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配置にまつわるエトセトラ〜J2第4節 京都サンガFCvs柏レイソル マッチレビュー〜

アマプラで矢部謙三と民王と映画クレしん見まくってる

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューJ2リーグ京都サンガFCvs柏レイソルの一戦です!

 

 

 

色々と不安で不安で仕方なかった中田一三新監督の就任したサンガですが、ここまでの3試合は内容も悪くなく、何より未だ無敗の2勝1分とスタートダッシュに成功。今日の結果次第では2016年以来の開幕4戦無敗となります。

 

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一方、まさかのJ2降格を喫し、ネルシーニョ監督の下で再起を図る柏は開幕3連勝とロケットスタートに成功。序盤戦の主導権を握る意味でも負けられませんが、何より今の柏は昨年までサンガの主将を務めた染谷悠太がおり、さらにGMはあの布部陽功……因縁的な意味でも負けられません。

 

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西京極帰還となる染谷を含め、J2ではぶっちぎりの戦力を誇る柏を倒し、ガチのマジの開幕ロケットスタートをキメる事は出来るのでしょうか。

両チームスタメンです。

 

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サンガは前節のアビスパ福岡戦同様に、闘莉王を3バックの中央に置いた3-4-2-1というよりも3-4-3、或いは5-2-3に近いシステムで3連勝を目指します。

本日も西京極現地参戦。今年はなかなかハイペースですわ…。

 

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前半から丁寧に繋ぎ、ボールポゼッションを高めながら試合を進めていくサンガ。しかし前線のスペースが間延びしてしまっていて中々連動性のある攻撃には繋がらず、攻撃は停滞感という印象が拭えません。

一方、守備に関しては闘莉王を中央に配置した3バックは福岡戦同様に安定しており、クリスティアーノなど強力な個を持つ攻撃陣に殆ど仕事をさせず。前半は0-0で終えます。

 

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後半も前半から、試合内容は大きく変わらず。サンガが試合のペースを握ってはいましたが、それは決して「サンガが試合を優位に進めている」という訳ではなく、「守備が堅く安定していて、攻撃が停滞している」というサンガの今日の流れに柏が付き合うような形で、試合は終盤戦へと向かっていきます。

 

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ラスト5分になってサンガは選手を3人同時交代。3トップを総替えして勝点3を狙ったものの、逆にラストワンプレーで柏にフリーキックを献上。このFKでクリスティアーノファーサイドに入れたボールを途中出場のガブリエルが折り返し、このボールを流し込んだのはDFの鎌田次郎これが決勝点となってすぐに試合終了の笛が吹かれ、サンガは今季初黒星となり、逆に柏は開幕4連勝となりました。

 

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さて、中田一三監督就任後初黒星を喫したサンガでしたが……うーん、今日はちょっと攻撃面がチグハグ過ぎたと言わざるを得ないですね。

今季のサンガはポゼッションスタイル、という方向性はハッキリしていて、それをある程度ピッチでも体現出来ているので、そこについてはOKです。現柏のGMさんが率いていた頃と比べては遥かに進歩している事は間違いありません。

ただ、今日の攻撃陣に関しては少しシステムと配置の影響が停滞感を生んでいたように感じます。

今季のサンガは新潟戦、福岡戦がそうだったように、ボールを繋いで良いところまで行くものの、結局チャンスに至るシーンは少ない印象で、特にシステムを3-4-3にした福岡戦からその傾向は強まり、今日の試合は典型的でした。

 

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3-4-3システムだと、本来は3トップというよりも1トップ2シャドーという形になる方が自然です。ですが福岡戦でも今節の柏戦でも、中野克哉と小屋松知哉の2人は2シャドーというよりもウインガー、要は純粋な3トップの形を形成しています。

そうなってくるとセンターフォワードには中央でタメを作ったり、展開やら最前線でのゲームメイクやらのポストプレー的な役割も求められてくるのですが、今のサンガのシステムだと宮吉拓実がそれらを全て埋めなければならず、そして宮吉は元々センターフォワードというタイプでも無く、活かす側よりも活かされる側でプレーする事で持ち味を発揮する事が出来る選手だと思うのでこの役割を求めるのはやや酷とも言えるでしょう。

 

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また、サイドの停滞も今日の試合では顕著でした。

特にわかりやすかったのが中野、福岡慎平の右サイドで、そもそも中野は右サイドから中に切れ込んで…という形が持ち味です。これまでの試合は右サイドバック、或いは右ハーフに入るのが黒木恭平なり石櫃洋祐というサイドに張るようなタイプの2人だったので中野が切れ込むスペースなり余裕もあったのですが、今日そのポジションに入った福岡は本来中盤の選手という事もあって中央寄りでプレーしており、そこで渋滞のような状態が発生して完全に中野の良さが消えてしまっていました。

昨季のサンガならカイオやレンゾ・ロペスなどセンターフォワード系の選手が居た為、今日みたいな形の3-4-3でもゴリゴリサイド突破システムで機能させる事は出来たかもしれませんが、今季のようにポゼッションをベースにして、尚且つ前線に宮吉や中野のような、狭いスペースを細かく崩していく事に強みがある選手を揃えるのなら、尚更3トップよりも1トップ2シャドーを採用するべきです。

ボールを繋ぐ事はそれなりに出来ているだけに、配置ミスにも感じるようなこの状況が、結構勿体無いなーと感じてしまいました。

 

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一方で、守備に関しては非常に組織された、良い守りが出来たと言えるでしょう。

闘莉王は今年の4月で38歳。当然ながら運動量しかり、フィジカル的な衰えに抗える年齢ではなく、実際2017年、2018年にセンターバックで出場した時はそれが目立ってしまっていて、実際に今でも4バックのCBで使うなら相当リスキーだと思います。

しかし闘莉王の培った守備に於けるセンスなり、統率力なりスキルというものは歳をとったから衰えるというものでもなく、闘莉王を3バックの真ん中に配置して闘莉王が1枚余る形とし、後の2人で闘莉王の運動量をカバー出来るシステムにした事で闘莉王が「最後の壁」としてのスペシャリスト的な働きを見せている事を見ると、福岡戦から導入したこのシステムは闘莉王のセンスとスキルを活かす意味では理に適っていると思います。

 

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今日の試合も81分に、ミスをきっかけにクリスティアーノバイタルエリア付近でフリーで前を向いてあわや大ピンチ…というシーンがありましたが、あのシーンが最終的に大したピンチにならずに終わったのは闘莉王が良いポジションに立ちはだかっていた為で、闘莉王の活かし方としてはこの3バックは間違いなく正解でしょう。

勿論、このシステムを機能させる為には本多や上夷らの頑張りは必須で、実際最後の最後で失点を喫したとは言えど、今日の柏というJ2屈指のチームを相手にしてのあの守備は満点に近い出来だったのではないでしょうか。それだけに悔やまれる失点でしたが…。

 

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守備陣の配置は完璧と言っても良かったですが、攻撃陣の配置が上手くいかなかった…それを考えれば、今日の試合はある意味で0-0で終わるべきが妥当だったのかもしれません。それは良い意味でも悪い意味でも。柏という強い相手に殆ど仕事をさせなかった守備陣と、仕事をやりようが無かった攻撃陣と…この辺りの擦り合わせが、今季のサンガがどこまで行けるかを左右してくる重要な要素となるでしょうね。

 

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今日、布部さんご来場なさってたみたいね。

ではでは(´∀`)