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コンプリケイテッドシンプル〜UEFAチャンピオンズリーグラウンド16第1戦 パリ・サンジェルマンvsバイエルン・ミュンヘン マッチレビュー〜

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ただいま、WOWOW

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューUEFAチャンピオンズリーグラウンド16第1戦、パリ・サンジェルマンvsバイエルン・ミュンヘンの一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

ベスト16屈指の注目カードは「悩める優勝候補対決」とでも表現するべきでしょうか。

「今年こそ」を合言葉のように、W杯の主役を揃えて今年こそ悲願のCL制覇を目論むパリですが、2023年に入ってからのリーグ戦は3勝1分3敗の足踏み状態。気がつけば2位マルセイユや3位モナコに追い上げられて、チームとしては状態が芳しいとは言えない状況の中でこの大一番を迎えています。対するバイエルンも悩ましい状態が続いていて、リーグ戦こそ好調を維持して近年稀に見る混戦状態となっているブンデスリーガの首位にしっかりと立った中で迎えるCLですが、ユリアン・ナーゲルスマン監督とマヌエル・ノイアーらの確実が報じられるなど、微妙に感じられる不協和音…。

 

ただ、パリにとってもバイエルンにとっても、その雑音を吹き飛ばす為にもこの試合で勝つことの意味は大きいはずです。個と組織のぶつかり合う冬の激戦……欧州サッカー、いよいよ後半戦の鐘が鳴り響きます!

両チームスタメンです。

 

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本日の会場はフランス、パリに位置するパルク・デ・プランスです。

間違いがちですが"パルク・デ・フランス"ではなく"パルク・デ・プランス"です。当時からサッカーの試合は行われてはいましたが、1972年に改修されるまでは自転車競技場だった過去も持つこのスタジアム。これまでに2度のワールドカップを開催したこの場所では、2024年に予定されているパリ五輪でもサッカーの試合が割り当てられる予定になっています。

パリには1998年フランスW杯の決勝会場にもなったスタッド・ド・フランスもありますが、PSGはスタッド・ド・フランス完成後も移転はせず、スタンドにエンブレムにも描かれているエッフェル塔のデザインを冠したこちらのスタジアムを本拠地として使用し続けています。

なお、ラウンド16第1戦では全会場でトルコ・シリア地震の被災者へ黙祷が捧げられます。

 

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前半はお互いにかなり相手を伺う趣が強い試合展開になっていきました。

3-4-2-1システムの両WBの幅を広めにとったバイエルンは、ボランチのところから試合をスローテンポで進めていくようにしっかりとポゼッションしながら打開ふる隙を求めるように試合を展開させていきます。バイエルンはサイドまではボールを運べるものの、そこはパリもそういうバイエルンの出方に対して上手く対応してサイドに追い詰め、最も危険なエリアにはボールを運ばせていきません。

 

対するパリはバイエルンとは対照的に、ボールを奪ってからは速攻で攻め込もうとしていきました。ムバッペはベンチスタートとなりましたが、2トップを組むメッシとネイマールに預けてスピードアップすると同時に周囲の選手をさらに呼応させて…みたいな狙いだったのでしょうが、そこで2人目のフォローが生まれるより先にバイエルンが潰し切る場面が多く、前半はお互いに攻めあぐねる時間が続いていきます。

 

ほぼ最初の決定機と言える場面が27分のバイエルンで、右からの細かいパスワークから最後はパヴァールのワンタッチパスにムシアラが抜け出しますが、ここはセルヒオ・ラモスの対応を前にシュートまで持ち込めず。ただ試合はじわじわとバイエルンペースで推移し始めると、直後にはコマンのクロスをチュポモティングが合わせる惜しい場面も。

なかなか攻め手を掴めないパリも前半終了間際に絶好の位置でFKを獲得するもメッシのシュートは壁にヒット。前半は0-0で終えます。

 

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後半は両チームともメンバー変更を行いました。バイエルンはカンセロを下げてデイビスを投入。対するパリはハキミを下げてキンペンベを投入し、キンペンベを3バックの一角、ザイールを右WBに配置した3-4-2-1に変更。システムをバイエルンに合わせた形とします。

後半開始早々はパリが少し反撃に出ようとした時間もありましたが、先制点を得たのはバイエルンでした。53分、サイドに流れたチュポモティングのパスを受けた左WBのデイビスが絶妙なクロスをファーサイドに送ると、右WBにサイドを移したコマンがダイレクトで合わせてシュート!バイエルンがまさに交代策ズバリのようなゴールでようやく得点を挙げます。

 

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失点直後にパリは負傷で欠場も危ぶまれたムバッペを投入し、メッシ・ムバッペ・ネイマールの前線3枚という強力な形を敷いて反撃に出ようとしますが…試合のペースはバイエルンがむしろ前半よりも増した勢いで攻めかかり、パリはなかなか前線3枚にボールが入らないまま、むしろGKドンナルンマに救われたような場面が2〜3度訪れるなど苦しい展開に。

 

それでも74分にはムバッペが一気に抜け出してGKと1対1の場面が到来しましたが…ムバッペのシュートはGKゾマーが好セーブ。更にこぼれ球を拾ったネイマールのシュートもゾマーが阻止し、こぼれ球にムバッペが詰めてゴールに流し込みましたがこれはオフサイド

しかしこのプレー以降、間延びした状態でプレーしていたのがパリからバイエルンに一気に立場が変わった事で、パリはムバッペ投入でやりたかった試合展開にバイエルンを引き摺り込むことに成功。82分にはネイマールのスルーパスに抜け出したヌーノ・メンデスの折り返しにムバッペがニアで合わせて同点…!かと思われましたが…これはメンデスのところでオフサイド判定となってゴールは認められず。

 

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その後もパリは83分にメッシ、85分に途中出場のヴィティーニャが惜しいシーンを迎えるもいずれもゾマーが阻止。アディショナルタイムにはパヴァールの退場で数的有利も手にしたパリでしたが…最後まで同点には追いつけず。1点を守り抜いたバイエルンが見事、第1戦で先勝しました!

 

 

 

スーパースターって怖いっすねぇ…。お互いに探り合いだった前半を経て、後半は完全にバイエルンの試合でした。ましてや、ムバッペ投入が裏目に出たのかというぐらい一時はパリの中盤がスカスカになって、そこをバイエルンに良いように使われている時間が結構長くて。あそこで正直「あ、これパリ詰んだかな…」って思ったんですよ。それをムバッペのワンプレーで打破したところから、例えばマルキーニョスかラモスのどちらかが中盤に絡む事で攻撃を回すサイクルが一気に組み上がった。同点には至りませんでしたが、ワンプレーであそこまで変わるか…と。そこの怖さは強く感じましたね。

対するバイエルンにしても、急に攻守交代のように耐える展開になった中でゾマーの好セーブなども光りましたし、ミュラーやニャブリの投入で露骨に守りに入るよりも常に槍は持つ姿勢を見せたことは、最終的に彼らに目立ったチャンスが無くても大きな意味があったと思います。バイエルンの先制点なんか典型でしたが、バイエルンとしては今日は交代策が相当上手く行きましたね。

このスポーツの複雑さと、でも翻す時は一瞬だったりする……なんというか、ほんと、つくづく難しいスポーツだなあと感じるゲームでした。

 

 

まーた雪

ではでは(´∀`)