1番……1番ちょいちょい空き番やなこのクラブ
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第1節(開幕戦)、柏レイソルvs京都サンガFCの一戦です!
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「成長」──昨シーズン、曺貴裁監督は何度も何度も何度もその言葉を繰り返しました。
30周年を迎えたクラブは、ここまでやや場当たり的な対応を連続して繰り返すように、その歴史にいずれも断続的な句点を加えていきながら30周年という節目を迎えたようにも思います。右に触れたり、左に触れたり、選手獲得も含めて、その方針は常に監督のカラーに委ねるしかなく、その監督が去ればリセットされていく……その部分に関しては今の曺監督体制にしてもそうなのでしょう。
ただ、それでもサンガは3年連続でJ1というこの国のトップカテゴリーで戦う権利を掴み取った訳です。少なくともこのクラブは、一つの視点からものを見る時に、それがたとえ曺貴裁という台座の上に立ちながらであったとしても視座は一つ高くなった。去年は日本代表選手も出て、今のサンガはこれまでと違う景色を見ようとしている……その事は確かだと思いますし、その事自体が成長でもあると。よくあるJ1から昇格してきたクラブのように、1人や2人はあったとしても…育った若手を根こそぎ引き抜かれるような状況にはサンガは遭ってはいない。そこを護持できる体力はこのクラブは持っていますし、だからこそその上で積み上げたものもあるはずです。
サンガは30周年を迎えた今年、サンガはクラブにとっての分岐点の上に立っています。世間の印象が「J1のクラブ」なのか「J2のクラブ」なのか、その岐路の上にサンガは立っている。あの長く苦しい時代を経たサンガは、少なくともその分岐点の上で戦いに挑める権利を得ました。その時点でそれ自体が成長でもありますし、そして分岐点はチャンスであって、同時に戻れない賭けでもある。このクラブが40周年を迎えた時にどんな立場と印象を有しているのか。ターニングポイントと化したアニバーサリーイヤーがこのクラブにどんな意味を与えるのか。歴史の選択権は今、自分達の手の中にあります。
両チームスタメンです。
サンガは曺貴裁監督体制から一貫して採用している4-1-2-3を採用し、スタメンの人選も昨年のメンバーをベースにした形となりました。昨年同様、原大智は左WG、金子大毅はアンカーにそれぞれ配置し、新加入の鈴木冬一は左SB、マルコ・トゥーリオは3トップの中央からスタート。ベンチには新加入の宮本優汰、そして高卒ルーキーの安齋悠人が早速メンバー入りしています。
柏も先週行われたちばぎんカップとメンバー、システムをベースにしており、アジアカップに参加していた細谷真大もスタメンに復帰。拓殖大学に在学中の関根大輝も右SBとしてスタメンに名を連ねています。スタメンの小屋松知哉は言わずもがな、ベンチの木下康介は今季サンガから移籍していきなりの古巣対決。熊本から獲得した島村拓弥にとってもユースから過ごしたチームとの古巣対決です。
本日の会場は千葉県柏市、三協フロンテア柏スタジアムです。
🟡MATCH DAY⚫️
— 柏レイソルOFFICIAL☀ (@REYSOL_Official) 2024年2月25日
🏆明治安田J1リーグ第1節
📅2/25(日)14:00K.O.
🆚京都サンガF.C.
