G・BLUE〜ブログとは名ばかりのものではありますが...ブログ。〜

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

走るビッグアーチの走馬灯、駆け抜ける青黒の皮肉〜明治安田生命J1リーグ第33節 サンフレッチェ広島 vs ガンバ大阪 マッチレビューと試合考察〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20231126175841j:image

 

 

まさかの大役

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第33節、サンフレッチェ広島vsガンバ大阪の一戦です!

 

 

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

マリオカートで言えばスタートでエンストを起こし、でもなんとか2周目くらいには中位まで巻き返して、そこから赤甲羅3つ持ちで上位進出を狙ったらサンダー喰らってあれ?なんかガンバだけ小さいままなんだけど?状態で進んだ今季のガンバ大阪。ここ数年ずっと抱く挑戦と葛藤の狭間で彷徨う中、2023年もいよいよ残り2試合となりました。

一時はこのブログでも「優勝もACLも降格もなくなった中で残り試合をどう来季に繋げるか」みたいな書き方をしましたが、気が付けば他会場次第では降格は現実味を一気に帯びる苦しい立場に再び立たされています。今季のガンバは苦しみながらではありましたが、カップ戦を含めたここまでの41試合で積み上がったものはゼロではないはず。しかしそれを「来年も積み上げていく」と宣う事ができるかどうかは、結局のところ来季もJ1というカテゴリーで戦えるかどうか…そこに全てが集約されます。

ホームチームにとって始まりに向けた別れの舞台となる今日のエディオンスタジアム広島ですが、ガンバにとってもこの試合を今季との別れではなく来季の始まりにしていかなければならない。それぞれのサッカー人生をどう彩るかは彼ら自身です。

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20231126172509j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20231126172514j:image

 

ガンバは前節福岡戦からスタメンを2人変更しました。今日も第30節名古屋戦、第32節福岡戦同様に3-4-2-1を採用しており、前節は出場停止だったダワンがボランチに戻った事に伴い前節はダワンの代わりにボランチで起用されていた倉田秋は今日は従来のシャドーの位置で起用。右CBには佐藤瑶大が第29節FC東京戦以来のスタメンとなり、福岡将太は出場停止となった第20節京都戦を除けば第7節川崎戦以来のメンバー外となりました。イッサム・ジェバリはベンチに復帰しましたが、イスラエル代表活動を終えたばかりのネタラヴィと負傷中のファン・アラーノは欠場です。

広島は前節札幌戦からスタメンを3人変更。ドウグラスヴィエイラと荒木隼人がスタメンに復帰した他、ビッグアーチのレジェンド、青山敏弘が今季初先発。柏好文柴崎晃誠といったレジェンドも久々にベンチに名を連ねた他、今季限りでの引退を表明している林卓人もメンバー入りし、エディオンスタジアム広島のラストに華を添える顔触れとなりました。

 

 

 

本日の会場は広島県広島市エディオンスタジアム広島です。

 

 

第33節という事で広島のホーム最終戦であると同時に、来季から新スタジアムへの移転が決定している広島にとってはJリーグ開幕から30年間踏み続けてきた広島ビッグアーチのピッチでの公式戦は今日が最後となります。それだけにこの試合の来場者には最終戦を記念したポストカードや記念Tシャツ、更にメモリアルチケットがプレゼントされ、フォトスポットの設置や試合後のセレモニーでは特別演出も実施されるとの事。

先日のブログでも特集しましたが、ガンバにとってもこのスタジアムは思い出深く、ビッグアーチでの2試合目がガンバだったり、チャンピオンシップを戦ったり、2021年の活動停止明けの初戦もこの地だったり………アジアカップ1992という今日の日本サッカーを語る上で勝たせない舞台となったこのスタジアムが、今日の試合で時代に一つの区切りを打ちます。

 

 

立ち上がりはお互いの攻撃機会が交互に訪れるような一進一退と言うべき試合の入りを見せましたが、7分に青山のパスを加藤陸次樹がシュートに持ち込んだ場面のように広島の方がシュートには辿り着けていました。

そんな中で9分、ミドルゾーンをショートパスで崩した広島は左サイドを打開。左サイドでボールを持った加藤が切り返してクロスを入れるとこのボールを満田誠が合わせて広島が先制。さらにその直後、ほぼ同じような展開から満田が左サイドでボールを収め、最後は左WB東俊希のクロスに右WB中野就斗が飛び込んでヘッド。2-0。えぇ……。

 

 

ガンバは一応ボールを繋ぐ事は出来ており、その中で18分に前線に抜け出した鈴木から食野が、その直後にも右サイドを食野が抉ったところから鈴木がポストプレーを落として味方が走り込むような場面はありましたが、いずれも相手のチェックを前にシュートまで持ち込めず。

逆にシンプルにサイドのスペースを連動した攻撃で攻め込んでくる広島の前にボール非保持時には若干蹂躙気味な守勢になってしまい、その後も度々広島にチャンスを作られるなど苦しい試合展開を脱する事が出来ません。

