でも昨日のショックを背負って
どーもこんばんは
さてさて、本日11月12日。何の日。
…そうですね、橋本英郎の引退試合メンバーが出揃い、かつチケット販売も開始されました。
…いや、そうではなく。いや、まあそうでもあるんですけど。橋本英郎氏もゴリゴリ主軸だし。
はい、そうです。ガンバ大阪ACL制覇から今日で15年でございます。
ガンバにとって、2005〜2008年までの4年間はクラブ史上最も美しい時期でした。2008年関連企画は12月にもう一度やるつもりなのでここではそこまで長く書きませんが、確かな実力とサッカーの娯楽性、圧倒的なスターが織りなすパスワークと、そこにユース育ちの若手が絡む…今振り返ってもあの頃のガンバは、贔屓目を抜きにしてもクラブの物語の理想郷に手をかけていたように思います。
今回はそんなガンバが戦い、2007年の浦和に続きJクラブとして2度目のアジア制覇を成し遂げた2008年にガンバが歩んだ熱く美しいACL。その戦いぶりと軌跡を振り返っていきます。そういえば奇蹟の絆くん元気にしてる…?
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【グループステージ】
《第1節》
2008年3月12日19:00@万博記念競技場
G大阪得点者:ルーカス(90+4分)
チョンブリ得点者:スントーンピット(59分)
《第2節》
2008年3月19日19:00@光陽サッカー専用球場
全南得点者:シモンイス(4分)、キム・テス(27分、60分)
G大阪得点者:二川孝弘(30分)、播戸竜二(53分、75分)、安田理大(58分)
《第3節》
2008年4月9日19:00@テルストラ・ドーム
メルボルン得点者:オールソップ(4分、65分)、バルガス(41分)
G大阪得点者:二川孝弘(35分)、バレー(38分)、山口智(68分)、ルーカス(89分)
《第4節》
2008年4月23日19:00@万博記念競技場
《第5節》
2008年5月7日19:00@スパチャラサイ国立競技場
《第6節》
2008年5月21日19:00@万博記念競技場
全南得点者:柳弘烈(86分)
2006年に初挑戦したACLではグループステージ敗退に終わり、西野監督は当時のチームはJリーグのサポートを含めてACLを勝ち抜く意識が不足していたという旨の事を語っていた。しかしクラブとして2006年のACLを経験してその舞台に未練を残した事で2度目のACL挑戦への熱量が増し、加えて前年に浦和が初優勝を遂げた事で、当時は超攻撃的サッカーを標榜していたガンバはクラブとしての目標に浦和への対抗意識を乗せた「浦和とは違うスタイルでの優勝」を志すようになる。その上でFC東京からルーカス、千葉から水本裕貴、大分から山﨑雅人、山形から佐々木勇人らを獲得して大会に挑んだ。
しかし開幕当初は不振に陥り、初戦のチョンブリ戦では圧倒的優位と目されていた中でドローに終わるまさかのスタートとなる。それでも第2戦、第3戦を敵地である種"らしい"スコアで連勝を飾るとチームとしても復調し、第2戦の全南戦からは一気に4連勝。当時は1位しか決勝トーナメントに進めなかったが、第5戦の時点でクラブ史上初のグループステージ突破を決めた。最終戦は引き分けに終わったが突破を決めた事から控えメンバーを多く起用しており、現所属選手で唯一のACL優勝メンバーである倉田秋はこの試合でACLデビューを飾っている。
【準々決勝】
《第1戦》
2008年9月17日22:00@ハーリド・イブン・アル・ワリード・スタジアム
アル・カラマ得点者:アブドゥルダイム(7分)
《第2戦》
2008年9月24日19:00@万博記念競技場
前半戦まではリーグ優勝も狙える位置にいた2008年のガンバだったが、夏場になると遠藤保仁と播戸竜二が体調不良で、安田理大が北京五輪参加により離脱。更にチーム得点王のバレーが中東に引き抜かれたタイミングと過密日程による蓄積疲労が折り重なって襲来。第18節時点では4位につけていたが、そこから2分4敗と大失速した中で渡航すら難航したシリア遠征に出向いた。