🏟三協フロンテア柏スタジアム#柏レイソル #NoREYSOLNoLIFE pic.twitter.com/1ITOQfectw
近年は最新鋭のスタジアムが多く完成した事もあって不備や老朽化を指摘される事が増えたとは言え、1985年に完成したこのスタジアムはやはり長いJリーグの歴史に於いて名物として常に存在感を放ち続けて、その歴史を彩ってきました。元々は日立製作所が保有する施設でしたが、2010年に現物出資という形で柏レイソルに譲渡されており、クラブが直接保有するスタジアムとしては日本で唯一です(ガンバのパナスタは実質的にはクラブ保有スタジアムと言えるが所有者は吹田市で、サンガのサンガスタジアムもあくまで指定管理者)。サッカー漫画「GIANT KILLING」に於けるETUのホームスタジアム、隅田川スタジアムのモデルになった事でも知られていますね。
序盤戦は動きが少ない展開になり、元々サンガも柏もポゼッションを重視するチームでは無いという構図の中、前半は基本的にはサンガがボールを持ち、そこからサイドへの展開を試みるような流れが多くなっていました。どちらかと言えば押し気味に試合を進めてはいたサンガはそれをなかなかシュートチャンスまで結び付ける機会は少なかったものの、チームとしてはリスクを極端には負わず、比較的落ち着いたペースで試合を運ぼうとしていきます。
対する柏は基本的にはサンガに対して構えて待つ構図になっていた為、攻撃はマテウス・サヴィオを介した縦を速く目指す攻撃が主だっていました。ただサンガもミドルゾーンで攻撃を遮断出来ていた事で細谷真大が仕事を出来る場面も少なく、ボールを持ちながらもそこから崩すに至れないサンガと、長いボールもなかなか機能しない柏のわかりやすい膠着状態が続いていきます。
それでも前半終了間際にはお互いに決定機が。サンガは左サイドでボールを受けて巧く反転した原大智のスルーパスに豊川雄太が抜け出しますが、シュートは僅かに枠の外。対する柏はサイドのポケットでサヴィオが麻田将吾を振り切って折り返し、最後は細谷がシュートを放ちましたが、ここはGKク・ソンユンがビッグセーブ。前半は0-0で終えます。
しかし後半は前半とは異なり柏がボールを持つ時間が増え、同時に前半と比べると後半はオープンなスペースが増えてきました。結果、サヴィオが高い位置でボールを持ちやすくなると同時に、細谷が動けるスペースが増えた事でサヴィオを介さなくても細谷に通せるコースも出てきた…その事によって柏のターンと言うべき時間が続き、サンガは押し返せない時間が始まっていきます。
49分には右からのクロスに対するアピアタウィア久のクリアが中途半端になったところを細谷にシュートを打たれ、55分にも左サイドを崩したサヴィオの折り返しから小屋松と細谷が飛び込む決定機。前者は枠外、後者は麻田将吾と鈴木冬一がどうにか粘って失点を回避します。
サンガもセットプレーから川﨑颯太にチャンスが訪れる場面はありましたが、殆ど攻めの機会を得られないまま時間が過ぎると77分、中央でボールを持った山田雄士が左サイドにパスを送ると、マテウス・サヴィオが月間ベストゴール級の残酷なほどに美しいゴールを…。
サヴィオのゴールはサンガにはノーチャンスだった、でも失点自体は時間の問題だった…そんな被弾でサンガは1点を失います。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2024年2月25日
時が止まるコントロールショット⏱️
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レイソルの10番・マテウス・サビオが左サイドで受けて、右足一閃⚡️
待望の先制ゴールでホームのレイソルが1点リード❗️
🏆明治安田J1第1節
🆚柏×京都
📺#DAZN ライブ配信中#Jリーグ開幕 pic.twitter.com/EzaImAaehm
66分の時点で選手を2人入れ替えていた柏の井原正巳監督に対し、ここまで選手交代を一人も行っていなかった曺監督は失点直後にトゥーリオを下げて山﨑凌吾、82分に鈴木冬一と武田将平を下げて宮本優汰と平賀大空を投入。しかし柏の流れが変わらないまま迎えた88分、サヴィオのサイドチェンジを受けた関根が中に入れ、細谷がワンタッチで落としたところに走り込んだ高嶺朋樹を宮本が倒してしまいPK献上。
絶体絶命、ゲームセット寸前。そこに立つキッカーはエース細谷。しかし細谷のシュートはまさかの枠の左へ。サンガは文字通り九死に一生を得る形に。
アディショナルタイム、サンガは豊川雄太と福田心之助を下げて福岡慎平とデビュー戦となる安齋悠人を送り込み、金子を3バックの中央に組み込んだパワープレー上等の3-4-1-2システムにシフト。そして衝撃の展開はすぐに訪れました。
アディショナルタイム、ドリブラーとしての期待が大きい安齋が深い位置で倒されてFKを獲得。これを福岡がファーサイドに絶妙なボールを蹴り込むと抜群のタイミングで入ってきた原が反応。一度はGK松本健太が弾くも、こぼれ球に猛然と突っ込んできた安齋が押し込んで同点!同点!!同点同点同点同点同点!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2024年2月25日
ルーキーの起死回生の一撃❗️
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FKに合わせた原のこぼれ球を
高卒ルーキー・安齋悠人が押し込んだ💜
京都が土壇場で同点に追いつく!
