G・BLUE〜ブログとは名ばかりのものではありますが...ブログ。〜

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

因果関係逆転現象〜明治安田生命J1リーグ第26節 ヴィッセル神戸 vs 京都サンガFC マッチレビュー&試合考察〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230904182435j:image

 

バスケ祝パリ五輪!

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第26節、ヴィッセル神戸vs京都サンガFCの一戦です!

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

相も変わらず、まるでプレースタイルかのようにアップダウンの激しいシーズンを過ごす今年のサンガ。やはり今季のサンガはインテンシティーの高さを売りにしたハイプレス戦術を用いている中で、その表裏を常に背負っているような戦いでここまで来ました。今節で戦う神戸はその意味で言えば、サンガと同じような表裏一体を個のパワーで補うようにして優勝争いに絡んでいるチーム。ミラーゲームではありませんが、お互いに体験としてのそこはかとない既視感を背負いながらの90分にはなってくるように思います。思えば5ヶ月前、サンガは3連勝の中で迎えたホームでの神戸戦に、まさしくそういう表裏一体のようなポイントを翻されるようにして0-3で敗れていきました。そこから下位という立ち位置が定着する推移を辿っただけに、ここで神戸を翻し返す事であの日失った3連勝を取り戻したいところ。

…そして何より、勝ち負けを繰り返すというよりは連勝と連敗を繰り返すややこしい日々の中で、兎にも角にも真っ先にサンガに求められるのはとにかく残留圏の死守です。現在14位のサンガは、レギュレーションにも救われて順位の割には残留争いの最もホットなゾーンでの戦いはずっと回避する事が出来ています。しかし16位柏や17位横浜FCが着実に勝点を積み始め、最下位湘南も低迷真っ只中とはいえ何気に勝点1は積んでいっている中で、兎にも角にもサンガは勝点1は絶対に死守しなければなりません。来季やその先の事を語るのはその後。まずは目の前のミッションをこなす事でしか目標には辿り着けない…それは下位相手に勝点を落とす訳にいかない神戸も同じ。お互いにとって、この試合はミッションと言うべき局面です。

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230903234328j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230903234324j:image

 

サンガは2-0で勝利した前節福岡戦からスタメンを2人変更。アピアタウィア久が出場停止となったCBは麻田将吾と第15節浦和戦以来の先発となるイヨハ理ヘンリーが起用され、GKはここ最近好調を維持していた太田岳志からク・ソンユンに変更。ベンチには第23節FC東京戦で負傷退場となった井上黎生人が復帰した他、福岡慎平が第22節柏戦以来のメンバー入りとなっています。

神戸は2-2の引き分けとなった前節FC東京戦からは1人変更。今日は武藤嘉紀がベンチスタートとなり、普段は中盤起用の佐々木大樹は今日は右WGでスタート。インサイドハーフの先発には神戸移籍後リーグ戦初先発となる川﨑修平が抜擢されています。なお、直近の天皇杯熊本戦からは山川哲史、大﨑玲央、大迫勇也以外の8人は継続スタメンです。

 

 

 

本日の会場は兵庫県神戸市、ノエビアスタジアム神戸です。

2023年女子W杯の日本開催が実現していた場合はサンガスタジアム等と共に開催予定会場の一つでもあったノエスタ。神戸は昨日今日とで立て続けに新加入選手獲得を発表しており、そこで発表されたハンガリー代表MFバーリント・ヴェーチェイ、そして元スペイン代表のスーパースターであるMFファン・マタがハーフタイムに登場しました。

また、今日は神戸にとって前回のホームゲームにあたる第24節柏戦で負傷し、全治1年見込みという大怪我を負った齊藤未月に対して、彼が過去に在籍した湘南ベルマーレガンバ大阪と共同で「未月とトモニ」と銘打った応援企画を実施。それぞれのチームカラーに由来したタオルの販売の他、来場者には応援ボードが配布され、選手達も選手入場時には特別Tシャツを着用します。その対戦相手が齊藤をデビューさせた曺貴裁監督が率い、湘南時代のチームメイトも多いサンガという巡り合わせもなんとも…。

 

 

本日は現地観戦です!

思えば、去年サンガスタジアムで神戸と戦った時も9月3日だったんですね…

スポーツ観戦日記は後日!

