RK-3はきだめスタジオブログ

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京都サンガFC 2025→2026 補強プラン展望〜前編・吉田達磨コーチ招聘とは?レンタル組の処遇と現主力慰留の問題〜

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1、2、サンガ〜!
 
とかいう川﨑颯太のほぼ予言デジっち( )
 
どーもこんばんは
 
さてさて、シーズンが終わりました。
 

 

2025年はサンガにとってまさしく歴史的なシーズンでした。

開幕前に曺貴裁監督は「J1残留を目指して戦うチームではなくなった」というニュアンスのコメントをしていましたが、実際に今年のサンガには残留争いから脱却してJ1に定着する事が求められていた。それはJ1で4季目を迎えた立場としては当然のスタンスだったと思います。だから私も、順位予想としては「残留争いに関わらない中位」だったりしたんですね。そしたら、まあ…その先で見た景色は実に刺激的な光景でした。

 

サンガにとって、2025年は強豪へと変わる分岐点になるのか、それともあくまで小クラブが見たひと夏の夢に終わるのか、その答えが見えるのは先の話です。いずれにしても、曺監督が語った「優勝を逃して悔しい。でもそう思えることが幸せでもある」という言葉、それが2025年の全てでしたし、鹿島戦の後に経験不足について触れながら「経験不足は経験でしか補えない」と語ったその言葉は、この2025年をひと夏の思い出にしてはいけない、同時に経験にできる権利をサンガが得た…というところになるんだと思います。そしてそのために大事なのがそう、補強です!

という訳で今回は、京都サンガFC 2025→2026の補強プランを展望していきたいと思います。あくまで私めは関係者でもなければ記者でもなく、情報通でもなければ噂アカウントですらありませんので、ソース皆無の展望としてお楽しみください。

 

 

 

【最新移籍動向】12月9日時点

※ブログの内容は12月9日に執筆したものから変更する事はありませんが、移籍情報は随時更新していきます。

《IN》

DF 山本楓大←関西学院大学(※入団予定は2027年1月)

MF 尹星俊←京都サンガFC U-18

FW 酒井滉生←京都サンガFC U-18

《OUT》

12月9日時点では発表なし

 

【おしながき】

①2025ポジション分布

②曺監督続投とコーチ陣組閣

③レンタル組含む現主力の慰留はどうなる?迫り来る海外の影…

④現主力の慰留はどうなる?迫り来る海外の影…

⑤それらを踏まえたざっくり展望(後編)

⑥ポジション別補強優先度考察(後編)

 

2025年のJリーグを振り返る記事をまとめたページを開設しました。随時更新していくので是非!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ!

 

 

 

①2025ポジション分布

 

・[]内の選手はオプション的な起用位置です。

・☆は新加入選手、△はレンタルで獲得している選手、◇はレンタルで他クラブでプレーしている選手です。

 

ゴールキーパー】太田,圍,ファンティーニ,△ヴィト

センターバック】麻田,ウィリアム,アピアタウィア,永田,△宮本,鈴木,◇松田佳,◇喜多

サイドバック】福田(右),麻田(左),須貝(左右),△宮本(右),飯田(左),佐藤(左),◇植田

【アンカー】福岡,武田,△齊藤,☆尹,◇川﨑[△ペドロ,米本,ゴメス]

インサイドハーフ】△ペドロ,米本,武田,ゴメス,△齊藤,平戸,中野,☆尹,バヘット,◇川﨑[福岡,松田]

【ウイング】トゥーリオ(右),原(左右),松田(左),山田(右),奥川(左右),平賀(左右)[平戸(左),佐藤(左),中野(左右)]

【ワントップ】エリアス,原,長沢,酒井[トゥーリオ

 

 

 

②曺監督続投とコーチ陣組閣

 

監督人事に関する一考察は前にNote書いたので、ご興味あればそちらも是非

 

 

サンガは最終節の神戸戦の前の時点で曺貴裁監督の続投を発表していました。

曺監督以前にサンガで最も長く指揮を執ったのはゲルト・エンゲルス監督と大木武監督の3年(エンゲルス監督は途中就任/途中退任の合計)。つまり曺監督は2024年シーズンの時点でクラブ最長記録は更新しており、26-27シーズンを完遂すれば丸6シーズン。これまでの最長記録保持者2人にダブルスコアを付ける事になります。監督なんて毎年変わるもんだと思ってたあの頃が嘘みたいだぜ。

