からビルドアップをしてスローペースにサイドへの道筋をつけていこうとする浦和に対し、サンガは立ち上がりから高い位置でプレスをかけ、浦和陣内でボールを奪い切って攻撃に繋げる戦い方を徹底。とはいえサンガも今日はショートカウンターというよりは、ボールを持っても米本と川﨑のところで一旦ボールを持ちつつ、他の選手の飛び出しを促す時間を作るアクションが見えていました。
しかし、攻撃時のSBの関与がより求められる形だった副作用かサイドの背後を突かれる場面は多く、15分には左サイドを松尾佑介が抜け出してサイドから切り込んで中央にアクセスすると、これを拾って更に抜け出した長沼洋一がエリア内で決定機。この場面は鈴木義宜がなんとかブロックしますが、20分にもロングカウンター気味にGK西川周作がフィードを送ると、マテウス・サヴィオから渡邊凌磨と繋いで松尾がシュート。ここはGK太田岳志ががっちりとセーブしましたが、そういうシーンは増えるようになっていきました。
しかし24分、浦和はサヴィオがデザインプレー的にマイナスのスペースに蹴り込んだCKに対して松尾が走り込むと、1度目のシュートこそサンガもブロックしましたがこぼれ球を松尾自ら決め切って浦和が先制。
デザインされたセットプレーから
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2025年4月16日
こぼれ球を股抜きショット#松尾佑介 2試合連続ゴール!
🏆明治安田J1第20節
🆚浦和×京都
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サンガも30分、川﨑のロングフィードに対して圧倒的な高さと巧みなポストプレーで原大智が繋ぎエリアスが入り込む決定機を迎えますがGK西川周作の好セーブに阻まれゴールならず。そのプレーで得たCKもこぼれ球を奥川がドライブ気味のシュートを放ちますが僅かに枠を捉えられません。
サンガはボールを前線で持つ意識は見せていたものの、浦和に背後のスペースを上手くケアされ続けていたこともあって打開しきれず前半をビハインドで終えます。
サンガは後半から米本と佐藤響を下げて福岡慎平と福田心之助を投入。川﨑をインサイドハーフに上げて福岡はアンカー、須貝を左SBにして福田を右SBで送り込みます。
しかし後半は立て続けに浦和に攻め込まれる場面が続き、後半開始早々にはエリアスが鹿島戦のトゥーリオを思わせるロングシュートを見せますが、立て続けに浦和に好機を作られるような場面が相次いでいました。それも踏まえてか、ハーフタイムの2枚替えからすぐの54分にはペドロを下げて平戸を投入。
すると直後の55分でした。GK太田のロングボールに対して原がホイブラーテンを引き連れて競り合うと、こぼれたボールをエリアスが収めて左サイドに展開。左サイドで平戸が時間を作って福岡を介すと、エリア内に侵入した奥川の折り返しに須貝が潰れてフィニッシュはエリアス!またしても!またしてもエリアス!!!左サイドで良い仕掛けを見せたサンガがスコアを振り出しに!
今季の京都は後半に強い
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2025年4月16日
今日も決めた #ラファエルエリアス
同点に追いつく今季7ゴール目🔥
🏆明治安田J1第20節
🆚浦和×京都
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しかし浦和もサンガに襲いかかります。61分、浦和は右サイドで松尾がボールを持ったところを起点にゆっくりとしたパス回しを行うと、グスタフソンに入ったところで緩急のスイッチを入れるようにテンポアップ。左のインサイドでボールを受けた渡邊凌磨はサンガの対応の前にも冷静に左足を振り抜いて勝ち越し弾。同点に追いつかれた直後に突き放される苦しい形でサンガは再びビハインドの立場に。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2025年4月16日
⚽️ゴール (60:16)
👟Ryoma Watanabe
🆚浦和レッズ vs 京都サンガF.C.