 

 

 

 

序盤からスコアが動く展開となりました。

まず6分のサンガ。ク・ソンユンが右サイドに蹴ったゴールキックに走った豊川雄太はボールを収め切れませんでしたが、ルーズボールに対応した初瀬亮が本多と重なる形になってクリアミス。これを拾った原大智が自ら切り込んでシュート。これが山川哲史に当たってリフレクションし、ゴールに吸い込まれてサンガ先制!夏の新加入選手である原はこれで3試合連続ゴール。加入後5試合4得点という数字を叩き出します。

11分にもサンガは豊川が抜け出してチャンスを作ったもののこの決定機をGK前川黛也の好セーブに阻まれると、18分には今度は逆にGK前川のロングキックから汰木康也が左サイドでボールキープしてからクロス。一度はコースに入った武田将平がブロックしましたが、落下地点に入った川﨑修平が豪快に叩き込んで神戸が同点。川﨑はJ1リーグ戦初ゴール。吉田孝行監督の抜擢に結果で応える形に。

 

 

サンガの現状のベーシックと神戸の今季のスタイルを踏まえると、前半からオープンな展開になる事も多少予想されていましたが、前半は早い時間にスコアが動いたとは言えども試合展開としてはいつもの両者に比べるとスローペースなものになっていました。いつもよりボールを保持しながらロングボール主体でサイドに振って攻撃を組み立てようとする神戸に対し、いつもなら敵陣に押しかけるようにしていくサンガは敵陣での前線のプレスを除けばとにかく押し上げるよりはスタートからラインを低めに設定し、豊川と松田天馬を中心にサイドからロングカウンターを仕掛けようとしていました。

 

 

 

そういう背景があったのでシュートチャンスや決定的な場面はお互いにそう多くなかった中、38分に神戸は自陣からのカウンターで大迫勇也を経由して佐々木がラインブレイク。しかし佐々木の決定的なシュートはカバーに入った麻田将吾のブロックで防ぐと、サンガはアディショナルタイムに川﨑颯太のパスを受けた福田心之助のクロスを松田がボレーで合わせましたが、またしてもGK前川に阻まれゴールならず。前半を1-1で終えます。

 

 

しかし後半、神戸は後半開始から汰木を下げてジェアン・パトリッキを左サイドで投入。今日の神戸は川﨑修平を中盤起用しているので前半からそういう風味は強かったものの、4-1-2-3だけど4-2-3-1っぽいポジショニングでの戦い方が後半はより顕著になり、ポジション的にサンガの選手とがっちり噛み合う構図となった事で、神戸からすれば高いクオリティを持つ個で勝負しやすい状況になっていきました。

48分には酒井高徳の縦パスを大迫、川﨑修平と繋ぐと、最後は山口蛍のスルーに反応にしたパトリッキが狙い澄ましたシュートを放ちますが僅かに枠の右。しかし安堵も束の間、52分、神戸が自陣に戻したボールにサンガは釣られるように前傾化すると、初瀬のロングパスに福田を一気に振り切ったパトリッキが独力で持ち込んでそのままシュートへ。このシュートがゴールになって神戸逆転…。

 

 

こうなると苦しくなったのはサンガでした。サンガも55分、59分に立て続けに原がシュートを放つなどシュート機会はそれなりに作っていましたが、神戸がブロックを敷いた上でパトリッキ、佐々木、武藤を軸にしたカウンターを徹底してきた事もあり、対面の勝負をなかなか制せないまま時間が過ぎていきます。

リードした60分に川﨑修平を下げて武藤嘉紀を投入するなんて鬼畜な交代をしてきた神戸に対し、曺貴裁監督は65分に松田と豊川を下げてパトリックと井上の投入で3バックにシフト。71分には武田を下げて今季初出場となる宮吉拓実も投入。

 

 

 

しかしサンガにとって不運だったのは72分。井上の少し大きくなったトラップを見逃さなかった佐々木がパトリッキとの連携で一気に抜け出にて大決定機。ここはどうにかGKク・ソンユンのセーブで流れましたが、カウンター対応に当たろうとした際に麻田が負傷してしまい、既にCBの控えである井上を投入していた事から再び4バックに戻さざるを得ない事態に。

サンガもどうにか両SBの福田と途中出場の佐藤響から攻撃の糸口を作ろうとしますが、危険なエリアに持ち込めるような段階の前でことごとく止められる形になり、ハイライトになるようなシーンは神戸のカウンター攻撃が目立つ形に。そして逆カウンター的な攻めでオープンな展開に持ち込もうにも、その芽も悉く潰されて…。

