RK-3はきだめスタジオブログ

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勝ち筋に乗るか呑まれるか〜天皇杯ラウンド16 川崎フロンターレ vs 高知ユナイテッドSC マッチレビュー〜

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図らずも川崎のマッチレビュー2日連続更新なんだけど

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会ラウンド16、川崎フロンターレvs高知ユナイテッドSCの一戦です。

 

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天皇杯もいよいよベスト16までやってきました。

1試合でこのコンペティションにおける"明日"が全て決まるフォーマットは、今までにそれゆえのドラマを数多く起こしてきました。今季、それに最も当てはまるのが今日戦う高知でしょう。ガンバ大阪横浜FCとJ1クラブを連続して撃破。遂にラウンド16まで勝ち進み、次なる相手は近年のJリーグで最も成功を収めているクラブ。まさしく高みに手をかけようとしており、クラブの歴史の中でラウンド16という舞台で相対することは大きな1ページになる事でしょう。

 

 

 

対する川崎としては、リーグ優勝が苦しい状況の中でも少しずつ自分達の取りこぼしを取り返し、再び高速度で走り直そうとしているところで、ここは川崎フロンターレというクラブの地力を誇示する場にする必要があります。PSMとはいえ、土曜日に戦ったバイエルン・ミュンヘンとは何もかもが違うその相手に対して、川崎は飲まれずに自分達を発揮することが出来るのかどうか。天皇杯という空気の時差を抜け出すのはどちらのチームでしょうか。

両チームスタメンです。

 

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本日の会場は高知県高知市高知県立春野総合運動公園陸上競技場です。

 

 

天皇杯ラウンド16という舞台で、しかも相手が川崎という事で地元はなかなかのハイ状態なのでしょう。アクセス面等様々な問題はあると思いますが、天皇杯の極力下位カテゴリーのホームで試合を行う取り組みは個人的には良いんじゃないかと思っています。

今となっては高知は四国で唯一Jクラブを持たない県となっていますが、このスタジアムに関しては国体開催に向けた改修工事が行われていたので、四国最初のJクラブとなった徳島ヴォルティスの昇格前はJ1基準を満たしたスタジアムはここと香川県のPikaraスタジアムのみでした。その為、過去には徳島や愛媛のみならず、札幌と京都がこのスタジアムでホームゲームを開催した過去があり、京都がホームゲームを開催した2004年の試合の相手は他でもない川崎でした。

 

 

戦前の予想通り、序盤から試合はボールポゼッションを高めながら自陣でブロックを固める高知の牙城をどう崩していこうか…という形で進んでいきます。横竹翔を中心とした3バック/5バックを軸に構えた高知を前に、川崎はその隙間をなかなか見出せることが出来ず、川崎はミドルシュートであったりジョアン・シミッチを起点に左右に散らしたりをベースにまずは高知の守備陣をズラす為の動かし方を試みていました。

 

構える展開が続いた高知でしたが、27分のボール奪取に対してオフェンス陣がすぐさまそれにコミットする動きを見せると、抜け出した小林心が決定的なチャンスを迎えましたが、ここはGKチョン・ソンリョンの好守もあってシュートには持ち込めず。

川崎もそういうアプローチが形になったのは35分で、左サイドに流れた右SBの山根視来が深い位置からファーサイドに入れたクロスに小林悠がヘッドで合わせましたがシュートは枠を逸れてゴールなりません。川崎も前半終盤にはクロスを用いながらパワーで前進していく場面もありましたが、前半は予想の範疇の中で高知にとって最も理想的な展開で0-0で終えます。

 

 

後半から高知は西村を下げて東家聡樹を投入。後半は前半の高知の戦いを前に川崎はやや焦れた形になって、基本的には構図としては前半と同じ噛み合わせで進んだものの、少し焦れた形になった川崎の守備ラインに粗が出るようになってきた事で高知がカウンターで刺せる展開が増えてきました。

川崎の猛攻が続いた中で迎えた59分、カウンターで抜け出した高知は東家がシュートに持ち込み、一度はGKチョン・ソンリョンが弾いたところを小林心が詰めるも…ここは戻ってきた高井幸大が間一髪でブロック。高知最大のチャンスは川崎がどうにか阻止します。攻めあぐねる川崎に対し、一発で確実にカウンターでシュートチャンスまで持ち込む高知…。川崎としては一番精神にクる試合展開に。

 

川崎は62分に瀬川祐輔と遠野大弥、77分に山田新と佐々木旭を投入し、やや高知に向いた風を引き戻そうと試みていきます。

そんな中で均衡が破れたのは80分でした。右からのCKがゴール中央に入っていくと山田がダイレクトボレー。このシュートはGK上田樹がスーパーセーブで弾きましたが、最後はそこに突っ込むように飛び込んできた佐々木が頭で押し込んで遂に川崎先制!

 

 

1点をリードした川崎は焦りから解放されたように落ち着きを取り戻した事で、そこからはしっかりとパスを回して落ち着いてポジションを取りながら高知をいなすように試合を運んで行きました。高知も川崎の張った網に抗おうと粘りましたが、やはりそれ以上のところまで進むには至らず…試合はそのまま終了。川崎が勝利してベスト8進出!高知のシンデレラストーリーはラウンド16で幕を閉じました。

 

 

 

多くの時間で高知はほぼゲームプラン通りに試合を進めていたと思います。

川崎がベストメンバーに近い11人を組んできた以上、どうやっても試合は川崎が優勢に運ぶ展開で進む。そこは高知がどう抗えど変えられない部分ではあった中で、5バックで焦れずにしっかりと川崎相手に構えて対峙する事でチーム全体としてのコンセンサスを取れていただけでなく、高知の場合はいざボールを奪った時のカウンターのビジョンを明確に出来ていました。要は防戦一方ではなく、引いて守った上でそこからの前進までをしっかりとリンクさせていましたし、オフェンスの選手は守備に奔走せざるを得ない状況ではなく、ちゃんと守備の出口として攻撃の選手としての役割が出来る状況を作れていた。実際にそれで2〜3度ほど決定的なチャンスがあった訳で、高知としては考えられる勝ち筋にしっかりと乗る事が出来ていました。

そうなると川崎としては、高知が提示してきたものの上に行くか、呑まれるかの2択のような試合だった訳で、一時はその流れに呑まれかける時間帯もありましたが…最後はしっかりと地力と馬力を見せたという印象でしょうか。あの状況の中で、最後は押し切った…それは今季は不調に喘ぐクラブにとって、苦戦したからこそ大きな意味を持つ展開だったようにも思います。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会

ラウンド16

FC町田ゼルビア0-1アルビレックス新潟

名古屋グランパス3-0浦和レッズ

ヴァンフォーレ甲府1-4ヴィッセル神戸

セレッソ大阪1(4PK5)1湘南ベルマーレ

川崎フロンターレ1-0高知ユナイテッドSC

柏レイソル1-0北海道コンサドーレ札幌

栃木SC2-4アビスパ福岡

FC東京0-2ロアッソ熊本

 

【ベスト8進出チーム】

アルビレックス新潟(14年ぶり2回目)

名古屋グランパス(2年ぶり13回目)

ヴィッセル神戸(2年連続8回目)

湘南ベルマーレ(7年ぶり5回目)

川崎フロンターレ(2年ぶり12回目)

柏レイソル(6年ぶり6回目)

アビスパ福岡(13年ぶり3回目)

ロアッソ熊本(初)

 

 

カツオのたたき

ではでは(´∀`)