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意思が作用する前に〜明治安田生命J1リーグ第31節 名古屋グランパス vs サガン鳥栖 マッチレビュー&試合考察〜

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日本シリーズ取れんかったあぁぁぁぁぁぁぁ

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第31節、名古屋グランパスvsサガン鳥栖の一戦です。

 

 

 

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Jリーグもいよいよ残り4試合となりました。

一時は神戸とマリノス、そして名古屋の三つ巴と見られた優勝争いでしたが、気がつけば神戸とマリノスのマッチレースに近い様相を呈すると共に、この2者を低い可能性で3位浦和と4位名古屋が追いかける展開となりました。

序盤戦は躍進した名古屋でしたが第23節鹿島戦の勝利を最後に6戦未勝利に陥っており、優勝争いからは一歩後退。優勝は相当厳しい状況に追い込まれています。それでも前節はG大阪に対して苦しい展開ながら1-0で久々の勝利を挙げました。可能性はかなり低いとはいえ、ここからミッションインポッシブルを現実のものとする事が出来るのでしょうか。一方、鳥栖は今季も上位ではないものの、確かなサッカースタイルを持って積むべきところでしっかりと勝点を積みながら残留争いに絡まない位置を常にキープ。引き分け以上で残留決定です。引き分けでも残留の決まる鳥栖と、引き分け以下で優勝の可能性がなくなる名古屋。終盤らしい要素をお互いに持ち合わせる一戦です。

両チームスタメンです。

 

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名古屋は前節G大阪戦からはスタメンを2人変更。前節は出場停止だった森下龍矢が左WBに復帰し、今日はユンカーをワントップに永井謙佑と和泉竜司がシャドーに入る形になりました。DFには河面旺成が負傷離脱となったので野上結貴を右CBで起用。野上は最近は右WBの出場が多かったので、CBとしての先発は久々となりました。

鳥栖はドローとなった前節新潟戦からは先発を2人変更。ボランチは手塚康平から藤田直之に代え、CBはファン・ソッコから福田晃斗に変更。ベンチメンバーは新潟戦に引き続きDFを登録せずFW登録を4名入れる特徴的なメンバー構成にしてきました。

 

 

 

本日の会場は岐阜県岐阜市岐阜メモリアルセンター長良川競技場です。

 

 

名古屋のホームスタジアムは豊田スタジアムですが、今年は11月に豊田スタジアムにて「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」が開催される事に伴い、瑞穂陸上競技場も改修中である事から名古屋は残りのホームゲームはいずれも岐阜メモリアルセンター長良川競技場で開催する事となりました。

現在はFC岐阜がホームスタジアムとして使用していますが、長良川は名古屋にとっては1999年まで準本拠地、特に1997年頃まではそれこそ瑞穂くらいの頻度で試合を開催していたスタジアムであり、伝説のドラガン・ストイコビッチの豪雨リフティングドリブルが生まれたのもこの場所。名古屋にとって岐阜でのホームゲームは1999年5月の清水戦以来(アウェイゲームも含めれば2017年10月の岐阜戦以来)です。Jリーグ30周年の今年に名古屋が思い出深い地でホームゲームを開催する運びとなりました。

 

 

開始15秒でキャスパー・ユンカーが惜しいシュートを放つところから始まったこの試合。試合の主導権を握っていたのは名古屋の方で、8分には自陣からのボールに対してユンカーが粘ると右サイドにパス。抜け出した久保の折り返しを一度はGK朴一圭が弾いたところに稲垣祥が詰めましたが僅かにゴールならず。

しかし名古屋がこの決定機を逃した直後の10分でした。鳥栖は自陣からビルドアップで繋ぐと、菊地泰智の絶妙なロングフィードに抜け出した長沼洋一からパスを受けた堀米勇輝のクロスに小野裕二が合わせて鳥栖が先制…かと思われましたが、このゴールは長沼の時点でハンドを取られてゴール取り消しに。

 

 

 

ただ試合としてはやはり名古屋ペースで進んでいました。ユンカーが前線で相手DFを引きつけつつ、どちらかといえば今日は最前線でのチャンスメイク的な動きを披露。23分には稲垣のパスを受けたユンカーのタメから和泉竜司と久保の連携から最後は久保がチャンスに持ち込む場面もありました。29分にも森下龍矢がミドルを放ち、ここはGK朴がセーブ。30分には中谷進之介の縦パスを受けた和泉が反転からシュートを放つもポスト。それでも小野の幻のゴールを除いては名古屋の方がチャンスを作っていく試合展開で時間は進みます。

 

 

 

果敢なプレスでリズムを作った名古屋は40分、鳥栖のビルドアップを引っ掛けた永井謙佑が一気にチャンスを迎え、自らシュートを流し込んで名古屋が先制!…かと思いましたが、序盤の鳥栖に続いて今度は永井がハンドを取られてノーゴール。

