RK-3はきだめスタジオブログ

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SPECIALZ〜2024明治安田J1リーグ第12節 ガンバ大阪 vs セレッソ大阪 マッチレビューと試合考察〜

 

 

 

誰が如何言おうと

"U R MY SPECIAL"

SPECIALZ / King Gnu

 

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ダービーの時間だああああああああああああああ

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第12節、ガンバ大阪 vs セレッソ大阪の一戦です!

 

 

 

Jリーグをもっと楽しめる(かもしれない)、2024Jリーグ開幕ガイド作りました!是非お使いくださいませ。

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

「1/38ではない試合がある事」……優勝など直接的に順位がかかった試合以外で、年に2度そういうシチュエーションが訪れる事はクラブにとって幸せなことだと思います。

しかし近年のガンバは、その幸せの重さを膝に乗せながら針の筵にでも座るかのような感覚をずっと抱かされてきた。それは目を背けたいほどの現実ながら、スコアボードに刻まれるように可視化された現実でもありました。フラットに見た時、ここ数年の立場は舞う桜を地で眺めるような季節が続いています。順位でもそう、現在の順位でもそう、そして何より、この大阪ダービーという舞台の結果もそう………。少し前まではむしろ、調子の良いシーズンでもセレッソはダービーに勝てなかった。あの頃に謳歌していた凱歌は、今となっては一つの勝利から堰を切ったようにピンクのゴール裏が謳歌する日々。クラブにとってここ数年はずっと、その一点だけでも屈辱の時代と呼んでもいいような時期でした。2022年、2023年のパナスタでのゲームはそれを象徴するものだったと言っても差し支えないでしょう。

それでも時代と季節にはいつも変わり目がある。それこそ2019年9月、季節が夏から秋へと変わりゆくヤンマースタジアム長居で見た情景がその潮目だったように、変革を求める道が正しければその瞬間はどこかでやってくる。春から夏に季節が変わろうとし、桜が地に散り行くこの季節、時代の潮目がそこにあるのならばどんな不格好であっても手を伸ばしてこじ開けるのみ。変革を推し進めるガンバが新たな時代を切り拓きたいのであれば、その時代はきっとこの1/38ではない1を突破しないと始まらない。さぁ、大阪ダービー!凱歌を轟く瞬間を求めて!

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節福岡戦からはメンバーを3人変更。福岡戦ではダービーに備えてベンチスタートとした宇佐美貴史をスタメンに戻して坂本一彩と縦関係を構築する形に。そしてダービーの真髄を知り尽くした漢、倉田秋を左サイドで先発させました。また、U-23アジアカップカタール遠征から帰国直後の半田陸が右SBでいきなり先発。半田のスタメン起用は第6節京都戦以来となります。なお、今日の選手入場時にはスタメン選手全員が第10節鹿島戦での負傷退場により長期離脱となった三浦弦太のユニフォームを着用して入場します。

セレッソはドローとなった前節札幌戦からスタメンを2人変更。欠場中のカピシャーバのポジションは前節はジョルディ・クルークスが入りましたが、今日は為田大貴が第4節鳥栖戦以来の先発を飾っており、今日は香川真司も先発を飾っています。また、清武弘嗣が今季のリーグ戦で初めてメンバー入りしました。

今回のダービーは今季よりセレッソから加入した鈴木徳真が話題になっていますが、それ以外にもガンバは倉田秋(1年だけレンタル)、岸本武流にセレッソ在籍歴があり、ガンバの一森純はセレッソの、セレッソの田中駿汰と奥田勇斗はガンバの下部組織出身。個人としての因縁も多く募るゲームとなりました。

 

 

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

パナスタでのダービーはリーグ戦に限定すると8試合目。ルヴァン杯も含めると13試合目となりました。近年のダービーでは恒例になっているように、本日も大阪ダービーTOYO TIRESのパートナーデーとして開催。「イチガン」をキーワードに試合中のバナーバルーンの演出や場外に大型フォトスポットが設置されます。また、来場者全員に冷感タオルがプレゼントされる他、ガンバTVとのコラボ企画としてMCの小島花梨氏とドーナツ・ピーナツのお二人、そしてOBの播戸竜二氏と加地亮氏も来場。スタジアム場外は常設グッズショップのブルスパジオとは別に大型特設グッズショップも展開されます。

本日はチケット完売です。2023年のリーグ戦ではガンバホームの試合もセレッソホームの試合も完売したので、大阪ダービーはリーグ戦では3試合連続で完売となりました!

 

 

本日は現地観戦です!

