まぁ、わたくし、ガンバファンゆえにセレッソアンチなのであんまりセレッソサイドの文言をここで使うのもなんですが……彼らがダービーの販促として用いたフレーズがこれでした。
2023年10月28日(土) 14:00KICKOFF
— セレッソ大阪オフィシャル (@crz_official) 2023年10月1日
G大阪との #大阪ダービー
大阪が熱くなる🔥#セレッソ大阪#Footballisourengine pic.twitter.com/BSaQH9yjc7
「2023.10.28 大阪が日本で一番熱くなる日」
言い当て妙というか、まさしく現実はキャッチフレーズの色さえ追い越していくかのように推移しました。
ガンバ大阪vsセレッソ大阪…大阪ダービーは今や、この国で静岡ダービーと共にJリーグのダービーマッチとして、1年に2度しかないお祭りとしての存在価値を高めてきました。おそらくガンバやセレッソのファンにとって、それぞれのホームで行われるダービーの日程はスケジュールが発表されて真っ先に確認するポイントと言えるでしょう。
そしてなんと、同じ日に初戦が入ってきたのがプロ野球、日本シリーズでした。
そして奇しくも、その日本シリーズの対戦カードは阪神タイガースvsオリックス・バファローズという事に。日本シリーズが関西対決となるのは1964年の阪神タイガースvs南海ホークス以来実に59年ぶりで、ただでさえ阪神が18年ぶりのセリーグ優勝で関西自体が狂乱と化す中でバフがかかったような今年の日本シリーズは近年のプロ野球史の中でも重要な意味合いを持つ事でしょう。
そして京セラドーム大阪で行われる初戦が組まれた日付は10月28日……そう、2023年10月28日には昼に大阪ダービー、夜に日本シリーズ関西対決という前代未聞の事態が発生しました!
10月28日は昼に大阪ダービー、夜に日本シリーズ関西対決となりましたので、昼間は歪みあってたガンバサポとセレッソサポが御堂筋線を基点に同じユニを着る、或いは休み時間のドッジボールばりのチーム替えを見られるあまりにもカオスな一日が楽しめそうです… pic.twitter.com/Fb44Vy9BTN
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2023年10月21日
という訳で今回は、Jリーグも30周年ですし…1993年以降、阪神かオリックスが日本シリーズに出場し、それと同日開催となったガンバとセレッソの試合を振り返っていきます。「おお、あの試合そうだったのか」でも、単純に「このシーズンのメンバー懐かしいな〜」みたいな感覚でも、過去の阪神とオリックスの日本シリーズを振り返る意味でもお楽しみくださいませ。今回は後編ですので、前編はこちらから→前編
2023明治安田生命J1リーグ第31節
セレッソ大阪vsガンバ大阪
2023年10月28日14:00@ヨドコウ桜スタジアム
オリックス・バファローズvs阪神タイガース
2023年10月28日18:30@京セラドーム大阪
Jリーグ30周年記念特集はこちらから!
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オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。
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【2005年】
2005Jリーグディビジョン1第28節
2005年10月22日14:01@万博記念競技場
大分得点者:マグノ・アウベス(65分,70分)
日本シリーズ2005第1戦
2005年10月22日18:17@千葉マリンスタジアム
本塁打:ロッテ→今江敏晃(1回ソロ),李承燁(6回ソロ),里崎智也(7回3ラン),ベニー(7回2ラン)
2005Jリーグディビジョン1第28節
2005年10月23日15:05@広島ビッグアーチ
広島得点者:森崎和幸(8分)
日本シリーズ2005第2戦
2005年10月23日18:16@千葉マリンスタジアム
本塁打:ロッテ→サブロー(6回2ラン),フランコ(6回ソロ),李承燁(6回2ラン)
阪神・ガンバ・セレッソの3チームが全て日本一を懸けた争いに身を投じていたのが2005年10月後半。ただし日本シリーズ初戦と同日開催になったガンバは残留争い中の大分に対し、翌年にはガンバに来る事となるマグノ・アウベスの2ゴールに沈み、宮本恒靖は負傷退場するなど散々な試合となった。大分戦を含むラスト7試合は2勝5敗だったことを思うとよくこの年優勝出来たなと…。ちなみにこの日、日本シリーズは白い霧事件で中止になった事になっております。そうだったという事にさせてください。
第2戦と同日開催となったセレッソは敵地で広島と対戦したが、前半に先制されながらも西澤・森島のゴールデンコンビのアベックゴールで逆転勝利。これで7連勝となり、一気に優勝戦線に食い込む事になる。なに?この日の日本シリーズ?知らん!各々勝手に調べろ!!