🏆明治安田J1第1節
🆚柏×京都
📺#DAZN ライブ配信中#Jリーグ開幕 pic.twitter.com/dApJCZR0ak
ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋ありがとう安齋同点試合終了1-1!!!!!
前半に関しては柏にボールを持たされていた部分と、サンガはサンガで一応自分達でボールを持とうとする意識も両面あったと思います。
個人的には、結構今日の前半のサンガは…例えば昨年に比べて、物理的なスピードとボールを奪ってから攻撃を展開するに至るまでのスピードに頼らないところでサイドを崩していきたいという意識は持っていたように感じました。サンガは極端にクロスが多い事が不安視されるとはいえ、それは原というターゲットと豊川という動き出しに優れた選手がいる事を思えば実際に合理的ではある。そこでアバウトなクロスではなく狙いを持ったクロスを入れやすくする為にどうサイドを崩していくか、その為にはスローペースになる瞬間であったり、迂回的な回し方をする必要もある、という部分は前半は意欲的な割り切りをある程度出来ていたのかなと。その中でそれこそサヴィオと対峙した福田であったり、随所にらしさを見せた原や豊川であったり、好セーブを連発したク・ソンユンなど個々のパフォーマンスを光らせた選手もいましたし。
柏vs京都、ヴェルディマリノスの裏で当該ファンしか見てへんねやろなあって思ったら井原正巳だけこっちで取り込んでるの趣深い
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年2月25日
ただ後半は展開が真逆になってしまった。前半は福田で対応できていたサヴィオもかなりフリーな位置を取り始めた事でマークの受け渡しがやや甘くなってしまい、やはりサヴィオが自由になってくれば柏は攻撃が回り始めて、そうなると今度は細谷にもより一層危機感を持って対応する必要が出てくる。そこの主導権を握られた時にサンガは後手後手になっていましたし、そういう劣勢からサンガがボール保持を取り戻せるほどチームとしてのビルドアップは成熟していない。そういう連続で押し込まれていった事で、後半は特に一方的な展開になってしまった部分はありました。1点ビハインドで済んだのはもうク・ソンユンの頑張りと細谷のPK失敗のようなサンガにとってのラッキーも作用したでしょうし。終盤に意地を見せた事は言うまでもなく素晴らしいですし、去年も0の試合を1に、1の試合を3にする積み重ねが12月の結果に繋がる。ここで得た勝点1を過小評価したくはないですし、同時に試合としては勝点0になり得る試合だった事を劇的ドローで矮小化する事も違うと表現すべきでしょう。
ただその中で、サンガにとって詰まってしまったような展開の打開策として安齋の働きは素晴らしかった。得点は言うまでもないですが、そもそもあのFKを取ったのも元は安齋。劣勢の時こそ果敢に挑めるドリブラーの存在はセットプレー獲得も含めてそれだけで突破口になりますし、同時に福岡が素晴らしいボールを蹴った事でそういうアプローチに説得力も出る。試合展開として良い試合だったとは思わない一方で、純粋に負け試合をドローに持ち込んだ事、前半はデザイン意識は見えた事、そしてプレゼンスを発揮した個人が複数人発生したところは良かったなと思っています。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
2024明治安田J1リーグ第1節(開幕戦)分はFC町田ゼルビアvsガンバ大阪戦のマッチレビューと試合考察のページに記載しています。
安齋はロマンやでえ!
ではでは(´∀`)