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2種類の駆け引き〜UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦 パリ・サンジェルマン vs FCバルセロナ マッチレビューと試合考察〜

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スワイプした流れで知らない人のツイート知らないうちにブックマークしてる現象

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは23-24 UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦 パリ・サンジェルマン vs FCバルセロナの一戦です。

 

 

 

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チャンピオンズリーグのベスト8、毎年1〜2チームくらいはサプライズ枠があったりはしますが、基本的にここに辿り着くチームはどっからどう見ても「選ばれた者達」です。それ即ち、ここからは規模の大きなクラブであればあるほど、むしろ因縁のカードを引く確率の方が高くなるというもので。このPSGとバルサというカードもその一つでしょう。

フラストレーションはお互い様とでも言うべきでしょうか。メッシが退団し、ネイマールが退団し、そしてこれからムバッペが退団…彼らの目指した新時代のギャラクティコスは今、少なくとも上層部が最初に望んだルートからは逸れた場所に行きつつあるのかもしれません。しかしルイス・エンリケ監督の下、数年前と比べてスター集団の趣は薄くなったとは言えども確かな実力者を集めてリーグは独走。2位とはいえ、今季最大の死の組を突破した彼らはラウンド16でもダークホース、レアル・ソシエダに完勝してここまで来ました。

対するバルサは昨今、運営も現場も長い混乱の中にいます。メッシ退団…クラブが悲嘆に暮れたあの年、途中から監督に就任した男はクレがその瞬間をずっと待ちわびていたシャビ・エルナンデス。しかし……個人的にバルサを取り巻く環境の中ではよくやったと思いますが、それでも消化不良な日々を過ごしながらラリーガの連覇は厳しい状況になり、シャビは今季限りでクラブを去る事を発表しました。シャビは最後に最大の置き土産を残せるかどうか。目の前に立ちはだかるのはバルサの、そしてスペイン代表の先輩にして、かつてバルサの監督と選手として共に三冠を成し遂げ、試合前会見では「私の方がバルサスタイルをより表現している」と言ってのけたルイス・エンリケ。邂逅としか言いようがないこのストーリーを前に、両チームが提示する結果という答えは何を指すのでしょうか。

両チームスタメンです。

 

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本日の会場はフランス、パリのパルク・デ・プランスです。

 

 

開場は19世紀。最初は自転車競技場としてオープンし、その後は球技場への大改修など定期的に改修を行ってきたパリの象徴たるスタジアムの一つです。スタッド・ド・フランスが1998年に開場するまでの間はサッカーとラグビーのフランス代表がここをメイン会場にしていました。

1938年のFIFAワールドカップに始まり、だんじょのサッカーとラグビーW杯、EUROなどがフランスで開催される際には欠かさず会場リストに名を連ねていましたが、これまではより多くの観客を収容できるスタッド・ド・フランスの存在もあって、そのような国際大会では長らくパリの第2会場扱いでした。しかし2024年のパリ五輪ではスタッド・ド・フランスでは陸上競技が主に開催される事に伴い、サッカー競技では遂に決勝戦の舞台になる予定となっています。

 

 

昨日行われた準々決勝では序盤から派手な試合展開となりましたが、このカードは対照的に慎重なスタートを両チームとも切りました。

基本的にはパリが自陣からゆっくりとビルドアップで繋ぎながら前進を図り、大きく張ったサイドに振ったところから個の突破力を用いてスピードアップしていく形でリズムを伺い、対するバルサはパリを前にボール保持の主導権を握り返すタイミングを伺いながらも、一方で長いボールも用いて背後を狙うシンプルな姿勢も見せていました。

 

 

 

ボールポゼッションはパリの方が優位に立っていましたが、基本的には3トップで攻めてくるパリに対してバルサの4バックがゾーンディフェンスで対応しつつ、中盤も要所要所でフォローに入ることで常に守備の数的優位を確保。その中でパリはライン間のギャップを上手く狙いたいところでしたが、前半はそれがスムーズに行く展開にはなかなかなりませんでした。

バルサは20分にセットプレーなチャンスを掴むとレヴァンドフスキが決定機。しかしレヴァンドフスキのヘッドはギリギリでヌーノ・メンデスが掻き出し、こぼれたところに走り込んだヤマルのシュートもサイドネット。

 

 

 

そんな中で先制したのはバルサでした。

どちらかと言えばロングレンジな攻撃がここまで多かったバルサはここまでの決定機はセットプレー絡みの2つでしたが37分、自陣からの縦パスを受けたレヴァンドフスキはピッチのちょうど真ん中で相手DFを独力で剥がして領域展開。そのまま右サイドにスルーパスを送り、右サイドを走ったヤマルの入れたクロスは飛び出してきたGKドンナルンマが弾いたものの、こぼれ球をファーサイドラフィーニャが冷静に流し込んでバルサ先制!

