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パーフェクトゲームと、その裏で…〜明治安田生命J1リーグ第29節 北海道コンサドーレ札幌vsジュビロ磐田 マッチレビュー〜

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札幌から函館はイメージより遠い

 

清水から磐田もイメージより遠い

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第29節、北海道コンサドーレ札幌vsジュビロ磐田の一戦です。

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

誰にとっても残留争いとは死活問題です。

札幌はその事を歴史で証明しているとも言えます。一度降格すれば、様々なものが失われ、また下位のカテゴリーで燻ってしまうかもしれない。そしてなんとか昇格を果たしたとしても、いつかの強かったチームの状態ではなく、いわゆる振り出しに戻ったような状態で、イチからJ1仕様のチームになる過程を再び求められてしまう……年月をかけて今、その仕様を手に出来た札幌にとって、今落ちて降格すれば、再びその仕様を取り戻す戦いをしなければならない。それだけは何としても避けたい、避けなければならないはずで。

そして、その"仕様"に戻さなければならない作業を今強いられているのが他でもない磐田です。その試行錯誤は最終的に、監督交代という形で一つの結果を見てしまった。J1での歴が長くても一度降格を喫してしまうとそう簡単に"J1らしいクラブ"に戻ってこれる訳ではない。だからこそ札幌は落ちてはいけないし、磐田はJ1に残って、残って、残り続ける事で初めてJ1に戻る事が出来る……。札幌にとっても磐田にとっても、残留以上に広い意味としてJ1で居続ける為の、ヒリつく残留争い直接対決です。

両チームスタメンです。

 

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前節C大阪戦で劇的勝利を飾った札幌はスタメンを一人変更。荒野拓馬を下げて駒井善成ボランチにスライドし、駒井のいたシャドーの位置には前節怪我から復帰した金子拓郎が第22節柏戦以来の先発復帰を果たしています。また、ベンチには負傷していた小柏剛も復帰しました。

一方の磐田は2点ビハインドから追いついた前節柏戦からはスタメンを二人変更。2シャドーに入っていた大森晃太郎とジャーメイン良がベンチからも外れており、代わりに金子翔太ボランチ山本康裕がスタメンに復帰。普段は札幌と同じ3-4-2-1を採用する磐田ですが、今日は杉本健勇と金子を2トップとして配置した3-4-1-2に近い形で設定しています。

 

本日の会場は北海道札幌市、札幌ドームです。

本日の試合は日本航空による「JALサンクスマッチ」として開催される他、前座試合として「赤黒ドリームマッチ~CONSAOLDSの挑戦~」と題した札幌OBによるOB戦が行われます。また、本日は声出し応援適用試合となっており、ギリギリコロナ前の2020年初頭…札幌は札幌での開催機会が無かったので、札幌ドームでの声出しは2019年以来です。

そういえば、現在札幌ドームでのプロ野球日本ハムファイターズの公式戦ではクラシックシリーズとして黄金期のユニフォームを着用し、札幌ドームから今年で撤退するファイターズの札幌ドームでの歴史を感じさせる施策が行われています。現在の予定では、9月28日の千葉ロッテマリーンズ戦がファイターズの札幌ドームでの最終戦。主にコンサドーレがこれまで以上にメインで札幌ドームを使う形になるのでしょうが、札幌ドームの明日や如何に…。

 

 

立ち上がりから良い出足を見せたのは札幌でした。6分にはガブリエル・シャビエルのドリブルから左サイドを抜けた金子拓郎へパス。金子のグラウンダーの折り返しに興梠慎三が合わせるも、ここは惜しくもゴールには至らず。

しかし決定機を逃した直後の10分、なお攻勢に出る札幌は金子拓郎が大井健太郎に倒されてフリーキックを獲得すると、これを福森晃斗が鮮やかに決めて札幌先制!FKの名手として知られる福森はこれが今季初ゴールという事に。

 

