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刹那と担保〜明治安田生命J1リーグ第25節 京都サンガFC vs アビスパ福岡 マッチレビューと試合考察〜

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えぇ、もう8月終わんの…?

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第25節、京都サンガFCvsアビスパ福岡の一戦です!

 

 

 

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第21節名古屋戦、上位相手に掴んだ劇的勝利に意気揚々と臨んだ和歌山ミニキャンプを経て迎えたJ1再開はサンガにとって散々な日々でした。再開初戦の柏戦、その次のアウェイFC東京戦…この2試合は芳しくない内容にて2連敗。2試合連続無得点という結果に。…かと思ったら前節札幌戦では3-0という快勝を収め、0-1→0-2→3-0て…というアップダウンが非常に激しい夏を過ごしております。

サンガにとって、今季は出たとこ勝負的な側面がある事は実際問題として否めません。安定感があるチームとは少なくとも言えない。それでも札幌戦のように、ガラガラポンで当たりの目を出した試合を勝ちに繋げるところまでは出来るようになった…それがまだ、残留争いのレッドゾーンでの勝負を避けられている大きな要因でしょう。

ただ、ここからサンガが…それこそ福岡のように「J1のチーム」として認識されるようなチームである為には、常に何かしらの担保があるようなチームにならなければならない訳で。J1復帰後、福岡相手に3連敗中のサンガにとって、その包囲網を崩す術をこの1年半で備える事が出来たのか。かつてのライバルの背中を追う90分になります。

両チームスタメンです。

 

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基本的に曺貴裁監督は勝った次の試合のメンバーはほぼそのままで挑む事が多いですが、今日は木下康介と山﨑凌吾の2人が前節では負傷交代となったのでそこの2人を変更してきました。CFには前節で移籍後初ゴールを挙げた原大智が初先発。左WGには前節はインサイドハーフ起用だった松田天馬が入り、そのインサイドハーフには4月2日の第6節神戸戦から負傷離脱していた武田将平が待望の復帰!いきなりの先発です。GKは前節大活躍の太田岳志を継続起用。また、今日はベンチには平戸太貴が戻っており、そして今季リーグ戦で初めて宮吉拓実がベンチに入りました!

福岡は0-1で敗れた前節新潟戦からのスタメン変更は1人。右サイドを佐藤凌我から、今日は第19節C大阪戦以来の先発となる紺野和也を起用してきました。ベンチメンバーは前節から数名変わっており、今日はウェリントン、新加入の田代雅也が名を連ねています。湯澤聖人は2017年に1年だけサンガに所属していたので古巣対決です。

 

 

 

本日の会場は京都府亀岡市サンガスタジアム by Kyoceraです。

サンガvs福岡といえば…ね。やっぱり西京極でワイワイガヤガヤやっていた頃の記憶も残っていたりしますが。Jリーグ入りも同期ですし。今はもうサンガというクラブもスタジアムというJ1のハードを備えて舞台に戻ってきました。先日、サンガスタジアムを中心とした亀岡駅土地区画整理事業国土交通省の「まちづくりアワード功労賞」を受賞。スタジアムを中心した街の発展も順調に進んでいます。そういえばサンガスタジアムでの初公式戦の相手は福岡だったねぇ…。

本日は村田製作所のスポンサーデーとして開催されバンダナフラッグのプレゼントや、京都市民デーとして先着100名の観客に日本酒を振る舞うなどのイベントも。また、西京極時代の夏季イベントとしてお馴染みだったゆかたDEサッカーがサンガスタジアムに移転してから初開催となります。また、夏季限定の黒を基調としたリミテッドユニフォームでの試合は今日が最後ですね。

 

 

基本的にサンガはいつも通り、まず早い段階から前線の原をターゲットにボールを入れて、そこを松田と豊川雄太がフォローする事でラインをプッシュアップした状態をキープするように動いていきました。予想通り、前へと傾れ込むサンガとそれをロングボールを用いて翻そうとする福岡という構図で試合は始まっていきます。

