KAKI食べたい(SUSHI食べたいのリズムで)
どーもこんばんは
さてさて、2023年11月25日、ガンバ大阪は2023年のアウェイ最終戦をサンフレッチェ広島とエディオンスタジアム広島で戦います。
まぁ…ガンバとしては5連敗中で、更にはまだ残留も決まってませんから、広島のあれこれを気にしてなんていられないのが実情ではありますが……この試合は広島側からすればホーム最終戦、そしてエディオンスタジアム広島でのラストゲームとなります。
2024年からオープンする新スタジアム、エディオンピースウィング広島(広島サッカースタジアム)に来季から移転する事が決まっているサンフレッチェ広島ですが、それは同時に広島ビッグアーチとして長きに渡って親しまれてきたエディオンスタジアム広島を本拠地とする季節はこのガンバとの試合で幕を下ろす事になります。
厳密には天皇杯やスケジュールの問題が生じた際にビッグアーチで公式戦を行うケースもあるかもしれませんが、サンフレッチェ広島の30年間に留まらず、1992年アジアカップという今日の日本サッカーを語る上では欠かせない物語となった大会の舞台にもなった歴史あるスタジアムに一つのピリオドを打つ試合にガンバが関わる格好になった訳です。
…思えばガンバと広島は同じオリジナル10で、かつ2クラブしかない西日本のクラブでした。そういえば万博記念競技場での最後のJリーグ戦も広島とのチャンピオンシップでしたし(厳密な最終戦は天皇杯鳥栖戦)、振り返ればビッグアーチでの広島戦には様々な名勝負・名シーンがあったなあと。勝つも負けるも。という訳で今回はビッグアーチ最終戦の相手がガンバになった事を記念して、過去にエディオンスタジアム広島で行われたサンフレッチェ広島vsガンバ大阪の中から印象的なゲームを5試合振り返っていきたいと思います。
エディオンスタジアム広島が2020年オリンピックのメイン会場になっていたかもしれない話とそうなった場合の開催会場特集
↓
Jリーグ30周年記念特集はこちらから!
↓
オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。
↓
#1 ビッグアーチ第2戦
1993 JリーグNICOSシリーズ第4節
1993年8月8日19:03@広島ビッグアーチ
広島は元々ビッグアーチを本拠地として使用する事を念頭に置いていたが、1994年にアジア競技大会を同会場で開催する関係から1993年はビッグアーチの使用を制限されており、ビッグアーチでのリーグ戦開催は1993年は3試合のみだった。そのうちの一つにして、広島にとってビッグアーチで2回目に行うホームゲームとなったのが8月のガンバ戦となっていた。
NICOSシリーズ(2ndステージ)の開幕3戦を2勝1敗でスタートした広島と3連敗スタートとなったガンバという対照的なチーム状態だったが、0-0で迎えた後半開始早々にエース・永島のゴールで先制したガンバは後半に久高のゴールで追加点。NICOSシリーズ初勝利を手にした。一方の広島は3ヶ月ぶりのビッグアーチに34000人を越す観衆を集めたが同年のビッグアーチ開催の試合は全敗を喫し、ビッグアーチ初勝利は翌年まで待つ事になる。
ちなみにバクスター監督率いる広島の選手は森保一を筆頭に後の名将と呼ばれた人物が多いが、この試合では2022年にガンバの監督を務めた片野坂知宏と、その片野坂の解任に伴い後任に就いた松田浩が広島の両SBを組んでいた。更にガンバには2021年の監督を務めた松波正信とその時代に強化部長を務めていた和田昌裕が出場していた為、2021年5月から2022年までの監督とそれを招聘した人物が揃って出場していた事になる。
#2 ヤングガンバと夏の夢
2000 Jリーグディビジョン1 2ndステージ第10節
2000年8月19日19:01@広島ビッグアーチ
G大阪得点者:ニーノ・ブーレ(9分),ビタウ(69分),稲本潤一(74分)
1stステージでは下位に低迷したガンバだったが、2ndステージでは開幕5連勝を達成するなど絶好調。試合前の時点で2位だったが首位の鹿島とは勝点で並んでいた。2000年はシドニー五輪とアジアカップが連続で開催された事もあり、この試合は3ヶ月にも及ぶ中断期間前最後の試合ともなっていた。
前半、中盤での混戦からボールをキープした二川孝広のスルーパスに抜け出した吉原宏太の折り返しをニーノ・ブーレが流し込んで先制に成功したガンバは、全体的に押され気味な展開の中で同点弾を奪われるも69分に小島宏美の折り返しをビタウがコントロールショットで沈めて勝ち越し。更に74分にはトリックプレー的なFKから稲本潤一が決めて3点目を奪ったガンバは、終盤に1点こそ返されるも3-2で勝利。鹿島が他会場で引き分けた為、「若手は良いけどエムボマの年以外上位に縁のないチーム」として知られていたガンバは1997年以来となる首位の座に立って中断期間を迎える事となった。
