私は小学校の時、地元のサッカークラブに通っていた。
私が小学校1年の時に、とある天才少年は小学6年生。
そもそもチームが全然違うので面識がないのは当然としても、学年も殆ど被っていないのでリアルタイムで「それ」を体感した訳ではない。
それでも長くチームにいるコーチ陣は、事ある度に長岡京SSというチームにいた天才の話をしていた。その男がガンバ大阪のジュニアユースに上がり、ユースに上がり、世代別代表に選ばれ、そしてトップチームに昇格するなど階段を登る度に…
それは我々のような弱くはないけど強くもない、あくまで学校付属のチームにとっては雲の上のような存在であり、そして一時期でもその天才と同じカテゴリーの大会を戦った事を誇りにすら思うようになるほどであった。
京都にはサンガカップという小学6年生の公式戦が用意されている。年明けの1月に行われ、卒業を迎える6年生にとっては最後の公式戦だ。
出場選手には全員大会のパンフレットが配られ、そこには過去大会のデータも記載されている。
そこに燦々と輝く1人の名前が、これからサッカー選手にとって最高の舞台に立とうとしている。
京都の少年サッカーの伝説、ガンバ大阪ユースの最高傑作、宇佐美貴史が遂にW杯のメンバーに選ばれた。
後半戦は大活躍だったとはいえドイツ2部。
中島翔哉というニュースターが誕生したこともあり、賛否両論ある事もわかっている。
でも京都の少年サッカー界に身を置いた者として宇佐美貴史がとうとうワールドカップに挑むという事実はこの上ない感情に包まれる。
そしてガンバファンにとっても宇佐美は特別な存在。
ずっと昔からガンバファンであった宇佐美が2016年、2度目の欧州挑戦をする際のセレモニーで言ったガンバへの想い...
「自分の夢はプロサッカー選手になる事でもなく、Jリーガーになる事でもなく、ガンバ大阪の選手になる事だった。」
おこがましい言い方である事を承知で言えば、ある意味ではガンバファンという同志である男が、ガンバ大阪というチームにとって、そして宇佐美貴史本人にとっても恩人である西野朗が監督を務める日本代表でFIFAワールドカップへ...
たとえ賛否両論があったとしても、プレーの評価は情で下せる訳じゃないけれど、これまでにないような感慨深い気持ちに包まれている。
いつもよりがっつり文体を変えてみました。
ではでは(´∀`)