【2014年】
2014Jリーグディビジョン1第30節
2014年10月26日19:04@万博記念競技場
2014Jリーグディビジョン1第30節
2014年10月26日19:04@日産スタジアム
2014年10月26日18:18@阪神甲子園球場
2014年の阪神は2位でセリーグを終えたが、クライマックスシリーズを制した事で日本シリーズ出場権を得た。阪神もオリックスも2005年以降はさっぱり優勝出来なかったので関西では9年ぶりの日本シリーズ開催となったが、同年のガンバとセレッソはまさしく対照的な一年を過ごした。
Jリーグがナイトゲームになった事で、ガンバ・セレッソ・阪神はいずれも同時間帯に試合を行う形となった。前節で7連勝が途切れた事で逆転優勝の為には1敗も致命傷という状態となったガンバだったが、後半の早い時間帯で大森のミドルと遠藤のFKで2点を獲得。後にセレッソでガンバキラーと化す松田のJ初ゴールで1点を返されたが逃げ切り、最終的には奇跡の逆転優勝とJ1昇格即三冠に結びつけた。一方、大型補強をしながら残留争いを余儀なくされていたセレッソは横浜FMとスコアレスドロー。降格権を抜け出す機会を逃してしまった。
初戦を制して2003年から続いていた日本シリーズの連敗を6で止めた阪神は能見と武田の緊迫した投手戦を展開した。しかし内川のタイムリーと李大浩のホームランで4回までに2点を先行したソフトバンクに対し、阪神は6回に西岡剛のタイムリーで1点を返すに留まる。7回以降は両チームのリリーフ陣が好投を見せて2-1のまま終了。第3戦からは福岡開催だったが、阪神の日本シリーズが甲子園に帰ってくる事は2023年までなかった。
なお、ガンバが過去に2度達成したJ1優勝は奇しくも2005年と2014年。あと1回出揃えればジンクス扱い出来るか……。
【2021年】
2021明治安田生命J1リーグ第36節
2021年11月20日14:02@パナソニックスタジアム吹田
G大阪得点者:パトリック(53分)
名古屋得点者:シュヴィルツォク(8分,29分),柿谷曜一朗(22分)
2021明治安田生命J1リーグ第36節
2021年11月20日14:03@ヨドコウ桜スタジアム
川崎得点者:レアンドロ・ダミアン(5分,40分),マルシーニョ(49分),宮城天(85分)
勝ち投手:比嘉幹貴,負け投手:マクガフ
本塁打:ヤクルト→村上宗隆(8回2ラン),オリックス→モヤ(7回ソロ)
明治安田生命J1リーグ第37節
2021年11月27日14:02@等々力陸上競技場
川崎得点者:レアンドロ・ダミアン(7分,85分),旗手怜央(9分),車屋紳太郎(90+4分)
明治安田生命J1リーグ第37節
2021年11月27日14:02@ヨドコウ桜スタジアム
名古屋得点者:柿谷曜一朗(67分)
2021年11月27日18:05@ほっともっとフィールド神戸
勝ち投手:マクガフ,負け投手:吉田凌
Jリーグ開幕以降、関西勢の日本シリーズは全て1周目(第5戦まで)で完結していたので、第6〜7戦までもつれ込んだ2021年と2022年は2週目が存在する。
対戦相手こそ3チームともバラバラだが、地理的に今回に近いシチュエーションはこの年の1週目だった。昼間にガンバとセレッソがそれぞれホームゲームを戦い、夜に京セラドーム大阪での初戦…という状況で、当時は入場制限があったのでチケット獲得こそ困難だっただろうが、それぞれのホームゲームから日本シリーズを梯子したオリックスファンも一定数いたのでは。既に下位で消化試合となっていたガンバとセレッソは共に上位チームに完敗を喫したが、25年ぶり(近鉄を含めれば20年ぶり)の日本シリーズとなったオリックスは吉田正尚のサヨナラタイムリーで初戦を劇的な形で制している。また、関西圏という括りではJ2の京都サンガFCが同日に12年ぶりのJ1復帰を決める可能性があったが、敵地での岡山戦はドローとなった為昇格は次節に持ち越された。
