G・BLUE〜ブログとは名ばかりのものではありますが...ブログ。〜

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

ナチュラル…?〜明治安田生命J1リーグ第32節 川崎フロンターレ vs 京都サンガFC マッチレビューと試合考察〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20231112222540j:image

 

阪神ゴールデングラブいっぱい

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第32節、川崎フロンターレvs京都サンガFCの一戦です!

 

 

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

 

第28節広島戦、どう見ても格上、どう見ても難敵の相手を撃破した時、もう残留はほぼほぼ決まりだろうと思いました。私?ああほぼ思いましたよ。しかし魔の第29節鳥栖戦を経て状況は一気に暗転。続くホームでの湘南戦、新潟戦と、鳥栖戦を含めて決して戦力値で明確に負けているわけではない相手に対して3連敗。しかも湘南や横浜FCが調子を上げたおかげで、降格の可能性はここにして現実味を復活させてきました。

思えばサンガは去年も比較的セーフティーゾーンに見えたところから一気に16位まで転落し、最終的にはプレーオフで残留はしたけれど…16位も降格圏は降格圏な訳で、過去にそういう前科は背負ってしまっているクラブなだけに、そこに安心という文字は本来ないはずです。これは私自身への反省を含めてですが…。そうなると相手がどこかなんてもはや大した意味にもならない。とにかく必要な勝点をもぎ取ることでしか生きていけない世界にいる以上、彼らは日々唱える成長を結果で示す事でしか現状維持も出来ない。その宿命の中で彼らは川崎相手にどのような試合を見せるのでしょうか。もう今はサバイバルの当事者です。

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20231112221052j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20231112221048j:image

 

サンガは前節新潟戦からスタメンを4人変更。佐藤響が出場停止の左SBには麻田将吾がスライドする形で入り、CBは2試合ぶりの先発となるイヨハ理ヘンリーと鳥栖戦で受けた退場から復帰したアピアタウィア久がコンビを組みます。3トップには前節は出場停止で欠場した豊川雄太とベンチスタートとなった原大智がそれぞれ入り、中盤は新潟戦と同じ構成ですが、DFとFWの人選を入れ替えた形となりました。

川崎は前節柏戦からスタメンを5人、柏戦に近いメンバーを組んだ直近のACLパトゥム戦からは6人変更。CBに入った高井幸大は第26節C大阪戦以来、左WGに入った宮代大聖は第16節神戸戦以来の先発起用となっており、今日は橘田健人をインサイドハーフに上げてジョアン・シミッチをアンカーに置く形を採用しています。古巣対戦となる上福元直人や京都府出身の家長昭博はベンチスタート。遠野大弥は出場停止です。

 

 

 

本日の会場は神奈川県川崎市等々力陸上競技場です。

 

 

Jリーグは今年で30周年を迎えました。今でこそこのスタジアムは川崎フロンターレのホームスタジアムとしてすっかりお馴染みとなっており、かつ川崎フロンターレのホームスタジアムである事を前提としたイベントや改修計画の立案などが行われていますが、1993年のJリーグ開幕時はここはヴェルディのホームスタジアム。実はサンガがJリーグに参入した1996年、そのデビュー戦は等々力でのヴェルディ戦だったりするんですね。ドーハの悲劇のメンバーを多く擁したヴェルディと戦い、カズに点取られて負けるという。ここでの川崎戦も2008年から勝てていないだけに、昨年のサンガスタジアムでの勝利に次いでなんとか等々力でも…!

 

 

序盤からサンガは高い位置からプレスをかけていき、逆に川崎はサンガを走らせようとするかのようにワイドにボールを運ぼうと試みていきました。

それゆえに川崎はサイドを広く使いながらサンガを揺さぶろうとしましたが、そのスタンスで一人一人のスペースが増えた結果が川崎にとっては先制点の伏線にもなることに。7分にサンガは左サイドの原大智が中央の空いたスペースに走り込んだ川﨑颯太に繋ぐと、川﨑颯太はスペースが広くなったところで右サイドの福田心之助に展開。これを受けた福田は切り込むと左脚一閃!!グラウンダーのシュートを川﨑ゴールに突き刺してサンガ先制!