#3 爆走の幕開け
2005 Jリーグディビジョン1第14節
2005年7月6日19:01@広島ビッグアーチ
広島得点者:森崎浩司(65分)
ドイツW杯予選とコンフェデ杯開催に伴う約1ヶ月半の中断を経て再開したJ1は、再開初戦の第13節から「HOT6」と銘打った中2日ペースの6連戦が組まれていた。ガンバも広島も共にスタートダッシュには失敗したが、そこから調子を上げて中断時点に入った時点では広島が2位、ガンバが3位。ガンバは再開初戦で今なお伝説として語り継がれるヴェルディに対しての7-1の圧勝劇を演じ、広島は柏に引き分けた事で2位と3位こそ入れ替わっていたが勝点差は1。首位の鹿島が2位ガンバと勝点差10を付けて走る中、文字通り鹿島追撃の旗頭を巡る直接対決となった。
この日のビッグアーチのピッチコンディションは劣悪なものとなっていたが、この時期のガンバの攻撃陣はいわばゾーン状態。今なお語り継がれる伝説のトライアングルに後半からは両WBが二川孝広と家長昭博という恐ろしい布陣で攻め立てた。後半開始早々にフェルナンジーニョのクロスをアラウージョが頭で合わせて先制したガンバだったが、広島も65分に森崎浩司が決めて同点に追いつく。スリリングな直接対決はロスタイム、左サイドで山口智が粘ったところを回収した家長昭博のクロスをまたしてもアラウージョが決めてゲームセット。前節東京V戦での大勝の勢いを手放さなかったガンバはこのHOT6を5勝1分、6試合21得点、アラウージョ個人でも6試合9得点という爆走で鹿島との勝点差を一気に縮め、悲願の初優勝へ大きな意味を持つ勝点を荒稼ぎしていくこととなる。
#4 辿り着いた舞台で…
2015明治安田生命チャンピオンシップ第2戦
2015年12月5日19:35@エディオンスタジアム広島
広島得点者:浅野拓磨(76分)
当時のJリーグの経営的な不振を打破するべく、2015年から2ステージ制とチャンピオンシップが復活導入された。これは競技面ではネガティブな措置でしかなかったものの、広島にとっては1994年以降募る叶わぬリベンジを果たす側であり、旧CSが廃止されてから黄金期を迎えたガンバには当時辿り着けるとも思わなかった場所が突然復活した形でもあった。リーグ戦で圧倒的な数字を残した1位広島と、2位こそ浦和に譲ったが年間勝点3位で挑んだ準決勝で浦和を劇的な展開で倒したガンバの対決はオリジナル10対決にして2012〜2013年の王者vs2014年の三冠王者、そしてある意味でCSに未練を残した両チームの対戦であり、監督も森保一と長谷川健太のドーハ組対決など背景に深みのある対戦カードとなっていた。
余談ですが準決勝浦和戦もえげつない試合で、それに関しては別で記事をみっちり書きましたのでそちらを↓
しかし第1戦は広島にとってはクラブ史上最高の奇跡展開、ガンバにとってはクラブ史上最大のトラウマを植え付けるような試合展開で、アウェイの広島が3-2で勝利。第1戦を取っただけでなく、アウェイゴールの観点からガンバは3-4まで行かない限りは2点差での勝利が求められる苦しい状況となった。
前半から実質的に2点ビハインドに近い状況だったガンバが攻め込む展開になる。27分には遠藤保仁のCKから今野泰幸がCS全試合得点となるゴールを決めてガンバが先制。前半をほぼほぼ理想的な展開で過ごしたガンバだったが、広島は57分にこの年の広島が織りなした悪魔的交代パターンとも言えた佐藤寿人→浅野拓磨のスイッチを敢行。ガンバも倉田秋とパトリックを送り込み、1点を取れば一気に逆転出来る立場のガンバも猛攻を続けるが……76分、自陣でボールを奪った広島はカウンターを発動し、最後は柏好文のクロスを浅野が頭で合わせて広島が同点弾という名のトドメをぶち込んだ。浅野の異常なビッグゲームプレーヤーぶりはここからあったか…。
2020年以降の川崎出現前まで様々なレコードを有していた2015年の広島からラスト15分で2点を獲得する事は至難の業に近く、焦りも可視化されたガンバは敵陣で奪われては浅野に翻弄される試合展開が続く。ラストワンプレーで米倉恒貴が放ったオーバーヘッドシュートも無常にもGK林卓人の正面。オリジナル10ながらCSがやっていた時代はなかなか日の目を見なかった両者の頂上決戦は広島に軍配が上がった。
#5 ヤングガンバの大躍動
2018JリーグYBCルヴァンカップCグループ第5節
2018年5月9日19:04@エディオンスタジアム広島
広島得点者:フェリペ・シウバ(7分),渡大生(24分)
G大阪得点者:食野亮太郎(52分),妹尾直哉(65分),西野貴治(70分)