上記のNoteはあくまで「とはいっても曺さんがいつまでも監督やれる訳じゃないから、曺さんの次のことを考え始める必要はあるよね」という主旨のNoteではあるんですが、少なくとも26-27シーズンの監督人事に於いて、フロント側が曺さんにオファーを出さない理由は基本的には無いと思っています。となると、曺さんがそれに応えてくれれば必然と続投の形になるでしょう。一部報道では曺さんには他クラブからのオファーや打診もあったとの事なので、それを蹴ってサンガでの挑戦継続を選んでくれた事にまずは何よりも感謝です。

 

 

 

曺監督が続投となった以上は、マイナーチェンジは多少あっても大枠の方向性は変わらないでしょう。そこに新しくスタッフを加えるかどうか、編成がどうなるかによってマイナーチェンジの度合いも変わってくる……と思っていたところ、12月9日のスポニチが吉田達磨氏がコーチに就任すると報道してきました

今季は韓国でコーチを務めていた吉田氏と言えば甲府の監督時代に衝撃の天皇杯優勝を果たしたりはしましたが同年のリーグ戦はJ2残留争いを強いられていたり、元々監督実績が芳しくなかったタイミングで直近の徳島での監督時のイメージから不安視する人は多そうですが、吉田氏が指導者として名を上げたのは柏レイソルユースの黄金期と統一のコンセプトを構築し、そのコンセプトが現在にも受け継がれている…というところで、その観点から元々「トップチーム監督向きのタイプではないだけでアシスタントやアカデミーのスタッフとしては優秀」という評価はあった人物でもあるんですよね。後は人望はとにかく厚いみたいな話は色々聞きますし、試合あんまり出てなかったけど実はサンガOBだったりもして(1997〜98年在籍)、サンガタウンの使用が1998年シーズンからでしたから、サンガタウンのオープンに立ち会っていた選手でもあると。

加えて曺監督とはスポニチの記事では単に「柏時代にチームメイトだった」とだけ書かれていましたが、当時は寮の部屋が隣だった縁から度々食事に出かける仲だったそうで、京都新聞が曺監督の軌跡を辿る書籍の製作では"日立/柏時代の曺貴裁を深く知る人物"として吉田氏に取材したほどの間柄。今年の夏にアップされた吉田氏へのインタビュー記事でも「つい最近、チョウさんから電話をもらって…」というエピソードが語られていましたから、現在でも良好な関係を持っていたところにオファーを出した…という事でしょう。

 

 

吉田氏はここ数年のキャリアの大半を監督として過ごしているので、そのレベルの人間をコーチングスタッフに迎え入れるならば、必然的に立場はヘッドコーチ、ヘッドコーチではなくても他のアシスタントと比べてもある程度の権限や裁量を与えられたスタッフという事になるのが自然でしょう。吉田氏の監督としてのスタイルは柏ユースの監督時代を含めてポゼッション志向の監督で、良くも悪くもスタイルへのこだわりが強いタイプとも目されていました。そう考えると曺監督とはある意味で、戦術的には対極のスタイルを志向しつつも精神性はどこか似ている部分があり、今年優勝に足りなかったものを求める上で、ベースは変えずに一つの要素としてポゼッションのエッセンスを加える事でチームとしてやれる事の幅を増やしたい。そこで吉田氏に白羽の矢を立てたという事になり、吉田氏が任される仕事はその辺りになるのかなと。

基本的にヘッドコーチや権限多めのスタッフに求めるものは「①自分に欠けている要素を補えるスタッフ」か「②とにもかくにも自分が信頼をおける人物」だと思います。②は時にお友達人事と揶揄される事もありますけど、いつクラブにクビを切られるかわからない監督にとって"絶対的な味方"は必要だと思いますし、外国人監督のヘッドコーチが大体ニコイチみたいになっているのはわかりやすい例でしょう。…まあちょっと話は逸れましたが、要は曺監督にとって吉田氏は①と②の両方を満たす存在という事になるんだと思います。