 

 

しかしサンガはまあまあ早くに夢から覚める事に。10分には小林悠と山根視来の連携で右サイドを突破されると、山根の折り返しにゴミスに合わせられてピンチ。このゴミスのシュートはなんとか枠を逸れて回避し、その直後は再びサンガが盛り返したかのような時間もありましたが……19分、チョン・ソンリョンゴールキックにゴミスが競り合うとこれをサンガが処理切れず、それを見逃さなかった宮代大聖に仕留められて被弾。これで試合は振り出しに。

 

 

ただ前半はサンガが川崎が広げたスペースの合間を縫うように走っていくプレーしたことでダイレクトな展開になっていき、結果的にそれはポゼッションスタイルで鳴らした川崎をオープンな展開に引き摺り込める形になっていました。それゆえに川崎はいつもよりもハイテンポな試合を強いられる事となってリズムを崩したのに対し、逆にそういう展開に持ち込みたかったサンガが少しずつ優勢に転じていきます。

 

 

 

すると41分、金子大毅の縦パスを受けた原が左に張った武田将平にパスを送ると、武田が放った左サイドへのスルーパスに再び走り込んだ原が対峙したジェジエウを振り切ってクロス。ここに豊川が飛び込んで頭で合わせてサンガ勝ち越し!!

更に前半アディショナルタイムには福田が自陣からのFKを蹴り込んだところに原が高い打点のヘッドで落とすと、抜群のタイミングでこれに反応した豊川がまたしても押し込んでなんとサンガ2点リード!!

 

 

しかし前半はまだ終わらず、今度は川崎がセットプレーの流れから小林のヘッドで1点を返して3-2。かなりハイテンポな前半となりましたが、どうにかサンガは前半をリードで終えます。

 

 

後半、川崎はジェジエウとシミッチを下げて山村和也と瀬古樹を投入。そして迎えた後半は完全に川崎ペースで、サンガは常に川崎の流動的な攻撃を前に猛攻に曝される事態となりました。

ややお互いに中盤省略気味になっていた部分があった前半から、後半は橘田健人をアンカーに置いて再び中盤からゲームを作る事に主眼を置いた川崎にミドルゾーンを制圧される形になると、後半開始早々の47分にいきなり小林が決定機。これは何とか枠の左に逸れるも、ゴミスを起点に小林や宮代の絡む攻撃で何度も崩される場面が増えましたが、最後の最後はどうにか身体を張って川崎のシュート攻勢を必死に跳ね返し続けていきます。

 

 

 

この展開を受けてサンガは63分に豊川を下げて井上黎生人を投入し、麻田将吾を左WBにスライドさせた5バックシステムにシフト。明確にカウンター体制にしつつ、前線は原のところで明確にボールを収めさせる形にして逃げ切りを図ります。

川崎はマルシーニョ、山田新、家長昭博といったカードを次々に切り、サンガは中盤でのプレス強度を確保しようと原を下げて松田天馬、87分には山﨑凌吾を下げて木下康介を投入。しかしここまで来るとサンガに押し返すだけのパワーは想像し難く、耐えるか耐え切れないかの二択の勝負になってしまっていました。

しかしアディショナルタイム、耐え切れませんでした。左サイドに抜け出したマルシーニョに対する福田のアプローチがファウルを取られてしまい、これでPK献上。キッカーは脇坂泰斗。14番を受け継ぎし男はこれを無慈悲なほど残酷に決め切って…。

 

 

守り切れなかったと言えば守り切れなかった。実力差を踏まえればどうにか勝点1は取れたと言えば取れた。とにもかくにも、消化不良な同点劇。大きいのか小さいのか、貴重なのか痛いのか……まぁ、得失点差の絡みを考えると大きな勝点1ではあったんですけど、消化のわからない1ポイントがサンガに加算されました。

 

 

 

残留争いを強いられている立場で第32節を迎えている以上はこの段階で新しいスタイルを試す事も出来ないですし、サンガは結果をとにかく取らなければいけない立場である以上は今持ち合わせているリソースをどう運用するかでしか戦えない立場です。それを踏まえると、リソースの運用としては理解出来る試合へのアプローチだったというか、川崎相手ではそれしか無かった部分はあったと思います。まず純粋に正攻法で戦えば川崎に蹂躙されるのがオチでしょうし、それであれば元々ダイレクトアタック的なスタイルを志向したチームでしたから、試合を中盤省略気味な展開に持ち込む、それに合わせてしっかり果敢にプレスをかける事で川崎をそれに付き合わせる事がサンガのスタンスでした。

