RK-3はきだめスタジオブログ

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インテンシティー・コントロール〜明治安田生命J1リーグ第13節 FC東京 vs 川崎フロンターレ マッチレビュー〜

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ア・ニ・バ!

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第13節、FC東京vs川崎フロンターレの一戦です!

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

5月15日、Jリーグは30周年を迎えます。

そこで、5月12〜14日に行われるJ1第13節、J2第15節、J3第10節は「Jリーグ30周年記念マッチ」として開催されますが、その中でも特に今日のFC東京vs川崎フロンターレと5月14日の鹿島アントラーズvs名古屋グランパスの2試合は共に国立競技場で行われる「Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ」として開催されます。

 

 

「地域密着」を謳って成長してきたJリーグにとって、このFC東京vs川崎フロンターレ多摩川クラシコという伝統は、彼らがJリーグ後発参入組ながら地位と伝統を築いたというところで、Jリーグが組み上げたスキームの大きな成功例と言える象徴的なカード、という表現が出来るかもしれません。そういう意味では、鹿島vs名古屋とのキャラクター的な対比を含めて、この試合がスペシャルマッチに選ばれたのも頷けます。

ただし、チーム状況としては「今季こそは優勝」という思いがあったFC東京と、クラブとして風向きが少しまずくなった流れをどうにか抜け出したい川崎は共に苦しいシーズンを余儀なくされています。それも川崎が3連勝と回復しつつあるのに対し、FC東京前節札幌戦でまさかの大敗。それでもお互いに、彼らが編み上げた伝統であるこの多摩川クラシコを、そしてこの特別な試合をキーポイントに、ここから上位に食い込んでいきたいところです。

両チームスタメンです。

 

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ゴールデンウィークの連戦では移動が多かったこともあってメンバーを大きくローテーションしていたFC東京。U-20日本代表招集により欠場となった松木玖生を含め、前節札幌戦からはスタメンを半数以上となる6人変更。新たにスタメンになった6人は全員が2試合ぶりのスタメン復帰となっています。また、川崎から移籍してきた塚川考輝は第8節C大阪戦以来のベンチ入りを果たしています。

対する川崎はこちらもU-20日本代表招集に伴い欠場となった高井幸大を除いては前節鳥栖戦と同じ11人を起用。高井が入っていたCBには前節は左SBだった車屋紳太郎がスライドして入り、左SBには登里享平が入りました。GKは第9節浦和戦より先発起用されるようになった上福元直人が5試合連続でスタートのゴールマウスを守ります。

 

 

 

本日の会場は東京都新宿区、国立競技場です。

前述の通り、今日のFC東京vs川崎の試合と14日の鹿島vs名古屋の2試合はJリーグ30周年記念スペシャルマッチとして国立競技場で開催されます。また、フライデーナイトJリーグとしても行われるこの試合ではFC東京のユニフォームサプライヤーであるニューバランスのスポンサーデーでもあり、JリーグFC東京の歴史を踏まえながらニューバランスの歴史をシューズで振り返る「NB History wall with FC東京」であったり、YouTubeでも人気の鳥羽周作氏プロデュースのビュッフェを楽しめるチケットも。ゲストとしてお笑い芸人のウエストランド霜降り明星せいや氏、EXITのりんたろー氏も来場します。

試合前には過去のFC東京の国立開催試合でも話題になった国立特別演出が更にパワーアップして実施されます。今回は花火・ムービングライト・レーザー・炎による演出のみならず、同じ国立競技場で行われた東京オリンピック開会式を思わせるドローンでの演出も実施。「FIREWORKS DRONE SHOW」として試合前をド派手に彩ります。

 

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序盤からワイドのスペースを両チームが狙う形になる中で、川崎の方が高い位置でプレーする場面は目立ったものの、先制に成功したのはFC東京の方でした。12分、長友佑都が右サイドから入れたクロスがファーサイドに流れると、これを左で受けた徳元悠平がカットインから豪快なシュート!これが決まってFC東京が幸先よく先制。

 

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川崎はなんとかパスを回しながら前に出ようと試みるも、FC東京はハードワークが効いて強度を出せる中盤3枚と両サイドハーフがしっかりとプレスで仕留めに行くことで川崎にリズムを出させない守備を続けており、そこからはショートカウンター気味に手早く進めていく攻撃を繰り返すことで川崎の焦りを増幅させていきます。25分、右サイドで川崎のスローインをシミッチが受けると、安部柊斗とディエゴ・オリヴェイラが2人がかりでボールを奪取。ディエゴが左にスルーパスを出すと、走り込んだ徳元の折り返しを安部が詰めてFC東京追加点!

