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深淵と目が合う刻〜明治安田生命J1リーグ第30節 京都サンガFC vs 湘南ベルマーレ マッチレビューと試合考察〜

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はぁぁぁんしぃぃぃんたいがぁぁぁす!!

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第30節、京都サンガFCvs湘南ベルマーレの一戦です!

 

 

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

手負いの獣が伸ばした手が後ろ髪を掴む時、その力はこれまでの全てを引き摺り下ろすほどの引力を持つ事もあります。

こと残留に関しては一見セーフティーに見える立ち位置にいたサンガでしたが、もし今日湘南に勝つ事が出来たならば、それはセーフティーではなく「ほぼ確定」と表現する事に躊躇いはありません。しかし敗れた場合、サンガと湘南の勝点差は6に。最下位横浜FCの動向もあるので一概に全てを唱えられる訳ではなりますが、サンガは既に渦を抜け出したように見えて、片足はまだどっぷり浸かったままであるという現実から逃げられていません。

前節鳥栖戦はまさしくその渦から逃げ切る最大のチャンスだったと思います。しかしそれは自滅という形で潰えていった。それはアピアタウィア久の行為も勿論ですし、その後のチームの1点リードを守り切る為の方策の薄さにもそれは言えました。覗き込もうとしてしまった深淵から目を背け、目線は来年とその先へ。そういう思考で残り4試合を戦う為には、ラスト5試合となる今日がシーズンハイライトとも称するべき試合になります。

 

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サンガも湘南も大会は既に敗退しているのでお互いに3週間ぶりとなる試合となりました。

サンガは前節鳥栖戦から先発を2人変更。CBは出場停止のアピアタウィア久に代わってイヨハ理ヘンリーが起用されており、インサイドハーフには欠場が続いていた川﨑颯太が第26節神戸戦以来となる復帰を果たしています。また、ベンチにはアジア大会参加のためチームを離脱していた谷内田哲平が復帰し、第27節浦和戦以来のベンチ入りとなっています。ベンチメンバーを含めると三竿雄斗、金子大毅、山﨑凌吾、松田天馬の4人が古巣対戦ですね。

湘南は勝利を収めた前節C大阪戦からは中盤を2枚入れ替え。平岡太陽が出場停止となったインサイドハーフには山田直輝第24節G大阪戦以来の先発となっており、アンカーも今日は田中聡ではなく第20節柏戦以来の先発となる茨田陽生を起用。鈴木淳之介は第13節札幌戦以来のベンチ入り。1年のみの在籍だったのでイメージは薄いですが、山口智監督の現役最終所属クラブは実はサンガです。

 

 

 

本日の会場は京都府亀岡市サンガスタジアム by Kyoceraです。

日程面の都合により開幕戦も最終節もホームで戦える幸運を手にしたサンガのホームゲームは今日を入れて残り3試合。2020年に新しく出来たスタジアムは日々ブラッシュアップされており、新たに駐輪場と「KYOTO」のモニュメントが設置されました。本日の試合ではラブライブ!の声優、鈴原希実氏がゲストとして来場。また、ファン感謝デーで人気を博したよーじやのスイーツがレギュラー販売される事になりました。

サンガも湘南も、両者ともオリジナル10ではないけど比較的早い段階からJリーグに参加していた2チームです。それゆえに30周年を迎えたJ1の舞台でのサバイバルにはヒリつくものがありますね。

 

 

本日現地観戦です!

久し振りに行ってきました。スポーツ観戦日記は後日更新!

 

 

出足が良かったのは湘南でした。キックオフから17秒で阿部浩之のシュートまで持ち込むと、立ち上がりからコンパクトな陣形をキープした上で高いラインに押し上げるというよりもサンガを押し下げるような連動を見せ、攻撃回数を増やすことで守備機会を減らすような戦い方を試みていました。

一方サンガも湘南のそういうスタンスを前にしてなかなか前進出来ない時間が続く中、湘南のラインを翻せたタイミングではチーム全体で押し上げる事でカウンターで終わらないように攻めようとする意思は見せており、7分にはプレスからチャンスを作るとサンガのターンに一度引き戻し、8分には右サイドの深い位置で豊川雄太からボールを受けた福田心之助のパスをフォローに入った川﨑がクロス。しかしファーサイドに飛び込んだ三竿雄斗の叩きつけるようなヘッドは僅かに枠の上。しかし直後には再び湘南が押し返すと、10分には右サイドを突破した岡本拓也の折り返しに池田昌生がマイナスに走ってシュートを放ちましたが、ここはGKク・ソンユンがビッグセーブ。

 

 

 

前述したような湘南の体形に加え、サンガも極力カウンターで終わらないようにしようとしていた事から、試合は攻守に於いて大群での集団移動を繰り返すような試合展開になり、お互いに中盤省略というよりは如何に中盤を抜け出すかに主眼を於いたような展開になっていきました。

サンガは外に振ってから中、湘南は中を走ってから外に展開するような形で陣形移動を続けていくと、サンガも20分の豊川のミドルシュートなど可能性を感じる場面こそそれなりにあったものの、やはり立ち上がりの勢いと同様に湘南の圧力から抜け出せないような時間が続いていきます。

 

 

 

38分、湘南はキム・ミンテが自陣から右サイドに展開すると、池田を介したボールは岡本に渡ってドリブル突破。しかしペナルティエリアで切り込んだタイミングで対応に当たった三竿の脚が引っかかってしまった事で湘南がPKを獲得します。

これを大橋祐紀がきっちりと沈めて湘南が先制。大橋はこれでキャリア初のシーズン二桁ゴール達成という事に。

 

 

どうにかボールをサイドに振って押し返したいサンガでしたが、サイドを前進するまではある程度行けるものの、そこから先の打開力に乏しいまま前半をビハインドで終えます。

 

