まだちょっと引きずってる。
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューはUEFAチャンピオンズリーグ決勝、パリ・サンジェルマンvsバイエルン・ミュンヘンの一戦です!
パリはアタランタ、ライプツィヒといった今大会のダークホースと呼ばれたチームを、バイエルンはバルセロナ、8-2という衝撃のスコアで下した後、ユベントスとマンチェスター・シティを倒して勝ち上がったリヨンを倒してここまで来ました。
劇的に次ぐ劇的な展開、想像を大きく超えるスコア……衝撃的な試合の数々を体現してきたチャンピオンズリーグファイナルラウンドも、いよいよ残すは決勝のみとなりました。
フランス勢のクラブとしては92-93シーズンのマルセイユ以来27年ぶり、そしてクラブ史上初となる欧州制覇を目指すフランス王者パリ。そして12-13シーズン以来7年ぶりかつ、史上2クラブ目となる複数回の三冠達成を目論むドイツ王者バイエルン。国内では圧倒的な力で、ある種独裁ともいえる状態が出来つつあるこの2チームは双方ともに「三冠王者」の権利を有しています。
世界的なパンデミックにより、かつて例を見ない激動の1年となった19-20シーズンの最後を笑って終えるのはどちらのチームでしょうか。
両チームスタメンです。
パリは負傷から復帰したGKケイラー・ナバスを除いては準決勝ライプツィヒ戦と同じスタメン。バイエルンは準決勝リヨン戦からイヴァン・ペリシッチのところをキングスレイ・コマンに代えて来ました。
今日の試合でベンチ入りしているメンバーのうち、バイエルンで12-13シーズンの決勝に出場しているのはマヌエル・ノイアー、ジェローム・ボアテング、ダヴィド・アラバ、トーマス・ミュラー、ハビ・マルティネスの5人。優勝は果たしていませんがロベルト・レヴァンドフスキとリュカ・エルナンデスの2人もCL決勝出場経験を持っており、特にレヴァンドフスキは12-13シーズンにドルトムントの一員としてバイエルンに挑んだメンバーでした。一方、パリでCL決勝を経験しているのはナバス、アンヘル・ディ・マリア、ネイマールの3人となっています。
本日の会場はポルトガル、リスボンのエスタディオ・ダ・ルスです。
普段はSLベンフィカが本拠地として使用しているこのスタジアム。13-14シーズンにはレアル・マドリードとアトレティコ・マドリードのマドリードダービーとなったCL決勝が開催され、この試合では延長戦の末にレアルが10度目のCL制覇、通称「デシマ」を達成しました。今日、パリの一員としてスタメン出場するディ・マリアはその時レアルの選手としてプレーしていた一人であり、同時にかつてベンフィカの選手としてこのスタジアムでプレーしていた選手でもあります。
前半から非常に強度の高い試合は、決勝らしく文字通り「一進一退」という言葉の似合う展開で進んでいきます。支配率ではバイエルンが上回りつつも、パリも高い位置から積極的プレスを仕掛けてキリアン・ムバッペ、ネイマールのスピードを活かした攻撃でチャンスを創出。
25分にはボアテングが負傷でニクラス・ジューレと交代するアクシデントが発生したバイエルンも、30分にはミュラーのクロスがDFに当たってコースが変わったところにレヴァンドフスキが合わせるなど決定的なシーンがありましたが、これはレアル時代にCL3連覇を守護神として経験したナバスのセーブで阻止。前半からテンションの高い様相を呈した試合は0-0で後半に進みます。
どっちに転ぶかわかりにくかった試合は58分に動きます。ジョシュア・キミッヒのスルーパスに抜け出したセルジュ・ニャブリが折り返すと中央でレヴァンドフスキが潰れ、そのボールを拾ったキミッヒの丁寧なクロスにコマンが頭で合わせてバイエルン先制!2014年まではパリに在籍していたパリのアカデミー育ちのコマン。大一番に抜擢したハンジ・フリック監督の期待に応えます。
先制点を奪ってしまえば、そこからはやはり試合巧者として名を馳せるバイエルンの卓越したゲームコントロールが光る展開を見せていきます。試合終盤にはネイマールが度々ペナルティエリア内に侵入して決定的なシーンを作りましたが、最後の最後で後一歩脚が届かなかったり……。
そしてそのまま試合終了。非常にスリリングな攻防戦が繰り広げられた決勝戦はバイエルンが1-0で勝利して6度もヨーロッパチャンピオン、そして史上2チーム目となる複数回目の三冠を達成しました!
パリも十分に優勝に値するパフォーマンスを見せて来たと思います。それはこのファイナルラウンドでアタランタ、ライプツィヒという一見組み合わせに恵まれたように見えて曲者との戦いが続く厄介な連戦を戦わなければならないところをきっちり勝ってここまで駒を進めるなど、例年に見せて来た勝負弱さや脆さとは違う逞しさを見せて来ました。
ただ、決勝に関しては…やっぱりバイエルンの方が少し分厚く、バイエルンの方が一枚だけ上手だったと。そこの差は小さくも大きかったように思います。
さぁ、これで19-20シーズンがようやく終わりました。実際に既に20-21シーズンが開幕している国もあるように、今シーズンは新型コロナウィルスという脅威が襲ったことで全てのスケジュールが狂い、シーズン終盤は全てがイレギュラーな中で強いられる難しい展開になっていました。今季のCLでも波乱が相次いだように多くのチームの安定性が乱れつつあった中で、あれだけ凄まじい安定感を維持し続けた事、それがトータルで見た時のバイエルンの強さ、王者たる貫禄だったように思います。イレギュラーな時こそ、絶対に崩れないものを持つ本命たるチームが最後に笑うのは歴史の常とも言えるでしょう。
もうレヴァンドフスキにバロンドール上げたって誰も文句言わんだろ…。
ではでは(´∀`)