 

 

 

ミドルゾーンまではボールを運ぶ事も出来ていたガンバでしたが、ミドルゾーンでラインを保った広島の守備に絡め取られる形でボールを失うと、そこから広島のワイドな攻撃を前に守備者の距離感が悪い状態を拭えないまま前半終了。残留を目指すにあたって苦しい前半を終えます。

 

 

後半もこの試合はラストダンスとでも言わんばかりに広島のゲームでした。

後半も押し返す機会を得られないままで54分、中盤でボールを失うと満田が粘ったボールを回収した川村拓夢が左に展開し、最後は広島ユースから昇格を果たせず、金沢やC大阪を経て今夏に広島に帰ってきた加藤のシュートが決まって3-0。いやいや、加藤のストーリーなんか語ってる場合じゃないのよこちとら3-0て。

 

 

ガンバは60分、食野と倉田を下げて山見大登とイッサム・ジェバリを投入。67分には鈴木が負傷した事で宇佐美貴史も送り込みます。選手交代後はやや高い位置でボールが回るようになった事でチャンスに繋がる気配のあるようなシーンはいくつか生まれたものの、シュートに辿り着けるほどの精度とパワーを示す事はできずの繰り返しで状況を打破するには至らず。逆にカウンターで攻め立てる広島の方が度々4点目が入ってしまいそうなシーンを作り…。

 

 

 

最後は広島が今季限りでの引退を表明しているGK林卓人を投入し、エディオンスタジアム広島ラストゲームを大団円的に飾る為の引き立て役にガンバは追い込まれていく事に。試合はそのまま終了。ガンバは他会場で横浜FCが敗れた事で残留は決まりましたが、なんともスッキリしない残留決定とあまりに虚脱感に至る完敗を喫しました。

 

 

 

残留も決定しましたが、今季の総括っぽいことは最終節のマッチレビューか12月〜1月に連載形式で書くブログに書くつもりなので、今回はあくまでこの試合の事について。

 

ポジティブな部分を見出す方がしんどい試合だったと思います。完敗というか、まあ惨敗と言って差し支えない試合だったな…と。

布陣とメンバーこそ前節福岡戦からボランチだった倉田をシャドーに上げてダワンをボランチに入れるのみの変更となったガンバでしたが、試合前の時点ではガンバが敗れた上で他会場の横浜FCが勝利すると降格の可能性がリアリティを持つ事になっていた状況を踏まえて、ポヤトス監督は広島戦に向けて守備を重点的にやった…と事前に語っていました。ただ、福岡戦のガンバは3バックやWBのチャレンジ&カバーであったり、中盤の選手のタスクであったりと役割が明確化されていたのに対し、今日はチャレンジなのかカバーなのか、ゴーなのかステイなのかが攻撃陣も守備陣も曖昧でした。結局前半に取られた2点はミドルゾーンで守備の連携が中途半端になっていたところをものの見事に崩されたところから始まった訳で、守備時は常にWB-ボランチ-左右のCBのところがハッキリしなかった。守備を強調して試合に入る事自体はわかりますが、それを題目にし過ぎたせいでかえって個々の守備意識だけでバラバラに動いてしまったように見えましたし、その点で言えばマンツーマンを徹底した福岡将太とそれをフォローする三浦弦太の関係が成り立っていた福岡戦の前半の方が結果的に効果的な守備が出来ていたのは皮肉というか、なんというか…。

行くか行かないかが曖昧になっていたのは攻撃も同じで、基本的にガンバは山本とネタラヴィで配球役を2枚置いており、福岡戦は倉田をボランチに落とす事で循環を成立させていました。しかしここでも、攻撃システムは福岡戦のような形を狙おうとしていた中で、少なくとも配球役を担うタイプではないダワンの役割も中途半端になってしまった…と。倉田もシャドーに入ればアタッカーに徹しますし、守備意識を高く持ちながら福岡戦と同じシステムで攻撃を回すにはあまりにも役割が曖昧だったのはこの試合の決定的なポイントだったと考えています。ガンバが得たチャンスが鈴木と宇佐美が個人がを見せた2つくらいしかなかったのは当然の帰結だったのかな…と。

 

 

 

他会場の結果とはいえ、残留が決まったのは33試合で積み上げた勝点ゆえ。そこを揶揄的に捉えたりするつもりもなければ、ラッキーとするつもりもありません。

ただ、曲がりなりにも苦しい時でもスタイルをやり抜こうとした中で、チームとしてのスタンスが中途半端になった結果個々の役割がぐちゃぐちゃになってしまったこの試合は見ていて辛いものがありましたね。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

明治安田生命J1リーグ第33節分はヴィッセル神戸vs名古屋グランパス戦のマッチレビューページに記載しております。

 

 

林卓人さんお疲れ様でした!

ではでは(´∀`)