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太陽の塔さんも顔真っ青やで〜明治安田生命J1リーグ第32節 ガンバ大阪 vs アビスパ福岡 マッチレビューと試合考察〜

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\ハーンシーンタイガーース/

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第32節、ガンバ大阪vsアビスパ福岡の一戦です!

 

 

 

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季節は移り変わり、街に半袖の人間はほぼ見かけなくなった今日この頃。今年のJ1も残り3試合となって参りました。

今年のガンバは紆余曲折の激しい1年でした。そして一時のフィーバーを変え、今はまた新たなスランプ状態。消化試合的な空気が漂ってはいますが、実際問題として残留はまだ決まっていません。

 

 

そんな今宵の対戦相手は福岡です。

ガンバが今、チームとしての冬を迎えているならば、福岡はまさに今この世の春を謳歌していることでしょう。彼らは長い年月をかけて辿り着いたこの世の春に浸りながらプレーしている事は想像に難くなく、それはクラブとして非常に充実した季節となります。今のガンバとは明らかに対照的なチーム状況です。

ガンバは前節C大阪戦前にダニエル・ポヤトス監督の来季続投を発表しました。ガンバにとっては続投自体が久し振りに踏むプロセスであって、残留はマストとして、再び浮上するその瞬間の為の努力をただひたすらに重ねていかねばならないのが残り3試合です。再び春を謳歌する為に経なければならない過程として、残り試合をどう過ごすのかが問われています。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節C大阪戦からはスタメンを3人変更。ネタラヴィとダワンが出場停止、ジェバリとアラーノが負傷で欠場となったことから今日は外国人選手はクォン・ギョンウォンのみという形になりました。今日は第30節名古屋戦同様に可変式の3バックシステムを採用しましたが、攻撃時には福岡将太を左に置いて黒川圭介を上げた名古屋戦とは逆で、福岡将太を右に置いて前節から復帰した半田陸を上げる形になっています。クォン・ギョンウォンと食野亮太郎はその名古屋戦以来の先発。怪我から復帰した鈴木武蔵はリーグ戦の先発としては実に第6節湘南戦以来7ヶ月ぶりとなり、ポヤトス体制では一貫してWG起用だった倉田秋は山本悠樹とWボランチを組む形になりました。

福岡は前節横浜FM戦からはスタメンを3人変更していますが、直近のルヴァン杯決勝浦和戦からはスタメンを2人入れ替えてきました。福岡はGKをリーグ戦は村上昌謙、ルヴァン杯は永石拓海で使い分けていましたが、今日はルヴァン杯決勝に引き続き永石がリーグ戦では第18節神戸戦以来の出場。また、第25節京都戦から負傷離脱していたルキアンが3ヶ月ぶりにベンチに帰ってきています。井手口陽介は初めて敵としてパナスタに訪れる事になりました!

 

 

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

先日、11月16日より開幕する北米W杯アジア予選ミャンマー戦のメンバーが発表されましたが、その初戦のミャンマー戦の会場は他ならぬパナスタという事になりました。FIFA主催の公式戦開催は2021年のオマーン戦以来ですね。

本日はスタジアム内に移動水族館が登場し、チンアナゴカクレクマノミ等が展示される他、ガンバOBで福岡にも在籍歴のある岩下敬輔氏、岸和田競輪場とのコラボイベントでトップレーサーの古性優作氏、児玉碧衣氏が試合前ゲストとして来場。また、ガンバビジネスアカデミー企画で話題になったソロサポゴール裏デビュー企画も実施されます。クラブが不振なだけに、こうやって企画営業が頑張ってくれているのはありがたいところ。

 

 

本日現地観戦です!

今季はこれがラストパナスタかしら…観戦日記はまた後日!

 

 

キックオフからエンドを変えて試合に挑んだガンバは良い立ち上がりを見せました。

福岡の強固な3バックに対し、今日のガンバは攻撃のスタートラインはそこまで高い位置ではありませんでしたが、山本に加えて今日は倉田が低いエリアにポジションを取ってDFラインと前線の中継役を担った事で右寄りの山本と左寄りの倉田で配球ポイントを2つ確保。ここにワントップに入った鈴木のポストワークが上手く絡んだ事で、立ち上がりからガンバはいつも以上に有機的なボール回しがスムーズに進んでいました。

 

 

 

13分、中央から山本のパスを起点に倉田・食野・鈴木が絡んだパスワークは倉田が抜けそうになったところで田代に阻まれるも、このプレーで得たCKを山本がニアに蹴り込むと倉田がすらし、ファーサイドに走り込んでいたクォン・ギョンウォンがヘッド!クォン・ギョンウォンはこれが今季初ゴール。副キャプテンのCKが去年キャプテンを介してもう一人の副キャプテンが叩き込んでガンバ先制!…なんとガンバのゴール、第28節浦和戦以来2ヶ月ぶり。

 

 