前半は上手く川崎をダイレクトな試合展開に引き摺り込めていたと思います。アップテンポかつハイペースな展開に川崎を引き摺り込んだ事で、結果として川崎もスピード重視の攻撃にせざるを得なかった。それもあってサンガは普通のプールで泳ぐ事よりも濁流で泳ごうとするような試合展開に持ち込もうとした訳であって、川崎をプールではなく濁流で泳がせる事が出来た。その中で原や豊川などFW陣のアイデアやデザインを出せていたので、前半の優勢は試合のバランスを崩す事でサンガに良いセッティングで戦えた部分はあったように感じました。

ただ、後半は川崎が目覚めたというか…目覚めたというのも単によく使われる形容詞の復活した的な意味とはちょっと違って、サンガのペースに付き合っていた川崎が「あれ?なんで俺達ハイペースに付き合ってるんだろう?」的な、目覚めたというよりは酔いから醒めたような状態になってしまった。これによって川崎はアンカーに置き直した橘田のところを起点に、省略された中盤を埋め直してきました。今日のサンガはそこを避ける戦いを選択し、そこを避ける戦い方がハマった事が優勢の要因だった以上、そこでの戦いを純粋に強いられれば一方的な展開であれば自明の理でした。その意味で言えばあれだけ一方的な45分を踏まえた時、感想としてはむしろよく1点で耐えたな…という方が個人的には高いかもしれません。セッティングを崩す事で試合を優位にしたサンガは、そのセッティングを元に戻された事で窮地に陥った。まぁ、サンガがああいう入りをした以上、前半が結構押せた事も川崎の修正と同時にああいう展開になった事も、良くも悪くもスコアの派手さとは裏腹に自然ではあったんじゃないでしょうか。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第32節

北海道コンサドーレ札幌0-0サンフレッチェ広島

湘南ベルマーレ2-1名古屋グランパス

アルビレックス新潟0-0FC東京

鹿島アントラーズ1-1柏レイソル

ガンバ大阪1-2アビスパ福岡

サガン鳥栖1-3横浜FC

横浜F・マリノス2-0セレッソ大阪

川崎フロンターレ3-3京都サンガFC

浦和レッズ1-2ヴィッセル神戸

 

1位 ヴィッセル神戸(65)

2位 横浜F・マリノス(63)

3位 浦和レッズ(54)

4位 サンフレッチェ広島(52)

5位 名古屋グランパス(51)

6位 鹿島アントラーズ(49)

7位 セレッソ大阪(49)

8位 アビスパ福岡(48)

9位 川崎フロンターレ(44)

10位 アルビレックス新潟(41)

11位 FC東京(40)

12位 サガン鳥栖(37)

13位 北海道コンサドーレ札幌(67)

14位 京都サンガFC(34)

15位 ガンバ大阪(34)

16位 柏レイソル(31)

17位 湘南ベルマーレ(31)

18位 横浜FC(29)

 

首位を固めたい首位神戸と勝てなければ優勝の可能性が消滅する3位浦和の注目の直接対決でしたが、神戸1点リードで突入したアディショナルタイムにホセ・カンテのゴールで浦和が土壇場で同点。しかしラストプレーのCKで同点ながら西川周作が攻め上がった浦和でしたが功を奏さず、逆に前川黛也の好判断から大迫勇也の劇的決勝ゴールに繋げて首位を固めました。2位横浜FMは苦手としているC大阪にきっちり勝利して神戸との勝点差を維持。次節、神戸は横浜FMの結果次第では優勝を決められる立場となっています。

残留争いはG大阪と京都が終了間際の失点で勝点を失った一方、湘南と横浜FCは揃って勝利を挙げており、それぞれ勝点31と29に伸ばしました。今節の結果、降格の可能性があるのは14位京都以下のチームとなっており、次節は湘南と横浜FCの直接対決。横浜FCは次節に降格決定の可能性を有しています。

 

 

轟等々力

ではでは(´∀`)