WE ARE WITH YOU!! 俺たちが大阪さ!

スポーツ観戦日記はまた後日。

 

 

開始から1分にも満たない場面でガンバはガンバ陣内でダワンがボールを奪うと、そのまま坂本→宇佐美を介したショートカウンターでウェルトンが右サイドを突破。折り返しに対して宇佐美がシュートを放ちましたが、この場面ではセレッソの田中がブロック。セレッソも3分にはエリア前で粘ったレオ・セアラが自らシュートに持ち込みますが今度は中谷進之介がブロック。直後にはこんどはガンバが鈴木がブレ球気味のミドルシュートを放つなど、ダービーらしく序盤から試合はハイテンションで動いていきました。

立ち上がりに押し込んだのはセレッソセレッソは高いラインをキープしながら明確にサイドをポイントにしつつ、張ったWGに対してSBやインサイドハーフがインナーラップで打開しようと試みていました。特にセレッソの右サイドではそれが顕著で、ルーカス・フェルナンデスが張って生まれた内側のスペースに毎熊晟矢が度々走り込もうとする場面が多く、13分には香川のスルーパスから毎熊がインサイドに抜けてあわや決定機に。この場面はエリア内でセレッソの選手も態勢ができていなかった事でシュートは免れましたが、ボールを奪ったタイミングで上手くサイドへのルートと鈴木へのコースを切られてしまい、なかなかガンバは自陣から脱さない状態が続いていました。

 

 

 

それでもガンバは押し込まれている時間帯でも中谷を中心に焦れずに対応し、サイドは少々割らせてもゴールエリアはしっかりとケアできるような守備の隊列をしっかりと維持。ポゼッションの数字こそセレッソが大きく上回る時間が続いていましたが、ボールが敵陣に行ったタイミングでしっかりとラインを上げつつ、セレッソDFラインのビルドアップは宇佐美と坂本がしっかりとコースを切るように務め、そこに倉田とウェルトンがサイドでの対人守備も含めてしっかりと連動していく事で少しずつ、じわじわと押し込まれた展開を押し上げてセレッソのポジショニングを間延びさせて行きながら、セレッソのミスを誘発するようなプレスの陣形にシフトする"機"を窺っていました。

その"機"となったのが19分、福岡将太が右のウェルトンに向かって斜めに入れたロングフィードはボールが流れてセレッソスローインになったものの、一度深い位置にボールを入れた事を機に後ろで構える守備形態から前で対峙できるような守備体形に転換。シュートには至らずともこのセレッソスローインからボールを奪ってダワンが中央に切り込む場面に至ったように、20分前後からガンバは陣取り合戦みたいなところでセレッソを逆転するようになった事で、セレッソに苦しい状態でのビルドアップを強いるようなプレスの掛け方にシフトしていきます。

 

 

 

セレッソがコンパクトに押し込んでいた展開が良い具合に間延びし始めた事からビルドアップも攻撃に繋げやすくなったガンバは20分、福岡のパスを受けた黒川が鈴木のリターンを受けて左サイドを単独突破。クロスを受けた宇佐美のシュートは相手DFにブロックされますが一つ明確なチャンスを作ります。

24分にはガンバが右サイドでセレッソのビルドアップを坂本・鈴木・ウェルトンの3人がかりで包囲。ボールを取り切ると同時にウェルトン→鈴木→坂本でパスを繋いで決定機を迎えますが、坂本のシュートはGKキム・ジンヒョンがビッグセーブで阻止。そのこぼれ球を拾った倉田の折り返しに走り込んだ黒川がシュートを放ちますが、こちらは枠外。それでも流れは確実にガンバに向いてきました。

 

 

 

そして歓喜の瞬間……いいえ、歓喜という言葉では片付かない熱狂をパナスタに爆発させたのは28分。それはあまりに出来すぎたシナリオのようでした。

20分頃からのガンバの守備のアプローチの転換により、セレッソも攻撃のスタート位置が序盤とは異なりセレッソ陣内になっていた頃、セレッソがDFラインでのビルドアップで鳥海晃司がボールを持つとウェルトンと宇佐美が左SBへのコースを切りながら坂本が詰め、毎熊に渡ると今度は坂本がボランチへのコースを切った上で倉田が毎熊に詰めます。毎熊にとって唯一の選択肢となった体勢の悪い鳥海へのパスはズレ、それを掻っ攫った宇佐美はワンタッチでトラップ、ツータッチで少し前に、そしてスリータッチ目で放たれた誰もが待ち望んだ弾道はニアサイドのゴールへ!!ゴール裏では宇佐美のチャントが歌われていたタイミング、宇佐美の誕生日が5月6日である事、そして大阪ダービーという舞台!!あまりにも、あまりにも出来すぎたゴールでガンバ先制!!!!!!!

