紫!!
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第7節、京都サンガFC vs サンフレッチェ広島の一戦です!
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日本代表W杯出場決定!メジャーリーグ開幕戦に始まり、日本代表のW杯出場決定、角田裕毅のレッドブル昇格……何かと大盛り上がりな3月末の日本スポーツ界ですが、今日からはプロ野球も開幕し、そしてJリーグも再開。スポーツのある日常がまた始まります。
6試合を終えた戦績は2勝2分2敗。良いとは言えない、悪いとも言えない……結果としてはそういう推移でここまで来ました。
思えば広島との対戦は、J1に戻ってきたサンガにとって何かとターニングポイントとなっていたと思います。2023年は彼らとの対戦が6連敗を決定付け、広島戦の後をどう戦うかという判断に迫られた。そして昨年は……色んなブログで散々書いたので細かいことはそれられで呼んでもらえたらと思いますが、ホームでの敗戦からアウェイでの勝利に至る物語はこのクラブが経験したことのないほどの道筋だったと思います。
今季がどのような結末になるのかは今はまだわかりませんが、いずれにしてもサンガは4年目のJ1を踏んでいること時代が今までに見たことのない景色です。優勝の枠候補の本命と呼ばれ、圧倒的な完成度とそれに見合った充実した戦力を有する今季無敗の広島を相手に、昨年のような激しすぎるアップダウンとは異なるチーム力としての成長を見せることはできるのでしょうか。
両チームスタメンです。
サンガは前節清水戦からはスタメンを2人変更。清水戦ではベンチスタートだった川﨑颯太が今日は先発に復帰しており、清水戦で負傷退場となったパトリック・ウィリアムのところには、清水戦の交代同様にアピアタウィア久が鈴木義宜とのコンビで入っています。3トップは清水戦同様、右WGに原大智、左WGに松田天馬を起用しました。
対する広島はドローに終わった前節柏戦からのメンバー変更はサンガ同様に2人。出場停止を消化したヴァレール・ジェルマンがリーグ戦で初先発を飾り、ジェルマンのFW起用に伴いジャーメイン良はシャドーでのスタートとなりました。ボランチは田中聡がリーグ戦では第3節清水戦以来の先発です。
本日の会場は京都府亀岡市、サンガスタジアム by Kyoceraです。
よーじやスペシャルデー🎉💜
— 京都サンガF.C.【公式】 (@sangafc) 2025年3月29日
北広場のよーじや特設ブースでは、SNSをフォローしていただいた方を対象によーじやのグッズが当たる抽選会を実施✨
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ちょうど今週、リブランディングを表明したことで話題になったよーじやのスペシャルデーとして開催。一新されたブランドロゴのお披露目の場となった他、来場者にはオリジナルカードケースや抽選会も実施されます。その他にも大学生が運営する企画プロジェクト「SANGA UP」の施策や宝酒造のクラフトチューハイ販売も実施。また、サンガキャンパス隊として2021年から精力的な活動をしてくださっていた志賀可奈子さんの卒業セレモニーも行われます。
開始早々の川﨑颯太のシュートは相手にブロックされますが、基本的にサンガはいつも通りにロングボールを原大智がしっかりと競り合いながらその時間にラインを押し上げてハイラインにしていく…といういつもの戦法で試合に入っていきます。それに対して広島も長いボールを、特にサイドの深い位置に対して積極的に用いる形になり、そこからアタッキングサードへの侵入と勝負を試みていくような攻め方を見せてきました。
立ち上がりは前線でハイプレスを繰り出し、チャンスにも持っていけていたサンガでしたが、15分過ぎくらいからは広島の強烈な攻撃をそのまま受けてしまう状態に。サンガも今日はサイドから中に切り込もうとしてくるアタッカー陣やクロスボールに対して反応を狙うジェルマンの動きに対して、エリア内では守備陣も粘り強く対応しながらどうにか跳ね返していきましたが、そのクリアにしてもセカンドボールは広島が回収する時間が続いたことで、サンガとしては苦しい時間が長く続いていく形に。
21分には塩谷司がミドル、30分にはクロスボールにジャーメイン良が合わせる場面が出てきますが、これらはいずれも枠外に救われる形に。
サンガも何度かエリアスが果敢なプレスから単騎でのロングカウンター的にチャンスを作る場面はありましたが上手くは行かず。
サンガはファイナルサードでは粘り強い守備を見せたことで押し込まれている印象の割には決定機を相手に与えない守備が出来ていましたが、広島に押し込まれた状態でセカンドボールをほとんど拾えない苦しい展開に苛まれて前半は0-0で終了。
後半開始早々、アピアタウィアと入れ替わる形で裏に抜け出したジェルマンにいきなり決定機を広島に作られますが、この場面はGK太田岳志がスーパーセーブで後半頭からの失点はどうにか回避。なかなか中盤でセカンドボールを取りきれず、好機に繋がるようなプレスもなかなか効かせられないサンガは53分に松田を下げてジョアン・ペドロを投入。平戸を左サイドに出し、中盤でのプレス強度を担保しようと試みます。
そして耐えて耐えて耐え続けたサンガの歓喜の瞬間は60分に訪れます。
広島の猛攻を耐えて、跳ね返して…そのセカンドボールを拾えなかったサンガが、エリアス以外の選手…中盤からどうにかこぼれ球を拾って翻すようなシーンを今日初めて作ると、川﨑が持ち運んで相手DFと3対2の状態に。川﨑は右に抜けたエリアスではなく左にポジションをとった平戸に託すと、川﨑はカバーに入った3人目の相手DFを斜めのランニングで引き連れ、川﨑とクロスさせるように出した平戸のスルーパスを収めたエリアスが相も変わらずスーパーストライカークオリティ発動!劣勢の中、唯一と言っていいほどの特大な好機に3人全員が一発回答!!サンガ先制!!!