追加点が欲しいガンバは19分には山本の絶妙なループパスに膨らみながら走り込んだ食野がダイレクトボレー。ここはGK永石のビッグセーブに阻まれますが、22分にも黒川のクロスから最終的には倉田や石毛がシュートに辿り着く場面を創出。ここも福岡守備陣のブロックもあってゴールを奪い切れませんが、前半を通じて常に良いリズムは作れていました。

この日は前述のように山本と倉田と出し手が2つになった事で最終ラインと前線が上手くリンクし、同時に鈴木がポストプレーの際に相手の守備陣を1人引き連れる形でボールを収めてくれた事で2シャドーが鈴木を追い抜き、ある種前線が2-1というよりも鈴木が落ちた1-2になるような場面を作り出せていた事から、前節C大阪戦で顕著だったような、最近のガンバが陥っていたような"詰まり感"なるものとは離れたところでプレー出来ていました。

 

 

 

得点直後の湯澤聖人のヘッドや前半ラストプレーのFKのように福岡にも決定機はいくつかあったので一方的な展開とまでは行きませんでしたが、前半はガンバがリードかつ、概ね理想通りの展開で試合で前半を終えました。終えたんですが……。

 

 

後半、福岡は金森を下げてウェリントンを投入。その交代アナウンスの最中でした。左サイドでスローインを獲得した福岡は、スローワーの前嶋洋太が前寛之からのリターンを受けてカットイン。前半は山岸祐也にマンツーマン気味についていた福岡将太を釣り出すと、紺野を経由してボールは無情にも再び山岸へ。そうなるとさすが山岸。GK東口との1対1を冷静に制して福岡同点。時間にして後半開始40秒。今季何度も見たフワついた瞬間の一発でまたしてもリードがパァに。

 

 

後半開始からウェリントンを投入した福岡はウェリントンを最前線に置く形で山岸のスタートポジションを少し後ろに修正。前半は守備時には福岡将太がマンツーマン気味に対応していましたが、山岸についていくと陣形が乱れ、そしてウェリントンという新たにケアしなければならない存在が出てきたことで前半のように狙いどころが明確に出来ないような状況になってしまっていました。するとガンバは前半は球出しに専念できていた倉田も守備でのフォローに入らざるを得ない格好となり、以降の攻撃はどうにか鈴木に当てて、鈴木のフォローに食野と石毛、或いは攻撃時は右WG的なポジションに入る半田が一気に走って前進していくというやや強引な形に。

 

 

 

それでも一応の前進は出来ましたが、そこはやはり福岡の3バックの堅さは圧巻で鈴木のポストプレーを受けた食野や石毛をファウルを与えてでもアタッキングサードに入る前で潰す事を徹底。それで獲得したセットプレーから60分の山本の直接FKや69分の山本のFKからクォン・ギョンウォンが折り返して福岡将太が詰めた場面のような決定機はいくつかありましたが、前半と違って流れの中からのチャンスクリエイトは乏しくなり、攻撃にやや停滞感が生まれ始めます。

そして78分、自陣でのパスの乱れを福岡に細かいパスワークで繋がれると、最後は山岸のパスに抜け出そうとした紺野を黒川が倒したとしてPK判定。キッカーは山岸。しかし!しかしここは我らが守護神・東口順昭スーパーセーブ!!!山岸は先週のルヴァンカップ決勝に続いてPKセーブを喰らう事に。

 

 

このPKの直前にここまでカードを切ってこなかったポヤトス監督は石毛を下げて宇佐美貴史を投入。福岡も宇佐美投入の少し前のタイミングで湯澤を下げて亀川諒史を送り込むと、80分に紺野を下げてルキアンを投入します。

ガンバとしては石毛で担保していた機動力を捨てる代わりに宇佐美を投入して鈴木のポストワーク以外のボールの収まりどころを求める交代策を切りましたが、膠着状態になりつつあった中である程度その狙いが具現化されたのが82分、ハーフェーライン付近でボールをキープした鈴木がドリブルで持ち運ぶと左サイドの宇佐美へ。宇佐美が福岡のDF3人を引きつけてから中央のスペースにスルーパス。走り込んだ山本がミドルを放つも、シュートは惜しくも枠の上へ…。

すると89分、右サイドを走った福岡将太への宇佐美のサイドチェンジがカットされると福岡がカウンター攻撃を開始。一度は跳ね返すもクリアボールを回収しきれず二次攻撃を許すと、右サイドに張った田代のクロスが宇佐美に当たってコースが変わり、それをルキアンに反応されて逆転ゴール…。怪我から3ヶ月ぶりに復帰したルキアンにとっては、因縁の他パナスタでの復帰即ゴールという事に…。

 

 

ガンバは失点前の段階から準備させていた山見を食野に代えて投入するとアディショナルタイムには福岡将太を下げて唐山を送り込み、山見と宇佐美をサイドに配置した4-2-4的なファイヤーフォーメーションに変更。91分には山見のクロスがGK永石のパンチングで弾かれたこぼれ球に山本がミドルを放つも枠を捉えられず、96分には三浦弦太のロングボールを鈴木が競り勝ち、拾った宇佐美が田代を振り切ってシュートを放ちますが…体勢を崩しながらも身体に当てた宮大樹がブロック。このプレーで得たCKではGK東口も攻撃に参加するも…1点は遠く試合終了。ガンバ、降格圏が迫る屈辱の5連敗です。