試合はそのまま、最後は神戸のゲームマネジメントに絡め取られていくかのように試合終了。サンガは3連勝ならず、神戸にシーズンダブルと負け越しを喰らうのは1997年以来という事に。逆に神戸は土曜日に横浜F・マリノスが敗れたので、この勝利で再び首位に浮上しました。

 

 

 

まず今日の試合はお互いに「対神戸」「対京都」といったところの意識がお互いに結構強かったように思いました。サンガにしても神戸にしても、普段のスタンスやいつものスタイルとは少しトーンを落としたアプローチになっていたというか。

まずサンガは普段は序盤から一気に押し込み、試合をハーフコートゲームになるような状況を早めに作ってプレーとプレスのエリアを限定するようにゲームを進めようとしていましたが、今日は神戸に翻されるリスクを考慮してかスタートのライン設定は敵陣での3トップのプレスを除けば全体的に低めで、CFに入る原が独力でシュートに持ち込める才覚を持っている事もあってか、波状攻撃よりは3トップロングカウンター的な攻め方を試みていきました。

対する神戸も今日は比較的ピッチを広めに使いながらサンガに捕まらないようにするような形で試合を進めており、いつもの形と比較すればスローペース志向。そしてこれは今日に限った話ではありませんが、齊藤の離脱に伴いアンカーには大﨑が入っている神戸ですが、齊藤起用時はより3MF的になるのに対し、大﨑起用時は2CB+1的な趣が強くなってくる。その意味でも今日の神戸はやや腰を据えた戦い方にはなっていたのかなと。その中で前半はサンガが上手く立ち回れていた部分はあったと思います。

 

 

 

ただ前半はそういう噛み合い方をしていた中で、後半は神戸がゾーンで噛み合えよりもより個と個で噛み合う形、いわば組織vs組織の戦いから個vs個での局面が増えるような位置調整をしてきた部分がありました。そうなると、やっぱり個の対決に試合を持ち込まれた時に、サンガに限らず神戸に勝てるチームはそう多くない訳です。

サンガは普段、自分達の戦いたいフィールドに相手を引き摺り込む事で試合を組み立てていましたし、それができるかどうかが結果に直結していました。ただ今日はどちらかと言えば神戸に迎合する形で組んだゲームプランの末に、神戸の戦いたいフィールドに後半から持ち込まれてしまった。サンガにとって、そういう因果関係がいつもと逆になってしまった試合だったのかなと。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第26節

北海道コンサドーレ札幌4-0ガンバ大阪

アルビレックス新潟1-1浦和レッズ

名古屋グランパス1-1横浜FC

柏レイソル2-0横浜F・マリノス

湘南ベルマーレ2-2鹿島アントラーズ

セレッソ大阪3-0川崎フロンターレ

サガン鳥栖0-2サンフレッチェ広島

FC東京1-2アビスパ福岡

ヴィッセル神戸2-1京都サンガFC

 

1位 ヴィッセル神戸(52)

2位 横浜F・マリノス(50)

3位 名古屋グランパス(46)

4位 セレッソ大阪(45)

5位 浦和レッズ(45)

6位 鹿島アントラーズ(43)

7位 サンフレッチェ広島(41)

8位 アビスパ福岡(38)

9位 川崎フロンターレ(33)

10位 FC東京(33)

11位 ガンバ大阪(33)

12位 北海道コンサドーレ札幌(32)

13位 サガン鳥栖(31)

14位 京都サンガFC(29)

15位 アルビレックス新潟(29)

16位 柏レイソル(23)

17位 横浜FC(22)

18位 湘南ベルマーレ(18)

 

前節同様、上位勢の多くが勝利を落とすまさかの展開となりました。前節終了時の上位4チームのうち、今節勝利したのは2位神戸のみで、3位名古屋は16位横浜FCに、4位浦和は15位新潟に引き分け。更に首位横浜FMに至っては17位柏に敗北を喫した事で神戸が首位に立つと共に、3連勝のC大阪が4位に躍り出て優勝戦線に食い込んできました。

残留争いでは下位3チームはいずれも上位チームとの対戦となった中で最低でも勝点1は獲得し、特に柏は横浜FMから大金星を挙げた事で順位を16位に上げました。一方、引き分けの嵩む湘南は鹿島相手に今節も終了間際の失点によりドローという結果に。苦しい状況が続いています。

 

 

ドラえもんハッピーバースデー

ではでは(´∀`)