 

 

得点直後にはルーカスの右CKをニアサイドで毎熊がフリック。ファーに為田が飛び込んであわやというシーンに至りましたが、この場面ではカタールでのU-23アジアカップでは不完全燃焼に終わった半田が見事なカバーでブロック。セレッソはこの後、36分には毎熊の負傷退場によりガンバユース所属選手としてガンバ大阪U-23J3リーグ出場経験を持つ奥田を緊急投入。

いずれにしてもセレッソが押し込む時間帯からしっかりとオーガナイズされた守備で押し返したガンバがリズムとリードを持って前半を終えます。

 

 

後半もボールポゼッション自体はセレッソの方が上回りながらも、オーガナイズされた守備を下敷きに前進していく形を採ったガンバが試合の主導権は握っていました。50分にはウェルトンが中に入れたグラウンダーのパスは通りませんでしたが、自ら回収したウェルトンが右に流れた宇佐美に預けてクロスを入れるとダワンが持ち味の跳躍力を活かして頭で合わせるも枠の上に。更に直後には自陣でボールを奪ったところから半田がロングスルーパスを送ると、右サイドをちぎったウェルトンが自らフィニッシュまで。これはキム・ジンヒョンに阻まれたものの、後半も良いリズムを保ったのは明確にガンバでした。

セレッソは右SBの毎熊に続いて左SBの登里も負傷。57分に負傷退場の登里に加えて為田と奥埜も下げ、上門知樹と柴山昌也とヴィトール・ブエノの3人を一気に投入。両SBの負傷後退により舩木を左SB、田中をCBにした上で上門をアンカーに配置する急造的な布陣に。ガンバがまだ交代枠を一枚も使っていない66分の時点で小菊昭雄監督は香川を下げて清武を投入して交代枠を全て使い切ります。

 

 

 

しかしこの頃になると、やはり毎熊と登里の存在は大きかったのか…セレッソはボール奪取から素早くカウンターを仕掛けようとしてもその芽をことごとく倉田に潰され、どうにかアタッキングサードまで辿り着いても前半はバリエーションのあったセレッソのサイドでのパスワークは徐々にワンパターン化。一方のガンバは中谷や両CBを余らせた上でSBとWGでボールホルダーを囲む守備を構築した上で、ボールを奪えばリンクマンとしてフォローに入った鈴木、或いは降りてきて巧みなポストプレーを見せた坂本から逆サイドをウェルトンが走る形でカウンターを仕掛け、前がかりになったセレッソの選手はその度にダッシュで戻らなければならない神経と体力を着実に削る攻撃を何度も繰り出していました。

圧巻だったのは68〜70分の場面でした。ガンバは自陣深くの左サイドでボールを奪うと、黒川のパスを降りてきた坂本が相手を3人引きつけてウェルトンへ。ウェルトンはそのまま一人で突破を試みてあわやカウンター成立…かと思いましたが、ここはセレッソ守備陣もウェルトンに対して良い対応を見せてカウンターは決めさせず。しかしカウンターが成立しなかったと見るや、フォローに入った宇佐美はややガンバ陣内での時間が続いていた事を考慮してか前線で時間を作る事を優先し、宇佐美がボールをキープしている間に最終ラインからしっかりと押し上げたガンバは、鈴木の圧倒的なセカンドボール回収とパス捌きを中心に黒川の突破からのクロスが相手に弾かれるまで約2分間に渡って右は左へバックラインへワントップへとボールを保持し、敵陣内で攻撃体制が継続する状態を形成。

 

 

その後、何度か決定機を掴んだのは1点を追うセレッソではなく追加点を狙うガンバでした。前述のシーンで得た左CKを宇佐美が入れると、福岡が競り合ったこぼれ球をファーサイドの倉田がファーストタッチで奥田を交わしてシュートを放ちますがシュートは惜しくもニアポスト直撃。73分にはカウンターの芽を倉田が摘んだところから鈴木の縦パスを受けた宇佐美のスルーパスに坂本がシュートまで持ち込むもGKジンヒョンがセーブ。

79分に倉田とダワンを下げて山下諒也と石毛秀樹を投入したガンバは84分にも左サイドで粘ったウェルトンから山下のシュート。これがまたしてもジンヒョンのスーパーセーブに阻まれると、85分には右サイドでのパスワークから相手に当たったリフレクションをマイボールにした宇佐美にも決定機が訪れますがシュートは枠の上。

