RK-3はきだめスタジオブログ

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築地スタジアム爆誕!!その夢とサッカー界での使用を考える②サッカー界の使用は難しい…?巨人移転計画との関連

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前回の続きです。

 

 

前回はスタジアムがどんなもんになるじゃろなというところで妄想と現実問題を併せて書いて行きましたが、今回はこの築地にできるというマルチスタジアム構想がサッカー界にどう影響を及ぼすか、サッカー界がどこまでここに絡めるのか…という話です。

話というか、予想ですね。果たしてJクラブのホームスタジアムとして使えるのかどうか…というところの。

 

 

 

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超強化版札幌ドーム?夢と妄想膨らむマルチスタジアム

サッカー界の使用は難しい…?巨人移転計画との関連

③サッカー界は築地スタジアムにどこまで食い込める?そしてJFAと三井・トヨタ・読売の接近…?

 

 

 

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東京都内に大型サッカースタジアムを求める声がサッカー界、或いはサッカー界隈で大きくなってから長い年月が経ちました。

ただ、東京という場所はただでさえ広くない面積を多すぎる計画で奪い合うような街ゆえ、グラウンド程度の広さのサッカー場ならともかく代表戦を開催するクラスの球技専用スタジアムを建設することのハードルは尋常じゃなく高い。実際、近年は球技専用スタジアム開場ラッシュになっているとはいえ、それは2016年のパナソニックスタジアム吹田に始まり、今年のエディオンピースウィング広島や長崎スタジアムシティに至るまでほぼ西日本で、首都圏でJリーグ規格を満たす球技場はいくつかありますが、首都圏で2万人以上を収容できる球技場すら埼玉スタジアム2002しかないんですね。

…もっとも、パリ北郊に位置するサンドニスタッド・ド・フランスがほぼパリのスタジアムとして扱われているような感覚で、海外からすれば埼玉スタジアムも東京郊外扱いというか「TOKYO」表記にされている事も少なくなかったりはするんですが(具体例)、やっぱりちゃんと東京都内に、そして23区内に代表戦を開催できる規模のサッカースタジアムが欲しい!というのは多くのサッカー関係者、そしてファンの悲願でしょう。実際、この「旧築地市場跡地」という再開発区域が誕生した際もサッカーファンの間でスタジアム建設を求める声がありましたし、築地ではないですが一時は渋谷スクランブルスタジアム構想なんてものもありました(どこ行ったんだあの計画)。

 

 

 

そういう背景もあって、今回の築地跡地の活用方法が多機能スタジアムの建設に決まり、そしてその使用想定の中にサッカーが含まれていた事から、サッカーファンの中ではFC東京東京ヴェルディ、或いはFC町田ゼルビアのホームスタジアムになるのではないか…という希望も一部では沸き起こりました。

ただ……実際問題として、上で挙げた3クラブを始めとしたJクラブが使用すること自体は十分可能でしょうが、どこかのJクラブがここを本拠地として使用する可能性は現状かなり低いでしょう。結論から言えば、既に多くの人が語っていたり多くの媒体からそれに関する報道にも出ているように、この新スタジアムのメインは読売ジャイアンツ(巨人)の新スタジアムであり、Jクラブがホームスタジアムとして参入できる可能性があるとすれば何かしらの理由で三井不動産と巨人サイド(読売グループ)が決裂した場合のみ…と考えるのが自然です。スタジアムの利用想定にはサッカーも含まれており、球技場としても使用できる設計にする以上はサッカー開催自体はコンスタントに行っていくと思いますが、少なくともサッカーが主だったスタジアムになるとは正直考えにくいな…と。

 

 

 

築地に予定されている新スタジアムは三井不動産を代表企業としていますが、三井と共に事業会社として名を連ね、いわば三井に次ぐ立場としてこのプロジェクトに参画しているのがトヨタ不動産株式会社、そして株式会社読売新聞グループ本社となっています。

読売グループとスポーツといえば、言うまでもなくプロ野球読売ジャイアンツ。即ち巨人ですね。そして巨人の本拠地といえば東京都文京区の東京ドームです。

 

 

 

巨人の本拠地や社会人野球、WBCが開催される年なら日本ラウンドの会場になるなど野球はもちろん、多くの国内アーティストにとって「東京ドームでライブをする事」は芸能活動最大のハイライトとも言える訳ですから、東京ドームは今なお様々な面でフル稼働をしているまさしく日本のエンターテイメントの中心地としての存在感を放ち続けています。「東京ドーム○個分」みたいなフレーズがカジュアルに使われるくらいですから。

ただ、東京ドームが開場したのは1988年。当初から耐用年数は約30年とも言われていた会場は気がつけば築34年となりました。2020年から2023年にかけて100億円規模の改修を行ったとはいえ、これはビジョンの刷新やトイレ増築、空調設備の強化など観戦環境向上の為の改修だったので、各メディアが報じているように施設基盤自体は老朽化が進んでいる…という現実があります。ましてや巨人にとっての東京ドームは実は自前の球場ではなく、プロ野球12球団の中で本拠地球場が「親会社が所有している」「球団か親会社が指定管理者となっている」のどちらにも当てはまらないのは巨人とヤクルト(明治神宮野球場)だけ。巨人が球団創設100周年となる2034年前後を目処に自前の本拠地を稼働させたがっているのは誰もが察するところでした。

実際、旧築地市場跡地の再開発事業をどこが担うという議論が叫ばれ始めた時点で既に巨人の築地移転は可能性の一つとして囁かれていましたし、一時は築地移転案は流れたようにも思われましたが、三井不動産と読売グループが手を組む形で築地のスタジアム事業に乗り込んできた…と。そもそも三井不動産は2020年に株式会社東京ドームを買収して完全子会社化しており、三井と読売はここ5〜10年くらいで一気に距離が近くなっていました。読売グループというか巨人がそういう事情を持っている事と今回の事業会社に読売グループが名を連ねている以上は、現実的に考えて築地の新スタジアムはあくまで野球場、巨人のホームスタジアムをメインにした上で、巨人戦の行われない週にサッカーなどの球技場モードやコンサート開催が実施される…東京ドームの使用形態に野球以外のスポーツが組み込まれるようになると考えた方が自然かもしれません。なので例えば札幌ドームは一応形式上は野球とサッカーが同列としての運用でしたが、築地のマルチスタジアムはあくまで巨人の本拠地としての野球場を主とした上で多目的利用になるだろうなあと。

サッカーの名古屋グランパスの親会社でもあるトヨタ自動車のグループ会社であるトヨタ不動産も事業会社として名を連ねてはいますが、トヨタ不動産は三井との蜜月関係もあっての参画というニュアンスの方が強いと考えられますし、そもそも年に1〜2試合の開催であればともかくグランパスがここをホームとする事も考えにくい。トヨタ不動産はスタジアムというよりは純粋な不動産投資、或いはスタジアム周囲の再開発事業がメインと考えるべきでしょう。

 

【③サッカー界は築地スタジアムにどこまで食い込める?そしてJFAと三井・トヨタ・読売の接近…?つづく

 

 

ではでは(´∀`)