2020年と2021年はプロ野球のスケジュールが例年より1ヶ月ほど遅れていた事でセレッソのホーム最終戦と重なる形になったが、セレッソは大久保嘉人の現役ラストホームゲームで上位の名古屋に劇的勝利を収め、ガンバは敵地で川崎に大敗している。一方のオリックスは神戸で最終戦に挑み、試合は山本が9回を投げ抜いたオリックスと躊躇なくリリーフを注ぎ込むヤクルトの球史に残る投手戦となったが、最後は王手をかけていたヤクルトが延長12回の川端慎吾のタイムリーで勝利し、オリックスは準優勝となった。この日の会場はほっともっとフィールド神戸(神戸ユニバー記念競技場と同公園内)だったので、さすがに名古屋戦を終えたセレッソサポがハシゴするには厳しかったか。
【2022年】
2022JリーグYBCルヴァンカップ決勝
2022年10月22日13:11@国立競技場
C大阪得点者:加藤陸次樹(53分)
広島得点者:ピエロス・ソティリウ(90+6分,90+11分)
2022年10月22日18:35@明治神宮野球場
勝ち投手:小川泰弘,セーブ:マクガフ,負け投手:山本由伸
本塁打:ヤクルト→塩見泰隆(3回ソロ),オスナ(4回ソロ),村上宗隆(8回ソロ)
2022明治安田生命J1リーグ第33節
2022年10月29日15:03@パナソニックスタジアム吹田
G大阪得点者:食野亮太郎(66分),パトリック(73分)
2022明治安田生命J1リーグ第33節
2022年10月29日14:03@サンガスタジアム by Kyocera
2022年10月29日18:33@明治神宮野球場
勝ち投手:山﨑福也,セーブ:ワゲスパック,負け投手:小川泰弘
第1戦の週はJ1リーグ戦は無かったが、同日に開催されたルヴァンカップ決勝にセレッソが出場した。昼開催のルヴァンカップが国立競技場、夜開催の日本シリーズは明治神宮野球場開催だったが、この2会場の距離感は長居スタジアムのバックスタンドからヨドコウ桜スタジアムに行くくらいの距離感覚である為、ビジターゲームに伴うチケット争奪戦を度外視すればハシゴは最も容易だったと言える。なお、セレッソは2017年にルヴァン決勝に進んだ際も日本シリーズ(DeNAvsソフトバンク)と試合日が被っている。
そのルヴァン決勝ではセレッソは後半に先制しながらも退場者を出して数的不利となり、アディショナルタイムの2失点によってルヴァンカップ史上に残る逆転劇の悲劇の側に回る事となった。オリックスは初戦で絶対的エースの山本が4回までに4失点を喫する事態となり、そのビハインドを取り返せないまま敗北した。
その後オリックスが持ち直した事で前年同様に2週目に辿り着き、前年とは逆でJリーグがカタールW杯との兼ね合いにより1ヶ月日程が前倒しになった為、前年同様にホーム最終節と日本シリーズが重なった。ACL出場の可能性を残していたセレッソは同じ関西圏で残留争いに巻き込まれていた京都と壮絶な試合展開の末にスコアレスドロー。一方、試合前の時点では降格決定の可能性もあったガンバは、遠藤保仁の凱旋試合となった磐田を相手に後半の2ゴールでなんとか勝利を収めて15位に浮上。一時は絶望的とも言われた残留への糸口を掴んだ。
勝てば王手をかけられるオリックスは先発の山﨑福也が5回を1安打無失点で抑えると打線も6回にリードを奪う。そこからは宇田川優希→平野佳寿→山﨑楓一郎→ワゲスパックが1イニングずつ投げて4イニングをノーヒットリレー。圧巻のブルペン力を見せつけて王手をかけ、翌日に優勝を果たした。
大阪ダービーはこれからも続きます。阪神とオリックスが今謳歌している栄華がいつまで続くかはわかりませんが、歴史の中で関西対決が最後という訳ではないでしょう。
ただ、大阪ダービーと関西対決の日本シリーズが重なり、当然ガンバサポやセレッソサポの中にもそれぞれ阪神ファン・オリックスファンがいる訳で、その関係性を入れ替えながら御堂筋線に乗り込んでいく…ハレー彗星でもぶつかったかのような機会は最初で最後になるかもしれません。
「2023.10.28 大阪が日本で一番熱くなる日」──セレッソのキャッチコピーに丸乗りする形になりましたが、この日は大阪に熱い視線が強く注がれる事でしょう。このヒートアップ感、お祭り感に身を委ね、後悔のないよう味わい尽くしたいところです。
後悔してるわ!チケット欲しかったんだよ!!1枚も買えてねえんだよ!!!なんでよりによってCS(払い戻し)は当たってんだよ!!!!
ではでは(´∀`)