 

 

 

追加点には至りませんでしたが攻撃の緩急を巧みに使い分けて試合を支配していたガンバ。セレッソは最終盤にはGKキム・ジンヒョンも参加しての攻撃を行おうとしましたが、ガンバ守備陣も高い集中力で跳ね返し、最後は途中出場の唐山と岸本がコーナーエリアでボールキープ。

2019年9月28日、ヤンマースタジアム長居で聞いた試合終了のホイッスルから、ダービーの後のスタジアムを包むのはいつも屈辱的なピンクの歌声と青の不協和音でした。祈る声、信じる気持ち……5年ぶりに聞く感情に濁りのないホイッスルの音、それと同時にスタジアムを包んだのは青の凱歌!

 

 

 

 

試合終了!1-0利!!!!!!!

 

 

 

……まずは、ね。まずは冷静に試合を総括するとしましょうか。

試合後にポヤトス監督が「もう少しボールを持ちたかったというのはあったが今日のチームは戦術的に完成された形だった」と語ったように、ボールポゼッションこそセレッソの方が上回ったゲームでありながら、試合としては前半の数十分意外はほぼガンバが支配できたゲームでしたし、ポヤトス監督が「戦術的に完成された形」とまで言えてしまうだけのゲームではあったなと。

まず前半に関しては、ちょっと立ち上がりはセレッソがコンパクトな陣形を高いライン設定でくんで押し込んできた事で自陣に閉じ込められてしまう展開にはなりましたが、今季のガンバはそういう時に中谷を中心にサイドでボールを持たれてもエリア内は死守する割り切ったスタンスの時間で機を待つ事ができる…そこで焦れなかった事が大きなポイントでした。その上で上述した19分の福岡のロングフィードから一気にライン設定を押し返してポジションをワイドに広げたところからボールの持たれ方も明らかに変わりましたし、ポヤトス監督が分析スタッフに感謝の意を述べ、前線の選手のコースを切った上で追い詰めてミスを誘うようなプレスの連動も素晴らしかったですが、それ以前にチームとして機をどういう場面と定義するか、その機に対してチームとしてどう連動していくのかの共有が素晴らしかった。宇佐美の先制点は最後のシュートは相手からしたら理不尽そのもののようなシュートでしたが、その前のセレッソのボールロストは単なるパスミスで片付けるには惜しいガンバの流れから発生したロストだと思いますし。

 

後半に関してはガンバは同じ戦術のベースの上で、前半よりも主体的にボールを持つ時間が増えたことからより試合を支配できるようになった、よりこちらからアクションしていくようなアプローチができるようになりました。後半は本当にガンバがゲームを支配できていたと思います。DFラインからのボールは鈴木が全部捌くなり坂本がポストプレーで前線とリンクさせる、そこからウェルトンが推進力を見せて一気にラインを押し返していく、その上で宇佐美や鈴木のところで時間を確保し、攻撃が頓挫したらしたでトランジションの場面を倉田がことごとく制しセカンドボールは鈴木が拾い倒す……その連鎖を成立できるほどチームとして全ての動きが連動していました。

加えて、それこそ話題になった68〜70分のような場面がわかりやすいですが……言ってもセレッソが無理矢理にでも前に出ようとしてきた場面も多く、そういう展開が続けばスクランブル的に大ピンチに至る可能性だってある。その中で前述の68分のシーンでは、ウェルトンによる単独カウンターが成立しなかった時点で宇佐美や無理やり攻め切るのではなく、ガンバが高いライン設定に戻すまでの時間をつくる方向にシフトしたんですね。宇佐美や鈴木は特に前線で時間を作って、カウンターゲームにならないようにする為の意識を感じるような場面が多かったです。つまるところ、前半の割り切った時間帯や機を見てチームのアプローチを一気にシフトする点だとか、後半の速攻と遅攻を状況に応じて使い分けるプレーなど、チームとしての緩急の付け方が素晴らしかったですし、そこに於ける状況判断のエラーが一つもなかった。それはチームとして共有する戦術のベースがあったからこそ「こういう時はこうだよね」と言った具合に良い意味で選択肢を絞りながらプレーできてからなのかなと。チームやベースに対する適切な判断を、ダービーという昂るシチュエーションでやり切った事は賞賛以外の言葉が見つかりません。

 

 

 

