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煌めきセブン〜2024明治安田J1リーグ第1節(開幕戦) FC町田ゼルビア vs ガンバ大阪 マッチレビューと試合考察〜

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1番 東口そびえ立ち〜

2番 福岡盛り立てる〜

3番 半田よ(海外)行かないで〜

4番 春経て黒川へ〜

いいぞ がんばれ ガンバ大阪

燃〜え〜よガンバ大阪

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第1節(開幕戦)、FC町田ゼルビアvsガンバ大阪の一戦です!

 

 

 

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嘆息、屈辱、危機焦燥……ガンバ大阪というクラブはここ数年、酸いも酸いと酸いも酸いも散々味わってきました。失った名門としての新通力はこのチームを混迷に迷い込ませ、暗がりの空に包まれゆくホーム開幕戦はいつも、その健闘を讃えるような場所ではなくなっていた……。苦虫を噛み潰したような味をしがんで迎える年越しは、いつしか堕ちた名門の風物詩にさえなっていました。

 

 

しかしそれでも、去年の道のりは決して「絶望」では無かった。確かにレギュレーションに救われた点は大いにあるとしても、少なくとも去年はあまりにも重い苦しさの中に「一つのコンセプトでやり切った」という達成感はあった事でしょう。

ポヤトス監督の続投にベットし、16位だからこそやるべきでも普通の16位には出来ないような補強を実現させたフロントもその覚悟は強く持っているはずで、そして現場のスタッフや選手達はより強いそれを持っているはずです。屈辱で血塗られた過去を洗い流せるのかは歓喜に濡れる新たな血。「BE THE HEAT」がSNSでの罵詈雑言の炎上の方が近い意味を持ってしまっている今、今年こそガンバ大阪は、青と黒の戦士達はこの歴史に一つの区切りを打ってくれる事でしょう。

去年、このチームが最も底に触れた時、ポヤトスはこういう言葉をチームにかけました。

 

「(規模や歴史など) クラブとしてはビッグクラブかもしれない。しかし今、自分たちはそこにいない。だからこそ、自分たちが作り上げる」

 

未来は果てなく遠い。

それでも今歩こうとしている一秒先も一つの未来。

さぁ、ガンバ大阪の2024年が始まります!

両チームスタメンです。

 

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ガンバは2月10日に行われたプレシーズンマッチ広島戦と全く同じスタメン11人起用してきました。GKには横浜FMから復帰した一森純が入り、宇佐美貴史がベンチスタンドの為、キャプテンマークは名古屋から獲得した中谷進之介が担います。システムは4-1-2-3から4-2-3-1にシフトした事でボランチに鈴木徳真、トップ下に山田康太を起用し、ワントップには岡山から復帰した坂本一彩が入ります。ベンチメンバーも広島戦からの変更点は2人で、GKを張奥林から2種登録のステイマンJ草太郎へ、イッサム・ジェバリを唐山翔自にそれぞれ入れ替えています。

町田はスタメンの11人中、新加入選手が実に8人が名を連ねるメンバーになりました。特に2トップ、Wボランチ、2CBはそれぞれ新加入選手同士のコンビが配置されており、GKはガンバからのレンタルながら、両クラブの合意を得てガンバ戦に出場可能となった谷晃生が入っています。なお、昌子源は今日はメンバー外です。

 

 

 

本日の会場は東京都町田市、町田GIONスタジアムです。

 

 

今年からJ1初挑戦となる町田。町田の市制施行30周年を記念して計画・建設されたスタジアム。Jリーグファン的には「野津田」でお馴染みですね。かつてはFC東京の前身である東京ガスサッカー部が準本拠地として使用したり、横浜フリューゲルスの前身である全日空横浜サッカークラブが野津田を本拠地にJリーグ入りを検討したりしていた過去も。2013年と2021年の2度の改修を経て現在の形になっています。ラグビーでは横浜キヤノンイーグルスも一部試合で使用していますね。

2021年より「天空の城」と銘打ちそれに沿ったコンセプトでブランディングを行っているスタジアムは、サイバーエージェントらしい創意工夫を凝らした演出もあって一つの見どころ。一方、野津田はかねてより魔境スタジアムの一つとしても有名であっただけに、既に困惑を隠せないガンバサポの声もちらほら……。

 

 

