今の現状全てがエイプリルフールであればいいのになんてどこか異質な4月1日。
どーもこんばんは
3ヶ月前にはこのような事態になるとは全く想像しておらず、なんなら1ヶ月前でもここまでの事態になるとは予想もしていませんでした。なんやかんやで月末まではエンタメも一定の機能を有していた2月に対し、この3月はまさしく「失われた3月」みたいで…。
サッカー界では3月17日にJFA田嶋幸三会長が新型コロナウィルスの観戦が確認され、3月30日には恐らくJリーガーのみならず現役日本人選手としては初めてヴィッセル神戸の酒井高徳がPCR検査にて陽性認定となりました。
そんな中、2020年に予定されていた東京オリンピックの延期に伴い、日本代表とU-23日本代表の監督を兼任していた森保一監督をA代表に専念させる…という報道が。
五輪代表の監督については、契約としては2020年…当初予定のオリンピック終了までの契約となっています。即ち、森保監督が延期された東京五輪でも監督を務める為には2020年で切れる契約を延長・更新する必要があるのですが、そもそも延期になったのはオリンピックだけではなく全てのスポーツイベントな訳で、2021年にはそれこそサッカー日本代表にとって死活問題となり得るカタールワールドカップ予選がぎゅうぎゅうに詰め込まれる事が予想されるのです。
そこで今回の報道では、森保監督のU-23日本代表監督としての契約を2020年で満了とし、森保監督をA代表の監督に専念させると同時に五輪代表には新たな監督を正式に迎える…と。
これまではA代表と五輪代表のスケジュールが被った時は横内昭展コーチが五輪代表の代行で指揮を執っていましたが、この代行システムは五輪代表の試合が親善試合だった事、公式戦(五輪予選)とは言っても開催国枠で出場できる日本には実質親善試合となる試合だったから成立していたようなもので、東京五輪かW杯最終予選を代行監督で戦うのはチーム作り等の観点から余りにも無謀である事は確かです。
……じゃあ五輪代表の監督って誰になるの?
例えばJFAが誰か外国人監督をリストアップしているのなら予想の難易度はめちゃくちゃ上がるのでもう書きようがないのですが、現時点で可能性が少なくとも低くはなさそう、高そうな方を考えてみようと思います。
まず第一に、監督は日本人である可能性の方がかなり高いです。それはU-23日本代表の監督を交代したとしても、それは「森保監督解任」ではなくあくまで「森保監督をA代表に専念させる」という形になっている以上、JFAが日本人スタッフ体制を崩す事は考えにくいです。また、現在Jリーグで指揮を執る監督にしても、それこそクラブとJFAの兼任を認めない限り可能性はゼロに近いでしょう。今のサッカー関係者は誰もがイビチャ・オシムを引き抜かれたジェフ千葉の顛末を知っている以上、簡単に首を縦に振るクラブがいるとは考えられません。可能性があるとすれば実績のある優秀なJリーグの監督が6〜9月頃までに解任されてフリーになった場合だけかと。
その点を踏まえて現実的に考えられる人物を何人か挙げていきます。
候補①
生年月日:1967年11月30日(52歳)
現職:日本代表コーチ兼U-23日本代表コーチ
主な監督経験:※サンフレッチェ広島(2017)、五輪日本代表(2019)
監督としての主な実績:トゥーロン国際大会準優勝(2019五輪日本代表)
※いずれも正式な監督就任ではなく代行監督。
現状のチーム状態などを一番把握しているのは間違いなく横内コーチです。それは森保監督の下でずっとコーチをやっていたというのが大きな理由ですが、そもそも森保監督がA代表を優先してチームを離れていた時に五輪代表の方に残って監督代行を務めていたのは横内コーチ。その点では森保監督よりもチーム状態を把握しているとも言えますし、2019年はトゥーロン国際大会で準優勝、親善試合とはいえ昨年10月にはU-23ブラジル代表にも勝利しています。内部昇格させるならば最もスムーズに物事が運ぶ人事であるのは間違いありません。
ただ、横内コーチの監督としての実績は広島のコーチを務めていた2017年に代行監督として指揮を執った1試合と前述のように森保監督がA代表に行っている間の数試合のみ。正式な監督経験はゼロです。誰しもがゼロから始まるのでそればっかりを言っても仕方ないのは確かですが、さすがにその一発目の舞台が東京五輪になると……という点が懸念される点かもしれません。
ただ、いずれにしても横内コーチに関しては前述のようにU-23をチームを最も把握している人物ですから、兼任させるか専念させるかは別としても軸足はU-23に置いておいてほしいかと。
候補②
生年月日:1960年10月26日(59歳)
主な監督経験:川崎フロンターレ(2004〜2008、2009)、五輪日本代表(2010〜2012)、ジェフユナイテッド千葉(2014〜2016)など
監督としての主な実績:J2リーグ優勝(2004川崎)、J1リーグ準優勝(2006、2009川崎)、ロンドン五輪4位(2012)など
候補①〜③の3人はいずれも内部昇格型ですが、内部昇格の形式を採ると可能性が高くなるのはやはり関塚氏です。現職としてはチームダイレクターとして、A代表と五輪代表を統括するポジションに就いています。
関塚監督は五輪代表監督経験者の一人です。五輪後に監督に就任した磐田と千葉では結果を出せたとは言い難いものの、2012年ロンドン五輪では割り切った戦術を採用して優勝候補スペインを初戦で撃破。3位決定戦で惜しくも韓国に敗れてメダル獲得はなりませんでしたが、銅メダルを獲得した1968年メキシコシティー五輪以降では最高成績となる4位にチームを導いた今の日本で最も五輪の好成績を残した監督となります。前述のように直近の監督成績は良いものではありませんでしたが、それに関してはロシアW杯前の西野朗監督の時も同じ事を言われていたのでので見てみないとわからない部分もありますし。
