「Jリーグクラブライセンス制度」とはなんぞや?についてざっくり解説してみた。

今夏マジでどうしよう…。

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて先日、サガン鳥栖が経営危機に陥ったという報道が出た話についてはこのブログでも何度か取り上げましたが……今回はその記事中でも出てきた単語について。

「『Jリーグクラブライセンス』とはなんぞや?」

…という事で、聞き慣れない方も少なくはないでしょう……今更聞きにくい「Jリーグクラブライセンス制度」について解説していきたいと思います。

 

 

 

Jリーグクラブライセンス制度」というのは「ライセンス制度」との名の通り、Jリーグに於けるプロクラブとしての資格制度のことです。事前から報道はちょこちょこされていましたが、2011年に当時の大東和美チェアマンが同制度の導入を明言。2012年1月17日に2013年からの制度導入が正式発表されました。クラブライセンス制度自体は元々ドイツが導入したことをきっかけにUEFAAFCなどの連盟機関も導入するようになりました。

日本ではJ1ライセンス」「J2ライセンス」「J3ライセンスの3段階が設定されており、その名の通りJ1に参加する為にはJ1ライセンス、J2に参加する為にはJ2ライセンスが必要になっていて、J2ライセンスを交付されているチームはJ2で優勝してもJ1に昇格出来ないシステムになっているんです。その場合、進出条件を満たしていてもJ1昇格プレーオフにも出場出来ないシステムになっています(2014年のギラヴァンツ北九州、2018年のFC町田ゼルビア)。逆にJ1チームがJ1ライセンスを失う、J2チームがJ2ライセンスを失った場合は下位カテゴリーに降格する措置が取られるシステムにもなっていて、毎年9月下旬頃に審査結果が発表されて来季の所属カテゴリーに関わってくる…という流れになっています。

昇格出来ないとか降格させられると聞くと一見酷っぽくも聞こえますが、このクラブライセンス制度に関してJリーグ「クラブをふるいにかける制度ではない」としており、クラブの経営基盤を強化して競技や育成の環境を整えて「社会資本」としての役割を担う事、そして導入直前の2009年に大分トリニータ東京ヴェルディが経営危機に陥り、Jリーグには1998年の横浜フリューゲルスの一件もあるので、基準を設けることで各クラブが健全経営に向けて努力し、第二、第三のフリューゲルスが出てくるような事態を避ける事が目的になっています。

 

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このクラブライセンス制度で審査項目となるのは大きく分けて「競技」「施設」「人事組織」「法務」「財務」の5分野となっており、細かく分けると全56項目が設けられています。

この56項目にはそれぞれA〜Cの等級が定められており、A等級は「ライセンス交付のために無条件に必須とされる基準」、B等級は「達成しなかった場合に処分が科せられた上でライセンスが交付される基準」、C等級は「必須ではないが推奨される基準」と定められています。要するに、Aは満たしていないとライセンスが交付されない、Bは満たしてなくてもライセンスは交付するけれどペナルティはあるよ、Cはあればいいなー…っていう感じです。雑に言うと。例えば競技規則だと「アカデミーチームを保有していること(A等級)」「女子チームを保有していること(C等級)」などがあり、要するに女子チームは無くてもライセンスは与えられるけど、Jリーグに参加する為にはアカデミーチームは必須…という事です。

近年、ガンバ大阪(Panasonic Stadium Suita)や京都サンガFC(サンガスタジアム by Kyocera)のように新スタジアムを稼働させたクラブ、もしくはサンフレッチェ広島などのように新スタジアム建設を計画しているクラブが多いのは、自治体の所有する随分昔に建設した本拠地が施設基準のところで引っかかってしまうという事例が多い事も一因となっています。J2、J3クラブがJ1ライセンスの交付申請で一番引っかかりやすい部分がここです。施設基準ではスタジアムに関して結構色々な基準が定められており、例えば「スタジアムの入場可能人員がリーグの規定(J1は15,000人、J2は10,000人)を上回っていること(A等級)」「スタジアムの観客数(2013年より収容人員数の60%に改定)1,000名あたり、洋式トイレ5台以上、男性用小便器8台以上を備えていること(B等級)」など。

勿論、既に新スタジアムの計画が固まって実行に向かって具体的に動いている場合は例外として制裁が免除されたり、上位ライセンスの交付が認められる場合もあります。

 

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そして、今回の鳥栖の件がさらに悪化すれば問わられるであろう部門は当然財務基準です。

前提として、Jリーグライセンス交付の為には監査済みの年次財務諸表を提出してJリーグの審査を受ける事がA等級扱いされており、その上で3期連続の赤字でない事、および債務超過状態でない事が必須条件となっています。2018年から多少緩和されて「(3期連続赤字でも)前年の赤字額か純資産額を上回っていないこと」で交付が受けられるように改定されました。狙いとしては「クラブに財務体力に応じた投資を促すこと」とされています。

要するにこの一文がクラブライセンス制度の目的の大部分と言えるもので、2009年の大分に代表されるような無謀な経営を阻止する事、各クラブが身の丈に合った経営を行う事がJリーグクラブライセンス制度の意義と言えます。ある種、このクラブライセンス制度が機能している事は破産するようなクラブを著しく減らす機能は確かに持っていて、Jリーグが「給料の未払い・遅配のほとんど無いリーグ」と外国人選手からも言われるような運営が出来ている一因となっているのは確かです。頻繁にある話ではないですけど、Jリーグでは殆ど聞かない上記のワードも海外のリーグでは別に珍しい話ではないですからね……。

 

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ただ今季は新型コロナウィルスの影響が甚大なので、財務基準に関しては一部例外が設けられる可能性はあるかもしれませんね。

ではでは(´∀`)