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揺るぎないもの〜ブンデスリーガジャパンツアー2023 川崎フロンターレ vs バイエルン・ミュンヘン マッチレビュー〜

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国立思ってたより見やすかった

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューブンデスリーガジャパンツアー2023 Audi Football Summit、川崎フロンターレvsバイエルン・ミュンヘンの一戦です!

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

海外名門クラブ、怒涛の来日ラッシュもいよいよ終盤戦に差し掛かりました。近年のJリーグで最も成功を収めているクラブが、ドイツ・ブンデスリーガを舞台にずっと成功し続けているクラブに挑みます。たかがプレシーズンマッチとて、多くのJリーガーはそのユニフォームに、そのエンブレムに触れないままキャリアを終える…そういう意味では国立競技場に集うファンと同様に、これはチームや選手にとっても貴重な体験になります。それは今日の川崎のみならず、先日の横浜F・マリノスガンバ大阪ヴィッセル神戸セレッソ大阪でも同じ事が言えるでしょう。選手達にはこの貴重な時間をしっかり噛み締めて過ごしてほしいところ。

バイエルン・ミュンヘンというクラブは単なる世界的名門のみならず、ミュンヘンという場所に住む人たちにとってずっと誇りであり、アイデンティティとして生き続けていました。その血に触れた時、その先に何を得るのか。ある意味、みんながみんな元を取れるような90分に期待したいところです。

両チームスタメンです。

 

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川崎は直近のリーグ戦となった土曜日の神戸戦からスタメンを5人変更してきました。大南拓磨、佐々木旭、橘田健人といった顔ぶれが久々の先発となり、リーグ戦ではスタメン出場のない瀬川祐輔もスタートから起用。第17節広島戦で負傷退場した小林悠も復帰して先発に名を連ねています。

対するバイエルンは意外にも水曜日のマンチェスター・シティ戦からメンバーをあまり変えず、スタメン変更は2人に留めました。今日はマンC戦でFWに入ったセルジュ・ニャブリが2列目となり、FWには得点を挙げたマティス・テルがスタメン抜擢。そしてCBにはバンジャマン・パヴァールとのコンビでナポリから獲得したキム・ミンジェバイエルンデビューを果たしています。

 

 

 

本日の会場は東京都新宿区、国立競技場です。

7月の国立はサッカーでフル稼働もフル稼働!J2の大型試合2試合の開催に続き、夏の中断期間には横浜F・マリノスvsマンチェスター・シティバイエルン・ミュンヘンvsマンチェスター・シティ、そして今日の試合、更に8月1日にはパリ・サンジェルマンvsインテル・ミラノの試合も行われ、6月のヴィッセル神戸vsFCバルセロナを合わせると実に5試合も華試合を行う事に。さすがナショナルスタジアム。試合前にはバイエルンマイスターシャーレの展示であったり、JOY、中村憲剛風間八宏によるトークショーなど様々なアトラクションも実施されています。

 

 

本日は現地観戦!

大山鳴動in東京!国立競技場行ってきました!その模様は後日のスポーツ観戦日記で!

 

 

 

 

ファーストチャンスを作ったのは川崎でした。開始1分も経たない時間、瀬川のスルーパスを右サイドで受けた小林が中に折り返すと、脇坂泰斗がスルーしたボールを受けた橘田健人がワンタッチで脇坂へスルーパス。しかし最初の決定機での脇坂のシュートは僅かに枠の上へ。

更に川崎は4分には果敢なプレスから脇坂がボールを奪ってパスを送ると、エリア内での混戦から橘田が抜け出し、そこに小林や宮代大聖も絡む決定機が訪れましたが、ここはエリア内でのファウル判定もあってゴールには至らず。バイエルンも10分にはレロイ・サネの右からのクロスにマティス・テルが合わせ、11分にはライマーのボール奪取からまたしてもテルがシュートに持ち込むなど試合は前半からアップテンポに進んでいきました。

 

序盤は川崎の方が出足がよく、そこからの攻撃機会創出というところで試合を優勢進めたように見えましたが、割りかしのその時間は早くに終わり、10分過ぎからはバイエルンのエリアを限定した鋭いプレスと単純な対人能力の強さが際立つ内容になってきました。11分には左サイドの高い位置でボールを奪ったキム・ミンジェがそのまま自らクロスを入れると、ニアに入ったテルのシュートはGKチョン・ソンリョンがなんとか阻止。