圧倒的な存在感
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2025年3月29日
カップ戦含めて3戦連発#ラファエルエリアス 緊迫した試合で先制ゴール
🏆明治安田J1第7節
🆚京都×広島
🆓#DAZN LIVE配信中#Jみようぜ #Jリーグ#京都広島 pic.twitter.com/mg6oGqqWmj
広島は64分にジェルマンと中野就斗を下げて中村草太と新井直人、72分には加藤陸次樹と東俊希を下げて前田直輝と菅大輝を投入。ただ、広島はサンガが先制してからは焦りが若干空回りするようにもなったのか前線でのパスがズレる場面が格段に増えるようになり、サンガもそこのボールロストを突く形で前半より前にポイントを作れる場面が増えていきました。
それでも広島もやはりクオリティは確か。80分には川辺、新井と繋いで抜け出した前田のクロスをファーサイドの菅が合わせるもどうにか枠外。82分には前田が裏にガッと抜けてまたも広島に決定機到来しますが、これもGK太田が獅子奮迅、絶対的守護神たるスーパーセーブで阻止!
終盤には永田倖大の投入で5バックに変更したサンガ。89分にもまたしても前田が突破から折り返すと攻め上がっていた塩谷司がまたも特大決定機。しかしながら残念そこは太田岳志!!
守備陣が耐え、GKがサンガを守り、そして攻撃陣が唯一のチャンスで応えた。自分達より遥かに強大な相手を前に戦い抜き、広島にとって今季初黒星となる勝利をサンガスタジアムでもぎ取りました!!!
内容としてはずっと苦しいゲームでした。サンガと広島のスタイルが同じとは言いませんが、サッカーをすごくざっくり分けた時には多分近いところにいる。その上で全ての局面に対してクオリティーが高いのが広島ですから、サンガはいつもやろうとしているような「サンガの得意なペースにゲームを持ち込む」という事がやりにくい、押し込まれる展開になる事は避けられない分、押し込まれる展開になった時の対処はリスクの匙加減をチームとしてコントロールできればやりようはある……みたいなところがこの試合のスタートだったと思います。
とはいえその中でも前半は想像よりも遥かに押し込まれる形になってしまった。前半はサンガが相当ラインを押し下げられてしまい、川﨑と平戸のインサイドハーフですらバックラインに近いところまで吸収されるような格好になってしまっていたので、セカンドボールもほとんど広島側に握られる形になってしまった訳ですから、サンガの攻め手はエリアスが相手のビルドアップを上手く引っ掛けられた時のロングカウンターに限定されてしまっていた部分はありました。あれをチャンスにできてしまうエリアスはエグかったんですけどね。そこはやっぱり広島のクオリティと完成度による部分が大きいですし、サンガとしてはスタイルの近い相手だったがゆえに、ポゼッションしてくるチームとのギャップを突くような作業にもなりにくかったというポイントはあります。
ただ、これまでのサンガはその状況で無理にハイプレスを仕掛けようとする事で空回りする試合が多かったんですけど「こうなってしまった以上は仕方ないから割り切るところは割り切る」という振る舞いが出来るようになったところはチームとしてやれる事が増えた表れでもあるのかなと。現に前半は後半よりも遥かに広島に押し込まれる展開になっていましたが、むしろサンガにもカウンターのチャンスがあってオープンになっていた後半と比べても、前半は広島に決定的な場面をそんなに作らせていなかったんですよね。塩谷やジャーメインのシュートは肝を冷やしたとはいえファイナルサードはサンガのDFで固めていましたし、割り切って「最悪のパターン」から潰していく事はできていた。最終的に引き分けた第3節神戸戦でのミドルプレス気味な守り方然り、守備のスタンスの強弱を使い分けられるようになったのはサンガにとって重要なポイントで、そこは無理にハイプレス+ショートカウンターに頼らなくてもどうにかしてくれるFW陣を手にした事で無理に攻守を一体化させる必要がなくなった…みたいな部分は大きかったのかなと思いますが、いずれにしてもサンガが状況に応じた守り方、スタンスを身につけた事で、これまで一辺倒だった「得意な事」もカードとして使う事ができる。もちろんこういう試合展開になった事を良い事と言うつもりはありませんが、こういう戦い方、こういう勝ち方もできるようになった…という部分はチームの成長と呼ぶべきところでしょう。
