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カテナチオというスキル〜UEFA EURO 2020 準々決勝 ベルギー代表vsイタリア代表 マッチレビュー〜

試合終わったら走りに行こうと思ったのにクソ雨。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューUEFA EURO 2020 準々決勝、ベルギー代表vsイタリア代表の一戦です。

 

 

 

激闘が繰り広げられている欧州サッカーの祭典もいよいよ佳境。本日行われたスイスvsスペインの試合よりベスト8が幕を開けました!現在勝ち残っているチームにとっては、あの3つ勝てば栄冠に辿り着きます。

 

 

グループステージでは共に全勝と、文句のつけどころのないパフォーマンスを見せた両者も決勝トーナメント1回戦では苦しい戦いを強いられました。イタリアは伏兵と目されたオーストリア戦にて延長戦に持ち込まれ、長らく続いた無失点記録がストップ。ベルギーはポルトガル戦という潰し合いの構図になり、終盤は防戦一方の試合展開。それでもイタリアもベルギーも苦しいベスト16で最後は勝ち切って、準々決勝の舞台まで進んできたのです。

ノックアウトステージでは初対戦となる両者。思えば前回大会、イタリアとベルギーのEUROの冒険は共にベスト8で終わりました。あの時のベスト8の意味はこの2チームでは少し異なるものでしたが、それでも前回フランスの地で届かなかったベスト4への挑戦権を、今宵ドイツで奪い合います。

両チームスタメンです。

 

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ベルギーは負傷の影響で欠場となったエデン・アザール以外の10人はポルトガル戦と同じメンバーを起用。ポルトガル戦で負傷退場した事で出場が危ぶまれたケヴィン・デ・ブライネもスタメンに名を連ねました。アザールのポジションには19歳のジェレミー・ドクが抜擢されています。

イタリアは消化試合のウェールズ戦以外はスタメンで出ていたドメニコ・ベラルディが先発からは外れてフェデリコ・キエーザを起用。また、スイス戦で負傷退場してから欠場していたジョルジョ・キエッリーニが復帰しています。

 

 

本日の会場はドイツ、ミュンヘンのフースバル・アレナ・ミュンヘンです。

普段はバイエルン・ミュンヘンが本拠地としている事もあって「アリアンツ・アレナ」と言った方が馴染みがありますかね。2006年ドイツW杯に向けて建設され、同大会では開幕戦が行われたスタジアム。日本企業のAGC製の特殊フィルムで覆われた外観は世界のスタジアムで最も有名かつ美しいと言っても過言ではなく、なんでもアウトバーン走行中にスタジアムに気を取られて自動車事故が発生するケースも少なくないんだとか。というかアウトバーンから見えるアリアンツ・アレナってのがめっちゃ良いよね…。

準決勝以降は全試合ロンドンのウェンブリー・スタジアム開催なので、ミュンヘンでの試合は今日が最後。ですがEURO2024はドイツでの開催が予定されており、このスタジアムも当然その会場リストに入っています。となると、このスタジアムは史上初「2大会連続でEUROを開催したスタジアム」になる可能性が非常に高くなっています。

 

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試合は立ち上がりから前線からの積極的なプレスを武器にしてきたイタリアが前へ前への圧力を強めていき、逆にベルギーは全体的には最前線のロメル・ルカクにロングボールを当てる、或いは一気にロングカウンターで攻め込むなどシンプルな攻撃の形を重視して行きました。イタリアはレオナルド・ボヌッチのゴールが取り消されるシーンこそあったものの、好機を多く作ったのはベルギーの方で、26分にカウンターから突破を仕掛けたルカクのシーンなど、イタリアはGKジャンルイジ・ドンナルンマの好セーブに助けられる場面も2度ほど。

 

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ですが31分、先制したのはイタリアでした。ベルギー守備陣のミスが2度ほど続いたところからゴール前での混戦に持ち込むと、最後はその混戦を文字通り突破するように押し出たニコラ・バレッラの豪快な一撃がネットに刺さって試合が動きます。

更に前半終了間際には左サイドでボールを持ったロレンツォ・インシーニェがドリブル突破を開始。少しカットイン気味に得意なシュートパターンに持ち込むと、そのままゴールの右に美しい軌道を描いたシュートを決めてイタリアがあっという間に2点リード!

 

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ベルギーにとってはちょっと厳しくなったかな…と思われましたがまだ前半は終わりません。前半アディショナルタイム、抜擢されながらもここまであまり存在感を見せていなかったドグでしたが、ミドルゾーンからドクが一気にトップギアで加速を図るとジョヴァンニ・ディ・ロレンツォに倒されてPKを獲得。これをルカクが落ち着いて沈めて1-2!イタリアのリードは1点となって後半へ。

 

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後半はイタリアもチャンスは作りますが、やはりベルギーの圧力が強くなっていきます。61分、ベルギーは左サイドをデブライネが抜け出して折り返すと、GKドンナルンマの裏をかいたところにボールが行ってそこに飛び込んだのはルカク!…でしたが、ギリギリのところでスピナッツォーラがカバーに入って同点弾を防ぎます。

 

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69分にベルギーはトーマス・ムニエとユーリ・ティーレマンスを下げてドリース・メルテンスナセル・シャドリを同時投入。デブライネをボランチに落として攻撃的なシステムで反撃に出ます。ですが直後にシャドリがチャンスを作ったのは良かったのですが……その際に筋肉系のトラブルを起こしてしまい、シャドリは僅か5分で再び途中交代。その後もベルギーは攻撃の推進力は取り戻していましたが、最後の一押しがなかなか足りない時間が続きます。

 

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終盤、ベルギーはルカクをターゲットにシンプルな攻撃を徹底して続け、ドクやメルテンスがそれを拾うことで猛攻を続けていました。しかしイタリアのボヌッチ&キエッリーニ堅すぎるCBコンビを軸にしたイタリアの前に最後まで同点に追いつけず。GKティボー・クルトワも攻撃参加してのCKが実らなかった瞬間に試合終了。イタリア、2012年大会以来のベスト4進出です!!!!

 

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例えばチェーザレ・プランデッリ監督が率いたEURO2012、或いはアントニオ・コンテ監督が率いた前回大会では前からの積極性が際立っていたイタリア。それは今大会はより一層顕著で、良い意味でイタリアにとっての原動力になっていたんですけど、今日の勝ち方はTHE・カテナチオでしたね。ルカクの決定機を阻止したスピナッツォーラのブロック、アディショナルタイムのクロスをカットしたキエッリーニカバーリング……個の力でもぎ取ったバレッラとインシーニェのゴールも含めて。大会をトータルで見た時に、今のイタリアらしさと伝統的なイタリアらしさをハイブリッドさせたような色が見えました。ベスト4に値するチームだったと思います。

ベルギーに関しては……ベルギーは正直難しい要素が多かったと思うんですよ。大会直前のCL決勝でデブライネが負傷したりしてコンディションが整わない選手が少なくない中で、試合会場がロシア→デンマーク→ロシア→スペイン→ドイツというなかなかしんどい日程を組まれてしまった。コンディション問題に加えてこのスケジュールが追い討ちをかけたところは否定できないでしょう。今日だけでなく、決勝トーナメントに入ってからのポルトガル戦も若干単調な攻撃になってしまったのはそのあたりの部分もあるのかなー…と。

 

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いい感じに眠くなったら急に晴れた。

ではでは(´∀`)