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61分の分岐点〜2024明治安田J1リーグ第5節 東京ヴェルディ vs 京都サンガFC マッチレビューと試合考察〜

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プロ野球開幕の裏でひっそりと…

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田J1リーグ第5節、東京ヴェルディvs 京都サンガFCの一戦です。

 

 

 

京都サンガFC 30周年企画ブログのまとめページはこちら!随時色々と更新しております。

 

Jリーグをもっと楽しめる(かもしれない)、2024Jリーグ開幕ガイド作りました!是非お使いくださいませ。

 

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クラブ史上30周年となる2024年、アニバーサリーイヤーを華々しい一年としたいサンガの旅路は既に良くも悪くも紆余曲折です。

芳しくない内容で柏、湘南との2連戦を1分1敗としたサンガは、続く第3節川崎戦では川﨑颯太のゴールで1-0で勝利。更に続くマリノスとの第4節、もう見ていて気が狂いそうになるほどのクレイジーゲームは、1人少なくなるまでのよく見た拙さと、1人少なくなってからの挽回と意地の成長と良い面も悪い面の全てを内包したような試合展開の末に敗れました。1勝1分2敗……良くないスタートと言えば良くないスタートで、割と開幕前の展望から大きく外れた訳ではないと言えばそう。少なくとも数字としてはここまではある程度想定の範疇を行っている状態だと思います。ただ、このクラブが史上最強に到達するかどうかはともかくとしても、これからこのクラブが「J1のクラブ」と認識される為には常に予想や展望の少し上を走り続けなければなりません。

相手はヴェルディ。30周年を迎えるサンガですが、1996年…Jリーグという舞台で初めて対峙した相手はヴェルディでした。その時の会場だった等々力競技場では、このクラブはアニバーサリーイヤーに白星を飾った。この30周年というアニバーサリーに、そういうメモリアルな碑のある相手をしっかりと倒していきたい。ステータスを上げるという事は予想の少し上を常に歩いて初めて持ち上がっていくもの。ヴェルディとの立場逆転を突きつけるような一勝を見せて欲しいところです。

両チームスタメンです。

 

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サンガは前節横浜FM戦からはスタメンを2人変更。横浜FM戦の退場でアピアタウィア久が退場、金子大毅が不詳とそれぞれ欠場する形になりましたが、CBは横浜FM戦の後半と同様に右SBを本職とする宮本優汰を続けてCBで起用。中盤は今季は昨季後半戦以降は金子をアンカーにしていましたが、今日は川﨑颯太をアンカーに戻し、武田将平が第2節湘南戦以来のスタメンを飾りました。

ヴェルディは2-2で引き分けた前節新潟戦からはスタメンを4人変更。うち2人は山田楓喜と木村勇大で、ヴェルディのここまでの5得点中の4点を叩き出した2人はサンガからのレンタルゆえに今節は契約上出場できない形になっています。宮原和也松橋優安、山田剛綺は今季初スタメン。翁長聖も開幕戦以来の先発出場となりました。

 

 

 

本日の会場は東京都調布市味の素スタジアムです。

 

 

本日はプロ野球が開幕戦で、関東圏では東京ドーム明治神宮野球場ZOZOマリンスタジアム横浜スタジアムで試合が行われている中、Jリーグは金Jとして唯一この試合だけが今日開催される日程になっています(もうちょい日程なんとかならんかったか…)。サンガもヴェルディも後半が日没後のゲームはありましたが、ナイトゲームはお互いに今季初。ヴェルディは平日限定企画として「晩酌セット」と称したお酒とおつまみの組み合わせを販売する施策などを行なっています。平日開催は各クラブ色々特色のある企画をしていて面白いですね。

サンガとヴェルディがJ1の舞台で戦うのは2008年以来。J2期間が長かったので味スタでの対戦経験は多くありましたが、J1でのこのカードの味スタは2008年夏、柳沢敦フェルナンジーニョとの鮮やかなカウンターで取ったゴールでウノゼロ勝ちした時以来でしょうか。懐かしいですねえ…。

 

 

試合は開始3分にいきなり動きを見せます。ルーズボールの応酬のようになった局面から宮本がボールを蹴り出すと、ボールは高いバウンドをしながら前線のマルコ・トゥーリオへ。トゥーリオの巧みなロブパスに抜け出した豊川雄太は巧みなステップワークからダイレクトでシュートを放ちネットを揺らしますが…ここは豊川が僅かにオフサイドを取られてゴールならず。

 

 

 

しかし今日はサンガは中盤に武田将平が帰ってきた影響が大きかったのか、中盤でのボールの落ち着きどころを常に作れるような状態になっており、それによっていつものようなカウンターゲームではなくハーフェーライン付近を一度スタートラインにするような状態を作れていました。

その流れの中で22分、左サイドで粘ったトゥーリオのクロスは跳ね返されますが、こぼれ球を宮本がロングボールで送ると、絶妙な胸トラップから豊川スーパーゴラッソ!!!!開始早々のゴール取り消しを月間ベストゴール級の一撃で掻き消した豊川の超絶弾でサンガ先制!!

 

 

立て続けに26分、右サイドでボールを持ち運んだ武田のキープからボールを受けた原のクロスは跳ね返されるも、回収した松田天馬に対して原がインを取る動きでスルーパスを引き出し松田も一発回答。GKマテウスとの1対1を迎えた原が冷静に流し込んで2-0!!サンガさん2点リード!!サンガさん2点リード!!