 

ただ…こればっかりは推測でしかないのですが、吉田氏のコーチ就任報道を見て真っ先に思ったのは、吉田氏云々よりも「杉山コーチ抜けるんじゃね?」というところです。

杉山弘一コーチは元々曺監督と浦和時代のチームメイトという間柄で2021年の曺監督就任と共にコーチとして入閣。2024年からはヘッドコーチに昇格し、J1復帰から定着、そして今季の優勝争いに於ける大功労者の一人でしょう。一方で杉山コーチはサンガの監督に就任する以前はシンガポールやタイで監督を担い、日本ではJ3時代の秋田とJFL時代の奈良で監督を務めていた。秋田ではJ3も優勝していますし、それこそ吉田氏と同じく監督を歴任していた中でサンガのコーチ業を選んだ立場だったんですね。吉田氏がアシスタントコーチとして入閣すらならともかく、吉田氏をヘッドコーチとして迎え入れてここにきて杉山コーチを降格させるとは正直考えにくい。そう考えると、シンプルに杉山コーチとは契約満了か、もしくは杉山コーチに監督オファーが来ていて、2023年終了後に大宮から監督オファーが来た長澤徹氏と同様に送り出す事を前提に新しいヘッドコーチを探したのか…という想像はできてしまう。長澤氏の時もそうでしたけど、監督オファーなら引き留めにくいところはあるでしょうし。

もしくは…2021年は長澤徹氏がヘッドコーチで杉山コーチはアシスタントの立ち位置でしたが、当時の長澤コーチは試合時にはベンチに入らずスタンドから状況を共有する役割で、ベンチで曺監督の横に座るのは常時杉山コーチだったんですね。実際に曺監督がコロナ陽性で欠場した時の監督代行は長澤コーチじゃなく杉山コーチだったりしたので、実質的にはヘッドコーチ2人体制みたいな感じでした。となるとベンチには杉山コーチを座らせて、吉田氏には上から試合を見てもらうような、長澤コーチがいた2021〜2023年に近い座組に戻す可能性もちょっとあるのかなと。

いずれにせよ吉田達磨という人物のサッカーに於ける志向は曺貴裁体制のサンガにはなかったエッセンスだと思うので、成功するかどうかはやってみるまでわからないとしても、サンガないしは曺監督の意図と目的は想像はしやすい。チームとしての幅の拡張は去年からのテーマで、実際に今季の好成績はその賜物だと思うと、今回の人事もその過程の中ではある意味自然な人事ではあるのかなと。

 

 

 

③レンタル組の処遇

 

現在、サンガからレンタルの形で他クラブでプレーしている選手は以下の通り。

 

DF 松田佳大(レノファ山口FC)

DF 植田悠太(ジェフユナイテッド千葉)

DF 喜多壱也(レアル・ソシエダ)

MF 川﨑颯太(1.FSVマインツ05)

 

植田に関しては千葉であまり出場機会を得られてはいなかった部分がある一方で、全治はリリースされていませんが負傷で少なくとも百年構想リーグの開幕には間に合わないでしょう。そう考えると、百年構想リーグに関しては一旦チームに戻して、サンガでの治療とリハビリに専念させる。その上で左SBを須貝や佐藤と争えるレベルかどうかを判断する形になるのかなと。怪我を抜きにして考えると福田の去就も影響する可能性はありますが。一方、松田はチームこそ降格したものの、個人としては山口で1シーズンレギュラーとしてプレーできた。立場を築いた状況でもう一年山口でプレーさせる可能性、他のJ2クラブやJ1の小規模クラブへもう一年レンタルを続ける可能性、そして復帰させる可能性は全てあるでしょう。それこそCBはウィリアムや宮本の去就が不透明なので、CBの駒が明らかに不足した状況になれば松田復帰は良い選択肢にもなるでしょうし。

