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THIS IS RULER OF J2〜明治安田生命J2リーグ第42節(最終節) 水戸ホーリーホック vs 清水エスパルス マッチレビューと試合考察〜

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なんで今年JZONEないの!

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J2リーグ第42節(最終節)、水戸ホーリーホックvs清水エスパルスの一戦です!

 

 

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

 

ただでさえ降格した事が不思議と思われるような戦力ベースにカタールW杯で大活躍した権田修一、そして昨季のJ1得点王だったチアゴサンタナが残留。私はこのブログで行った今年の順位予想でにも「もしかしての事は当然起こり得るけど、予想として清水をJ2優勝予想から外す勇気がない」と書きましたが、少なくとも戦力としては他のJ2クラブと清水の間にはそれほどの差があった事は確かだと思います。しかし現実とは恐ろしいもので、清水は開幕からの7試合を5分2敗と7戦未勝利発進。それでもゼ・リカルド監督の解任に踏み切って今季からコーチを務めていた秋葉忠宏監督を就任させて、それ以降は安定しない戦いぶりではありながらもどうにかこの位置までチームを運んできました。

 

 

しかして最終節。清水は勝てば文句なしのJ1昇格です。しかし2位清水の勝点73に対し、同勝点で追う磐田と東京Vは共に72。Jリーグ30周年の今年、この3チームがJ1に帰る為の枠を争うのはすごいというか、皮肉というか…。とにもかくにも、30年を経て辿り着いた現実の上に立ち、かつての夢へと足を掛けなければならないのは3チームとも変わりません。対峙するは水戸。言わずと知れたJ2の門番です。清水はここを乗り越えて再びこの国のメインステージに返り咲くのか、それともJ2の主の前に散り際を見せるのか。全ての運命は90分後!

両チームスタメンです。

 

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磐田に0-5で大敗した前節は3バックを採用した水戸ですが、今節は従来の4-4-2に戻した上でスタメンを2人変更。前節は出場停止だった山田奈央がCBに戻ると共に、DFの長井一真は今日はボランチでのスタートとなりました。安藤瑞季と2トップを組む杉浦文哉は第33節山口戦以来の先発です。

対する清水は4-0で大勝した前節大宮戦からと全く同じメンバーを採用。ベンチメンバーもオ・セフンのところを第34節山形戦以来のベンチ入りとなったベンジャミン・コロリに変更したのみで、登録メンバーも18人中17人を大宮戦と同じメンバーで固めてきました。スタメンに関しては第37節藤枝戦から6試合連続で同じ11人を起用しています。

 

 

 

本日の会場は茨城県水戸市ケーズデンキスタジアム水戸です。

 

 

ケーズデンキのスポンサーデーとして行われる今日の試合。やはりケーズデンキが司るという事で抽選会では家電商品が当たるというキャンペーンも。J2のスタジアムはビジターサポーター向けに地方色溢れるイベントが色々仕掛けられていますが、ここでも日本酒の飲み比べサービスなんかがあるそうで。なお、清水の本拠地であるIAIスタジアム日本平ではパブリックビューイングが行われているとの事。

先日のブログで特集したように、水戸はJ1昇格を見届けた回数がぶっちぎりで1位という記録を持っています。それはこのスタジアムもそのイズムは持っており、大改修を経た竣工記念イベントとして開催された2009年の仙台戦と湘南戦はいずれも両者の昇格決定試合という事に。思えば清水の加算は開幕戦で水戸に負けた瞬間から始まりました。今回も送り力を発揮してしまうのか、それともスター軍団清水には牙を剥いてしまうのか…!

 

 

前半は想定よりも水戸がアグレッシブに攻め込む時間が続きました。

清水はサイドに攻撃の活路を見出し、そこにトップ下の乾貴士が絡んでいくことで外から中に切り込んでいこうとしていましたが、水戸もサイドのエリアを詰めながら寄せてしっかりとケア。清水がなかなかシュートまで持ち込めていない反面、水戸は序盤から石井隼太や長井一真がシュートに持ち込むなど波状攻撃。その後もミドルゾーンでのボール支配では水戸が上回る場面が多く、清水は相対的に劣勢を強いられていきます。

 

 

 

清水は22分にようやく左サイドでカルリーニョスと乾がコンビネーションを見せるシーンもありましたが、ここも最後は水戸の守備に阻まれてシュートまで持ち込めず。逆に水戸はその後も決定的なシュートこそ多くなかったもののシュートシーンはいくつか作っており、試合はなかなか良い位置でボールを持てない状況が続く清水が後手に回り続けた中で時間が経過。