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得点直後に浦和は渡邊と金子を下げて原口元気と松本泰志、サンガも同じタイミングで奥川を下げてマルコ・トゥーリオを送り込み、サンガは75分に原を下げてムリロ・コスタも投入して同点を狙います。
1-2になった後のサンガはむしろ浦和にサンガ陣内にボールを放り込まれ、原口や松本の投入でプレスを果敢にかけてくる浦和を相手になかなかサンガ陣内から出してもらえない苦しい時間が続いていましたが、ムリロの投入以降は平戸とムリロを両サイドに配置した4-4-2のような形にシフト。平戸やムリロがワイドなポジションを取ってそこでの突破を期待できる形にしたことで少しずつ攻撃機会を取り戻していきます。
しかしムリロがサイドを突破してチャンスの糸口を作るような場面自体はありましたが、チームとしてそこからペナルティエリアにまで入っていくことが出来ず。最後は巧みに逃げ切りブロックを組んできた浦和の守備網に捕まるより前の段階で閉ざされる形で試合終了。他会場では川崎が敗れた事で暫定2位こそキープしたものの、第5節福岡戦以来の黒星となってしまいました。
2-1の浦和というスコアに対して妥当な内容ではあったかなと思います。「敗北」を表すフレーズはいくつかありますが、今日に関してはサンガが悪いというよりも浦和に上手く詰めるべき部分を詰められてしまった事で、それを徹底された事…2023年に見たスコルジャっぽいゲームと言いますか、スコルジャに上手くまとめられた、上手く丸め込まれたようなゲームだったなと。
浦和は基本的に最終ラインを高めに設定する事にはこだわっていないチームではありますが、その中で低めのラインのブロックを保ちつつ、原に当てる分には前を向かせない限りはOKとするようなスタンスで、その上で中盤ではサンガにボールを持たせる事を許容した上でエリアスや奥川へのルートをしっかりと消していく守り方は徹底していました。
それに対してサンガは「持たされた」と言うべき状況にはなっていた中で、これまでのように闇雲にカウンターを狙うというよりは川﨑と米本でWボランチ気味になりながらボールを動かしてペドロを3トップ+1のように走らせるだとか、SBが攻め上がる時間を作ろうとするようなアクションをしていた辺りは保持時のプレーの幅が増えていな部分ではあったと思いますが、浦和はサンガに持たせるだけでなく、サンガのSBを上がってこさせる、そして詰まったタイミングでSBが上がっていた背後を狙う…という狙いは徹底していたなと。CBのカバーやSBの帰陣での奮闘はあったので、そこで前半は最小失点で切り抜けることが出来てはいましたが、あの段階で浦和に明確な攻守のビジョンを持たれてしまっていたところは否めなかったなと。
後半に関しては…後半のセットがレギュラーの中盤になる訳ではありますが、タイプが近いところにいる前半の3人に対して、仕事の内容が異なる3人を並べた事で浦和のブロックを崩す糸口になったところはありました。同点弾に関しては中盤でボールを動かす役割の福岡、3トップより下でチャンスメイクの起点になれる平戸、その間を縫うように動ける川﨑の3人にした事で、浦和のDFを引っ張り出してそのスペースを突く連鎖を見せられるようになった。それがそのままあの同点弾のシーンだったと思います。
一方、浦和がカウンター気味に押し上げていく場面になった時に、前半は米本やペドロが働いていたように浦和の中盤の選手がカウンターに滞在して行く時の動きを捕まえきれなかったところがあったのも確かで、実際に0-1で負けている段階の後半でも浦和の方がチャンスを作っていました。特に浦和はミドルゾーンをグスタフソンが攻守に於いて護持していた事で渡邊がチャンスメイカーとしてもアタッカーとしても自由に動ける状況になってしまった。終盤に関しても、おそらく「クロス攻勢するならなぜ原を下げた?」という意見はあるかもしれませんが、おそらくサンガとしてはクロス攻勢よりもムリロを投入して4-4-2にした事で固めてきた浦和を引っ張り出す、崩れたスペースにエリアスや川﨑が走り込んでくれれば…という狙いの方がおそらく強くて、そうであれば曺監督の狙いは良かったと思いますし、ムリロが崩しかけたシーンも実際にあった。そこのスペースの作り方のビジョンは鹿島戦のイメージもあったんだと思います。ただサンガが講じた策以上に、浦和の守備陣は鹿島戦の時のように揺さぶりに全く崩れなかった。そこは彼らを褒めるしかなかったですし、圧巻の逃げ切り守備でした。サンガ陣内でDF陣がボールを持った時はプレスをかけてコースを限定する動き然り、あの辺りの試合の進め方はスコルジャ・レッズの面目躍如なところはあったように感じました。
そういう"土壌"を浦和に固められてしまったのはサンガにとって今日の致命傷ではあったのかなと思いますし、そういう状況にされてしまった中でどう足掻くか?というところに対しては、サンガもリアクションとしては悪くなかった。良くも悪くも、理解と納得の感はある敗北だったのかなとは思います。好調な流れを止められたチームに求められることは次の試合でどう振る舞うか。連勝も連敗も"流れ"が作用するものは多い訳ですから、ここから清水戦以降のような流れをもう一度作れるかどうか…それが「サンガが本当に進歩したのかどうか」を示してくれる部分にはなるんじゃないでしょうか。
ハッピーバースデーエリアス!!!!!!!!!
ではでは(´∀`)