G・BLUE〜ブログとは名ばかりのものではありますが...ブログ。〜

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

抗える強み〜明治安田生命J1リーグ第30節 サガン鳥栖vs鹿島アントラーズ マッチレビュー〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220916214931j:image

 

SAGAゾンビランドサーガ

 

どーもこんばんは

 

(なにって言われたらわからん)

 

さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第30節、サガン鳥栖vs鹿島アントラーズの一戦です。

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

気がつけばJリーグは残り5試合。残り試合数にはクラブごとに差はあるとは言えども、気がつけばJ1リーグはいよいよ【第30節】です。そう、もう【第30節】でございます。

 

スタイルとは一朝一夕で培われていくものであり、今の鳥栖はその培われた一つの完成形を迎えていると思います。毎年のように主力選手が退団してしまうチーム事情ゆえに、成績的にグンと突き抜けることは少し難しくなってはいますが、それでもこの移籍事情の中でこの成績を、このチームパフォーマンスを叩き出していることは賞賛するしかなく、今や鳥栖は一つのブランドとして成立し始めています。

対する鹿島にとって、そのブランドはこれまで常に「常勝」である事でした。今の鹿島に求められたテーマは純粋にACL出場権を確保する事と同時に、常勝時代の中枢を担った岩政大樹監督の下で、その常勝の中身に何を詰めていくのかという作業をしている最中。常勝…とは言い切れなくなった今のリーグの状況の中で、それぞれが異なる意味合いを孕んだブランドの意味を問うような、クラブにとって、何を大切に育んでいくべきかが求められる……それが可視化されるような試合になってくるやもしれません。

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220916191945j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220916191948j:image

 

鳥栖は前節C大阪戦からスタメンの変更は2人ですが、システムが4-4-2から4-2-3-1に近い形となり、選手の配置もいくつか変わりました。前節はCBだったジエゴが左SB、逆に右SBだった原田亘がCBとなり、右SBには長沼洋一を前節のSHから一列下げる形で起用。前節左SBだった福田晃斗はボランチに入り、右SHで起用された菊池泰智は第24節磐田戦以来のスタメン。トップ下には本田風智もスタメンに戻っています。

鹿島は前節京都戦から6人先発を変更。前節がややターンオーバー的な側面が強かったので、鈴木優磨やアルトゥール・カイキなど、前節の先発を回避した選手の多くが先発に復帰。その中で今日はGKに沖悠哉でもクォン・スンテでもなく早川友基が抜擢されており、早川はリーグ戦では初めての出場という事になりました。スタメンに戻った樋口雄太は昨季は鳥栖でプレーしていたので、慣れ親しんだスタジアムでの試合。鳥栖小泉慶ファン・ソッコにとっても古巣戦ですね。

 

本日の会場は佐賀県鳥栖市、駅前不動産スタジアムです。

本日の試合は金曜開催で、いわゆるキンJ…フライデーナイトJリーグとして開催されると同時に、サガン鳥栖25周年記念試合としてこの試合は開催されます。25周年記念のブロマイドやクラップバナーが配布される他、スタジアムには歴代ユニフォームの展示や、ファン・サポーターが自ら撮った写真を貼って作るフォトギャラリーゾーンを設置。そして本日は25周年記念試合という事で、前身クラブの鳥栖フューチャーズの解散を受けて誕生したサガン鳥栖の初年度、1997年のデザインをモチーフにした限定ユニフォームを着用して試合に挑みます。

サガン鳥栖がクラブとして低迷し、とんでもない経営者の下で存続の危機にすら陥ったときも、いつもクラブの誇りであり続けたJリーグ屈指の名物スタジアムで、Jで最も強い実績を持ち合わせたクラブを迎え、気がつけば鹿島に勝つ事も決して不思議ではなくなった今、鳥栖のファンやサポーターにとって特別に90分が幕を開けます。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220916214917j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220916214920j:image

 

序盤からお互いにアタッキングサードに侵入する機会も多く、比較的動きの多い立ち上がりを見せていました。その攻撃回数は鹿島の方が多く、どちらかと言えば高い位置でボールを回収出来ていた鹿島のペースに見えた立ち上がりでしたが、最初に決定機を作ったのは鳥栖で、8分には福田晃斗のサイドチェンジから左サイドでのパス交換の末にジエゴがクロス。こぼれ球を岩崎悠人が粘ったところのフォローに入った宮代大聖のシュートはGK早川、さらにそのこぼれ球に詰めた長沼洋一のシュートは今度は三竿健斗に阻まれて得点には至らず。

