RK-3はきだめスタジオブログ

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囲って囲ってどーん〜天皇杯準決勝 ロアッソ熊本 vs 柏レイソル マッチレビューと試合考察〜

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ところで漫画のジャイキリは今後どうなっていくんや

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会準決勝、ロアッソ熊本vs柏レイソルの一戦です!

 

 

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

現在開催中のACL。そこに立つ甲府の姿……思い返せばちょうど1年前、日産スタジアムで聖杯を高々と掲げたプロビンチャの姿はこの天皇杯というトーナメントに新たなロマンを与えると同時に、J2クラブにとって可能性を提示するような瞬間となりました。J3優勝からJ2に返り咲いた昨年は昇格戦線に最後まで絡み、プレーオフでは京都と激闘を繰り広げて昇格まであと数センチに迫った熊本にとって、今季はJ2残留争いを強いられているとは言えどもこの進歩は大いなるロマンと呼ぶべきものでしょう。大木武監督体制の大快挙にかけた手のまま手繰り寄せていく事に迷いはないでしょう。

対する柏は今季は長きに渡って苦しんでいますが、中断期間の明けた8月以降は5勝3分1敗と絶好調。順位こそ未だ16位ではありますが、残留争いからはいよいよ本格的に抜け出そうとしている最中です。このクラブのタイトルは1999年のルヴァン杯以外はネルシーニョ監督体制の、それも2011〜2013年に集約されています。新たに井原正巳監督を迎えた今、日本を代表するレジェンドの率いられたタイトルを勝ち取る事は出来るのでしょうか。宿命とロマンの準決勝です!

両チームスタメンです。

 

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熊本・柏ともに直近のリーグ戦と大きく変わらないメンバーを選んできました。

特徴的なダイヤモンド型の3-4-3を採用する熊本は直近のリーグ戦となる仙台戦からの先発変更は2人。中盤より後ろは同じメンバーを起用していますが3トップは松岡瑠夢以外の2人を変更し、右WGは島村拓弥、そして真ん中には本来はトップ下での出場が主な伊東俊を起用しています。

柏もスタメン変更は2人となりました。右MFは山田雄士から今日は戸嶋祥郎を起用しており、CBは夏に補強した犬飼智也が前所属の浦和で天皇杯に出場していた為に柏での天皇杯出場資格を有していないので、CBには8月の天皇杯準々決勝名古屋戦以来の先発となる立田悠悟が起用されています。

 

 

 

本日の会場は千葉県柏市三協フロンテア柏スタジアムです。

 

 

Jリーグで唯一クラブが直接所有している事でも知られている名物スタジアム。長きに渡って柏レイソルのホームスタジアムとしてJリーグの歴史を彩ってきたがゆえに、様々な激戦や衝撃的な試合も多く生まれてきました。熊本の大木監督にとっては甲府の監督時代、2005年の入れ替え戦で今なお伝説とされるバレーの6得点で柏を下して勝利した場所であると同時に、2007年にJ1復帰した柏に敗れて今度は自分達がJ2に叩き落とされたのもまたこの場所。大木監督にとっては栄光と屈辱の記憶が入り乱れる場所でしょう。

熊本の初代監督にしてGM・社長を歴任した池谷友良氏が日立時代から柏で活躍していた事もあって柏と熊本のクラブとしての関係は深く、選手やスタッフの行き交いの他にも2016年の熊本地震で熊本のホームスタジアムが使用不可になっていた時にはこのスタジアムでホームゲームを開催した事もあります。ここに及んで縁深い両者の対戦というのもなかなかに。

 

 

最初のチャンスは柏。右サイドの遠目の位置からマテウス・サヴィオがFKでクロスをボールを入れるとファーサイドジエゴが走り込んで合わせますが、ファーストシュートは僅かに枠を捉えられません。

しかし出足は柏の方が相当に良く、序盤からポケットのスペースを上手く活用しながら畳み掛けるように攻めていきました。前述のジエゴのシーンの直後にもサヴィオがシュートチャンスを得ると続く9分、前線でのプレッシングから戸嶋祥郎がカットするとボールを受けた細谷真大が左に流れてクロス。これをファーサイドで戸嶋が頭で合わせて柏先制!