 

 

 

辛いです。辛いですね…。

前半は素晴らしかったと思うんですよ。前述したように、右側に山本、左側に倉田で攻撃の起点、ボールを出し役を2つ持てた事で最終ラインから展開がしやすくなった事と、鈴木がポストワーク時にボールキープと共に相手DFを一人消してくれていたことで食野と石毛の入れ替わりに飛び出していく流れが実に上手く回っていたというか、詰まっていない水道管みたく水がスムーズに流れていくような感覚がありました。早い時間で先制点を取れた事もあって、福岡にとって精神的にブロックを固めにくくなった部分もありましたし、守備に於いても山岸にはマンツーマン、逆に紺野には適度な距離を取るなど、そういう役割分担も運べていたと思います。

 

ただ後半…やはり福岡がウェリントンを入れてきた事で、ウェリントンが前半の鈴木のように此方のDFを1人消してくるような動きをした事、逆に山岸が少し下がった事でマンツーマンで対峙した福岡将太が迂闊についていけなくなった事、そして後半開始早々の同点ゴールで福岡が無理をする必要がなくなった事もあって、福岡がいつものセッティングに戻れてしまった。福岡の守備ラインが前半より低くできる状態になってしまったので、シャドーは鈴木を追い越すのではなく鈴木を追うような形になってしまい、裏ではなく福岡の守備陣がガンバのアタッカーに対して正面から対峙できる状況になってしまった……そういう状況になった時の福岡の守備って鋭さもありますし、同時に優先事項としてファウルになってもエリアに入れない事を最優先にしますから、1-1になった時点から菅が詰まってしまった部分はありました。

 

 

色んなところを見ると宇佐美投入を疑問視する声が多いですが、前述したように宇佐美投入は石毛の機動力を捨てる代わりに鈴木のポストプレー以外での起点を前に作る事、チャンス自体が少なくなっていた中で1〜2個のチャンスを相手に与えてでも1〜2個のチャンスを得る事が目的だったと思うので、ドローでOKとするならともかく、勝ちに行くのであれば石毛→宇佐美の交代は間違った策ではなかった思っています。

ポヤトス監督の宇佐美起用に関してはガンバファンの間でも疑問視する声が強くなっているので、以前のブログでも似たような事を個人的な推測ですが……おそらくポヤトスは宇佐美をフィニッシャーやアタッカーというよりもラストパスの出し手として高く評価しているんだろうと思っていて、あえて黄金期のガンバで例えるならポヤトスは二川孝広的な働きを今の宇佐美に求めている。パサーとして言えば山本やネタラヴィも思い浮かぶでしょうが、彼らは低い位置からゲームを組み立てるタイプのパサーなので少し趣が違いますし、宇佐美はスペースに走る人間ではないものの、例えば今日の82分の山本へのパスや名古屋戦の塚元へのパスのようにそういうスペースに対して長短両方のパスを通せる能力はこのチームの中では頭抜けていると思いますし、あれだけスペースの重要性を説くポヤトスにとっては、そこにパスを通せる存在としてどうにかして宇佐美を組み込みたいという考えはずっとあるんだろうなと。

 

 

で、話を戻すと…その観点に於いては宇佐美の投入は間違った判断ではなかったと思いますし、その狙い通りに2チャンス与えた代わりに2チャンスを得た。しかしその狙い通りに事が進んだからこそ、宇佐美投入で引いたトリガーの出た目の結果は最終的にその2チャンスを活かせなかったガンバと活かした福岡というところに辿り着いてしまった。その観点で、結局のところの総括は「ポヤトスと宇佐美はある種のギャンブルに負けた」とも表現できる試合ではあったんだろうなと感じています。

簡単に言ってしまえば流れはやっぱりあるもので、今や2〜5月のガンバのように出た目の全てが悪く転ぶような時期もあれば、逆に6〜8月のガンバのように出た目の全てが良く転ぶ時期もある。ただ、それは如何にこのチームにまだチームとしての揺るがない芯が無いか…という話でもあって、逆に芯があるチームは…昔、プロ野球ソフトバンクの監督を務めた工藤公康監督が「2勝1敗のペースでずっと走れるチームが一番強い」というような旨の事を仰っていましたが、そういう芯を有したチームは自然とそうなっていくんだろうなと。

残り2試合、一時は「消化試合になってモチベーションが難しいのでは?」と懸念されたガンバでしたが、望まぬ形で残り2試合を高ぶる気持ちで戦わねばならない状態に陥ってしまいました。残り2試合で何を見せてくれるのか。何を来季に残してくれるのか。それを示す結果と、それを測る内容を見せてほしいところです。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

明治安田生命J1リーグ第32節の順位表のコーナーは川崎フロンターレvs京都サンガFCの試合のマッチレビューページに記載しておりますので、そちらをご確認くださいませ。

 

 

ではでは(´∀`)