今年、私は阪神ファンであるにも関わらず、一度もまだ甲子園に行けていなかった。
それだけならまだいい。結局去年は1度しか甲子園に行っていないし、それぞれにそれぞれの事情があるのだから、スタジアムに行きたい気持ちと行っていない事実の乖離は別に、ファンとしての諸々が問われるような話ではないと思う。それはサッカーや、他の競技でも然りだ。
ただ、私の場合はこれまでのブログでも記した通り、甲子園に一度も行っていないのに京セラドーム大阪でのオリックス戦には既に3試合も行ってしまっていた。そんな中、京セラドームでのオリックスvs阪神戦を経て、ようやく阪神甲子園球場で阪神タイガースを観る今季初のイベントを手にしたのである。
しかし、私にはもう一つの問題がある。そう、私が甲子園に行くと阪神が勝てないのだ。
過去、一度だけ勝利を観戦したのは2017年、阪神が広島に9点差を逆転した勝利だった。あの試合を観る事が出来たのは財産と言っていいレベルだが、ガンバ大阪でも京都サンガFCでも観戦勝ち運のない私があのような試合を観た事は「これまで負けまくったのはこの試合を観る為だった」と思う事が出来た反面、「多分この試合のツケをこれから払う羽目になる」…そう確信した。
案の定とも言うべきか、その2ヶ月後に広島に3-14で敗れ、CSではDeNAに1試合雨天中止を経た上で惨敗。去年観に行ったヤクルト戦、試合前に私はこう言っていた事を思い出す。
「今はネタにしてるけど、さすがにここまで負けたらいい加減勝つわw」
「さすがにもうそろそろ勝つってw」
「おかしいもん、いい加減w」
そして当然の如く負けた。
そしてこの日も同じような事を言う。いや、もはや言うというより、祈りの言葉ですらあった。この日は対楽天戦3戦目。さすがに3タテは無いでしょう…そう思いながら阪神電車に揺られた…。
というわけで本日のスポーツ観戦日記は日本生命セ・パ交流戦、阪神タイガースvs東北楽天ゴールデンイーグルスの観戦日記です。
阪神電車を降りると、約1年ぶりとなる聖地甲子園!コンビニで軽く飲食物を購入し、軽い食中毒を患ったという友人がマグロ漬けおにぎりを買うという体を張ったギャグのようなメニューに軽く突っ込みながら、聖地へと足を踏み入れました。巡礼巡礼。
いやぁ、この日は実に良い天気!実は本来なら、5月末にも阪神戦に行くつもりだったんですね。しかしそんな頻繁に阪神戦に行っているわけでもないのに人生で3度目の雨天中止を喰らい、雨男と呼ばれる事に抵抗を感じなくなった私にとって天気は一つの心配事でした。
そして同時に、今のところ甲子園に観に行くと雨or敗北(別に雨の時は必ず勝つ訳でもない)という私にとって、第1話のオリックスじゃないですけど、色んな連敗を一気に吹き飛ばせるチャンス!
この日も前述の友人に加え、既に何度か触れているオリックスファンの友人も同行。京セラドーム大阪ではいつもビジターチームのユニフォームが半数を占めていますが、甲子園ではそんな事ある訳がなく、オリックスの次に楽天が好きという事で東北プライドのユニフォームを着込んできた彼は「京セラと違う…」とあまりの環境の違いに阪神ファンに殺されるんじゃないかという不安を吐露する始末。
この日は台湾デーという事で、台湾のシンガーソングライターという黄小玫氏のファーストピッチセレモニーと選手紹介を経て、いよいよ試合開始です。
試合は初回から、いきなり阪神が先制!さすがや!糸井ならやれるや!あかん!優勝してまう!
先発投手の高橋遥人も見事なピッチングを見せて、我らはキャッキャキャッキャ状態。しかも4回には梅野がソロホームランを放って追加点!2点じゃ安心なんか出来ない…そう呪文のように皆で唱えながらも、それでもウキウキは加速中ですよ。いける、今日はいけるぞ。止まるんや、連敗は止まるんや。この重荷を振り払う時が来たんや!!
しかし…12球団随一のネタ球団と称される阪神にとってこれはある意味予期された展開なのか、5回表に風向きは一変。
原口文仁、近本光司の連続エラーというとんでもない光景を繰り広げられた末、この2連続エラーの時点で誰もが察したように、まるで当然の如く2失点。まるで味方から刺されたような高橋遥人。おっ、なんだ?草野球の始まりか…?そう、このしっちゃかめっちゃかは始まったばかりなのである…。
7回表に楽天にあっさり逆転を許した阪神はラッキーセブンのジェット風船の儀式の時間に。そもそも、7回表の攻撃が長過ぎて、7回表が始まった時点で風船を膨らませていた方達はずーーっと風船を摘んだままの状態を余儀なくされたどころか、この日は東向きに強めの風が吹いていた影響もあってか、風船がフライング・フライングを果たすのみならずあちこちで割れまくってしまう羽目になりまして。
どうせ攻撃長くなりそうだから、と2アウトまで風船を膨らませる事を待った決断が悲しき英断となってしまった我々も、音楽に合わせて膨らませた風船に逆転勝利と連敗ストップの祈りと想いを込めた風船を発射!
…お分り頂けるだろうか。
余りに強い東向きの風にさらわれ、勝利と逆転と連敗ストップへの祈りと想いを込めた風船の全ては見るも無残に球場の外へ…。
そして8回裏。阪神は逆転のチャンスを手にします。なんとノーアウト一、三塁。しかし木浪が突っ込みを躊躇し、代走で入った江越は速攻で挟まれアウト。福留さんがプロの仕事とも言えようヒットを放ったものの、後続もあっけなく倒れて無得点。もうこの部分を細かく伝えるのは嫌だお…。
結局破れた阪神。これで楽天に3タテを喰らい、加えて7試合勝ちなしという事態に陥ったのでありました。ちなみに私の甲子園観戦成績に至ってはこれで1勝1分7敗2雨天中止であります。
まるで予定調和的な試合で…なんかもう、ああ、やっぱり私、阪神勝ちたいなら甲子園行っちゃだめなのかしら…。そんな事をまたいつものように、考えながら、出掛ける前に「今はネタにしてるけど、さすがにここまで負けたらいい加減勝つわw」「さすがにもうそろそろ勝つってw」「おかしいもん、いい加減w」と語った丁寧なフラグ回収っぷりに虚しさを噛み締めながら、己の捨て去りたい実力を再確認した…そんな一週間でした。
完。
ではでは(´∀`)
【おまけ】
林威助。