 

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ボールは持ちながらもなかなかチャンスを作れなかった川崎も36分、最終ラインを高くしたことでFC東京のビルドアップを引っ掛けやすい展開に持っていくと、中盤での混戦を制した家長昭博ミドルシュートが相手DFにあたってリフレクションしたところを宮代大聖が抜けて決定的な場面を迎えましたが、ここはGKヤクブ・スウォビィクがファインセーブ。ただ、攻めあぐねていた川崎は30分過ぎくらいからはアタッキングサードに良い形で入れるようになっていきました。

 

 

 

39分、ドリブルで持ち運んだ瀬古樹のパスを左で受けた宮代は、そこから巧みなステップワークとボールタッチで対面した木本恭生を剥がして右足一閃!これが鮮やかに右のネットに吸い込まれて川崎が1点を返します。

FC東京のリズムで進んだ前半の前半、川崎が盛り返した前半の後半。スコアはFC東京1点リードで後半へ。

 

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前半終了間際は川崎ペースでしたが、後半は開始と共に再びFC東京が主導権を握る展開になり、前から積極的に圧力をかけていく事で連続攻撃を出しやすくするような状況を作っていきました。その流れの追い風になるかのように、52分には仲川輝人に対する脇坂泰斗のタックルがレッドカードにより一発退場。直後には仲川のシュートがクロスバーに当たるような場面も生まれ、試合の流れは完全にFC東京へ。

 

 

 

ただ川崎も69分に瀬古とマルシーニョを下げて大島僚太と遠野大弥を投入すると少しずつ盛り返していきます。FC東京がディエゴを下げてアダイウトンを投入し、カウンター狙いの姿勢を明確にしてくる中で川崎は猛攻を仕掛けられるようにはなっていきましたが、攻め込むけれどなかなかシュートまで行けないもどかしい試合展開に。69分には混戦からどうにか宮代がシュートに持ち込むもGKスウォビィクが阻止。

 

 

 

川崎は75分に宮代と家長を下げて橘田健人と小林悠を投入。山根視来を一列上げて押し込もうと試みます。78分には大南拓磨のパスを受けた遠野のシュートはスウォビィクに弾かれ、こぼれ球に山根が反応するも僅かに枠の左へ。87分にも遠野がシュートチャンスを得ましたが…またしても、またしてもまたしてもスウォビィクがビッグセーブ。

 

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前に圧力をかける川崎の攻撃の前に、GKスウォビィクのファインセーブのみならず森重真人・木本恭生の両CBが高い集中力で跳ね返し続けたFC東京。試合は2-1で終了し、FC東京Jリーグ30周年記念試合を制すると共に多摩川クラシコでの連敗を7で止めました!

 

 

 

全体的に、FC東京は圧力を強くかけるタイミングというか、強度を押し出すタイミングというか……ギアを思いっきり踏み込むべきタイミングとそうではないタイミングを上手く使い分けられていたような印象はあります。前半の頭は間違いなくFC東京が勝負をかけられるような展開になりましたから、その流れの間に取れるだけ取っておく為のエンジンの入れ方をして、その通りに1点に留まらず2点を取り切った。そして後半の頭も川崎に傾きかけた流れを力ずくで押し返すように強引に流れを取り戻していった事で、前への圧力をリスクを承知で高める事で、結果的に守備陣形を落ち着いて組むだけの余裕を作れた…というのがこの試合の印象ですね。行くべきところでは全ツッパするぐらいの覚悟で行く、行けない流れの時には割り切ったカウンターシフトを組む…そこの手綱はチームとして上手く引けていたように思います。

川崎もそこをどう掻い潜るかというところで、やはりボールを自分達で高い位置で回せるようになった時には流石と言えるクオリティを見せてはきましたけど、FC東京がそういう強度のコントロールを仕掛けた上でスコアもきっちり押さえてしまった中で、川崎ペースに見えたような時間も全体的にはFC東京の文脈の中で戦わざるを得なかったような試合に見えました。

 

 

また神宮の中日を祝ったのか…

ではでは(´∀`)