くんさんって言うと一瞬アグエロにも聞こえる
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューはスペイン、ラ・リーガ第2節、レアル・ソシエダvsFCバルセロナの一戦です。
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日本サッカー史に於いて稀に見る数奇な運命を辿った久保建英のキャリアには、常に「バルサ」というキーワードがついていました。マジョルカやヘタフェ、そしてビジャレアル…これらのクラブで、世界からも評価されるそのポテンシャルを完全に発揮したとは言い難い季節が続いていた日本の誇る天才にとって、おそらく今日は最も良い状態で臨める古巣対決と言ってもいいでしょう。近年の成長が著しく、そろそろ来年こそはCLに…と言われてからそこそこな時間が経過したソシエダにとっても、このタイミングでのバルサへの挑戦は、今季を占う一つの試金石となってくるはずです。
対するバルサは、ある意味では今シーズン全体がギャンブル性を孕んでいる状況です。充実した補強と、その裏のカラクリ……現時点でのその事に対する賛否はともかく、確かなのはバルサは「絶対に勝たなくてはならなくなった」という事。開幕戦では躓いたシャビ・バルサ。カンテラの最高傑作かつ、スペイン史上最高の選手が初めてフルシーズンを率いる中で、これ以上の出遅れは許されません。追う者と追われる者、追われる者はまた追う者……ラリーガ開幕早々、いきなりの注目カードとなりました!
両チームスタメンです。
本日の会場はスペイン、サン・セバスティアンに位置するレアレ・アレナです。
命名権の兼ね合いで「レアレ・アレナ」となっていますが、リーガファンにとっては「エスタディオ・アノエタ」でお馴染みのスタジアム。今季は他でもないバルサがスタジアム名を「スポティファイ・カンプノウ」とした事が話題になっていますが、スペインは意外にもネーミングライツを導入しているスタジアムは少なく、この2つ以外だとパッと思い浮かぶのはアトレティコ・マドリードの「ワンダ・メトロポリターノ」くらいでしょうか。
なお、このスタジアムは元々陸上トラックを併設した陸上競技場でしたが、改修工事を経て19-20シーズンからはトラックを撤廃したサッカースタジアムとして再オープン。近年のチームの躍進と共に、より熱狂的な観戦体験の向上も目指しています。
試合は想定外の速さで動きます。バルサはキックオフからバックラインでボールを回すも、ソシエダのハイプレスに奪われていきなりピンチに。しかしソシエダがもたついたところで再びマイボールにすると、ボールを受けたペドリが密集地帯から見事なスルーパスで展開し、左サイドを爆走したアレハンドロ・バルデのシュート性のクロスにロベルト・レヴァンドフスキが合わせてバルサ先制!レヴァンドフスキにとってバルサでの公式戦初ゴールは自身のバースデーゴールに。
しかしその直後の5分、めげずにハイプレスを仕掛けるソシエダはバックラインでボールを持ったフレンキー・デ・ヨングに対して久保とダビド・シルバが猛プレス。ボールを拾ったシルバが右に展開し、走り込んだアレクサンデル・イサクのシュートはカバーに入ったエリック・ガルシアに当たりながらもゴールに吸い込まれてソシエダがすぐさま同点に追いつきます。
基本的にはバルサが常にボールを保持してパスを繋ぎ、試合の主導権を握ってはいたものの、ソシエダはボールの取りどころで確実に取り切り、そこからカウンターを確実に成立させる事でチャンスの数はバルサよりも作り出していました。
27分にはイサクが右サイドを駆け上がり、それに呼応して中盤から猛然と上がってきたミゲル・メリノへとスルーパス。メリノのシュートがGKテア・シュテーゲンに阻まれたところに久保が走り込みますが、これは枠を捉えきれず。前半終了間際にもアリツ・エルストンドの折り返しにシルバが狙い澄ましたシュートを放ちましたが…今度はGKテア・シュテーゲンのビッグセーブ。前半は1-1で終えます。
53分、ソシエダは右サイドでFKを獲得すると、数回のキックフェイントの末にブライス・メンデスのクロス性のフリーキックがそのままゴールに吸い込まれて逆転……かと思われましたが、このボールにアタックに行こうとしたロビン・ル・ノルマンのプレーがオフサイドと判定されてノーゴール。その直後の55分にはバルサも、スローインのミスを突いたガビが決定機を迎えますが、ソシエダ守備陣の必死のカバーでシュートまでは持ち込めず。
すると64分にシャビ監督が動きます。フェラン・トーレスとバルデを下げ、ラフィーニャと久保の盟友アンス・ファティを投入。直後の66分、右からのパスを受けたファティがDFを背負いながらインパクトのあるヒールパスで左へ。これに走り込んだウスマン・デンベレがGKとの駆け引きを冷静に制してバルサが勝ち越しゴール!
こうなってくるとバルサは止まらず、69分にはラフィーニャの左からのクロスは一度跳ね返されたものの、こぼれ球をファティがペドリに落とし、ペドリのリターンを繋いだファティからのパスにレヴァンドフスキが反応して3-1!選手交代からまさしく一瞬の出来事のようにスコアは2点差に。
3失点目の直後、ソシエダは久保、シルバ、イサクを下げて前線を総替え。バルサは79分にも前線でボールを収めたレヴァンドフスキが右に展開し、ラフィーニャのリターンをレヴァンドフスキがヒールパス。パス自体はDFに当たりましたが、それにもしっかり反応したファティが冷静に右隅に流し込んで4点目。
その後は危なげなく試合を進めたバルサ。終わってみれば4-1の大勝で今季初勝利を飾りました。
前半……いや、60分くらいまではソシエダのゲームだったと思います。ソシエダのゲームというか、ソシエダの方がゲームプランの中の良い方の想定ルートを辿れていて、実際にバルサよりも勝ち筋の道は濃かったというか。前半の久保かシルバの決定機が決まっていれば、結末は大きく違ったものになったでしょうし。
ただ、だからこそバルサが64分に3枚替えを敢行した事が功を奏した部分はあります。1枚ずつではなく3枚を入れ替えた事で、バルサはチームとしての大きな緩急を付け、チームとして切り返してみせた。そしてソシエダはそれに振り切られて置き去りになるような形になってしまったと。あそこで豪快にゲームチェンジができたのはバルサだからこそでしょう。加えて、ファティやラフィーニャ、デンベレといったアタッカーがレヴァンドフスキを軸に伸び伸びと動く姿はなかなか夢もありましたしね。見どころはいろいろあった試合でした。
すぽてぃふぁーい
ではでは(´∀`)