開始早々から町田の奇襲を受ける格好に。ファーストプレーで左サイドを持ち運んだ町田は1分足らずの場面で仙頭が決定的なシュートを放ったところから試合は幕を開けます。

ガンバもボール保持時にはCBからビルドアップをしっかりと試みようとするものの、町田の激しいプレッシングとそこから即座にサイドを攻め込んでいくシンプルなスタイルを前にガンバはなかなかハーフェーラインをボールを持って超えていく事が出来ず、徹底したサイド攻撃を前に三浦や中谷もその対応に奔走する苦しい立ち上がりに。

 

 

 

17分、スルーパスに抜け出した左サイド突破を試みたナ・サンホに対し、またも高い位置とビルドアップの詰まりで中谷が早々に対処せざるを得ない形になると、ナ・サンホのクロスボールが中谷の手に当たったとしてハンド、そしてPK判定…。鈴木準弥のキックは一森が一度は逆を突かれながらもなんとか触れますが…ゴールイン。町田の記念すべきJ1初ゴールは鈴木のPKという事に。

 

 

ガンバは失点直後にロングボールから岸本が競り勝ち坂本が抜け出す良いチャンスを作りましたが、今日最初のチャンスはGK谷が好セーブ。しかしやはり試合としては前半は同じことを繰り返す形になり、ミドルゾーンに到達する前に潰しきり、かつそこから爆速でサイドを押し上げていく町田の戦い方を前にやろうとしている事をやれる状況がそもそも作れない状況が続いていました。

 

 

 

33分にも半田陸のスルーパスから坂本が反応する決定機こそありましたが、前半はほぼ100%に近いほど町田がやりたい試合展開に引き摺り込まれる形でビハインドで終了。

 

 

後半の最初のシュートチャンスこそ町田の鈴木準弥のミドルでしたが、ここを一森のセーブデータ防ぐと後半は少しずつガンバに流れが傾いてきました。54分にはアラーノのスルーパスに抜け出した岸本に決定的な場面が到来。ここは惜しくもシュートが枠を逸れますが、ガンバも直後に岸本、坂本、ダワンを下げて松田陸宇佐美貴史、ネタ・ラヴィの3人を一気に送り込みます。

その直後の60分に、仙頭の鈴木徳真に対するチャージが2枚目のイエローカードとなって退場。ここからは数的有利を手にしたガンバのワンサイドゲームと化していきました。ミドルゾーンにも入れなかった前半から、攻撃のスタート地点がミドルゾーンとなったところから高い位置でパスが回るようになり、特に前半はあまり使える機会のなかった左サイドを軸にしながら攻撃を展開できるようになっていきます。徐々に黒川圭介が攻撃的なプレーを見せられるようになれば、チームとしてのリズム感は自然と生まれ始めていきました。71分には更に半田陸を下げて唐山翔自も送り込み、いくつかカウンターのピンチはありながらもミドル程度で抑えながら同点ゴールに向かって果敢に迫っていきます。

 

 

 

82分、中央でボールを持ったネタラヴィの縦パスを受けて前を向いた山田が倒され、絶好の位置でFKを獲得。

 

ボールの前に立つは宇佐美。

その背中の数字は証。

振り抜く足から放つ軌跡。

鼓動刻む先は弧を描き!!!

 

 

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 

 

 

(なしてラップ調にしたし)

 

 

 

同点直後に倉田秋も投入し、アディショナルタイムに入る頃には完全に猛攻状態となったガンバ。同点になって以降はより顕著にガンバが一方的に攻める試合展開となりましたが、最後の最後は敵として立ちはだかった谷の好セーブ連続や相手の人海戦術のような守備態勢を前にあと一歩、あと一歩押し込みきれず試合終了。

2024年、ポヤトスガンバが挑む開幕戦は消化不良も躍動感もフラストレーションもカタルシスも全部詰め込んだようなドローゲームとなりました。

 

 

 

大前提として、昇格組だとかどうか以前に…町田のプレースタイルはガンバにとって最悪の相性の相手だったと思います。町田もそれをよく理解していたでしょうし。

町田はやはり守備の面に於いて、誰が言って誰が引くかのチャレンジ&カバーに加えて、出し手と受け手へのチャレンジ+カバー態勢をしっかりと組んで守備をしてくる。それと同時に、ロングボールを放り込むという事はその瞬間だけでもボールをガンバ陣地の深いところに送る事が出来るので、そういう状況になった時に一気にそういう守備形態でガンバ陣地に殴り込んでくる。そういう守備の連携、受け渡しの練度は見事だったと思います。結果的にガンバは4バックとボランチサイドハーフ、或いはCBとSB間を遮断される形になってしまった。特に半田と岸本の右サイドではそういう状況での焦りからか、或いはもう割り切って長いボールを入れる前提になったのかより前に行き急いで高い位置を取るようになり、そこを突かれたカウンター攻撃に早い段階から三浦や中谷がサイドでの守備対応をやるしかなくなる…。中谷がハンドでPKを取られた場面もそうですけど、パスコースを消された上でプレスに遭ったガンバは押し下げられていき、いつしか町田を前に自陣から脱出できなくなった……そういうスパイラルに陥っていました。