クラブとしての閉塞感を物語るように開始早々に失点を喫したガンバは播戸と山﨑を同時投入してシステムも3バックに変更すると、70分に遠藤のCKから山口智のヘッドという当時の黄金パターンで同点。更に77分には山﨑のゴールで逆転に成功。一度時が止まったような2008年は、この過酷なシリア遠征での逆転勝利から再び時計の針が進み始めていった。山﨑はこの大会での得点数がリーグ戦よりも多く、ファンの間で「ACL男」との異名が定着していく。
ホームでの第2戦は一部主力が欠如化する中での試合で0-0の時間こそ長く続いたが、アウェイゴールの利もあって危なげなく試合は推移し、終盤に山﨑とロニーが決めて2戦合計4-1で勝利。サッカーマガジンの見出しには「さぁ、レッズ、ケリをつけよう!」との文字が踊った。
【準決勝】
《第1戦》
2008年10月8日19:00@万博記念競技場
浦和得点者:細貝萌(22分)
《第2戦》
2008年10月22日19:30@埼玉スタジアム2002
浦和得点者:高原直泰(36分)
G大阪得点者:山口智(51分)、明神智和(72分)、遠藤保仁(77分)
1993年に開幕戦を戦い、共にJリーグの弱小クラブと呼ばれ、その後隆盛の時を経て「ナショナルダービー」とも称され……ACLの先を越された事、同年5月の因縁、そして2008年ACLのモチベーションの一つが「浦和とは違う形でのACL制覇」だったガンバにとって、用意されたディフェンディングチャンピオンとの決勝戦はまさしく願ったり叶ったりな舞台だった。日本勢が初めてACLの舞台で激突したこのカードは、当時のJリーグの情勢を思うと最もこの舞台で望まれた対決だったと言っても過言ではなかった。
この試合に関してはこの浦和戦のことだけを以前にNoteでたっぷり書いたので、ぜひそちらを読んでいただきたい。
【決勝】
《第1戦》
2008年11月5日19:00@万博記念競技場
G大阪得点者:ルーカス(37分)、遠藤保仁(43分)、安田理大(68分)
《第2戦》
2008年11月12日19:30@ハインドマーシュ・スタジアム
G大阪得点者:ルーカス(4分、15分)
埼玉スタジアムの紅い杜を駆け抜けたガンバが辿り着いた決勝の相手はオーストラリアのアデレード。準々決勝ではJ1王者の鹿島をスコア以上の完勝で下し、その際に鹿島の岩政大樹に「イングランドのようなチーム」「日本にないレベルのサッカー」と言わしめた相手だった。
しかし試合が始まると、万博での第1戦は完全に90分にも及ぶガンバのショーであり、全ての栄冠を目指した西野ガンバの集大成とも言える90分間だった。前半から攻め立てると、37分には二川孝広のスルーパスをルーカスが沈めて先制。43分には佐々木勇人のボール奪取からルーカスを経由して最後は遠藤保仁が決め切って2点を先行。後半は2点をリードしながらも西野監督の積極采配で更に押せ押せのサッカーを展開し、68分には遠藤の意表を突くCKから安田理大がダイレクトで決めて3点目を奪う。ロスタイムの遠藤の直接FKでのゴールこそロニーがオフサイドを取られて無効となったが、それでもあの90分は幻想が現実となった夢のような90分だった。
第2戦でもガンバは躍動。セーフティーに試合を運ぶ事を拒否するようなアグレッシブさを見せ、14分までにルーカスが一気に2ゴール。これでアデレードは逆転優勝の為には4点が必要な状況となる。終盤に数回訪れたピンチもしっかりと封じたガンバは、オーストラリアの地で遂にアジア王者の称号を手にした。日本勢で2年連続2クラブ目となる優勝はACL史上初のアウェイゲーム全勝により獲得したもので、クラブがシーズン前に掲げた「攻撃的サッカーでのアジア制覇」を夢物語ではなく現実のものとして体現させた。この優勝により12月に行われるクラブW杯への出場権を手にしたガンバだったが、夢よりも美しく、妄想よりも甘美な現実はまだ続いていく───。
次回(来月くらい)、クラブW杯編!
ではでは(´∀`)