より精神的なところに関しては観戦日記の方に追々書こうかなとも思いますが、とにかく素晴らしかった。とにかく熱量がすごかったです。

 

 

特に倉田ですよね。開始早々のハードタックルや5分のスライディングでのブロック……あのプレーは完全にチームに、そしてスタジアムに対して「この戦いはなんたるか」「ダービーかくあるべし」みたいなものを、大阪ダービーは決して1/38の試合なんかじゃないスペシャルなものだというところを示した一発でしたから、それによってスタジアムのギアは間違いなく数段階上がった。あのプレーでスタジアムの空気を変えることは技術や能力だけでできる芸当ではない。そこで倉田が見せた気迫は、彼自身が自分の起用された意味をよく理解したプレーだったと思います。

倉田のそのプレーに限らず、選手全員が「自分の起用された意味」というところは各々がすごく心得ていた。鈴木にしてもそう、中谷にしてもそう、ウェルトンにしてもそう、途中から入ってきた山下にしてもそう……ダービーだからこそ、熱量とキャスティングの意味を冷静に解釈する事を両立させていました。ピッチ外のところでも、遠藤保仁コーチが飛ばしたゲキや監督も言及した分析スタッフの奮闘、そしてファン・サポーターが作り出したスタジアムの雰囲気がその土台としてありました。そしてなんと言っても宇佐美貴史ですよ……あれだけのバックグラウンドを持つ男が5年間勝てていないダービーで、満員のパナスタでリベンジを期すダービーが誕生日に組まれた。ましてやプライベートでも親交の深い三浦の長期離脱という出来事も起こった直後……あのゴール、この勝利はあまりにもダービーの呪縛を解くシナリオとして出来すぎていた。ピッチ外で完璧に編み上げた土台というスポンジの上に、選手達の役割と戦術を遂行する上質な生クリームがあった。そしてその上には、このクラブにはイチゴになれる日本全体でも数少ない"スペシャル"がいた。大袈裟でもなんでもなく、考え得る最高のダービーでした。お前たち最高だあああああああ!!!!!!!(by 遠藤保仁)

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2024明治安田J1リーグ第12節

東京ヴェルディ3-2ジュビロ磐田

ヴィッセル神戸3-2アルビレックス新潟

ガンバ大阪1-0セレッソ大阪

北海道コンサドーレ札幌1-2FC東京

京都サンガFC0-3FC町田ゼルビア

アビスパ福岡1-1川崎フロンターレ

サンフレッチェ広島2-3名古屋グランパス

柏レイソル1-2鹿島アントラーズ

湘南ベルマーレ2-1サガン鳥栖

浦和レッズ2-1横浜F・マリノス

 

1位 FC町田ゼルビア(25)

2位 ヴィッセル神戸(23)

3位 鹿島アントラーズ(22)

4位 FC東京(21)

5位 セレッソ大阪(20)

6位 サンフレッチェ広島(19)

7位 名古屋グランパス(19)

8位 ガンバ大阪(18)

9位 浦和レッズ(17)

10位 東京ヴェルディ(16)

11位 横浜F・マリノス(16)

12位 アビスパ福岡(16)

13位 ジュビロ磐田(14)

14位 柏レイソル(14)

15位 川崎フロンターレ(13)

16位 アルビレックス新潟(13)

17位 湘南ベルマーレ(10)

18位 京都サンガFC(9)

19位 サガン鳥栖(8)

20位 北海道コンサドーレ札幌(8)

 

唯一開幕11戦無敗をキープしていた広島でしたが、ホームで名古屋相手に2点ビハインドを追いつく粘りを見せながらも最後は名古屋に勝ち越されて2-3で敗北。広島の開幕からの無敗記録は11試合で途絶える事となり、これで今季のJ1から無敗チームは消えることとなりました。町田は敵地で京都に3-0で完勝して首位を、神戸はホームで新潟との撃ち合いを制して2位をキープ。初黒星を喫した広島と5年ぶりに大阪ダービーで敗れたC大阪がそれぞれ5位と6位に順位を落とした一方、3連勝の鹿島とFC東京がそれぞれ3位と4位に浮上しています。

下位では最下位の札幌はドローが続いていた札幌がFC東京に逆転負けを喫して最下位を抜け出せず、京都は昇格組の町田に完敗して再び降格圏に転落。そして降格圏同士の直接対決となった湘南と鳥栖の試合は湘南が鮮やかな逆転勝利で降格圏を脱出しました。

 

 

誰が如何言おうと"U R MY SPECIAL"

 

"WE R OSAKA"

 

ではでは(´∀`)