 

 

柏が先制して以降は基本的に熊本がバックラインから丁寧なビルドアップで繋ぎ、一方の柏も極端にプレッシングを仕掛けることはせずにある程度構えた守備を展開していました。とはいえ柏は熊本がボールをサイドに出した時には数人体制で囲うようなポジションをとって熊本にスピードを出させない、スペースを見つけてもそこに出られないような陣形を組んでおり、熊本はなかなか中央のエリアに戻ってこれない状況が続きます。

 

 

 

熊本の決定機と言えば43分、なんとか柏の守備を掻い潜って送られた縦パスが平川怜に渡ると、その平川のパスに伊東俊が抜け出して決定機。しかしここはなんとか古賀太陽がカバーに入った事でシュートに持ち込む前に阻止します。

すると柏は前半アディショナルタイム。サヴィオがゴールに直接狙うような弾道の左CKを蹴り込み、熊本守備陣もなんとかこれをギリギリで弾きましたが、詰めていた片山瑛一が押し込んで柏が追加点!前半は柏の2点リードで終えます。

 

 

後半も基本的なスタンスと試合の組み方は前半と同様の展開で、ビルドアップを図る熊本の前進を柏が囲って閉じ込めるような守備を志向すること形で時間が進んでいきました。その中で柏はカウンター時も上手くスピードを持って熊本の背後を翻すことが出来ており、54分にはマテウス・サヴィオミドルシュートが細谷に当たってコースを変えてゴールイン。柏にとってはこの上なく大きな、熊本にとっては致命的な3点目。

 

 

熊本は58分に伊東と豊田歩を下げて粟飯原尚平と阿部海斗を送り込んで1点から返そうと試みます。しかし3点リードでよりセーフティーになり、かつ熊本が前がかりになる事に伴う熊本にとってのある種の悪循環の中で劇的に流れを変えるには至らず、なかなか前にパスを付けて前進する事が出来ません。逆に73分にはサヴィオのクロスに途中出場の小屋松知哉が頭で合わせる決定的なシーンを作られるなど、得点機会創出よりも柏のカウンターへのケアに気を揉まねばならないような展開に。

 

 

 

熊本も東山達稀の投入後は攻撃が活性化されるようになり、84分にはようやく中央をこじ開ける形で粟飯原がシュート、89分にはエリア内で粘った松岡が決定的な場面を迎えるもいずれも僅かに枠を捉えられず。

しかし熊本が少し盛り返したかと思ったアディショナルタイム、前に持ち出した柏はCKのこぼれ球を高嶺朋樹がゴラッソを叩き込んで4-0!

 

 

高嶺のゴールから再開された直後、試合は終了。圧勝した柏は優勝を飾った2012年以来の天皇杯決勝進出!

一方、熊本の冒険は準決勝で幕を閉じました。

 

 

 

全体的に柏の守備が上手く機能した、上手く機能して攻撃と上手くリンクさせる事が出来た90分でしたね。

熊本はやっぱり丁寧なパス回しで相手DFの組織をズラした上でスペースを突くことが巧いチームですから、比較的熊本に対する守備としてはリトリート気味にやることがベターな方法論だと思いますが、今日の柏は早い時間に先制出来たのでリトリート的な意識は持ちつつ、サイドに追い詰めたタイミングで人数をかけてでも囲う。一つのエリアに人数をかけるのでスペースは与える事になりますが、囲ったエリアからスペースに逃げさせない守備をやりきれていましたね。そこに対して他の選手もちゃんとスライドしてポジションを調整する事で、リスクを冒す守備とそれに対するリスクマネジメントを連動させていましたし、元々ボール奪取からのカウンターは去年から強みではありましたから、強みと意識を連動させる事で熊本を無力化出来たのかなと。見事な勝利でした。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会準決勝

ロアッソ熊本0-4柏レイソル

川崎フロンターレ4-1アビスパ福岡

 

 

天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会準決勝

川崎フロンターレvs柏レイソル

2023年12月9日@国立競技場

 

 

柏レイソル、初めてガンバ大阪以外と天皇杯決勝

ではでは(´∀`)