 

早く前に攻め込みたい鹿島と、後方からしっかりと繋いで試合を組み立てる鳥栖……ある程度戦前の予想通りの試合展開になっていく中で、比較的激しく進んだ最初の10分以降はお互いが少し組み合うような形にもなってきました。23分には鹿島がビルドアップで体勢を落ち着かせようとしたところを突いた岩崎がミドルシュートを放つも、ここはGK早川が好セーブ。ただ、試合は鳥栖が上手くボール保持時に周りの選手との連動が上手く回ってペースを握り始めました。

34分、左サイドからのスローインを福田が触ると、このボールを受けた宮代大聖は福田の動きもフェイントに使いながら見事なタッチで相手DFを振り切り、そのままゴール右隅に見事なシュート。これが決まって鳥栖が1点先制。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220916214904j:image

 

先制点が決まってからは一層試合は鳥栖のリズムで進んで行きました。41分には長沼のクロスに飛び込んだ本田がヘッドを放ちますが、これは右のポストに。鹿島も前半最後にカイキがシュートを放ちましたがゴールには至らず。前半は時間と共に鳥栖ペースになるような展開で終えます。

 

 

鹿島は後半から和泉竜司と荒木遼太郎を下げて仲間隼斗と名古新太郎を投入。すると鹿島も鳥栖を徐々に押し返すようになっていきました。それが結果として実ったのは59分、鳥栖陣内の深くまで攻め込んだ鹿島の攻撃は一度は弾かれるも、そのクリアボールを拾うとディエゴ・ピトゥカがタメを作って右サイドに展開。広瀬陸斗のクロスにファーサイドのカイキが合わせ、鹿島が後半の早い段階で試合を振り出しに戻します。

 

前半に得点を取った鳥栖が更に勢い付いたように、ここから勢いを増して行ったのは鹿島でした。ハイプレスで鳥栖の攻撃の第一歩を徹底的に刈り取るとそこから攻撃への展開がスムーズに進むようになり、72分には鳥栖のクリアを鈴木優磨が拾うと名古が左サイドに展開。上がってきた安西幸輝のクロスに鈴木とGK朴一圭が交錯したところに樋口が走り込みましたが、シュートは原田がクリア。75分には自陣の深い位置まで降りた名古がGK早川からパスを受けると左サイドへミドルパス。これを受けた安西が自らドリブルで持ち運んでシュートを放つと、一度はGK朴に防がれたシュートに仲間が反応してネットを揺らしましたが…これは仲間がオフサイド判定となってゴールならず。

 

鳥栖は64分に負傷退場となった小泉に代わって入った藤田直之に続き、74分には小野裕二堀米勇輝、83分にはパク・ゴヌと田代雅也を投入。対する鹿島も75分にエヴェラウドを入れると、82分には土居聖真を投入して2点目を狙いに行きます。終盤には鹿島は樋口、鳥栖は宮代がシュートチャンスを掴むも、いずれもGKが阻止。アディショナルタイムにはGK朴から繋いだ攻撃で右サイドを小野が抜け出して折り返すも、走り込んだ宮代は惜しくも届かず。白熱の一戦は1-1のドローに終わりました。

 

 

 

ざっくりした言葉で言えば前半は鳥栖、後半は鹿島のゲームでした。前半の鳥栖は高い位置で自分達が有機的にボールポゼッションを持つ時間を増やす事で前線の選手の連動性に繋げていき、対する鹿島はセカンドボールに対する素早いアプローチからのショートカウンター気味な攻撃を繰り返すなど、お互いのタレントの特性を上手く活かした攻撃の形を、それぞれの流れが向いている時間で良く出せていたと思います。どちらが優勢だったかと言えば前半と後半で情勢が違ったので難しいですが、その意味では鹿島が後半に巻き返しにかかったのは見事だったのかなと。

鳥栖も後半はややカウンター気味にする事で流れを取り戻そうとしていましたし、鳥栖にしても鹿島にしても、今の局面にどう抗うか…みたいな側面で非常に見応えのある攻防戦だったな、というのが試合を終えての感想ですね。

 

 

岩政先生すっげぇ走る

ではでは(´∀`)