ですが、ロシアW杯の時とは違って今は世界の情勢やスケジュールの動向がさっぱり読めないところが問題です。小刻みに変わりゆくカレンダーの中で、現場の統括者のポストを内部昇格を理由にコロコロ替える事の是非自体が関塚監督を昇格させるネックになるかもしれません。
候補③
生年月日:1964年3月8日(56歳)
現職:日本サッカー協会技術委員長
主な監督経験:アルビレックス新潟(2001〜2005)、五輪日本代表(2006〜2008)、松本山雅FC(2012〜2019)など
監督としての主な実績:J2リーグ優勝(2003新潟、2018松本)、北京五輪出場(2008)など
2018年のロシアW杯直前、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督を解任した際に内部昇格する運びとなったのは当時技術委員長を務めていた西野朗氏でした。その時の方式をそのまま当てはめるなら、現在の技術委員長である反町康治氏という事になります。前述のように、現場の統括者をコロコロ替える事がこの時期正しいのかどうか…という部分に於いて、ナショナルチームダイレクターという技術委員長よりもう一つ上のポストを作った事も考えれば話の辻褄は合います。
関塚氏と同様、反町氏も五輪代表監督経験者で2008年北京五輪の監督を務めています。結果は3戦全敗と近年の五輪では最低の成績となってしまった一方、反町監督のチームから本田圭佑、香川真司、長友佑都、内田篤人、岡崎慎司など日本サッカー史に残る活躍をする選手が多く輩出された事もあって、反町氏の五輪代表監督としての評価は未だに育成面を重視して考えるべきなのか結果を重視して考えるべきなのか結構人によって分かれている状況とも言えます。
候補④
生年月日:1973年10月10日(46歳)
主な監督経験:ベガルタ仙台(2014〜2019)
監督としての主な実績:天皇杯準優勝(2018仙台)など
ここからは外部招聘型。まず候補として考えられれのは昨年限りで仙台の監督を退任した渡邉晋氏でしょう。行き先が代表であるかどうかは別にして、少なくともフリーにさせておくのが惜しい人材である事は確かです。
2014年4月から仙台の監督に就任すると、開幕ダッシュに躓いた仙台を見事に建て直して残留に導き、現在に至るまでJ1の地位を維持し続けてきました。一桁順位が一つもないのは知識ゼロで見れば今ひとつにも映るかもしれませんが、予算規模が小さく毎年のように主力選手が上位クラブに移籍してしまう仙台でJ1に残留し続ける難易度は低くありません。監督としては年齢も若く、少なくともパリ五輪の代表監督候補には既に名前は上がっていると思います。これまでは限られた戦力でやりくりを強いられていた渡邉氏が戦力を選べる立場になった時、どんな手腕を発揮するかは気になる部分もあります。
候補⑤
生年月日:1967年9月18日(52歳)
現職:柏レイソルヘッドコーチ
主な監督経験:アビスパ福岡(2015〜2018)
監督としての主な実績:J1昇格プレーオフ優勝(2015福岡)など
反町氏、関塚氏、手倉森誠氏のように、近年の五輪代表監督には現職の森保監督を除けばJ1昇格経験者が多くいます。この3人と違ってJ2優勝では無かったものの、低迷していた福岡を就任1年目で昇格に導いた井原氏も候補になり得るのでは。無論、現在は柏でヘッドコーチを務めているので柏との交渉が先決ですが…。
井原氏を監督とした場合に大きいのは、プロレベルと呼べるカテゴリーの代表監督としては初めて日本代表としてFIFAワールドカップを経験した監督になるという事。選手経験ゼロで名を上げた監督もいるので必須条件ではないにせよ、Jリーグでもそういう人材が監督になりつつある今、新たなステージという意味でも悪くないのでは。
実際井原氏が福岡の監督を退任した際には森保ジャパン入閣も噂されましたし、ハンス・オフト監督率いる日本代表で一緒にやっていた事から森保監督との連携もある程度見込めるでしょう。
候補⑥
生年月日:1961年10月16日(58歳)
主な監督経験:川崎フロンターレ(2012〜2016)、名古屋グランパス(2017〜2019)
監督としての主な実績:天皇杯準優勝(2016川崎)、J1昇格プレーオフ優勝(2017名古屋)など
鬼木達監督就任以降圧倒的なポゼッションサッカーでJ1を連覇してルヴァン杯も制した川崎ですが、チームスタイルの意味でも主力育成の意味でもその礎を築いたのは風間氏です。名古屋での3シーズンは成功とは言えなかったかもしれませんが、川崎時代には中村憲剛や大久保嘉人を再ブレイクに導き、小林悠、大島僚太、谷口彰悟、車屋紳太郎といった選手を代表クラスまで育てた上で、関塚隆監督退任後スランプに陥っていたチームが新たなスタイルでの黄金期を迎える土台を築きましたし、世代別代表の監督には向いている監督でもあるのかなと思っています。
ただ、今回の東京五輪で一番求められているのは育成よりも結果だと思われるので、そういう意味で風間氏が適任かどうかは少し別。実際に2016年はリーグも天皇杯もあと一歩のところでタイトルを逃し、名古屋でも戦力に見合った順位を出せた訳ではありませんでしたから。何にせよ、もし仮に実現したら賛否両論はエグそう。
パッと名前を挙げるとこんな感じでしょうか。
ではでは(´∀`)