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時計仕掛けのサザンビーチ〜明治安田生命J1リーグ第4節 湘南ベルマーレvs京都サンガFC マッチレビュー〜

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チェコ戦ええ試合じゃったな…

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第4節、湘南ベルマーレvs京都サンガFCの一戦です!

 

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「大丈夫かこれ…」

その疑念をどうしても抱かざるを得ない中で戦った開幕からの2試合。しかし悲観したって仕方ない状況下で迎えた第3節FC東京戦、彼らのスタンスがやや予想外なところはあったものの、サンガはほぼ完璧な、やりたい事をすべてやってのけたかのような試合展開で2-0で勝利。少なくとも鬱屈した不安に風穴を開ける2ゴールを叩き出し、まずはなんとか1勝と3ポイントを成績表に刻み込みました。

ルヴァン杯でのG大阪戦はターンオーバーを敢行したとはいえ完敗という結果に終わったものの、その中でも個々では光るものを見せた選手も少なからずいたとして、開幕当初の深刻な空気感から抜け出しつつあるところは事実でしょう。ただ、その中でもここから2023シーズンに羽ばたけるのか、或いはこれまでの鬱屈に逆戻りするのかは今が瀬戸際。今季もここまで内容面でも充実したパフォーマンスを見せ、昨季は散々サンガが苦しめられた湘南…そして監督が人生の栄冠と没落の両方を重ねた地で、いまやサンガにとって単なる一相手とは言えない縁を抱えた相手との90分が始まります。

両チームスタメンです。

 

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サンガはスタメンの11人、そしてベンチの7人に至るまでの18人全員がFC東京戦と全く同じメンバーになりました。FC東京戦同様にWGは右に山田楓喜、左に木下康介の組み合わせ。パトリックは今日もスタートからの起用になっています。スタメンの11人はベンチ入りはした麻田将吾を含めていずれもルヴァン杯G大阪戦の出場を回避しており、ベンチに入った7人はいずれもG大阪戦に先発した7人です。

対する湘南は1-1のドローに終わった川崎戦からはスタメンを3人変更。右サイドを本職とする石原広教を左WBにスライドし、逆に湘南では中盤起用が多いタリクが本来のFWで先発。中盤には平岡太陽が先発復帰となり、右CBの山本脩斗と右WBの岡本拓也はいずれも今季初先発となっています。

 

本日の会場は神奈川県平塚市レモンガススタジアム平塚です。

今日の試合はRIZAP社提供による「chocoZAPスペシャルデー」として開催。ハーフタイムには簡単に実践できるトレーニング指導が行われ、来場者には先着でRIZAPブランドのお菓子やマスクがプレゼント。また「大人気暴太郎戦隊ドンブラザーズ」からドンモモタロウが来場。撮影会も開催されます。

1994年の湘南のJ参入時からホームスタジアムとして、長らくJ1・J2の両方の歴史を彩ってきたスタジアム。新スタジアム建設や大規模改修もあってかれこれ30年戦士みたいなスタジアムも少ないですしね。…そういえば、昨シーズンも第4節で湘南がホームの湘南vs京都は実現しており、なんと奇遇な事にその日も3月12日。その試合はピーター・ウタカのゴールでサンガが先制しながらも、町野修斗に同点弾を奪われて引き分けました。サンガちゃん、町野にH&Aで取られてるから…。

 

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前半はかなりシンプルな展開になってきました。お互いにプレス回避の為の長いボールを使用する展開も多かった中で、サンガはロングボールの応酬の中で最大の強みとなるはずのパトリックになかなか上手くボールを当てる事が出来ない一方、湘南は明確なロングボールというよりはライナー的なフィードを多用する事で2トップの推進力を引き出そうとしていきました。

 

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実際に得点に繋がりそうなチャンスを多く創出したのもやはり湘南で19分にはタリクが右から入れたスローイン永木亮太町野修斗と繋いでタリクが再び決定機を迎えましたが、ここはなんとか若原智哉がファインセーブ。しかしその後も湘南の方が上手く効率とテンポの良い攻撃を繰り広げ、山本脩斗小野瀬康介がシュートに持ち込む場面も。

 

 

 

対するサンガはある意味ではプレスの掛け合いという得意な展開になったようにも見えましたが、今日に関してはサンガもなかなか中盤を介することが出来なかったので、自分達の攻撃を絡めていくような流れに持っていけないまま時間が経過。守備陣の粘りこそあったものの、前半はかなり湘南ペースのままで前半を終えます。

 

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両者の噛み合い方としては前半と同じスタンスのまま後半に突入しました。ただその中でも後半は湘南が選手間の距離感が狭まって前半以上のテンポを見せるようになり、54分にはルーズボールを競り勝ったところから細かいパスを繋いで町野のシュートまで持ち込みます。

ですが、後半は逆に湘南が密集する形のプレーエリアとなった事でサンガにとってもサイドのスペースが与えられるようになり、特に右からはサンガも持ち運んでいけるようになり始めました。

 

 

 

そして55分、右サイドの高い位置までボールを持ち運んだサンガは福岡慎平がボールをキープして時間を作ると、良いタイミングで抜け出してきた白井康介が右から折り返したところにニアサイドで詰めたのは木下!!