川﨑と喜多はいずれも買取OP付きでの海外移籍を選択した2選手ですので、基本的には完全移籍が前提の2人という事になると思います。とはいえ、それを行使するかどうかはレンタル先のクラブ…川﨑ならマインツ、喜多ならソシエダが判断する事ですから、両者ともそれまでにある程度の地位を築かなければならない…と。特に川﨑は今がちょうど主力チームに入れるかどうかの境目またいなところですし、喜多はある意味では川﨑以上に買取前提だと思いますが、ソシエダの財政状況を踏まえるとどうなるか読めないところがあるので、両者ともそれぞれのクラブに買い取ってもらう事を目標に奮闘しつつも、現状として26-27シーズンに合わせて復帰する可能性はそれなりにあるのかなと。川﨑に関しては海外生活の続行自体は出来そうな気はしますが。

 

 

 

④レンタル組含む現主力の慰留はどうなる?迫り来る海外の影…

 

優勝争いに絡んだ事のなかったチームが急に優勝争いした時に起こる現象と言えば主力をゴッソリ引き抜かれる現象。

優勝争いに絡んだ事のなかったチームが急に優勝争いした時に起こる現象と言えば主力をゴッソリ引き抜かれる現象。昨季までの立場からの今季の躍進を見ればサンガもそれに該当する…ような危機感は抱きそうですが、ゼロとは言わないまでもそこまでの心配はないと思っています。
少なくともサンガは親会社の影響もあって、すぐに選手を現金化しないと明日のクラブ運営が成り立たないようなクラブではなく、Jクラブ相手であればある程度のプロテクトは可能な年俸を出せるクラブではある。この2つってめちゃくちゃ大きいんですよね。そこは京セラという親会社がいる事、バックのスポンサーが盤石である事を本当に感謝すべきポイントです。例えばエリアスなんかはJクラブがおいそれと引き抜けるような金額ではない契約でしょうし。

ただ、これはもう全てのJクラブにとっての悩みの種でありビジネスのポイントなのでしょうが、海外移籍のオファーが来た場合は話が変わってくる。サンガの場合は現に夏に川﨑颯太がドイツに行きましたし、今夏には福田心之助と福岡慎平にも海外移籍の可能性があったとかなんとかという報道も出ていたり、選手の側も、例えば原大智や山田楓喜は海外再挑戦への意欲を隠していない。それこそエリアスなんかはあそこまで活躍されたら欧州や中東が手を伸ばしてくる可能性もあるでしょうし。

この辺りは正直運命に委ねるしかない部分はあるんですよね…。多くの選手が海外移籍を強く望む以上、Jクラブとしては今後の選手獲得への影響も考えると頑なに断りにくいところがある。であれば相応のリスクヘッジは必要で、例えば2024年夏の米本拓司の獲得は川﨑がパリ五輪後にそのまま海外に行く可能性を考慮した補強だったと思いますが、そういう先手先手の対策は考えておくべきところでしょう。

 

 

 

もう一つはサンガが今、レンタルで獲得している選手をどうするかですよね。

現在サンガにレンタルで所属しているのは宮本優太(←浦和レッズ)、齊藤未月(←ヴィッセル神戸)、ジョアン・ペドロ(←ヴィトーリア)、マルク・ヴィト(←奈良クラブ)の4人。このうちヴィトに関してはベンチ入りの機会もほとんどなかったですし、外国人枠の兼ね合いもあるので、GK不足になった場合のレンタル延長以外で残留する可能性はあまり高くないように思います。逆に齊藤は買取OPが付いているという報道はありませんが、齊藤と曺監督の関係性を踏まえても完全移籍前提のレンタルではあるのかなと。

そして気になるのが宮本とペドロ。この2人の慰留に関してはチームとしての最優先事項でしょう。特に宮本は2年連続でレンタルですし、今オフには両クラブにとっても浦和に帰るかサンガが買い取るかの決断をしなければならないタイミング。少なくとも宮本の場合は主導権を持っているのは浦和でしょうから、浦和のフロントやスコルジャ監督がどう考えているのかを含めて今オフ最大のポイントだと思います。ペドロに関してはブラジル事情がややこしいのでわかりにくいですが……サンガ的にもペドロ、レオ・ゴメス、バヘットの中で優先順位が最も高いのはペドロでしょうから、ペドロを残せるかどうかで編成の事情が変わってくる可能性もあるだろうなと。

【⑤それらを踏まえたざっくり展望 ⑥ポジション別補強優先度考察 につづく】

 

 

ではでは(´∀`)