更に21分には再び札幌。バックラインから丁寧にビルドアップで繋ぐと、右サイドの高い位置でボールを持った田中駿汰が一瞬の隙を突いて中央にボールを当て、興梠がワンタッチで前線にスルーパス。抜け出した金子のラストパスにシャビエルが反応して札幌追加点!まさにミシャ式…幅とスペースを巧みに使った鮮やかなパスワークで札幌がリードを2点に広げます。

 

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試合はその後もずっと札幌ペース。31分にはルーカス・フェルナンデスのCKからエリア内で混戦が起こり、こぼれ球を田中が押し込むもVARの末にハンドを取られてノーゴールに。37分には磐田のビルドアップに興梠と金子がチェックをかけてパスミスを誘発。再び金子の折り返しに興梠が詰めましたが僅かに枠の左に逸れます。

ほぼワンサイドゲームとなる中で、磐田は杉本健勇を目掛けたロングボール主体で活路を伺いますが、なかなか攻撃が流れに乗っていきません。それでも前半終了間際には杉本のポストプレーからカウンター気味に攻め込み、右サイドを抜けた鈴木雄斗のマイナス方向へのパスに杉本が狙い澄ましたシュートを放つも、今度はGK菅野孝憲が好セーブ。

 

 

後半から札幌は興梠を下げてキム・ゴンヒを投入。2点を追う磐田も山本義道を下げてリカルド・グラッサ、山本康裕を下げて大津祐樹を送り込みます。

後半開始早々も良い攻めを見せたのは札幌でした。47分にはシャビエルのスルーパスにルーカスがクロスを上げるとキム・ゴンヒが飛び込んで決定機。この場面は大井のマークもあってシュートはミートしませんでしたが、50分には福森のフィードを収めたキム・ゴンヒが左に展開。左に流れたシャビエルのクロスにファーのルーカスがボレーを放ち、GK三浦龍輝に弾かれたこぼれ球にキム・ゴンヒが押し込んでネットを揺らしましたが、これはキム・ゴンヒが福森のフィードを受けた時点でオフサイド。その直後も金子が惜しいシュートを放ち、菅大輝もポスト直撃のシュートを放つなど、磐田は反撃はどころか後半も札幌の攻撃を受け続ける形になってしまい……。

 

磐田は61分に大井と杉本を下げて切り札的存在の吉長真優とファビアン・ゴンザレスを投入。鈴木を3バックに下げ、吉長を右WBに置いた攻撃的なシステムで反撃を試みます。直後にはロングスルーパスに抜け出したゴンザレスがチャンスを作るもゴールには至らず。すると65分、ルーカスに対するグラッサのタックルがレッドカード判定となって、磐田は劣勢の上に数的不利まで背負う事に。

 

71分にもルーカスのアーリークロスにシャビエルが反応し、ポストに当たったこぼれ球に金子が詰める決定機を迎えましたが、ここはGK三浦がファインセーブ。しかし磐田としては割り切ったスピードを前面に押すやり方で活路を見出そうとしたものの、鋭さを保ち続ける札幌のパスワークに翻弄されっぱなし。アディショナルタイムには札幌が左サイドを細かいパスワークで崩すと、高嶺朋樹が途中出場のスパチョークに当てて受けたリターンから左サイドを抉って取れそうで取れていなかった3点目を遂にゲット。

94分には前節を欠場していた途中出場の小柏が右足を振り抜いて4点目。終わってみれば4-0。札幌は今季初の連勝を飾り、混戦の残留争いで大きな大きな勝点3を獲得!一方の磐田はスコア以上の完敗で、15位以上がまた一歩遠くなってしまいました。

 

 

 

札幌からすれば完璧な試合で、終わってみれば……まあ、もう、一年の中で何回あるか…みたいなレベルでの完璧なゲームだったと思います。2-0の時には札幌視点で見ればもっと点取れる場面あったよね、的な感情もあったでしょうが、最終的に試合は4-0まで行った訳ですし、試合後にミハイロ・ペトロヴィッチ監督が「10点取れるくらいのチャンスがあった」と語りましたが、その言葉もしっくり来てしまうほどの試合でした。