前節から抜擢されて勝利に貢献した新加入FWが、今度は移籍後初ゴールという形で数字を刻み込んでサンガが劣勢の中で先制に成功!!!

 

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ただ、その後はわかりやすく湘南の猛攻を喰らう形になっていきました。57分にはタリク、直後には小野瀬のクロスから平岡太陽が合わせるなど失点直後から湘南は何度もシュートチャンスを作ると、その後も矢のように放たれ続けた湘南のシュート攻勢をGK若原が見事にシャットアウト。

ただ、劣勢に立たされている状況は変わらなかった中で曺貴裁監督は61分に福岡を下げて金子大毅を投入すると、67分には武田を下げてイヨハ理ヘンリーを投入。システムをいつものように3-4-2-1に変更すると、ここからサンガはカウンターがバシバシに決まるようになっていきます。

 

 

 

72分には白井の絶妙なスルーパスに木下が抜け出しましたが、そのシュートは2度に渡ってGKソン・ボムグンのファインセーブに遭う事に。それでも74分には再び白井のスルーパスに今度はパトリックが抜け出すと卓越し過ぎたボディコンタクトで左サイドを突破。パトリックの折り返しを川﨑颯太がスルーし、最後は山田が冷静に流し込んでサンガが追加点!

 

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阿部浩之や山下敬大といった攻撃的な選手を複数送り込んできた湘南に対してサンガは押される時間が続きながらも、やはりリードが2点ともなると落ち着いて構えながら効率的にカウンター仕掛けられるような流れが出来ていきました。

そして試合はそのまま勝利!!サンガにとっては2連勝と同時に湘南からの勝利は2011年以来実に12年ぶりとなりました!!

 

 

 

前半は正直どうなることやら…とは思いました。オープンになりそうな試合展開はサンガにとっては本来ありがたい展開だったはずなんですけど、やや中盤省略的にならざるを得ない形にされたところで二次攻撃の厚みとデザインが湘南の方が明確だっただけにサンガは完全に後手に回っていたというか、湘南の中央からスタートしてサイドに散らばるようなスタンスを前にひとつ剥がすだけでは危険なエリアを打開できず、中央を固められる形になったサンガは効果的なプレーが全く出来ないでいました。

それが後半に入ると…湘南の攻撃自体は前半よりも後半の方が鋭かったと思います。狭い選手間で少ないタッチでパスを繋ぐ湘南の右サイドでの打開は敵ながらなかなか見応えのあるスペクタクルな攻撃だったと思いますし。ただ今度は湘南の強みでもある連動性が、その良い流れに沿うように右に人が集まるようになって湘南は"中から外へ"だったものが"外から中へ"という形になっていった。これ自体は別に悪い訳ではないんですけど、少なくともスペースを探していたサンガにとっては湘南にとっての反対サイド…即ちサンガの右サイドでスペースを作れたことは大きな助けになって、そこを出し手も受け手も見逃さずに狙えていました。

 

 

相手のスペースを見つける・狙う・突くという連鎖自体はルヴァン杯G大阪戦でも出来ていて、G大阪戦では相手が構えてきた事とクオリティの欠如もあって上手くいきませんでしたが、ハイテンションな展開に持ち込もうとする中でそういう狙えるエリアを見据えようとするところで、選手個々とチームとしてのビジョンはクリアになっていたのは何も今日の試合に限らず出来るようになり始めたポイントなのではないでしょうか。

若原を始めとした守備陣の奮闘が前提にある中で、一瞬を常に狙い続けた、見逃さなかったサンガの虎視眈々とした戦い方は、ちょっとずつこのチームもJ1としてアジャストできるようになってきたのかな…と。そんな事を感じながら後半は試合を見ていましたね…。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

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明治安田生命J1リーグ第4節

アルビレックス新潟1-0川崎フロンターレ

ヴィッセル神戸0-1浦和レッズ

セレッソ大阪2-1サガン鳥栖

北海道コンサドーレ札幌2-0横浜F・マリノス

鹿島アントラーズ0-0アビスパ福岡

柏レイソル0-3名古屋グランパス

FC東京3-1横浜FC

湘南ベルマーレ0-2京都サンガFC

ガンバ大阪1-2サンフレッチェ広島

 

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昇格組の新潟は前半に伊藤涼太郎が奪った得点を決勝点に1-0。ここまでの4試合で2勝2分1という望外なほどの好スタートを切りました。今節は開幕3連勝中だった神戸が浦和に敗れ、無敗が続いていた横浜FMと湘南も共に初黒星を喫した事で、現在新潟が唯一の無敗チームという事になっています。

もう一つの昇格組である横浜FCFC東京に敗れ、1分3敗と未だ苦しいトンネルから抜け出す事は出来ず。また、今節ではここまで未勝利だったC大阪、札幌、広島の3チームが勝利した一方でG大阪と柏は共に敗れてしまい、未勝利チームはG大阪、柏、横浜FCの3チームとなりました。なお、C大阪香川真司が日本復帰後初ゴール、Jリーグでは実に13年ぶり、4684日ぶりのゴールとなっています。

 

 

 

神様仏様白井様

ではでは(´∀`)