ただその中でも、今日は三浦と中谷のところで跳ね返せる場面は多かったですし、この2人は他の選手が戻る時間を稼ぐような守備もやってくれていた。「こういう状況になっている事が問題」という前提はあるにせよ、そこの耐久度のところはこの2人の守備者としてのクオリティを見せてくれるものだったなと。

 

 

 

対して後半は、今季のガンバはPSMの広島戦から半田を偽SBのように中に積極的にプレーさせる戦術にトライしていましたが、後半はポヤトス監督のコメントにもあったように、岸本やアラーノの両SHを中に入れながら半田や黒川の両SBには純粋にオーバーラップを狙わせる形にシフト。その上で前半のガンバを蝕んだスパイラルは、ハーフタイムという基点を挟んだ事で自動的に一度解かれる訳ですから、町田のロングボール攻勢とそこからのプレッシングにに押し下げられ続けてスパイラルに陥った前半に対し、一度展開がリセットされたタイミングで少々強引でも前にボールを出す、切るところは切る…の作業を続けた事で、前半のスパイラルに陥る要因だったスタートラインの低さを高いところに持って行けた。そこは後半の大きなポイントでした。

その上で特に左サイドではアラーノか宇佐美のどちらかが常にいる事で黒川が走り安い場面を、ある意味では寄る事で生み出していた側面があり、逆にそのクロスが弾かれても、ミドルゾーンのボール回収をネタ・ラヴィがしっかりと担った事で、今度はガンバが町田をこちらのスパイラルに巻き込む事が出来ていました。数的優位も手にしていましたし、あの流れとあの猛攻ならもう一点取っておきたかったところでしたが……終盤は町田も引き分けでOKの姿勢を明確にしていましたし、そこはもう谷頑張ったなというところで。

 

 

いずれにしても、地獄のような前半と上手く事が回った後半という2つの側面があったと思いますし、今季のガンバがやりたい事としてはPSM広島戦の方が出せていたという前提がありますし、まず前半がああいう展開になってしまった事は少なからず予想はしていたとはしても重大な反省ポイントです。

ただ同時に、今日は前半にああいう状態に追い込まれてからの後半の取り返しというところで評価できる部分はあったなと。前半の展開を踏まえた修正を施した上で修正と変更を勇気を持って実践する事、そして前半は完全に町田の試合ではありながらも、劣勢のイメージの割にはそこまで崩された印象もないんですよね。そこは三浦中谷の2CBを中心に、苦しい時間の中でも落ち着いて修正・話し合いができるタイミングまで耐える強さを見せる事が出来た。そこがポヤトス監督の「シン(中谷進之介)と(三浦)弦太らが彼らのやるべき仕事をしっかりとやってくれたことは良かったと思っています」という言葉にも表れているのでしょうし、そこは劣勢ゆえに見えた成長だったのかなと思います。

…なにより宇佐美ですよ。興奮しましたし、感動しました。あの時間、あの状況…背番号7を背負ってあのFKを叩き込むあの姿には間違いなく興奮と感動があって、ここまでつらつらと並べたような理屈や感想の全てがどうでもよくなった。そういう瞬間を味わえる事がサッカーの醍醐味であり、一つのチームの歴史を追い続けるカタルシスなんだなと。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

2024明治安田J1リーグ第1節

サンフレッチェ広島2-1浦和レッズ

名古屋グランパス0-3鹿島アントラーズ

ジュビロ磐田0-2ヴィッセル神戸

アビスパ福岡0-0北海道コンサドーレ札幌

サガン鳥栖1-2アルビレックス新潟

FC町田ゼルビア1-1ガンバ大阪

湘南ベルマーレ1-2川崎フロンターレ

セレッソ大阪2-2FC東京

柏レイソルvs京都サンガFC

東京ヴェルディvs横浜F・マリノス

 

 

ではでは(´∀`)