それでも清水もシステムを3バックに変えるなど試行錯誤を試みていく中、守備は集中力を高く保ったディフェンスラインの統率を維持しており、後手には回りながらも水戸にもミドルシュート以外は打たせない状況はキープしていました。

前半は0-0で終了。他会場の磐田とヴェルディも同点で45分を終えます。

 

 

後半から水戸は負傷の影響もあった長井を下げて高岸憲伸を投入。

しかし後半は前半途中から3バックに変更し、右の中山克広と左の山原怜音のところで攻撃のリズムを作れるようになった清水が一気に猛攻を仕掛けていくようになりました。52分、53分には白崎凌兵が立て続けにシュートを放つと、57分にはチアゴサンタナ、更に60分には乾のクロスに原輝綺が合わせましたが、ここはGK山口瑠伊がファインセーブ。

 

 

 

しかし衝撃の試合展開に至ったのは62分。清水はずっと猛攻を仕掛けていた中で自陣からビルドアップを組み立てていましたがここでまさかの綻び発生!高橋祐治のパスをカットした杉浦文哉はそのまま左に流れると柔らかいクロスを供給。このボールに安藤瑞季がダイビングヘッドで合わせて水戸が先制!

更にほぼ同時刻、磐田とヴェルディが共に勝ち越しゴールを奪ったことで清水は一気に窮地に陥る事に!

 

 

他会場の結果を踏まえて2点が絶対的に必要になった清水は68分に中山とカルリーニョスを下げて北川航也と北爪健吾、80分にはホナウドと高橋を下げてベンジャミン・コロリと岸本武流を送り込んで猛攻を仕掛けます。しかし一気に追い込まれた立場の清水は攻撃が空回る場面が頻発。サイドに持ち出してクロスは入れれるものの、それを水戸に何度も跳ね返されて……ゴール前を固めた水戸を前に、展開とクロスを繰り返さざるを得ないような状況が続き、焦燥感だけが積み上がっていく事態に。

それでも81分、その左サイドで山原が入れたボールをチアゴサンタナが頭で合わせて清水同点。しかし他会場では磐田とヴェルディがリードしている為、清水はもう一点が必要という状況でラスト10分に突入します。

 

 

0-1の時は攻撃がかなり単調になってしまっていた清水でしたが、1-1になってからは0-0の時と同様にサイドのスペースを使いながら決定的なチャンスに持ち込む場面が増えていきました。しかし88分に北川のパスを受けた北爪のシュートはまたしてもGK山口に阻まれ、89分の山原のCKがこぼれたところに居合わせたコロリのシュートは大きく枠の上。

 

 

 

アディショナルタイム、白崎のロングボールにサンタナが競り勝つと、コロリが落としたところにサンタナが再びダイレクトシュートを放ちますが…決定打のように映った一発は無情にも枠を逸れていきゴールならず。

その後もパワープレー気味にどうにか2点目を狙いに行きますが、遠い2点目を追えば追うほど過ぎる時間と遠ざかるJ1……試合終了。昇格を決めるチャンスが手中にあった清水、土壇場でプレーオフ転落。町田に次ぐ自動昇格は最後の最後でよりにもよって磐田に転がっていくと同時に、水戸がJ2の主としての意地を見せつける格好となりました。

 

 

 

基本的に清水は乾を中心として、やはりアタッキングサードに入ったところでの崩しには見応えのあるチームというか、J2の中では群を抜く個のクオリティを素直に出せるチームではあると思います。ただ、問題はそこまで到達できるかどうか、そこでのプレータイムを長く確保できるかどうか…というチームでもあって、逆に言えばそこまで到達するミドルゾーンでの展開力にはやや欠ける…というところが印象です。要は乾ありきと言っても、その乾にどうやって辿り着くか…みたいな。今日の前半は特にそれが顕著に出てしまっており、水戸に詰められた事でミドルゾーンが清水にとったはある種の断線状態みたいになっていたように思います。ただ前半は守備陣が高い集中力を保っていましたし、水戸に押し込まれていたと言っても割とミドルシュートで留められていました。

それが前半途中に3バックにシフトした事で、サイドを高い位置に保ちながら乾と白崎をゲームメイクに絡めるような形に持っていく事ができた。これで後半は一気に攻勢に出れたんですけど、逆にこれでイケイケになった攻撃陣と、それまで気を張りすぎていたのが急激に攻撃が回り始めた事で守備陣はある種の時差ボケ的な状況に陥ったように見えて……その空白の数秒間があの失点だったのかなと。引いてはその温度差というか、不安定感は今季の清水はずっとあったと思います。

