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2024年J1開幕戦の対戦カードの過去の名勝負を振り返ってみよう!【後編】

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さぁ、Jリーグ開幕です!!

30周年のアニバーサリーイヤーを経たJリーグは、アジアカップとパリ五輪の控える新たな31年目に突入します。

…まぁ、アジアカップはすごく、すごく残念な結果に終わった訳ですけれども。パリ五輪も控えるこの2024年、レギュレーションにも変更が加えられ、新たな歴史を彩るリーグ戦が始まれば、我々にとっても喜怒哀楽に揺さぶられ続ける日常の開幕という事でございます。

という訳で今回は、2024年のJ1リーグ開幕カードの、過去の印象的な名勝負を振り返ってみたいと思います!

 

 

 

そんな2024明治安田J1リーグの開幕カードは以下の通りです。

 

 

《2024明治安田J1リーグ第1節》

2月23日(金)

14:00 サンフレッチェ広島2-0浦和レッズ@エディオンピースウイング広島

18:00 名古屋グランパス0-3鹿島アントラーズ@豊田スタジアム

2月24日(土)

13:00 ジュビロ磐田0-2ヴィッセル神戸@ヤマハスタジアム

14:00 アビスパ福岡0-0北海道コンサドーレ札幌@ベスト電器スタジアム

14:00 サガン鳥栖1-2アルビレックス新潟@駅前不動産スタジアム

15:00 FC町田ゼルビア1-1ガンバ大阪@町田GIONスタジアム

15:00 湘南ベルマーレ1-2川崎フロンターレ@レモンガススタジアム平塚

15:00 セレッソ大阪2-2FC東京@ヨドコウ桜スタジアム

2月25日(日)

14:00 柏レイソルvs京都サンガFC@三協フロンテア柏スタジアム

14:00 東京ヴェルディvs横浜F・マリノス@国立競技場

 

 

 

Jリーグをもっと楽しめる(かもしれない)、2024Jリーグ開幕ガイド作りました!是非お使いくださいませ。

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

前編はこちら

 

町田vsG大阪 過去の名勝負】

第92回天皇杯全日本サッカー選手権大会4回戦

ガンバ大阪3-2FC町田ゼルビア

2012年12月15日13:03@万博記念競技場

G大阪得点者:倉田秋(38分),岩下敬輔(65分),遠藤保仁(80分)

町田得点者:北井佑季(27分),鈴木崇文(56分)

 

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初のJ1に挑む町田のJ1デビュー戦の相手はガンバ。今年が初のJ1になる町田と2013年以外は全てJ1にいたガンバだったが、歴史上一度だけ対戦した経験がある。それが2012年の天皇杯4回戦だった。当時はシーズン終了後に天皇杯の3〜4試合をまとめて開催する方式だったが、4回戦は皮肉にもJ2降格が決まったガンバとJFL降格が決まった町田の「降格ダービー」さながらの様相を呈する事になる。

試合は予想に反して町田が優勢に出る。2012年の監督を務めたアルディレス監督から、早くも来シーズンに向けて秋田豊監督体制を始動させていた町田は、その初陣となるこの試合で北井佑季のPKで先制すると、一度は倉田秋のゴールで同点に追いつかれながらも後半に鈴木崇文がゴラッソを決めて勝ち越す。しかし屈辱に塗れた2012年をこのまま終わらせる訳にはいかないガンバも65分にセットプレーから岩下敬輔のゴールで追いつくと、最後は2012年自体がJ2という未知の冒険の中にいた町田に遠藤保仁がトップオブトップを見せつけるような直接FKを仕留めて逆転。意地と地力を見せる格好となったガンバは、最後はこの大会のファイナルまで勝ち進んでいった。

今見返すと衝撃的すぎる庄司悦大のスキンヘッド…。

 

 

 

湘南vs川崎F 過去の名勝負】

2016明治安田生命J1リーグ1stステージ第2節

川崎フロンターレ4-4湘南ベルマーレ

2016年3月5日15:03@等々力陸上競技場

川崎F得点者:大久保嘉人(13分),小林悠(39分,45分),森本貴幸(90+1分)

湘南得点者:オウンゴール(20分),菊池大介(38分),パウリーニョ(41分),岡本拓也(77分)

 

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川崎黄金期前夜にして、風間フロンターレを象徴するような馬鹿試合。守備難を抱えながらも魅惑の攻撃サッカーで上位をキープし、選手も育ちつつあった川崎は「2016年は守備も強化して優勝」を目標に開幕を迎え、実際に開幕戦では前年度王者の広島を相手に敵地で1-0で勝利。2016年のホーム開幕戦で湘南を迎え、3年連続得点王となっていた大久保のゴールで幸先良く先制した。

しかし、レギュラーの半数近い選手が移籍した事でシーズンを不安視されていた湘南は一気にギアを入れ、20分にオウンゴールで追い付けば菊池のゴールで逆転。追いつかれても勝ち越し…まさかの前半だけで3-3。「川崎は今年は守備に力を入れ…」という実況の直後に点が入りまくった事は今でも覚えている。それでも後半は拮抗した展開になったが、77分のカウンターで最終ラインから爆走で駆け上がった岡本がプロ初ゴールを押し込んで3-4。川崎も土壇場で新加入の森本が決めて追いつき、開幕早々あまりにもハイカロリー過ぎる試合はドローに終わった。