そんな中で開始早々に福岡にアクシデントが。12分、ルキアンが筋肉系のトラブルにより負傷交代。その直後の13分にはサンガは松田のドリブル突破から右サイドに抜けた原がシュートに持ち込みますが、ここはGK村上昌謙がセーブ。

 

 

 

しかしそのプレーで得たCKでした。武田が蹴ったクロスボールは中央の混戦区域へ。そこでの競り合いで一つ抜けた原がヘッドをファーに流し込んでサンガ先制!!原は2試合連続の先制ゴール!更に怪我から復帰した武田がいきなり結果を残す一発!!

 

その直後には右サイドで紺野和也の突破からピンチを迎え、一度は弾いたボールのこぼれ球に走り込んだ井手口陽介が抑えの効いたシュートを放ちましたが、なんとかゴールを僅かに逸れてサンガは事なきを得る形に。

すると給水タイムを経た25分でした。左サイドでボールを回すと、受け取った金子大毅が右サイドの深くへロングボール。走り込んだ福田心之助が頭で折り返したところに入った豊川がシュートに持ち込みますが、このシュートはGK村上が阻止し、更にそのこぼれ球に詰めた松田のシュートも村上が阻止。それでも3人目がいた!!最後はまたしても原が押し込んでサンガ追加点!

 

 

その後もサンガは福岡に押し込ませる隙を作らない為か、ペースとしては前半は2点リードする前の強度を保ってプレーしようとし続けていました。

しかし流れが変わったのは36分、前に出て守備に行ったアピアタウィア久の紺野に対する危険なタックルがファウル……そして一発レッドカードを喰らう形になってしまい退場。豊川を下げてイヨハ理ヘンリーを投入してDFの枚数を揃えましたが、これでサンガは1人少なくなり、不穏な空気と共に後半に進む事に。

 

 

後半は福岡が押し込む時間が続いていきました。紺野と金森健志とサイドに強力なポイントを置き、後半はサンガが引く形になったのでスペースという意味ではそう多くありませんでしたが、それゆえに結果的にウェリントンを入れていた事が活きる形になって、サンガはじわじわと自分達の重心を押し下げられたところから翻せない形に。61分にはドウグラス・グローリのボールに抜けたウェリントンがGK太田と交錯。あわや太田に一発レッド…という場面でしたが、その前にオフサイドがあったという判定になって九死に一生を得る形に。

 

 

 

福岡は60分に金森を下げて佐藤を投入し、前への圧力を更に強めていきます。こうなるとサンガもほぼ開き直る形で守備を固めており、試合は完全にワンサイド。風穴を開けたい福岡とどうにか耐えたいサンガの耐久戦の構図へ。

84分には井手口の絶妙なパスにポケットに走り込んだ前嶋洋太が折り返し、そこに山岸祐也が走り込むこの日1番の決定機が到来しますが…山岸のシュートはクロスバーの上へ。サンガはアピアタウィア退場に伴う対応以降交代を行っていませんでしたが、85分に松田を下げて佐藤響を投入して5バックへシフト。

アディショナルタイム直前、CKを途中出場小田逸稀が合わせたボールが混戦の中でコースを変えますが、GK太田が厳しい局面ながらなんとか反応して阻止。

あまりにも長く厳しい後半戦。福岡の圧ある攻撃を何とか耐え切り、ホームで連勝を飾りました!!!!!

