29時のトラップに引っかかりかけました。
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは23-24 UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦 アーセナル vs バイエルン・ミュンヘンの一戦です。
昨年夏のマンチェスター・シティ&バイエルン・ミュンヘン観戦日記
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これまでの10年、ここ数年…その歩みを見た時、この2クラブが置かれた立ち位置は対極と表現するのが適切なのかもしれません。
毎年のように主力を抜かれたことも影響したアーセナルは、アーセン・ベンゲル体制の後半は争いの立場はCL圏内となり、いつしかそれすらも叶わなくなっていた。「いつもCLベスト16で負ける」という煽りすらできない状況まで堕ち、マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルは長期政権終焉からの凋落とプレミア勢力図の変遷を象徴する存在とすらなった時期すらありました。しかしそこから、それこそかつての時代を思わせるような若手の台頭とミケル・アルテタ監督を中心とした復活劇は遂に、2つの強豪がその場所に陣取り続けたプレミアリーグを再び割ってみせ、そして欧州の舞台でもメインステージに戻ってきた。今、このシチュエーションに辿り着いた事自体に興奮を覚えることは自然な流れでしょう。
対するバイエルンは文字通りの帝国をドイツで築き上げ、自国リーグは独壇場…ブンデスリーガの他クラブで活躍したクラブをバイエルンは求め、そして彼らもまたバイエルンを求めた。それを繰り返して強大化していったチームは、これまでは「やや影の薄いビッグクラブ」だったバイエルンをプレミア王者やスペインの2強と肩を並べる位置まで引き上げました。しかしドイツ代表の低迷と共に少しずつ始まった地盤低下…昨季こそドルトムントが土壇場で転んだことで連覇を守りましたが、今年は絶望的。今はユベントスが辿る苦難を辿る可能性は当然バイエルンにもある訳です。だからこそ、残された最大の舞台で彼らは頂点に立つ事で踏み止まらなければならない…と。
古豪というありがたくない称号を拭い去ろうとするアーセナルと、そこには堕ちるまいともがくバイエルン。その交点が遂に訪れました。この交代を超えた先に、両チームの曲線はどこへ向かうのか。楽しみな一戦です。
両チームスタメンです。
本日の会場はイングランド、ロンドンのアーセナル・スタジアムです。
The stars are out tonight 🌟 pic.twitter.com/rrbzk8okUF
— Arsenal (@Arsenal) 2024年4月9日
今日はUEFA主催のゲームゆえクリーン・スタジアム規定が適用されるので正式名称で運用されますが、もはやここに関しては正式名称よりもネーミングライツの入った「エミレーツ・スタジアム」と称した方が伝わりやすいでしょう。 06-07シーズンより稼働を始めたこのスタジアムは07-08シーズンからは3年連続で準々決勝を戦いましたがそれ以降はベスト16敗退の時代が続いたので、このスタジアムでチャンピオンズリーグのベスト8を戦うのは4回目となります。なお今シーズンの決勝はロンドンですが、このスタジアムではなくウェンブリー・スタジアムです。
2023年1月には外壁アートを大幅にリニューアル。クラブの過去と現在と未来の熱を映し出すような壮大なデザインとなりました。
立ち上がりは明確にアーセナルが主導権を握っていました。
11分、最終ラインから組み立てたアーセナルはウーデゴーアが右サイドに張ったサカに縦パス。インを取りに行ったサカは一度は相手に引っ掛かるも、ハヴァーツのフォローとベン・ホワイトのフォローを経てリターンを受けたサカが自ら決め切ってゴール!!アーセナル先制!!
[速報] アーセナルが先制!!
— アベマサッカー (@ABEMA_soccer) 2024年4月9日
🏆 #UEFAチャンピオンズリーグ#アーセナル × #バイエルン [ベスト8]
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右サイドでの仕掛けからフィニッシュは
#サカ の完璧なコントロールシュート
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先制直後にもウーデゴーアを中心に機動力のある攻撃を仕掛けるアーセナルは得点直後の16分にもウーデゴーアのパスを起点に攻め上がったホワイトがシュート。ここはノイアーが防ぎましたが、試合は完全にアーセナルペースで進んでいました。
これはワンサイドゲームにもなるやも…そんな展開ですらあったものの、バイエルンもすぐさま意地を見せます。18分、バイエルンは自陣からロングボールを飛ばすと、これを処理したアーセナル守備陣のビルドアップをプレスでパスミスを誘発してザネが回収。斜めに入れた縦パスをゴレツカが更に斜めにスルーパスを送り、最後はニャブリがフィニッシュ!ニャブリにとっては古巣対決での同点弾に。バイエルンはファーストシュートで同点に。
[速報] バイエルンの流れるような攻撃
— アベマサッカー (@ABEMA_soccer) 2024年4月9日
🏆 #UEFAチャンピオンズリーグ #UCL#アーセナル × #バイエルン [ベスト8]
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相手の連携ミスから高い位置でボールを
奪うとラストは #ニャブリ が流し込む
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序盤はアーセナルが完璧な立ち上がりを見せながらも、スコアがイーブンになってからは両チームともサイドから外回りで侵入していくかのようにお互いに攻撃機会を掴んでいきました。
序盤にリズムを得たように、ウーデゴーアを中心にしながら最終ラインからのビルドアップで丁寧に繋ぐ、或いは前線のハヴァーツに当てて、ハヴァーツが時間を作ったところから押し上げていくアーセナルに対し、バイエルンはサイドに振り、そこからザネを筆頭にロングレンジでも斜めにドリブルをしながら、大外と斜めの線にそれぞれ味方がフォローに走る形。かつバイエルンは両WGがアーセナルの両SBを巧く阻害するようになり、そこから流れを呼んでいきます。
そんな中で32分でした。その流れに沿うように、右サイドでボールを持ったザネがアーセナル陣内に一気に斜め方向でドリブル突破を敢行。そのままペナルティエリアまで1人で持ち運ぶと相手DFに倒されてPK獲得!これを、これまではトッテナムの選手としてノースロンドンダービーの舞台でアーセナルに立ちはだかってきたハリー・ケインが冷静に沈めてバイエルン逆転!