2010年代に一時代を築いた両チームだったが2017年は共に大不振に陥る。広島は森保監督が途中辞任するなど終盤まで残留争いに巻き込まれ、ガンバも前半戦の貯金で残留争いこそ回避したが、後半戦の戦績は見るも無惨なものだった。そこで両者とも監督交代を断行したが、城福浩監督の下で躍進を遂げて首位を快走し続けた広島に対し、ガンバはレヴィー・クルピ監督の下で再びの迷走に突入。それでも第7節の初勝利以降は少しずつ勝ち星も増え始めた中でルヴァンカップを迎えた。
両チームともターンオーバーに踏み切った試合だったが、試合は24分までに広島が2点を先行する試合展開に。それでもガンバは後半からギアを入れると、まずは52分に食野が今にも通ずる「らしい」ゴールで1点を返す。65分には妹尾がゴラッソを叩き込めば、70分にはCKを西野が頭で合わせて2点差をひっくり返し、広島を上回ってプレーオフステージ進出圏内に浮上した。
この試合はターンオーバーを敢行した事から当時は宮本恒靖監督が率いていたU-23チームから多数の選手が抜擢されており、得点を決めた食野のみならず、トップチームでの出番も増えていた初瀬亮と中村敬斗、更に谷晃生や市丸瑞希などもスタメンで出場。若い力を結集する形で躍動し、自信に繋がるような逆転劇を演じてみせた。
#6 倉田の秋!そしてこの時はまだ知らずに…
2020明治安田生命J1リーグ第19節
2020年9月27日18:03@エディオンスタジアム広島
新型コロナによる中断と、それに伴うACL組の日程変更の影響で試合数も試合順もぐちゃぐちゃになっていた2020年だが、試合前の時点で9位ガンバと10位広島は勝点差4で共に17試合消化。お互いに実質的な後半戦がここから始まる形となっていた。既に川崎の優勝は誰も阻止できないであろう状況になっていた中で、順位的な争点はACLに出場できる4位と天皇杯に出場できる2位。当時の2位C大阪と3位FC東京は勝点的には少し抜けていたがやや試合数が多かったので、ここから連勝を重ねれば十分に可能性を見出せた。
ガンバは16分、相手のクリアボールをワントラップで拾ってゴラッソ製造機倉田秋が豪快な一打を叩き込んで先制点。更に直後の20分にはGK東口順昭のロングフィードを収めた倉田の絶妙なスルーパスに抜け出したパトリックがGK林卓人との1対1を制して同点(この時も前年まで所属した広島へリスペクトを示すパトリックの反応が話題を呼んだけどおたく古巣から点取りすぎじゃね…?)。その後は広島にほぼ一方的に攻め込まれる展開になり、60分に宇佐美貴史を投入して以降はややガンバもカウンターの逃げ場を作る事こそ出来たが終盤までその状況は変わらず、73分には半年後に青黒を纏うレアンドロ・ペレイラのゴールで1点を返される。だがこの日が通算300試合出場となった東口がファインセーブを連発。どうにか逃げ切ったガンバはシステムを4-4-2に戻した前々節札幌戦から3連勝となり、後の大爆走と2位浮上に結びつく流れを作り出した。
しかし次の試合を10月4日に控える中、この日ベンチ入りしていた遠藤保仁の退団報道が10月2日に飛び込んでくる。最終出場は前節名古屋戦で、かつガンバの選手としての厳密な最終試合は次節鹿島戦となっていたが、何も知らずに「ガンバの遠藤」としてその姿を見る事が出来たのはこの試合が最後だった。
#7 意地と根性
2021明治安田生命J1リーグ第7節
2021年4月3日14:03@エディオンスタジアム広島
2位でフィニッシュした前年を経て、今年こそは…の思いで挑んだ2021年シーズン。ACLでの戦いも控える中で高いモチベーションでシーズンに入ったが、ゼロックス杯川崎戦と開幕戦の神戸戦を終えたタイミングで選手・スタッフのコロナウィルス感染が発覚。これがクラスターにまで至ったガンバは6試合が延期されると共に、約3週間に渡ってチームとしての活動が完全に停止された。その活動停止期間がようやく明けた中で迎えた復帰戦の舞台がエディオンスタジアムでの広島戦だった。
2021年のガンバ大阪シーズン総括ハイライト(だいぶ傑作)↓
恐怖を伴う苦難を経てようやくチーム活動が再開し、この時点ではまだ体調が回復していない者もいた。そもそも全員が自宅待機を命じられた訳で戦術的な積み上げもコンディションも完全にリセットされてしまった形になったガンバにとって余りにも苦しい試合になる事は火を見るより明らかである中、宮本監督はキャンプから取り組んできた4-1-2-3を捨てて従来の4-4-2への回帰を選択。広島に攻め込まれる時間の方が圧倒的に長かったがGK東口と昌子源&三浦弦太のCBコンビが踏ん張りスコアレスドローで終了。後に昌子源がシーズンDVDで「あの状況でよく引き分けれたなと思う」と振り返ったが、ぶっつけ本番で挑んだ再開初戦でどうにか勝点1をもぎ取った。
空気を読まない勝利してくれ!!
ではでは(´∀`)