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その手応えを数字へ〜明治安田生命J1リーグ第29節 ガンバ大阪vsFC東京 マッチレビュー〜

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今宵、関西はカオスと化し…!

 

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第29節、ガンバ大阪vsFC東京の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

今年2人目の新監督を迎えたガンバですが、その新たな道のりは今のところ2勝2敗。名古屋戦福岡戦の連勝の後で、前節は鳥栖に0-3で敗れた事で再び降格圏に戻る結果となってしまいました。

一つの失点が、一つの黒星が命取りになる今のガンバにとって、内容以上に勝点をとことんまでに求めなくてはならないのは、今のガンバにとっては言うまでもない話であり、そこは片野坂知宏監督から松田浩監督に変わったその時点で選手にとっては共通認識でしょう。今季の場合、ガンバの監督交代はチャレンジの終わりを意味し、そして絶対的なタスクを背負う事と同義でした。それを誰よりも理解しているのは他でもない松田監督でしょうし、今はただ、監督に率いられた青黒の集団を信じるのみです。

対する青赤は今季、ある意味ではガンバが今年そうしようとしたように、まだチャレンジの道を歩み続ける事が出来ています。さすがにACL圏は厳しくなり、とはいえ降格の心配もない彼らにとって、ここからはまさにそういうスタイルの模索をできる時期かもしれません。だからこそガンバにとっての今日の試合は、自分達が手負いの獣になってでもモノにしなければならない90分です。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節鳥栖戦からメンバーを4人変更。黒川圭介とレアンドロペレイラが先発に戻った他、昌子源第26節広島戦以来となる先発復帰。また、今季のガンバは基本的に齋藤未月・ダワン・奥野耕平とボール奪取能力に長けたボランチを起用していましたが、今日は齋藤とコンビを組むのはゲームメイク型の山本悠樹が抜擢され、負傷離脱期間も長かった山本は第9節湘南戦以来のスタメンとなっています。

対するFC東京はスタメンを2人変更。2人とも3トップの中でのメンバーチェンジとなっており、前節は左WGだった渡邉凌磨を右WGにスライドし、左WGにアダイウトン、CFには移籍後初スタメンとなるルイス・フェリッピが入りました。また、長友佑都と中村帆高のSBは前節から左右を入れ替えています。

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

昨年よりSDGsプロジェクトを発足しているガンバは、今日の試合を「THINK ECO SDGsmileマッチ~みんなで笑顔をつくる~」と銘打って開催。先着2万枚に冷感タオルがプレゼントされる他、たむらけんじサバンナ八木ミサイルマン西代のお笑い芸人によるトークショー、その他にもSDGsの目標に即したイベント・企画が複数予定されています。

ガンバにとって、FC東京のホームスタジアムである味の素スタジアムは長年の鬼門ではありますが、FC東京にとってもアウェイのガンバ戦は長らく鬼門として君臨し続けていました。しかし近年はやや引き分け先行となってしまっており、2020年には遂にパナスタでのFC東京戦で初黒星。どうにか今日の勝利でもって、再び鬼門としての記憶を復活させたいところです。

ちなみに本日は京都サンガFCガンバ大阪セレッソ大阪ヴィッセル神戸と関西4クラブの試合が全て同時刻、全てホームゲームで行われる奇跡的な一日!関西シリーズです!!

 

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序盤はどちらかといえばガンバが押し込むような時間が続いていました。むしろFC東京の方が前に出てくるガンバに対してカウンターを伺うような形になっていき、15分にはファン・アラーノのロングスルーパスにパトリックが抜け出してチャンスを迎えましたが、これはGKヤクブ・スウォビィクの対応に遭ってゴールには至らず。25分にもレアンドロペレイラが積極的なチェイシングから相手の隙を突いたロングシュートを放つも枠を捉えられません。

対するFC東京は長いボールを使いながらアダイウトンの機動力を活かし、ガンバのプレスから逃れるように早めに敵陣に入っていこうと試みていました。

 

FC東京戦という意味ではやや想定外の試合展開となった中で、31分には黒川圭介のクロスは一度はDFに弾かれたものの、こぼれ球を山本がタイミングをうまく合わせたミドルシュート。しかしこれも入らず。

ただ、前半の最後の方に入ってくるとFC東京もボールを保持しながら一つ前に押し上げるようになってきた事で、攻撃のターンはFC東京に回る時間も長くなってきました。ただその中でも、ガンバは松田監督になって徹底している4-4-2のブロックを徹底する事でエリア内への侵入は許さず、上手くFC東京の攻撃陣を外へ外へと追い出すような守備は出来ていました。トータルで見れば、ややガンバの方がゲームプラン通りに進められたような試合展開で前半を終えます。