鳥栖も自陣からのビルドアップを徹底して自分達のサッカーを遂行自体は出来ていましたが、前半は名古屋がかなり優勢の展開で終えます。

 

 

鳥栖は後半から藤田直之を下げて手塚康平を投入。

後半、スコアじゃないところで早々と試合が動きます。50分、自陣から森下がグラウンダーの長い縦パスをユンカーが受けると巧みに山﨑浩介をかわして単独突破。一気に抜け出そうとしたタイミングで山﨑は思わずユンカーを倒してしまい、これがDOGSOと判定されて山﨑は一発退場。名古屋は後半開始早々に数的優位を手にします。

 

 

 

名古屋は61分に永井を下げて中島大賀を投入。鳥栖も64分に小野と堀米を下げて冨樫敬真と横山歩夢を投入し、DFラインは原田亘をCBに、長沼をSBにスライドさせる形で4バックを維持させます。

そして65分でした。名古屋は素早いリスタートから米本拓司が左サイドに展開すると上がってきた藤井陽也が森下とのパス交換から絶妙なクロスをファーサイドへ。飛び込んだ久保の折り返しをゴール正面でユンカーが押し込み遂に名古屋先制!

 

 

1点をリードした名古屋はさすがに序盤ほどのハイプレスという訳ではなくペースとしては落ち着かせた形になっていましたが、それでも鳥栖に主導権は握らせないようにゲームを進めるながらリードを守り切る体制を見せていました。そんな中で鳥栖は日野翔太、西川潤を立て続けに投入。名古屋も運動量を担保しようと前田直輝や内田宅哉を送り込んで終盤戦にもつれ込みます。

すると89分でした。右サイドでボールを受けた西川からショートパスを繋いで左サイドの横山までボールを回すと、横山がドリブルで左サイドを打開。そのまま上げたクロスをニアサイドで合わせたのは冨樫!!一人少ない鳥栖が途中出場の2人の活躍で同点に追いつきます!!

 

 

1人少ない相手に終盤に追いつかれた事実はただでさえ不振の名古屋に精神面で大きなダメージを与え、最後はパワープレー気味に攻め上がった中谷がGKとの交錯であわやPKという場面もありましたが…それ以前に中谷がDFに対するファウルを取られていた事でPK獲得ならず。試合は1-1で終了。この結果、鳥栖は残留が決定。一方の名古屋は優勝の可能性が消滅し、優勝は神戸・マリノス・浦和の3チームに絞られました。

 

 

 

前半の名古屋は悪くないアプローチだったと思います。お互いに積極的にプレスをかけようとする中で、今日の名古屋はユンカーをフィニッシャーというよりも最前線で攻撃の起点として使う意識が高かったように見えて、まずユンカーを裏抜けよりも高い位置からポストプレー的な動きを求める事でユンカーの位置を軸に鳥栖のDFラインが押し下がるような状況になっていましたし、それによってミドルゾーンに中盤の選手が入ってこれるスペースは多く作れていました。例えばボランチや3バックから一気にユンカーまで当てて、そこから和泉や永井のシャドーと森下・久保の両WBが絡む形で攻撃の流動性は常に保てていましたし。そう考えれば前半でどうにか1点は取るべきゲームではあったと思いますが、その攻撃パターン自体は終始上手くやれていたと思います。

ただ、鳥栖鳥栖で自分達のやろうとする事は崩さないチームですから、逆に言えば数的不利ゆえにやるべきことがクリアになった部分もあって、状況の割に鳥栖が焦る理由もありませんでした。なので名古屋がリードして自分達でラインを下げるようになってくると、鳥栖はずっと名古屋に押されるような時間が続いていながらも自分達のリズム自体は実は失っていなかった。そこはポイントとして大きかったのでしょう。結局終了間際の同点弾も鳥栖の志向するスタイルで取り切った訳ですから、そこはチームコンセプトが不振に喘ぐ中でで少し揺らいでいる名古屋と、不振でもコンセプトを徹底し続けてきた鳥栖との戦い方への自信の差は作用したのかなと。結果的に今日の名古屋はいつも以上にユンカーありきな部分はありましたし、そこがいなくなった事で攻撃の深みを出せなくなった……鳥栖のラインを押し下げる事が出来なくなったので、前半のような前提条件とも言うべき土壌が作れなくなってしまった。そうなれば鳥栖が前進して良さを出し始めるのは自然の流れだった訳で。戦術・流れ・直近の結果による精神状態……色んなものが作用したドローゲームだったように感じました。

 

 

長良川〜キムタク〜

ではでは(´∀`)