お互いに右サイドを主体に攻撃を仕掛けた両チーム。その攻防はバイエルンが逆転して後半に向かいます。
アーセナルは後半から左SBをキビオルからジンチェンコに変更。
ジンチェンコの投入で右から作っていた攻撃の流れを左サイドでも展開したいアーセナルでしたが、1点リードで落ち着きを得たバイエルンはプレスというよりも、最終ラインからビルドアップで押し上げていきたいアーセナルのパスコースを切るような守備を披露。アーセナルも少し長めのボールを入れてバイエルン守備時の背後を取るようなプレーを見せるなど工夫も織り交ぜながら機を伺いますが、バイエルンのそういう守備形態を前にアーセナル攻撃陣は停滞しつつありました。
アーセナルは66分にジョルジーニョとマルティネッリを下げてジェズスとトロサールを投入。対するバイエルンは同じタイミングでザネを下げてコマンを投入しますが、直後の70分にニャブリが負傷退場でゲレイロと交代するアクシデントが発生します。
そして76分、アーセナルペースでバイエルンが追いついたように、バイエルンが締めにかかりだしたところでアーセナルが再び牙を剥きました。右サイドでのバイエルンのスローインをカットしてルーズボールの応酬に持ち込むと、中央でトロサールがキープして右のサカにパス。サカからワンタッチでボールを受けたジェズスが巧みなステップワークからラストパスを送ると、最後はトロサールがこれを流し込んでアーセナル同点!!途中出場の2人のファンタジックなプレーで試合を振り出しに。
[速報] アーセナル同点弾!!
— アベマサッカー (@ABEMA_soccer) 2024年4月9日
🏆 #UEFAチャンピオンズリーグ #UCL#アーセナル × #バイエルン [ベスト8]
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ジェズスのペナルティエリア内での
細かいボールタッチから #トロサール
の鮮やかなフィニッシュ
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2-2になるまではバイエルンは後半はリトリートかつ受け手に対するマンツーマンのような守備隊系でセーフティーにプレーしていましたが、同点になってからはバイエルンの方がWボランチが自らボールを持ち出すようにしながら前に出ていく形で攻勢に出ました。一方のアーセナルは86分にハヴァーツを下げてトーマス・パーティーを投入。
終了間際にはお互いに1度ずつ決定機が訪れました。バイエルンはアディショナルタイム直前にルーズボールをケインがマイボールにして落とすとムシアラが左サイドを突破。抉って折り返したところにサカが抜け出しますが、シュートは無情にもニアポストに直撃。アーセナルもパーティーのスルーパスに抜け出したジェズスが相手に倒されてあわやPK…というシーンが起こりますが判定はノーファウルとなり試合終了。死闘の結末は2-2のドローとなりました。
全体的に言えばバイエルンのゲームという趣の方が強かったのかなと。立ち上がりからアーセナルがかなり押し込むように来た事、そこで先制点まで持って行かれた事はバイエルンにとって大誤算だったでしょうが、すぐに追いつけた事で試合のリズムもゲームプランも取り戻せましたし、ゲームプランを取り戻す為にも早急に同点に追いつかなければならない中で、少々強引にも長いボールを蹴ってアーセナルの圧力を剥がそうとした。ただその攻撃は長く繰り返せない事はバイエルンもわかっていたでしょうし、そういう意味でもあの同点弾は大きかったですね。
バイエルンは巧く守ったと思います。それは別にアーセナルに対して専守防衛を選んだとかそういう訳ではなく、ボール非保持の状態から主導権を握っていった。特に後半の追いつかれるまでの時間は完全にアーセナルのパスコースを切っていてましたし、あの戦い方ができるのはやっぱりバイエルンの個々の選手もトゥヘル監督も手練れのチームであり、選手・監督だなと。
だからこそアーセナルが追いつけたことは大きかった。後半はバイエルンがほぼ完璧な守りを見せていた中で、バイエルンのスローインをルーズボールに持ち込む、それを確実にマイボールにすることでワンチャンスぐらいしかなかった局面を作り出した。そしてそこで確実に決定機に持ち込み、決め切ったクオリティとファンタジー…そこはもう天晴れでした。バイエルンは敵地でドローで終われたポジティブ面もあったでしょうし、アーセナルも前半にもう1点取りたかったところではあるでしょう。ただむしろ、あの展開で追い付いたアーセナルと追いつかれたバイエルンという意味では、アーセナルの方が後味の良いドローではあったように思います。
ABEMAがどんどん取り込んでいく
ではでは(´∀`)