 

 

2点リードを得た直後にはサンガにも数回危ないシーンが訪れましたが、サンガもヴェルディがガッと攻勢をかけてくる前に態勢を取り戻し、ハイラインというよりも試合のエリアを限定するようなプレーを展開して前半のリズムを掴んでいたした。前半は2点リードで後半へ。

 

 

後半から翁長聖と山田剛綺を下げて齋藤功佑と稲見哲行を投入。52分にはヴェルディの染野唯月が際どいフリーキックでさんがゴールを脅かす場面もありましたが、後半立ち上がりもヴェルディのビルドアップを阻害しつつ、サンガも幅を広く持つ、ロングボールとルーズボールの回収を素早く行う連鎖をスムーズに行えていた事でリズムは担保し続けられていました。

58分にはヴェルディが中央突破から森田晃樹のスルーパスに染野が反応し決定機を与えますが、ここはGKク・ソンユンがセーブ。

 

 

 

しかしヴェルディは61分に深澤大輝を下げて山見大登を投入。サイドハーフとして起用されていた松橋優安を左SBの位置に持って行きます。すると後半からの稲見投入で中盤でのセカンドボール回収率を高めつつあったヴェルディは、そこに独力でゴール前までボールを持っていける山見を入れた事で、前半は上手く行かなかった回収→配球→前進のリズムが回るようになった事でヴェルディペースに。

 

 

 

それでもサンガは麻田将吾、スクランブル的にCB起用された宮本がなんとか耐えて上手くリードを保ち、61分に豊川を下げて宮吉拓実、74分にはトゥーリオを下げて福岡を投入して中盤の出力を高めようとしましたが……79分、左サイドから持ち味のドリブル突破を図った山見を対峙した福田心之助がエリア内で倒してしまいPK判定。これを染野がきっちり決めて試合は1点差に。

 

 

 

 

(以下、もう書きたくないので中略)

 

 

 

前半は特にケチをつけるところがなかったんですよ。これは本当に。今日もハイラインは維持していましたけど、それが今日はいわゆるマリノス戦の時のようなカウンターゲーム的なオープンな展開への誘引というよりは、文字通り最終ラインというか、試合の構成エリアを限定するような形で進められていました。

チャレンジ自体は悪い事じゃないですが、サンガの守備はチャレンジしすぎる傾向があるだけに、今日は麻田にしても宮本にしても意識的に抑えようとはしていたと思いますし、そもそも前半は出なければならないようなシーンも殆ど作らせていなかった。その上で今日は武田が中盤にいたので、そこを一つのボールの置きどころに出来ていたので、サンガはそこから攻撃を繰り返せる状態にありましたし、ヴェルディは押し下がるしかなかった。だから1点目のように、長いボールを蹴られても宮本が悠々と回収して豊川までロングフィードを送れるような状況になっていた訳で。

 

 

ただ後半は、ヴェルディが稲見と齋藤を投入して中盤の構成を変えてきたんですよね。前半はそこの回収力のところでヴェルディとサンガには明らかに差があったと思うんですけど、ヴェルディは後半に中盤での勝負に力を出せる2人の投入と、それに伴う4-4-2から4-1-2-3への変更で中盤での回収率をまずイーブンに近づける為の手当てを打ってきた。まずそれで前半はサンガの独壇場だった中盤の攻防が試合の要素として復活し、サンガが有利に立てるポイントがどんどん削られていったんですね。そしてそういう流れの中でヴェルディは山見を投入してきた。山見は器用な選手ではなくとも、託されたボールを高い位置まで持ち運んでいく事はやってくれる。ここで強引にでもボールの位置を高いところまで押し運べる山見の投入より、ヴェルディは回収→配球→前進の3要素がリンクした。サンガは別にどっしりと構えられるほど成熟したチームでもないので、福田がPKを献上した場面のように前半は堪えていたものも堪えられなくなった。それは福田の場面がフォーカスされますが他の選手にしても同じ事で。実際に試合がそういう流れになったように、もうあの段階まで来てしまえば……サンガからすればなるようになるしかなかったのでしょう。

その中でサンガは山見が投入されたのと同じ時間に負傷した豊川を下げて宮吉を投入しましたが、別に宮吉が悪かったという訳ではないですが、少なくともこの交代は言わば前線の部品替えのようなものであって、どちらかと言えば試合の流れを今のままキープしておきたい時にやる交代であって、今日の61分のような劣勢の展開を立て直すものではなかった事は確かです。それならば下げるのは…そもそも豊川がアクシデント絡みの交代だった以上、そういう交代策がベターになる事は自然ではあるものの、あの時点でもうFW同士の交代ではなく先に福岡を入れるような手当てが出来るチャンスはあの時点でまだ残っていたというか。トゥーリオ→福岡交代をしたのが74分ですが、その時にはもう試合の流れは完全にヴェルディペースでしたし。この局面でサンガがそういう交代を選び、ヴェルディがこの流れを完成させる為のカードを切ったのは一つ決定的なポイントでした。ベンチメンバーの選考は少なくとも試合前の時点ではビハインドになった場合の事も考えないといけないので一概に批判できるものではないですが、いずれにしてもわかりやすい守備固めが出来る編成ではなかったですし、持ち駒での手当ても出来なかった。ヴェルディの布陣変更に対して後手を踏んでしまった…ヴェルディの流れが来たタイミングで山見を入れたヴェルディと、繰り返すように宮吉を責めるつもりはないですが、何かの手当てではなく部品を替える交代で担保しようとしてしまったところは試合の流れを決定付けてしまったように思います。

ほんと辛いのよ、ほんと辛いのよ…今日前半はほぼ完璧だったからさ…みんな言ってるけど去年の鳥栖戦のリフレインだと思ったよねマジで…。

 

うれしはずかしじゅんいひょうのコーナーは明治安田J1リーグ第5節 サンフレッチェ広島vsガンバ大阪マッチレビューページに記載しています。

 

 

ほいで阪神も負けたらやないかい!!!!

ではでは。