 

 

 

前半で2点取れた事が全てでした。もう今日はそれに尽きます。前半を2-0で折り返したから、1人少なくなった後半はあれほど割り切ったサッカーに振り切れた部分もありますし、それこそサンガも前に出なければならない状況になっていれば、それこそ井手口辺りにクルンクルンされていた可能性もありますしね。

攻撃面で言えば、やはり帰ってきた武田の影響は大きかったです。一つあそこでボールが落ち着く事で、3トップも勢いだけでなく一度落ち着いて次の動きを考える事も出来るし、武田はそこにパスを出す事も出来る。あそこに武田というポイントを一つ置く事で周囲の動きも変わる。前半の攻勢はそこの影響はめちゃくちゃ大きかったですし、彼がこのタイミングで帰ってきてくれたのは本当にありがたかったなと。

 

 

それと同時に、私がこのブログの冒頭で書いた事ですけど…

 

サンガにとって、今季は出たとこ勝負的な側面がある事は実際問題として否めません。安定感があるチームとは少なくとも言えない。それでも札幌戦のように、ガラガラポンで当たりの目を出した試合を勝ちに繋げるところまでは出来るようになった…それがまだ、残留争いのレッドゾーンでの勝負を避けられている大きな要因でしょう。

 

結果的にはこの部分がそのまま反映されたような試合だったかな、というのが率直な感想です。今日のサンガは福岡に対して、頭から自分達のセッティングで戦う事が出来ていました。得意な展開に持ち込めるかどうかに確実性がないのはこのチームの課題ではありますが、今日がそうだったように、そういう展開に持ち込みさえすれば得点を取れるようになった。それは少しずつ京都サンガというクラブもJ1のクラブに近づいていってるのかなと。勝ち切れる時は勝ち切れるというのは文面ほど簡単な事でもないですし。

チームとしての実力が増しているかどうかは何とも言えないところはありますが、チームとしての胆力は増しているんだろうと感じる部分はありましたね。それをサンガより先にJ1に馴染み、そしてサンガと同じ年にJリーグに入った福岡の前でそれを提示出来たのは意味があったというか。本当に貴重な勝点を掴みましたし、勝点を積む事でしか時間は得られない。欲するものは手に入れた。それがこの試合の全てだったのかなと。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第25節

湘南ベルマーレ0-1浦和レッズ

鹿島アントラーズ2-0アルビレックス新潟

横浜FC4-1横浜F・マリノス

柏レイソル0-0サンフレッチェ広島

FC東京2-2ヴィッセル神戸

川崎フロンターレ2-2北海道コンサドーレ札幌

京都サンガFC2-0アビスパ福岡

サガン鳥栖1-1ガンバ大阪

セレッソ大阪3-1名古屋グランパス

 

 

1位 横浜F・マリノス(50)

2位 ヴィッセル神戸(49)

3位 名古屋グランパス(45)

4位 浦和レッズ(44)

5位 鹿島アントラーズ(42)

6位 セレッソ大阪(42)

7位 サンフレッチェ広島(38)

8位 アビスパ福岡(35)

9位 川崎フロンターレ(33)

10位 FC東京(33)

11位 ガンバ大阪(33)

12位 サガン鳥栖(31)

13位 北海道コンサドーレ札幌(29)

14位 京都サンガFC(29)

15位 アルビレックス新潟(28)

16位 横浜FC(21)

17位 柏レイソル(20)

18位 湘南ベルマーレ(17)

 

 

波乱の週となりました。

優勝争いでは4位浦和は勝利したものの、首位の横浜FM横浜ダービーとしても注目された残留争い中の横浜FCに1-4でまさかの完敗。名古屋もC大阪との上位対決で敗れ、神戸はアディショナルタイムのゴールで勝点こそ獲得しましたがドロー止まり。結果的に上位4チームで勝利したのは浦和だけという事になり、首位横浜FMと4位浦和の勝点差は6に縮まりました。

下位争いでは前述のように横浜FC横浜FMに対して大金星を挙げて16位に浮上。柏も勝点1は広島相手に積み上げた一方、湘南は浦和に敗れて苦しい状況が続きます。福岡に勝利した京都、川崎に引き分けた札幌は勝点を29に伸ばし、余裕のあるポジションまで浮上しました。

 

 

1996年組。

ではでは(´∀`)