今日の札幌はコンパクトな陣形をベースにしつつ、攻撃時の幅の広げ方、そして狭め方が抜群でした。前半は興梠を中央に置き、周りでシャビエルや金子が動く流動的な形をとり、最前線をキム・ゴンヒに替えた後半はよりストレートな形に。サッカーの原理というよりは、札幌の攻撃の流動性は物理法則的な効果を見せていて、ああいう押し引きを正確なパスワークと共に見せられれば、磐田とすれば崩れるしかないよね、みたいな。札幌からすれば、もうこれ以上望めないという言葉がよく似合うほどの90分だったと思います。

一方、磐田については…前述のペトロヴィッチ監督のコメントじゃないですけど、マジで10点ぐらい取られるほどの危険性がありましたし、4点という失点数もオフサイドやハンドで取り消されたゴールやGK三浦の好セーブもあった事を踏まえれば、一言でいえば「深刻な試合」と形容出来るようなものでした。比較的シンプルなやり方に切り替えた後半は前に持ち出せる場面も多少は増えましたけど、結局そこから先も中途半端で、この日冴え渡った札幌のカウンターを食らうだけでしたし、一人退場者が出た事は事実ですが、あの退場がこの試合に大きな意味を与えたかと言えばそうではありませんでした。0-4というスコア以上の内容だった事を、磐田側は深刻に受け止める必要のある90分だったのは確かです。もちろん札幌がめちゃくちゃ良かったのも間違いなかったのですが、ね……。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第29節

清水エスパルス1-1湘南ベルマーレ

川崎フロンターレ4-0サンフレッチェ広島

浦和レッズ4-1柏レイソル

横浜F・マリノス1-0アビスパ福岡

京都サンガFC1-1鹿島アントラーズ

ガンバ大阪0-0FC東京

セレッソ大阪2-1サガン鳥栖

ヴィッセル神戸0-0名古屋グランパス

北海道コンサドーレ札幌4-0ジュビロ磐田

 

 

1位 横浜F・マリノス(55)※2

2位 川崎フロンターレ(52)※2

3位 サンフレッチェ広島(50)

4位 鹿島アントラーズ(46)

5位 セレッソ大阪(44)※2

6位 柏レイソル(44)

7位 サガン鳥栖(40)

8位 FC東京(40)※2

9位 浦和レッズ(39)※2

10位 名古屋グランパス(37)※1

11位 北海道コンサドーレ札幌(34)※1

12位 清水エスパルス(32)

13位 京都サンガFC(30)※2

14位 湘南ベルマーレ(30)※1

15位 ガンバ大阪(29)

16位 アビスパ福岡(28)

17位 ヴィッセル神戸(25)※2

18位 ジュビロ磐田(23)※1

 

※未消化試合数

 

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首位のマリノスを追う2位川崎と3位広島による優勝争いの行方を左右する直接対決に注目が集まった第29節ですが、家長昭博の先制点を皮切りに大量4得点。広島のミヒャエル・スキッベ監督に「(川崎と横浜FM)は現状で力は上」と言わしめるほどの完勝を収め、福岡に1-0で勝利して首位をキープしている横浜FMの後ろをピッタリつけています。一方、直接対決で敗れた広島、今節勝点を落とした鹿島、柏は優勝の可能性が厳しくなってきました。

11位清水まで何が起こってもおかしくないほどの混戦と化している残留争いでは清水と湘南、札幌と磐田が直接対決。清水は1-0でリードしている状態を長く維持していたものの、ラストワンプレーでのウェリントンのゴールで湘南が劇的な同点劇を演じています。土曜日開催のゲームは横浜FMに敗れた福岡以外のチームはことごとくドローに終わったのに対し、磐田との直接対決を制した札幌が11位に浮上しています。

 

 

2点目エロかったなぁ…

ではでは(´∀`)