ちなみに、後に長きに渡って川崎ゴールを守るチョン・ソンリョンの等々力デビュー戦でもある。

 

 

 

C大阪vsFC東京 過去の名勝負】

2005 Jリーグディビジョン1第34節

セレッソ大阪2-2FC東京

2005年12月3日14:04@長居スタジアム

C大阪得点者:西澤明訓(3分,48分)

FC東京得点者:鈴木規郎(20分),今野泰幸(89分)

 

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「勝者の裏には敗者がいる」という事はこの世の理だが、ある立場の者にとっては悲劇であり、ある立場の者にとってはまさしく奇跡だった。15戦無敗という脅威的な躍進で一気に優勝戦戦に躍り出たセレッソは第33節終了時点で長らく首位を走った同じ大阪のガンバを遂に引き摺り下ろし、優勝争いの主導権を手に最終節を迎えた。勝てば文句なし。2000年に同じシチュエーションで優勝を逃した事が、彼らにとって反骨心になったのか重荷となっていたのかはわからないが……とにかく初の戴冠には2000年のリベンジ、そしてガンバを追い抜いての優勝という3乗にもしたような重みがそこにはあった。

開始早々にエース西澤のゴールで先制したセレッソ。その後追い付かれ、更にゼ・カルロスがPKを失敗して不穏な空気に満員の長居が包まれたが、後半開始早々に再び西澤が決めた。最終節に5チームが絡む前代未聞の優勝争いも、セレッソが勝てば全てがセレッソのものになる……電光掲示板の時計が90:00を最後に消えた核、長居に響いたのは歓喜の咆哮ではなく慟哭と嘆息だった。

この時にセレッソの夢を打ち砕いた事でガンバの初優勝を間接的に演出した男が後にガンバのレジェンドとなった事、そしてセレッソの16戦無敗は、他でもないガンバに敗れた次の試合から始まった事は今思い返すとどこか皮肉めいている。

 

 

 

vs京都 過去の名勝負】

天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会3回戦

柏レイソル1-2京都サンガFC

2021年7月7日18:00@三協フロンテア柏スタジアム

柏得点者:戸嶋祥郎(12分)

京都得点者:中野克哉(40分),荒木大吾(89分)

 

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「13-1」という文字列を見れば普通の人は「12」と答えるが、今や拗らせた人種は「オルンガ」と答えてしまうらしい。それだけこの数字の羅列は強烈であり、多くのサンガファンはこの記憶に蓋をするか、或いはもうネタにして慰める事でしか消化できなくなっていた。だが、日立台での悪夢に一つのケリをつけるチャンスは思っていたよりも早く訪れる。

天皇杯3回戦、昇格争いの真っ只中にいたサンガはターンオーバーメンバーを採用し、柏は完全ターンオーバーというよりは1.5軍くらいのメンバーを編成。オルンガは既に去っていたが、あの試合で「世界一地味なハットトリック」を仕留めたクリスティアーノは先発していた。天皇杯の勝ち上がりという以上に、サンガにとっては「憎しみとトラウマを超える舞台」としての趣が強かったこの試合は前半を1-1で終え、一進一退の末に終盤戦へ。アディショナルタイム直前、サンガは相手のゴールキックから始まるルーズボールの応酬を制すると、最後はドリブルで切り込んだ荒木が豪快に叩き込んで逆転!あの夜、確かにサンガを己を蝕む呪縛から解かれたような気がした。同年に12年ぶりとなるJ1復帰を果たしたサンガだが、あの13-1以降、この天皇杯を含めて日立台では未だに敗れていない。

 

 

 

東京Vvs横浜FM 過去の名勝負】

1993 JリーグNICOSシリーズ第11節

ヴェルディ川崎1-0横浜マリノス

1993年11月10日19:04@国立霞ヶ丘競技場

V川崎得点者:武田修宏(91分)

 

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この開幕戦は「1993.5.15」を念頭に置いた開幕戦であり、それにちなんだエピソードや昔話は多くの人が語るので、あえて今回は別の…同じ年の2週目の国立、ヴェルディvsマリノスを。

この試合を取り巻く大きなトピックの一つはアメリカW杯アジア最終予選が終わってから2試合目、即ちドーハの悲劇の直後の試合だったという事。そして5月15日の開幕カードに選ばれたようにヴェルディvsマリノスは読売vs日産時代から黄金カードとなっていた訳だが、その位置付けとは裏腹に、ヴェルディは読売時代の1987年から19試合未勝利という異常な相性の悪さに悩まされており、その惨状はサッカー漫画『シュート!』に於いて「なぜヴェルディがマリノスに勝てないかわかるか?」というセリフが試合の鍵を握るシーンとして扱われるほどだった。

両チーム合わせてドーハ組が8人名を連ねた一戦は、攻撃を売りにしたヴェルディと守りを武器にしたマリノスの構図らしく、ヴェルディの猛攻をマリノスが凌ぎながらチャンスを伺う展開に。しかし0-0で突入した延長線の開始早々、味方のボール奪取から中央突破を試みた武田修宏が一度ビスマルクに出すと、ビスマルクのリターンをワンタッチで流し込んでVゴール勝ち。この日の武田Vゴールはまさしく、長年付き纏った呪縛のような時代からヴェルディを解放する決勝ゴールとなった。

 

 

 

前編こちら

 

 

ではでは(´∀`)