 

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後半は前半終了間際の形を引き継いたような形になった事で、FC東京がボールポゼッションを握りながらサイドに振りながら主体的に攻撃を試みようとしているのに対し、ガンバはこの日、献身的な守備が光るという聞き慣れないワードがバチクソに当てはまったペレイラを中心としたプレスから速攻をベースに攻め込んでいった事で、後半は"剥がすか、剥がされるか"がわかりやすくピッチ上に反映されたような一進一退の展開になっていきました。

その中でもガンバの4バックの集中力はFC東京ペナルティエリアで仕事をする機会を奪い続け、一方のFC東京もネガティブトランジションでの対応によりガンバのカウンターを阻止。オープンになり始めた展開だからこその、お互いの守備が光り始めます。

 

FC東京は63分になるとフェリッピを下げてレアンドロ、73分には塚川考輝を下げて紺野和也と立て続けにジョーカーを投入。対するガンバも69分に齋藤とアラーノを下げてダワンと福田湧矢を投入し、ミドルゾーンの活性化を目論みます。

74分、中央でボールを持った食野のサイドへのパスを左サイドで受けた福田がアーリークロス。ここにダワンが飛び込んで頭で合わせましたが……全てのプレーが完璧で、誰もが決まったと思ったこの瞬間は、またしてもGKスウォビィクがスーパーセーブ。

 

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終盤はお互いに激しいカウンターの応酬になってききました。ボール奪取からお互いにシンプルに攻め込みに行こうとしていく中で、ガンバはパトリックや途中出場の鈴木武蔵のパワーやスピードにダワンや福田が押し上げて行こうとして、逆にFC東京レアンドロや紺野がカウンタードリブル気味でどうにか打開しようとしていきます。しかし両者とも、強力な面子を揃える4バックは最後まで集中力を切らさずに対応。特にガンバは三浦弦太が脳震盪で交代を余儀なくされるアクシデントに見舞われながらも、途中出場の福岡将太も難しい展開でしっかりと対応していきました。

 

終盤はオープンな試合になりながらも、お互いにアタッキングサードに入るタイミングでボールロストする回数も多くなり、両陣営の肝が度々冷え上がる割には、決定的なシーンに至る前に守備網が弾き返して試合終了。まさしく死闘というべき90分でしたが、ガンバには痛い勝点1となりました。

 

 

 

まー………見ているだけでカロリーを消費するような激しい試合でしたね。ただまあ、そういうスリリング感はやっぱりサッカーの醍醐味ではあるので、中立的に見ても面白い試合ではあったと思います。

松田監督が就任してからの試合は基本的に後ろに重心を置いて、4-4-2のシステムを厳守しながら…という形で試合を進めていったところを、ボランチに山本というピースを当てはめたことで、チームの攻撃に緩急を付ける事が出来たのは一つ大きなポイントでした。そこで時間とタメを作れるようになったことで、必然的に2トップや2SHのラインも一つ上げれるようになり、そこでペレイラが献身的なプレスを見せてくれた事で、FC東京FC東京陣内に押し込めるような戦い方が出来ていたと思います。おそらくFC東京はこれまでの4試合のガンバを前提に対策も考えていたでしょうから、相手の意表を突く事も出来ていましたし。そういうハイペースな試合展開が呼び起こしたオープンな応酬に対して、FC東京の強力なアタッカー陣に対してしっかり対応したDF陣のパフォーマンスも見事でしたし、昨日出場したメンバーは皆がそれぞれのタスクをしっかり完遂させていたと思います。

 

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結果的に引き分けは妥当な結果ではあったのかな、とは思います。もしこの試合がシーズン序盤から、或いは中位の立場でこの試合を経ていたら、おそらく純粋にポジティブな感覚を得ていたでしょう。ただ、残留争いという戦いは僅かな光明を勝点1に繋げて、見えた勝ち筋を確実に勝点3に繋げなければならない戦いの連続です。そういう意味では、勝ち筋が見えただけに1で止まった事は、状況的にはかなり悔やまれる結果だった…とも言えます。

一方で、山本をボランチに組み込み、配球役を明確に設定した戦い方がこれからのヒントを作り出せた事も事実。この日の痛手を帳消しにて、この日の手応えを数字に繋げるべき最大の舞台はすぐに訪れます。次節、神戸戦……この大一番は、このクラブがこれからどういう道を歩むのか、その全てを左右し得る、このクラブの歴史に重大な意味を持つ一戦です。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第29節分は、北海道コンサドーレ札幌vsジュビロ磐田戦のマッチレビューに掲載しています。

 

関西シリーズドロー沼…

ではでは(´∀`)