とはいえ攻撃がエリアスのロングカウンターに縋るしかない状況になっていたのも事実で、理想としては前半のメンバーで後半開始と共に陣地回復できれば一番良かったんですけど、初っ端からジェルマンに決定機を与えてしまったこともあってかそう上手くはいかなかった。その中でペドロを投入しつつ平戸を一列上げたことで、中盤の回転数を増やした上でエリアス&原の間に平戸を置く形になった采配は意味があったなと。平戸を前に出し、平戸の分のミドルゾーンの仕事量を川﨑とペドロに割り振った事で、中継地点としての平戸が活き、エリアスも受け手としての仕事に専念できるようになった。サンガが攻撃機会を持てるようになった事で試合がオープンになり、その結果広島の決定機の本数も前半より増えたとはいえ、この試合を0-0でもOKとするか勝ちに行くかの選択で後者を選んだ以上は正しい采配だったと思いますし、結果もそれについてきた訳で、監督の切った勝負手に選手が応えた形に持っていけたんじゃないでしょうか。
特にあのゴールは本当に見事でした。以前にブログでも書いたんですけど、サンガってプレスに特徴を持つチームという事もあって「攻守の切り替えが早い」みたいなフレーズが付く事が多いんですが、それはちょっと違うと思っていて。基本的にサンガは攻守を一体化していたチームだったので、良くも悪くも切り替える概念がなく、連結したものとして攻守を捉えていた。それが長所であり欠点であり、全て悪い方に向いたのが2024年の前半だったと思っているんですね。ただこの場面はそれまでサンガが見せていたディフェンスからあのカウンターをやり切ったという事で、まさに攻守を切り替えたゴールでした。須貝と原のところで時間を作りつつ、川﨑の準備が整ったタイミングで須貝がスルーパスを出す。川﨑は突撃まではせずに平戸とエリアスの位置を確認しながら平戸へ繋ぎ、最後はエリアス…と。目立たないながらもフォローに駆け上がっていた佐藤も素晴らしかったですし、あれはサンガにとってバージョン2と言っていいカウンターだったんじゃないでしょうか。
広島撃破ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年3月29日
守備に関しても、後半はいくつか翻されて決定機を迎えるような場面は多かったとはいえ、チームとしてのクオリティも戦力も上回る広島を相手にしっかりと対峙してくれました。失点後の広島が想像以上に焦っているような感じになったこともサンガ的には救いだったと思いますし。特に須貝&佐藤の両SBが相手のWBをしっかり封じ込めてくれましたし、なんといっても太田岳志……遅咲きの守護神がJ1トップクラスのチームを相手に見せたあのパフォーマンス。それはもう計り知れない強さがありました。
広島戦のPOTM⚽️#太田岳志 選手のスーパーセーブをもう一度🔥#sanga #京都サンガ pic.twitter.com/V0LyTx40qd
— 京都サンガF.C.【公式】 (@sangafc) 2025年3月30日
太田もこれまではどちらかと言えば、ク・ソンユンが出られない時に好プレーを見せる控えGKだったんですけど、どんどん「勝点0を1にする」「勝点1を3にする」ような絶対的な守護神になっていった。そんな守備陣とGKの奮闘に、ワンチャンスで一発回答を叩き出した攻撃陣が応える。チームとしては、押し込まれるような展開ではなくちゃんと押し込んで勝つ事を目指す必要がある訳で、試合として美しい勝ち方では決してなかったと思うんですけど、サンガが自分達のキャパシティーを拡げ、耐えて応えて掴んだ勝利はストーリーとして実に美しかったように思います。素晴らしい勝利でした。
【J1第7節分のうれしはずかしじゅんいひょうのコーナーはアルビレックス新潟vsガンバ大阪のマッチレビューページに記載しています】
かなぱんさんお疲れ様でした!
ではでは(´∀`)