前半終了間際にもライマーが惜しいミドルを放つと、キミッヒ→テル→ライマーと小気味よく繋いだパスに抜け出したニャブリのクロスにまたまたまたまたテルテルテルテル…。しかしこの日のテルは動き出しの良さと反してことごとくフィニッシュが上手くいかず、前半は0-0で終了。

 

 

後半、バイエルンはGKのゾマーと最前線のテルのみを残して中盤とDFの9枚を交代。一方の川崎はハーフタイムに選手を5人入れ替え、前半に脳震盪により瀬古樹と交代していた脇坂を含めると6名を入れ替えた形で後半に進みます。

後半最初のチャンスも川崎でしたが、瀬古のミドルシュートはGKゾマーの好セーブに阻まれ、山田新やレアンドロ・ダミアンにもチャンスが訪れましたが、シュートはいずれも望んだ形のものには至りません。そんな中で57分、バイエルンは中盤でボールを奪ったDFスタニシッチが自ら持ち上がると、グラフェンベルフのリターンを受けて自らGK上福元直人との1対1へ。これを冷静に決めたバイエルンが遂に均衡を破ります。

 

 

川崎にせよバイエルンにせよ、アプローチは違えどハイパレスを用いた形の試合だった為か、後半もオープンな試合展開は続いていました。川崎は63分に大南拓磨のクロスから橘田が好機を作ると、65分には遠野大弥のクロスをファーで受けた山田がDFを切り返して狙いますが枠の上へ。

バイエルンもスピーディーなカウンターで何度も攻め込むと、73分にはカットインしたキングスレイ・コマンが、78分にはカウンタードリブルを仕掛けたコマンのパスからイブラヒモビッチがそれぞれチャンスを迎えますが、いずれも僅かに枠を捉えきれません。

 

バイエルンはその後も空いたスペースを何度も突くようにアタックを仕掛け、特にイブラヒモビッチには全部決めたらハットトリックほどの決定機が到来しましたが、バイエルンは追加点を奪うには至らず。

試合はそのまま終了。お互いにスコア以上に得点機会を迎えたような感覚を抱いた90分でしたが、スコアとしては1-0でバイエルンがウノゼロ勝利。ジャパンツアーを1勝1敗で終える形になりました。

 

 

 

興味深い試合だったと思います。

やはりプレシーズンマッチなので、特にバイエルンは試合はコンディション調整や新戦力を含めた戦術・連係の擦り合わせが優先される中で、トゥヘル監督も就任からまだ半年も経ってない訳ですから、試合の中に於ける優先順位の上位は勝利ではなかった…という部分はあります。

その中で…一言で言えば巧かったですよね。やっぱり。バイエルンは現状は開幕前のチームですから、チームとして仕上がっている訳ではない。それでも個の力というものは絶対的なもので、特に前半のメンバーはそれを存分に発揮していたと思います。守備時は川崎の選手を確実に対面で潰していくし、キム・ミンジェのオーバーラップのようにそこから前に持ち出してもいける。ニャブリやサネ、ムシアラがそうだったように、1対1の局面を作られればそこを確実に剥がして打開していく…攻守に於いて確実にデュエルで勝利していく辺りは選手が持つ個々のアベレージが如何に高いところにあるかを見たような気になりましたし、それは「バイエルンというクラブへの入団が許された者」がどういう者なのか…というところの実感でもありました。

 

その点に於いては川崎も良いリアクションを見せていたと思います。少なくとも対面で戦って勝てる相手ではない訳で、じゃあどうやってデュエルを避けながら攻撃していけばチャンスを作れるのかというところで川崎の攻撃にも工夫が見られた。相手の強みを交わし、自分たちの強みを出すにはどうすればいいのか。バイエルンにしても川崎にしても、試合に勝つ為にはピッチの中での利害関係を一つずつ成立させていく必要がある。その点で今日の川崎が見せた攻撃の形もなかなかポジティブに捉えられるものがあったと思います。

 

 

テルとイブラヒモビッチ、トゥヘルに怒られてないと良いけど…。

ではでは(´∀`)