 

 

比較的にスローペースながらも醸し出される緊張感と、パリとバルサの目論見と狙いが垣間見える中で展開された駆け引きはバルサがロングレンジ気味の攻撃を仕留め切って1点リードで後半へ。

 

 

後半は開始早々からパリが牙を剥きます。

後半からアセンシオを下げてバルコラを送り込んだパリは48分、ペナの左角でボールを持ったデンベレの大外を回ったムバッペの折り返しは一度はバルサ守備陣も弾いたものの、こぼれ球を回収したデンベレが巧みなステップワークから左足を振り抜いてパリ同点!!ムバッペの大外を取るような動きで距離感のズレたバルサの守備隊系を崩し、かつデンベレが古巣相手に強烈な一打を振り翳して1-1!

さらにそこからトイレにも行かせないほどの速さで51分。一度崩れたバルサの守備を建て直す間も無く、右サイドでボールを持ったイ・ガンインのからさっきのデンベレのシーンとちょうど真逆くらいの位置でファビアン・ルイスがパスを受けると、さっきはムバッペが大外を回りましたが…今度はヴィティーニャがポケットを上がる動き出しから決定機を仕留め切って電光石火の逆転劇!!

 

 

電光石火の逆転劇に沸き上がるパルク・デ・プランス。しかしバルサも粘ります。61分にバルサはヤマルとセルジ・ロベルトを下げてペドリとジョアン・フェリックスを投入。まさしくその直後でした。62分、ドンナルンマのフィードをパリ陣内でカンセロがカットするとペドリにパス。ペドリの浮き玉スルーパスに抜け出したラフィーニャがダイレクトボレー!!ペドリのパス、ラフィーニャの一撃…まさしく世界最高峰の舞台に相応しいパスとシュートで試合はまたしても振り出しに。

なんとかホームでリードを奪っておきたいパリは70分には右サイドで細かくパスを繋いだところからヴィティーニャが一気にスルーパス。これに飛び出したバルコラが決定期を迎えますが、ギリギリのところでアラウホがカバーに入ってバルサも失点を回避します。パリは立て続けに75分、ヴィティーニャのスルーパスに抜け出したデンベレがコントロールショットを放つも…シュートは無情にも右ポスト直撃。

 

 

 

目まぐるしく動く試合展開。バルサは後半から前半のような安定感が無くなりつつあった守備のテコ入れを図るべく、75分にラフィーニャとフェラン・トーレスを交代したタイミングでデ・ヨングを下げてクリステンセンを投入。

まさにその直後でした。77分、左サイドからギュンドアンが蹴り込んだCKはゴール前の中央一番記念なゾーンへ。一瞬フリーになったクリステンセンがこの機を見逃さずにヘッドを叩き込んでバルサが再逆転!!投入直後のペドリのアシストといい、このクリステンセンといい、今日のシャビは何か持ってる…?

 

 

なんとかせめてドローにはしておきたいパリでしたが、そもそもバルサのクリステンセン投入はバルサにとって守備の修正の意味合いが強かったこともあって、結果としては投入自体が一石二鳥のような形に。

その後は押し出ようとするパリに対してバルサがセーフティーな守備を取り戻したかのようにプレーして試合終了。逆転に逆転を重ねた1stレグはバルサが取りました!

 

 

 

前半はお互いにお互いの元々の狙いをベースに慎重にプレーしつつ隙を伺い、後半は「バルサがリード」という状態から始まった状況の変化にどう対応するか…という、前半と後半で異なる駆け引きを楽しめたゲームでしたね。

前半に関してはパリはポゼッションを徹底しつつ、攻撃は前進しながらも3トップで完結させようとしている部分がありました。バルサからすれば飛び出してくるかもしれない中盤の選手の存在は気になりつつも、基本的には3トップに対する4バックのゾーンディフェンスが起用していたおかげで守りにくい展開ではなかったと思います。ムバッペの爆発的なスピードが活きるような場面もそんなになかったですし。

それが後半に入ると、パリはヴィティーニャ、ルイス、イ・ガンインの中盤3枚が大外に開いてWGを内側でプレーさせたり、或いはWGが開いたポケットに中盤から入ってするようになった。パリの2点目なんかがわかりやすい事例で、そういう動きによって結構バルサの前半は保たれていた統率がぐちゃぐちゃになってしまった部分はあったと思います。ただ、中盤が前半はポジションを維持し、後半は果敢に動いた事でパリもパリで選手の距離感がややこしくなってきた。例えばバルサの同点弾は最終的にはラフィーニャとペドリの超人技だった訳ですけど、その前よりドンナルンマのフィードがカンセロにカットされた場面はパリも後半のスタンスの変化で出し手も受け手も距離感にズレが出ていたように見えたんですね。バルサのクリステンセン投入はそのズレの修正が主たる目的だったでしょうし。最後はそれをバルサが差し切った形になりましたが、前半のベースがあった上での後半の対応に次ぐ対応の重ね合いでしたので、そのスピード感の違いも含めて見応えのあるゲームでしたね。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

23-24 UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦

アーセナル2-2バイエルン・ミュンヘン

レアル・マドリード3-3マンチェスター・シティ

アトレティコ・マドリード2-1ボルシア・ドルトムント

パリ・サンジェルマン2-3FCバルセロナ

 

 

重ね合わせ〜愛に生きる〜うぉううぉう

ではでは(´∀`)