 

後半の立ち上がりは前半とは真逆の展開となり、キックオフからサンガがアグレッシブに攻め込みながら湘南を湘南陣内へと押し込んでいきます。47分には左サイドで得たFKを豊川が狙う惜しい場面はありましたが、しかし押し込みはしたものの、サンガはサイドを攻め込むというよりもサイドのエリアに押し込まれてしまうような形になった事で中に抜ける為の出口をなかなか作れず、攻め込んでいるけどそれがチャンスにまでは繋がらない時間が続き、そんなもどかしい展開が続いている間にラッシュの賞味期限は切れて再び試合はイーブンの展開に。

サンガは61分に武田将平を下げて谷内田、69分には三竿と豊川を下げて佐藤響と木下康介を投入。佐藤と木下の投入でより直線的な攻撃を狙おうとしましたが、5バックで幅を守り、更に空洞化しがちなミドルゾーンの要所もしっかりと中盤がプレスというよりも埋める事でスペースを潰してきた湘南の前に詰まってはカウンターを喰らう悪循環的な展開へ。カウンターに関しては湘南も単騎突破で攻め切るには打開力が足らなかった事もあってサンガも帰陣で対応できましたが、途中出場の佐藤を除くDF陣は何度も湘南のカウンターに対応する事で目に見えて疲弊していってしまう悪循環へ陥っていきます。

 

 

 

79分に松田天馬とパトリックを投入し、原・木下・パトリックの凶器的な3トップにしてからはチームとしてパワープレーの意思を明確にした事で強引に猛攻を仕掛ける事はできるようになりました。88分にカウンターから大橋にネットを揺らされた場面はなんとかオフサイド判定で切り抜けると、アディショナルタイムにはGKク・ソンユンも参加してのCK攻勢。

95分には一度跳ね返されたボールから松田がサイドを抉って入れたボールに福田が合わせるもキムミンテがブロック。97分には一度は跳ね返されますが、自陣深くからのロングボールにするするっと抜け出した木下がジャストミートシュート!しかし一度止まったスタジアムの空気はGK富居大樹のビッグセーブと共に再び動き出してしまい…試合終了。サンガ、6ポイントゲームにて痛恨の黒星です。

 

 

 

難儀な試合でしたねぇ。一言で言えば。曺貴裁監督は試合後のインタビューで「湘南さんが本当にJ1に残留したいというパワーに一歩及ばなかったという感じです」と語っていましたが、もちろん全てが背水の陣のような湘南のモチベーションは凄まじかったでしょうし、曺監督もチームに対して実際に指摘する事と比較するとメディアに対しては抽象的に言っておくのは普通の事でしょうから必ずしも本心ではないと思いますが、曺監督の言う"パワー"に敗因を求めるには無理のある試合ではあったなと。

サンガも湘南もプレッシング主体のチームですから、ある程度陣形が移動し合うような形の試合展開になる事は想像がつきやすかったと思います。ただ湘南が押し込んでくる時間が長い中で、湘南は今日はプレスする人、ステイする人を上手く使い分けていました。それによっていざサイドに走られた時に、中か外の選択肢の中で外を選ぶのではなく、外からクロスを入れるしかないような状態に追い込むことができた。要は深くまで押し込む事はさせるけど、かえって角のエリアまで追い込めば3MFの誰かが降りたりする事で完全に蓋をする事が出来る。そうやって効率的にサンガのサイドプレーヤーは囲われ続けていましたし、いつもであれば卓越した展開力を持つ武田もその渦の中に飲み込まれる形になったので、まずサンガの選手の個々の持ち味はほとんど殺されていたと言っていいでしょう。湘南のこの試合に懸けるモチベーションは凄まじかったとは思いますが、気合いではなくあくまで理性的に詰まされてしまったのは子の試合のキーポイントでしたし、ましてや前半に点を取られた事で後半は湘南に割り切る理由も与えてしまった。結果的にこの試合は湘南が張った網に自ら飛び込んでしまったような試合だったかな…と。

 

 

確かな事は、今日の敗戦は他会場で横浜FCが勝利した事も合わせると勝点計算としてあまり余裕綽々としていられない状況になってしまったところです。いわば今日の湘南は執着を積み重ねた結果が理屈になったような状態だったと思います。少なくともサンガは深淵を除いている場合ではない。引き摺り込まれない為に、如何に外界に執着するかは次節の新潟戦で大きく問われるところです。30周年はJ1で迎えたいじゃない……。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第30節

川崎フロンターレ4-2アビスパ福岡

浦和レッズ2-0柏レイソル

アルビレックス新潟1-1サガン鳥栖

横浜FC1-0FC東京

ガンバ大阪0-1名古屋グランパス

ヴィッセル神戸3-1鹿島アントラーズ

横浜F・マリノス4-1北海道コンサドーレ札幌

京都サンガFC0-1湘南ベルマーレ

サンフレッチェ広島0-0セレッソ大阪

 

1位 ヴィッセル神戸(61)

2位 横浜F・マリノス(57)

3位 浦和レッズ(53)

4位 名古屋グランパス(50)

5位 サンフレッチェ広島(48)

6位 鹿島アントラーズ(47)

7位 セレッソ大阪(46)

8位 アビスパ福岡(45)

9位 川崎フロンターレ(42)

10位 FC東京(39)

11位 アルビレックス新潟(37)

12位 サガン鳥栖(36)

13位 ガンバ大阪(34)

14位 北海道コンサドーレ札幌(33)

15位 京都サンガFC(33)

16位 柏レイソル(29)

17位 湘南ベルマーレ(27)

18位 横浜FC(26)

 

 

タン串食べました。

ではでは(´∀`)