例えば高い集中力をキープして磐田との静岡ダービーを制しながら、その後に熊本にころっと負けて最終的に磐田に捲られたりした一連の流れはそれを如実に物語っていたでしょうし、そこまで象徴的ではなくても試合毎のアップダウンはシーズンを通してずっとあった。磐田もその点では決して褒められた安定感ではありませんでしたが、磐田以上に町田にここまで離されてしまった事は結局そういう歪が町田とのその他のチームで相当大きかったのが今年のJ2の全てだったのかなと…。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J2リーグ第42節(最終節)

ベガルタ仙台1-3FC町田ゼルビア

ブラウブリッツ秋田1-1徳島ヴォルティス

モンテディオ山形2-1ヴァンフォーレ甲府

水戸ホーリーホック1-1清水エスパルス

栃木SC1-2ジュビロ磐田

大宮アルディージャ0-2東京ヴェルディ

ジェフユナイテッド千葉1-3V・ファーレン長崎

ツエーゲン金沢1-1ファジアーノ岡山

藤枝MYFC2-4いわきFC

ロアッソ熊本3-1レノファ山口FC

大分トリニータ2-1ザスパクサツ群馬

 

【2023明治安田生命J2リーグ最終順位】

1位 FC町田ゼルビア(84)

2位 ジュビロ磐田(75)

3位 東京ヴェルディ(75)

4位 清水エスパルス(74)

5位 モンテディオ山形(67)

6位 ジェフユナイテッド千葉(67)

7位 V・ファーレン長崎(65)

8位 ヴァンフォーレ甲府(64)

9位 大分トリニータ(62)

10位 ファジアーノ岡山(58)

11位 ザスパクサツ群馬(57)

12位 藤枝MYFC(52)

13位 ブラウブリッツ秋田(51)

14位 ロアッソ熊本(49)

15位 徳島ヴォルティス(49)

16位 ベガルタ仙台(48)

17位 水戸ホーリーホック(47)

18位 いわきFC(47)

19位 栃木SC(44)

20位 レノファ山口FC(44)

21位 大宮アルディージャ(39)

22位 ツエーゲン金沢(35)

 

勝てば自力で昇格を決められる立場だった清水は水戸を相手にまさかのドロー。勝点2を失った一方で、清水を勝点差1で追う磐田と東京Vは共に敵地で勝利し、得失点差により町田と共にJ1に自動昇格の権利を得る2位枠に土壇場で滑り込んだのは磐田となりました。昨季降格した磐田はFIFAからの制裁で補強禁止処分を科されるなど苦しいシーズンインとなりましたが、カタールW杯で日本代表コーチを務めた横内昭展監督の下で奮闘。過去2回のJ2降格時にはいずれも1年でのJ1復帰を逃していましたが、今回は見事に1年でのJ1復帰を果たしています。城福浩監督率いる東京Vは惜しくも磐田に得失点差で敗れたもののプレーオフ最上位の3位でフィニッシュ。東京Vは2018年以来となるプレーオフ進出です。一方、昇格候補本命と目されていた清水は4位までダウンし、J2残留の危機に瀕しています。

プレーオフ争いは前節の時点で千葉がプレーオフ進出を決めており、7位山形と6位甲府の直接対決で勝利した方、引き分けた場合のみ8位長崎にチャンスが巡るという状況でしたが、山形vs甲府が1-1で長崎がリードというこのまま行けば長崎に奇跡が…というアディショナルタイムに山形がデラトーレのゴールで劇的逆転勝利。山形は2年連続で土壇場でのプレーオフ進出を果たしました。これにより、J1昇格プレーオフは11月25日に清水vs山形、26日に東京Vvs千葉の準決勝が行われ、12月2日の決勝戦で最後の昇格チームが確定します。

残留争いは既に最終節を待たずに決着が付いており、最下位は金沢という事に。J3初代王者かつ初のJ3からJ2への昇格組として2015年からJ2で戦い続けた金沢ですが、待望の新スタジアム開場を前に屈辱のJ3降格となりました。降格圏となる21位には大宮が入り、現時点ではJ2ライセンスを持たないFC大阪が2位以内に入れば降格を回避出来るので降格決定ではありませんが、もしJ3降格が現実のものとなった場合、J1経験クラブとしては2016年の大分トリニータ以来史上2クラブ目のJ3降格となります。

 

【2023J1昇格プレーオフ】

《準決勝》

11月25日13:00 清水エスパルス(4位)vsモンテディオ山形(5位)@IAIスタジアム日本平

11月26日15:00 東京ヴェルディ(3位)vsジェフユナイテッド千葉(6位)@味の素スタジアム

《決勝》

12月2日14:05@準決勝勝利チームのうち、リーグ戦上位チームのホームスタジアム

 

 

おくらないみと

ではでは(´∀`)